ガボン

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ガボン共和国
République Gabonaise
ガボンの国旗 ガボンの国章
国旗 (国章)
国の標語:Union Travail Justice
(フランス語:団結、勤労、公正)
国歌La Concorde
ガボンの位置
公用語 フランス語
首都 リーブルヴィル
最大の都市 リーブルヴィル
政府
大統領 アリー・ボンゴ・オンディンバ
首相 ジュリアン・ンコゲ・ベカレ英語版
面積
総計 267,667km274位
水面積率 3.7%
人口
総計(2012年 1,630,000人(???位
人口密度 5人/km2
GDP(自国通貨表示)
合計(2008年 6兆5016億[1]CFAフラン
GDP(MER
合計(2008年 145億[1]ドル(107位
GDP(PPP
合計(2008年210億[1]ドル(113位
1人あたり 14,477[1]ドル
独立
 - 日付
フランスから
1960年8月17日
通貨 CFAフランXAF
時間帯 UTC (+1)(DST:なし)
ISO 3166-1 GA / GAB
ccTLD .ga
国際電話番号 241

ガボン共和国(ガボンきょうわこく)、通称ガボンは、中部アフリカに位置する共和制国家。北西に赤道ギニア、北にカメルーン、南と東にコンゴ共和国と国境を接し、西は大西洋ギニア湾に面している。首都はリーブルヴィル

国名[編集]

正式名称はフランス語で République Gabonaise (レピュブリク・ガボネーズ)。通称 Gabon(ガボン)。

国名の由来はポルトガル語の Gabão(水夫外套の意)から来ている。理由として、この国を流れるオゴウェ川の河口にある小高い丘の形状が水夫用外套のフードを広げたような形であったことから、大航海時代のポルトガル人がそれを指して叫んだことに因るものとする説がある。

公式の英語表記は Gabonese Republic (ガボニーズ・リパブリック)。通称 Gabon (ガボン)。

日本語の表記はガボン共和国。通称ガボン漢字表記加蓬

歴史[編集]

先住民としてバントゥー系民族が暮らしていた。

奴隷貿易[編集]

15世紀末にポルトガル人が渡来し、奴隷貿易を行った。ついで、オランダイギリスフランスが進出してきた。この地は奴隷貿易と象牙の集散地として栄えた。

フランス植民地時代[編集]

1885年にこの地域をフランスが占領した。1910年フランス領赤道アフリカの一部となり、この状態は1959年まで続いた。なお、アルベルト・シュヴァイツァーランバレネで医療・伝道活動を行っていたのは、このフランス領赤道アフリカ成立直後のことである。

独立[編集]

Topographic map of Gabon-en.svg

1960年8月17日にガボン共和国として独立した。初代大統領レオン・ムバガボン民主党 (PDG) を率いて、反仏派のジャン・イレール・オウバメのガボン民主社会同盟(UDSG)と連立政権を組んでいたが、ムバは独裁化していき、1963年には連立が解消され、1964年の議会選挙では強力な選挙介入を行った。これに反発したオウバメ派が同年クーデターを起こしたものの鎮圧され、さらに支配を強めたムバは事実上の一党制を樹立した[2]。ムバは1967年に死亡し、副大統領のオマール・ボンゴ・オンディンバがその跡を継いだ。ボンゴ政権は石油を中心とした経済成長の中で安定政権となり、1990年には複数政党制に移行した[3]ものの、ボンゴ大統領は1993年末の大統領選挙で5選を果たし、2009年6月8日に死去するまで41年余の長期にわたって大統領職を続けた[4]。息子で副大統領だったアリー・ボンゴ・オンディンバが2009年8月の選挙で第3代大統領に就任したが、選挙結果に不満を持った野党支持派による暴動が発生した[5]。2016年の大統領選でもアリー・ボンゴ・オンディンバが49.8%の得票率で再選され、反対派は議会に放火するなど暴動を起こした[6]

2019年1月7日ガボン軍の将校らによるクーデター未遂事件が発生した[7][8]

政治[編集]

ガボンは共和制大統領制を採用する立憲国家である。

国家元首である大統領国民による直接選挙で選出され、任期は7年と長く、また再選制限がない。大統領は強大な権力を憲法により保障されている。

内閣に相当する閣僚評議会首相および閣僚で構成されるが、実際の行政権は大統領が行使し、閣僚評議会はその執行機関に過ぎない。よってその権力は極めて小さく、大統領の補佐機関であるといえる。

議会は二院制で、上院 (91議席) と下院 (120議席) で構成される。上院議員は地方議会により選出され任期は6年。下院議員は国民の直接選挙で選出され任期は5年。

主要政党にはガボン民主党 (PDG) がある。PDGは旧独裁政党で、現行憲法により複数政党制が承認されてからも、議会内で圧倒的多数を占める支配政党である。他の主な政党には林業労働者国民連合 (RNB)、ガボン進歩党 (PGP)、民主共和同盟 (ADERE) があるが、いずれもPDG寄りか、政治勢力が小さいため、政権交代の可能性は極めて低い。

