デルタ・フォース (映画)

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デルタ・フォース
The Delta Force
監督 メナハム・ゴーラン
脚本 ジェームス・ブルーナー
メナハム・ゴーラン
製作 メナハム・ゴーラン
ヨーラン・グローバス
出演者 チャック・ノリス
リー・マーヴィン
音楽 アラン・シルヴェストリ
撮影 デビッド・ガーフィンケル
編集 アラン・ヤコボビッツ
製作会社 キャノン・フィルムズ
配給 日本の旗松竹富士
公開 アメリカ合衆国の旗 1986年2月14日
日本の旗 1986年5月24日
上映時間 128分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イスラエルの旗 イスラエル
言語 英語
次作 デルタフォース2
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アメリカン・トラベル・ウェイ 282便
出来事の概要
日付 1985年7月19日
概要 架空のハイジャック
現場 ギリシャ上空
乗客数 145
乗員数 8
生存者数 157
機種 ボーイング707
運用者 アメリカン・トラベル・ウェイ

デルタ・フォース』(The Delta Force) は1986年に公開されたチャック・ノリスリー・マーヴィン主演、人質救出を任務とするアメリカ陸軍特殊部隊デルタフォースの活動を描いたアクション映画メナハム・ゴーラン監督作品。

スタッフ[編集]

  • 製作総指揮:メナハム・ゴーラン
  • 監督:メナハム・ゴーラン、ヨーラン・グローバス
  • 脚本:ジェームス・ブルーナー、メナハム・ゴーラン
  • 音楽:アラン・シルヴェストリ
  • 撮影:デビッド・ガーフィンケル
  • 編集:アラン・ヤクボビッチ
  • プロダクション・デザイン:ルシサノ・スパドニ
  • 第2班監督:カルロス・ギル
  • スタント・コーディネーター:ドン・バイク
  • 軍事コンサルタント:ジム・モナガン

出演[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
TBS
スコット・マッコイ少佐 チャック・ノリス 小川真司
ニック・アレクサンダー大佐 リー・マーヴィン 納谷悟朗
ピート・ペターソン ウイリアム・ウォーレス 谷口節
ボビー スティーヴ・ジェームス 西村知道
ウッドブリッジ将軍 ロバート・ヴォーン 糸博
ベン・カプラン マーティン・バルサム 伊井篤史
イーディー・カプラン シェリー・ウィンタース 竹口安芸子
ハリー・ゴールドマン ジョーイ・ビショップ 北村弘一
シルビア・ゴールドマン レイニー・カザン 片岡富枝
オマリー神父 ジョージ・ケネディ 加藤正之
シスター・メアリー キム・デラニー
ディブラ・レヴァイン スーザン・ストラスバーグ
アブドル・ラファイ ロバート・フォスター 池田勝
キャンベル機長 ボー・スヴェンソン 仲木隆司
イングリット ハンナ・シグラ 吉田理保子

あらすじ[編集]

カイロアテネローマ経由ニューヨーク行きの旅客機アメリカン・トラベル・ウェイ(ATW)282便がアラブテロリストによってハイジャックされた。ハイジャック犯達は新世界革命機構を自称し、乗員乗客を乗せたままベイルートへ進路を変更する。 機長の機転により早期にハイジャック信号を管制塔へ送れた為、軍はニック・アレクサンダー大佐を呼び出し、人質救出任務を行う対テロ部隊デルタフォースを招集し出動させるよう命令する。 ベイルートにてAK-47小銃を携行したハイジャック犯の同志10数人が282便に乗り込み、代わりに人質の一部が降ろされ別の場所に監禁されてしまう。282便は離陸しハイジャック犯からアルジェへ向かうよう命令される。 アルジェ国際空港にて人質のうち女子供の解放が許されるが、その直後に突入しようとしたデルタフォースを、解放された282便の客室乗務員イングリットにより“人質は別の場所にもいる、制圧作戦が知られたらみんな殺される”と制止される。 結果、アルジェでの解放作戦は失敗、282便は離陸してしまう。デルタフォースは再度282便を追って一路ベイルートへ向かう。

撮影場所[編集]

この映画はほぼ全てがイスラエルで撮影された。メナハム・ゴーランとヨーラム・グローブスによって作られたGGイスラエルスタジオが主に活用された。 ベイルート空港、アルジェ空港、アテネ空港、テルアビブ空港のシーンは全てイスラエルベン・グリオン国際空港で撮影された。 そのため、一部の空港シーンにてヘブライ語の文字とイスラエル警察のエンブレムが確認できる。

