大統領

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大統領(だいとうりょう、: President)は、共和国元首、もしくは政府の長の呼称の一つ。

国によって、正式には共和国大統領連邦大統領と称することもある。

語源[編集]

英語president(大統領の場合語頭は大文字)は、ラテン語動詞で「前に座る」「主宰する」などを意味していた「praesidere」に由来している。役職名としては元来は「組織の長」の意味で用いられ、その後、大学の総長や国家の元首会社社長等のその他様々な団体の長の役職名として用いられるようになった。

アメリカ合衆国の建国時に、国家元首の呼称として権威的な響きのない語を求めて初めて採用され、後に生まれたヨーロッパ系の諸共和国においても、アメリカ合衆国に倣ってこれと同系統の自国語を国家元首の呼称に採用した。また、非欧州文化圏の国家において共和制を施行した時には "President" の自国語訳を、国家元首の呼称とした。

語彙[編集]

「President」の訳語としての「大統領」という言葉は、江戸時代幕末に「President of the United States of America(アメリカ合衆国大統領)」の訳語として「偉大な統領」という意味合いで用いられ始めた。公式文書としては「日米修好通商条約」に「亞米利加合衆國大統領」と用いられたのを初めとして、以後日本では国家元首たる「President」の訳語として「大統領」という言葉が用いられている。現在「大統領」という言葉を使用しているのは日本と韓国である。同じく漢字文化圏の中国では「総統ないし大総統」という訳語を用いている。

各国の制度[編集]

大統領制
大統領が議会に対して依存せずに、行政の任を負う体制。アメリカ合衆国大韓民国など。このような体制を取る国では内閣がないこともある。
象徴儀礼的な役目のみの大統領
大統領は象徴、儀礼的な役目を果たすのみで、実際の行政は議会が選出した首相が行っている場合は議院内閣制に分類される。ドイツイタリアイスラエルインドなど。
半大統領制
儀礼的な役目だけではなく実質的な権限を持った大統領と、立法府に責任を負う行政府(内閣)の長たる首相と、双方が存在し、共に行政の機能を有する体制。フランスロシアなど。
国家主席
社会主義国家の元首職。中華人民共和国金日成在世中の朝鮮民主主義人民共和国[1]ベトナム社会主義共和国ラオス人民民主共和国で国家主席制を採用しており、上記4か国の政府は、国家主席の英語での表記としてPresidentを使用している。中国の場合、この4か国の元首を国家主席と表記するものの、その他の共和制国家の元首は総統と表記している。ただし、国家主席にせよ総統にせよ、いずれも英語での表記はPresidentである。ベトナムではかつて漢字を使用していたため、元首職の漢字表記として主席を充てる(クオックグー表記はChủ tịch)。なお、ベトナムおよびラオスのPresidentについて、日本では「大統領」と訳す場合もあるが、日本の外務省は「国家主席」と訳している。
中華民国総統
中国語では、President総統と翻訳表記し、中華民国台湾)の大統領は、総統と表記される。日本においても、中華民国総統に関しては大統領ではなく、慣例的に中国語表記の総統を用いている。ただし、日本が中華民国を承認していた1975年以前の外交文書では、大統領と表記していた事例もある。中華民国総統は、1996年以前が寡頭政治の元首、1996年以後が民主政治の元首である。
アラブ首長国連邦の場合
同国では行政中心地である各首都の名を冠した首長国(世襲制)による連邦制(国家連合制)をとっているが、憲法規定により国家元首として大統領の称号を用いる。また首相の兼務役として副大統領も置かれている。なお、同国は世襲制による絶対君主国であり、憲法規定上では通常最高意思決定機関である連邦最高評議会 (FSC) より選出されるところ、近年においてはアブダビ首長のナヒヤーン家から大統領、ドバイ首長のマクトゥーム家から副大統領をそれぞれ選出されるのが慣例化されている状況にある。
行政の長でありながら国家元首ではない大統領
イランの大統領イラン)は、国家元首としての権能は持たず、単に行政の長としての役割のみであり、アメリカのように軍隊の指揮権は無い。元首、政府の長、軍隊の最高指揮権は宗教上のトップであるイランの最高指導者が持つため、大統領は事実上、超然主義首相のような役割である。ただ、最高指導者は宗教上の地位であるため、対外的に国家を代表する場合には大統領がその機能を果たしている。

各国の名称[編集]

比喩的用法[編集]

日常会話や芝居の掛け声において、相手を持ち上げる目的で「立役者」の意味で用いる場合がある。

脚注[編集]

  1. ^ 1994年の金日成の死後、同国の国家主席は空席となり、1998年の憲法改正で国家主席制は廃止された。ただし、1998年憲法では金日成を「永遠の主席」としている。

関連項目[編集]