近年中華人民共和国の支援を受けて関係を深め、ガボンの経済に深く関わるようになる。中国人移民(華僑)を受け入れているが一部移民と国民の間で摩擦が発生している。

地方行政区分[編集]

ガボンの州。数字はアルファベット順

ガボンは9つの州に分かれている。(括弧内の地名は、州庁所在地)

  1. エスチュエール州 Estuaire (リーブルヴィル)
  2. オートオゴウェ州 Haut-Ogoouéフランスヴィル)
  3. モワイエン・オゴウェ州 Moyen-Ogooué (ランバレネ)
  4. ングニエ州 Ngounié (ムイラ)
  5. ニャンガ州 Nyanga (チバンガ英語版)
  6. オゴウェ・イヴィンド州 Ogooué-Ivindo (マコクー英語版)
  7. オゴウェ・ロロ州 Ogooué-Lolo (クラムトゥ)
  8. オゴウェ・マリティム州 Ogooué-Maritime (ポルジャンティ)
  9. ウォレウ・ンテム州 Woleu-Ntem (オイェム)

主要都市[編集]

最大都市は首都のリーブルヴィルであり、2013年の人口は70万人に達する[9]。リーブルヴィルは19世紀にフランスが解放奴隷を入植させた港湾都市であり、以来この地域の政治の中心地となってきた。これに次ぐのは、オゴウェ川河口に近い海港都市ポールジャンティ(13万6000人、2013年)である。ポールジャンティは河川舟運と海運の結節点であるほか、沖合の海底油田開発の拠点都市ともなっている。第3の都市は東部の森林地帯に位置するフランスヴィル(11万人、2013年)である。フランスヴィルはトランスガボン鉄道の終着点であり、内陸部の森林・鉱山の開発拠点であるほか、ボンゴ大統領一族の出身地に近く、政府の重点的な開発投資を受けてきた。このほか、中部のランバレネアルベルト・シュヴァイツァーが生涯を医療活動に捧げた地である。

地理[編集]

地形図

国土の80%以上が森林で、近隣諸国と比べ人口密度が低いため、手付かずの豊かな自然が多く残されている。アフリカ森林には、ゾウ、ゴリラ、チンパンジーなどの大型哺乳類が多数生息している。

多様な自然環境をふくむ、13の国立公園がある。国立公園の総面積は実に国土の11%を占める。ガボン政府は、自然環境の保全に力を入れており、中部のロペ国立公園や、大西洋岸のロアンゴ国立公園ではエコツーリズムが導入されている。また、南西部ニャンガ州に位置するムカラバ-ドゥドゥ国立公園(Parc National de la Moukalaba-Doudou)では、日本人研究グループによる大型類人猿の長期野外研究プロジェクトが進められている。また、2007年にのロペ=オカンダ生態系と残存文化的景観が複合遺産として世界遺産に登録された。

気候は熱帯モンスーン気候(Am)で、首都リーブルヴィルの降雨量は雨季の9~5月が毎月約300mmだが、乾季の6~8月は3ヶ月で35mmと極端に少ない。1日の最高気温は平均29~30度C、最低気温は20~23度Cである。

経済[編集]

人口の少なさに比して林業による豊富な物産があったため、古くからフランス植民地内ではその豊かさで知られていたが、独立後も石油をはじめとする資源開発によってその状況に大きな変化はなかった。産油国であり、人口の少なさもあいまって国民所得アフリカ諸国では高い部類に属する。2015年の一人当たりのGDPはIMFによると7,736ドルで新興国(中進国)レベルであり、世界水準と比較しておよそ75%に達し、アフリカ諸国では上位に位置する。

独立時はオクメ材を中心とする木材が輸出の58%(1961年)を占め[10]経済の柱であったが、独立以前から徐々に進められてきた油田開発が独立後に本格化し、2009年には原油の輸出が総輸出の81.2%を占める石油依存経済となった。かつての主要産品であった木材は、2009年時点でも輸出の8.4%を占め依然重要な輸出品となっている[11]。このほかマンガンも輸出の2.9%を占め[12]、またウラニウム鉄鉱石などの埋蔵も確認されている[13]など資源の宝庫である。

1975年石油輸出国機構(OPEC)に加盟したが、1996年に脱退した。だが2016年に再加盟した。現在は林業、観光業の振興にも力を入れている。

交通[編集]

近隣諸国との間に定期バス便が運行されている他、リーブルヴィル国際空港を拠点とするエール・ガボン・インターナショナルが、アフリカ大陸内の主要都市に定期便を運航している。

国内交通は、空路と陸路、水路がある。国内線航空会社が多数あり、リーブルヴィルから地方の主要都市への定期便を運行しているものの、欠航や遅延が多い。リーブルヴィル郊外のオウェンド(Owendo)からオートオゴウェ州の州都フランスヴィルまでトランスガボン鉄道が走っており、旅客列車も運行している[14]。国道が整備されており、都市間はタクシーバス(Taxi Bus)によって結ばれている。

国際関係[編集]