史実との共通点[編集]

  • この映画は1985年に起こったトランス・ワールド航空 (TWA) 847便テロ事件を元にして作られている。
    • カイロ発アテネ-ローマ経由と共通である。
    • しかし、TWA847便の最終目的地はロンドンであった。
    • 二人のテロリストが乗り込み、三人目がアテネで拘束された。
    • ベイルートからアルジェに行く。
    • ハイジャック犯が客室乗務員にユダヤ人を呼び出すよう命令した。
    • 休暇中の米海軍ダイバーが一人殺され、空港の滑走路に落とされた。
    • 映画中のアメリカン・トラベル・ウェイ(ATW)はトランス・ワールド航空(TWA)のアナグラム
  • 映画中の人質救出作戦はエンテベ空港奇襲作戦の影響を受けている。メナハム・ゴーランは1976年にエンテベ空港奇襲作戦を舞台とした映画を監督している。
  • 映画冒頭でのシーンは1980年に起きたイランアメリカ大使館からの救出作戦 イーグルクロー作戦を元にしている。

ロケーション[編集]

  • 映画中に登場するC-130輸送機はイスラエル空軍から貸し出された物。
    • 冒頭 (C-130H シリアルナンバー102/4X-FBA・KC-130H シリアルナンバー436/4X-FBW)
    • アルジェから離陸する機 (C-130E シリアルナンバー208/4X-FBP)
    • 大西洋上・アルジェ着陸時・最後の撤収時 (C-130H シリアルナンバー106/4X-FBB)
  • 22年間グリーンベレーに所属していた米退役特殊部隊員ジム・モナガンがテクニカル・アドバイザーとして脚本作りに参加している[1]
  • アッサフ・ダヤン(レフィ・アミル役:イスラエル情報局員)はイスラエル軍リーダー モーシェ・ダヤンの息子。
  • 人質が拘束されている学校の建物のシーンでルーホッラー・ホメイニーの肖像を見ることができる。
  • 1977年に作られたメナハム・ゴーラン作『サンダーボルト救出作戦』から多数の俳優が再登場している。
  • 実際のデルタフォースの救出活動としては不正確(バギーカーやバイクなどで走り回ることはないとされる)。
  • 劇中チャック・ノリスが使用する特殊コンバット・バイク“ラピッド・アタック・ヴィーグル”はスズキSP600である。この映画の撮影のためにスズキは兵器等の武装を施し、供給した。
    • プログラムに記されたプロダクション・ノートによれば、サンディエゴのチェノース・レーシング・プロダクツが開発に当たったとされている。
  • 映画の中で使用されているボーイング707は、初期のプロダクションモデル707-139、シリアル番号17903。1960年5月13日のウェスタン航空に配属され、1964年にパンアメリカン航空に売却された。パンアメリカン航空時代の尾番号N778PAが確認できる。
  • 映画中のデルタフォースが使用している武器(サブマシンガンアサルトライフル)はイスラエル・ミリタリー・インダストリーズ社製のMiniUZI(折りたたみストック)とガリル、またバギーカーにはM60機関銃が搭載されている。
  • テロリストが使用している武器は主にAK-47AKMRPK(軍用車に搭載)等の旧東側自動小銃・軽機関銃を使用。ハイジャック時はコルト M1911(アブデュルが使用)、PM-63 RAK(Wz63)(ムスタファが使用)
  • パスポート回収の際に、ベン・カプランの腕に掘られた識別番号の入れ墨が映るシーンがあるが、これはナチスによるホロコースト絶滅収容所に収容されていた暗示である。イングリットはドイツ人(演じるハンナ・シグラも実際にドイツ人である)であり、そのことに気付き回収を躊躇した。(日本語吹き替え版ではパスポート回収・ユダヤ人の隔離シーンはカットされている)
  • 勧善懲悪的な本作であるが、ハイジャック犯が子供に人形を拾ってあげる、妊婦が楽になれるよう手配する、またハイジャック時に客室で乗員・乗客に銃口を向けるシーン等では銃のボルトやハンマーが後退しておらずそのままでは発射できない(操縦室ではコッキングされている)為、威嚇のために使っていると思われる等、ハイジャックシーンにおいてはテロリスト側が人質を人道的に扱っている描写がある。
  • リー・マーヴィン遺作となった。

オールスター・キャスト[編集]

公開時の宣伝コピーは、“豪華12スター10年に一度の夢の競演!”と題された。豪華12スターに数えられなかった当時、新人のキム・デラニーだったがポスターには囲みのスチールが加えられていた。公開時点でアカデミー賞受賞者3名、ノミネーター2名、公開後のノミネーター1名。ゴールデングローブ賞受賞者2名、ノミネーター5名、公開後のノミネーター1名。トニー賞受賞者1名。エミー賞受賞者3名、公開後の受賞者2名、ノミネーター1名。ハリウッド殿堂入り俳優が1名、公開後の殿堂入り俳優が3名。カンヌ国際映画祭/女優賞受賞者、ベルリン国際映画祭/男優賞受賞者、ベルリン国際映画祭/女優賞受賞者、ヴェネツィア国際映画祭/審査員特別賞受賞者、各1名。他多数の賞の受賞者、ノミネーター多数。

俳優 アカデミー賞 ゴールデングローブ賞 トニー賞 エミー賞 ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム その他の主な受賞
チャック・ノリス 映画部門
殿堂入り(1989)
ショー・ウェスト・コンベンションUSA
インターナショナル・ボックス・オフィス・スター・オブ・ザ・イヤー受賞(1982)
ショー・ウェスト・コンベンションUSA
アクションスター・オブ・ザ・イヤー受賞(1992)
TVガイド賞/フェイバリット男優賞
ノミネート(1999)
ゴールデンブーツ賞
受賞(2001)
リー・マーヴィン 主演男優賞
受賞(1966)
主演男優賞
受賞(1966)
主演男優賞
ノミネート(1970)
主演男優賞
受賞(1962)
ニューヨーク映画批評家協会賞/主演男優賞
第2位(1965)
ベルリン国際映画祭/男優賞
受賞(1965)
英国アカデミー賞/最優秀外国男優賞
受賞(1966)
ローレル賞/コメディ部門
受賞(1966)
ローレル賞/アクション部門
受賞(1967)
ローレル賞/アクション部門
受賞(1968)
マーティン・バルサム 助演男優賞
受賞(1966)
主演男優賞
ノミネート(1974)
主演男優賞
受賞(1968)
助演男優賞
ノミネート(1977)
ローレル賞/助演男優賞
受賞(1966)
英国アカデミー賞/助演男優賞
ノミネート(1976)
英国アカデミー賞/助演男優賞
ノミネート(1977)
ジョージ・ケネディ 助演男優賞
ノミネート(1968)
助演男優賞
ノミネート(1968)
助演男優賞
ノミネート(1971)
映画部門
殿堂入り(1991)
ローレル賞/助演男優賞
受賞(1968)
ゴールデンブーツ賞
受賞(1990)
ショー・ウェスト・コンベンションUSA
特別賞(1993)
ロバート・ヴォーン 助演男優賞
ノミネート(1960)
助演男優賞
ノミネート(1960)
新人賞
ノミネート(1961)
男優賞(ドラマ部門)
ノミネート(1965)
男優賞(ドラマ部門)
ノミネート(1966)
助演男優賞
受賞(1978)
助演男優賞
ノミネート(1979)
映画部門
殿堂入り(1998)
ローレル賞/新人賞・助演男優賞
ノミネート(1960)
英国アカデミー賞/助演男優賞
ノミネート(1970)
シェリー・ウィンタース 主演女優賞
ノミネート(1952)
助演女優賞
受賞(1960)
助演女優賞
受賞(1966)
助演女優賞
ノミネート(1973)
主演女優賞
ノミネート(1952)
助演女優賞
ノミネート(1960)
主演女優賞
ノミネート(1963)
助演女優賞
ノミネート(1967)
助演女優賞
受賞(1973)
助演女優賞
ノミネート(1977)
主演女優賞
受賞(1964)
主演女優賞
ノミネート(1966)
助演女優賞
ノミネート(1975)
映画部門
殿堂入り(1960)
ニューヨーク映画批評家協会賞/主演女優賞
第2位(1951)
ヴェネツィア国際映画祭/審査員特別賞
受賞(1954)
ローレル賞/助演女優賞
受賞(1960)
ローレル賞/助演女優賞
受賞(1966)
英国アカデミー賞/助演女優賞
ノミネート(1973)
英国アカデミー賞/助演女優賞
ノミネート(1978)
スーザン・ストラスバーグ 主演女優賞
ノミネート(1963)
英国アカデミー賞/新人賞
ノミネート(1957)
マール・デル・プラタ国際映画祭/女優賞
受賞(1961)
レイニー・カザン 助演女優賞
ノミネート(1983)
ゲスト女優賞(ドラマ部門)
受賞(1988)
全米映画俳優組合賞/キャスト賞
ノミネート(2003)
ジョーイ・ビショップ ローレル賞/新人賞
ノミネート(1962)
ロバート・フォスター 助演男優賞
ノミネート(1998)
サターン賞/助演男優賞
ノミネート(1998)
サターン賞/ゲスト男優賞(ドラマ部門)
ノミネート(2006)
全米映画俳優組合賞/キャスト賞
ノミネート(2012)
サターン賞/ゲスト男優賞(ドラマ部門)
受賞(2014)
ボー・スヴェンソン サターン賞
金賞受賞(1982)
キム・デラニー 女優賞(ドラマ部門)
ノミネート(1998)
女優賞(ドラマ部門)
ノミネート(1999)
デイタイム/助演女優賞(ドラマ部門)
ノミネート(1983)
助演女優賞(ドラマ部門)
受賞(1997)
助演女優賞(ドラマ部門)
ノミネート(1998)
助演女優賞(ドラマ部門)
ノミネート(1999)
全米映画俳優組合賞/アンサンブル演技賞
ノミネート(1996)
全米映画俳優組合賞/女優賞(ドラマ部門)・アンサンブル演技賞
ノミネート(1997)
全米映画俳優組合賞/女優賞(ドラマ部門)・アンサンブル演技賞
ノミネート(1998)
全米映画俳優組合賞/女優賞(ドラマ部門)・アンサンブル演技賞
ノミネート(1999)
TVガイド賞/フェイバリット女優賞
ノミネート(1999)
全米映画俳優組合賞/アンサンブル演技賞
ノミネート(2000)
ハンナ・シグラ ニューヨーク映画批評家協会賞/主演女優賞
受賞(1979)
ベルリン国際映画祭/女優賞
受賞(1979)
カンヌ国際映画祭/女優賞
受賞(1983)

その他[編集]

  • 後にチャック・ノリス主演の続編となるデルタフォース2(主題は麻薬戦争)、キャストを一新したデルタフォース3(主題は再びアラブ系テロリスト)が制作される。
  • 映画中に使用される曲はサウンドトラックとして発売されていたが、いずれも絶版となっている。
    • Milan LP A290(映画公開時に発売)
    • Concorde 9931(映画 ミッション・インポッシブルのボツスコアとのカップリング/海賊盤)
    • Milan CD CH 290 (映画 キング・ソロモンの秘宝とのカップリング)
    • Intrada ISE1022(スコア完全盤/限定1000枚)
    • TDF-19862006 (デルタフォース・デルタフォース2のサントラを網羅、ボーナストラックとしてデルタフォース3のテーマも収録。プロモ盤)
  • 使用されている楽曲のうち、The Deltaforce Themeはテレビ番組の「奇蹟の救出劇」映像で使用される定番のBGMとなっている。またThe TakeoverやThe Selectionsは報道番組・警察密着24時などのTV番組で、で緊迫した状況、凄惨な場面や事故等の映像BGMとして時々耳にすることがある。
  • Themeについては、ESPN on ABCで放送されているインディ500の放送にて、1988年から1998年及び2001年以降テーマ曲的扱いである。同様にNBCスポーツが放送する、インディ500と同じコースを使うブリックヤード400でもDelta Force Themeが使われているが、ESPN/ABC関係者は懸念を表明している。
  • メガフォース』(原題 MEGAFORCE、1982年)と共通部分が多く、混同されやすい。

クリティシズム[編集]

  • WMCAラジオ スーザン・グレンジャー
「最上級のアクションアドベンジャー。ギラギラするようなサスペンスと興奮に彩られたノンストップ・アクション。もし『ランボー』や『コマンドー』タイプの映画がお好きならば、あなたは100%満足させられるでしょう」
  • ニューヨーク・ポスト レックス・リード
「チャック・ノリスは悪を地獄に送り、大衆が望む物をすべて与えてくれる。『デルタ・フォース』は、スーパーマンがいなくなった後をうめてくれる、見事なスリラーだ」
  • ニューヨーク・デイリー・ニュース ジェイ・メイダー
「この作品は、観客を興奮の極致に送り込む。ゴーラン監督は、素晴らしいアクション映画の作り方の見本を、我々に示してくれる」

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]