日本との関係[編集]

  • 在留日本人数 - 73名(2018年7月現在)[15]
  • 在日ガボン人数 - 23名(2017年12月現在)[16]

国民[編集]

女性の顔を模した、儀式の踊りに用いられるプヌ人の仮面(Mukudji)。
ツォゴ人の仮面

人口[編集]

ガボンの人口は、1962年に45万3000人だった[17]ものが1986年には117万人[18]、2017年には202万人にまで増加した[19]

民族[編集]

住民は、北西部のファン人が4割程度を占め、その他南部のプヌ人英語版エシラ人英語版ンゼビ人フランス語版オバンバ人フランス語版(Mbamaとも)、ドゥマ人Duma; 別名: Aduma)などのバントゥー系民族、北東にバカ人が存在する。フランス人は1万人ほどであるが強い影響力を保っている。

Okuyi という儀式を行う民族が存在する。

言語[編集]

言語はフランス語公用語だが、その他、ファン語などのバントゥー語群の言語、アダマワ=ウバンギ語派バカ語Baka)が使われる。

宗教[編集]

宗教は、カトリック教会を中心としたキリスト教が73%を占め、12%がイスラム教、10%を伝統宗教(en:Bwiti, アニミズム)、5%を無宗教無神論が占めている[20]

教育[編集]

ガボンの教育制度は、旧宗主国のフランスの教育制度に影響を受けている[21]

ガボンの教育制度を管轄する省庁は2つあり、このうち教育省(文部省)は幼児教育から高等教育までを担当している。高等教育・技術革新省は、大学教育、高等教育および職業専門学校を担当している。

教育法により、6歳から16歳が義務教育の対象となる。ガボンでは大部分の子供が託児所、保育所(Crèche)を経て、幼稚園(子供園、Jardins d'Enfants)に入る。6歳から六年制の小学校(École Primaire)に入る。次の段階が七年制の中学校(École Secondaire)である。小学校、中学校の課程を修了すると19歳である。小中学校を卒業したあとは、技術学校、ビジネススクールを含む高等教育機関に進学することができる。

文化[編集]

スポーツ[編集]

サッカーが盛んであり、アフリカネイションズカップ2012年赤道ギニアとの共同開催)[22]2017年(単独開催)と2度開催している。2010年代に活躍している著名な選手としては、ピエール=エメリク・オーバメヤンがあげられる。

世界遺産[編集]

ガボン国内には、ユネスコ世界遺産リストに登録された複合遺産が1件存在する。

ドメイン[編集]

1994年、.gaが国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)として割り当てられた。現在はGabon Telecomが管理団体として機能しており、ガボンに限らず全世界で利用可能である。ガボン国内でもいくらか使われており、登録は第二レベルドメインに直接行われる。

祝祭日[編集]

祝祭日
日付 日本語表記 現地語表記 備考
1月1日 元日 Nouvel an
春分の日の後の最初の満月の次の日曜日 復活祭および復活祭後の月曜日 Pâques 変動あり
5月1日 メーデー Fête du Travail
復活祭から数えて50日後 ペンテコステおよびペンテコステ後の月曜日 Pentecôte 変動あり
8月15日 聖母被昇天 Assomption
8月17日 独立記念日 Fête Nationale
11月1日 諸聖人の日 Toussaint
12月25日 クリスマス Noël
ヒジュラ暦第9月30日 断食月明けの祭 Al Fytiri 変動あり
ヒジュラ暦第12月10日 イード・アル=アドハー(犠牲祭) Aïd el-Kebir 変動あり

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d IMF Data and Statistics 2009年7月18日閲覧([1]
  2. ^ 片山正人「現代アフリカ・クーデター全史」叢文社 2005年、126-130ページ ISBN 4-7947-0523-9
  3. ^ https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/gabon/data.html 「ガボン基礎データ」日本国外務省 令和元年11月5日 2020年1月7日閲覧
  4. ^ https://www.afpbb.com/articles/-/2609534?cx_part=search 「ガボン大統領が死去、政府が発表」AFPBB 2009年6月9日 2020年1月4日閲覧
  5. ^ https://www.afpbb.com/articles/-/2638294?cx_part=search 「ガボン大統領選めぐり暴動、3人死亡」AFPBB 2009年9月7日 2020年1月4日閲覧
  6. ^ https://www.afpbb.com/articles/-/3099312?cx_part=search 「ガボン議会にデモ隊が放火、大統領再選に怒り」AFPBB 2016年9月1日 2020年1月4日閲覧
  7. ^ “産油国ガボンでクーデターか 大統領批判の声明”. 日本経済新聞. (2019年1月7日). https://r.nikkei.com/article/DGXMZO3971226007012019910M00?s=0 2019年1月8日閲覧。 
  8. ^ “アフリカ・ガボンでクーデター未遂、関与者の大半を逮捕”. AFPBB. (2019年1月7日). http://www.afpbb.com/articles/-/3205342?cx_amp=all&act=all 2019年1月8日閲覧。 
  9. ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p263 二宮書店 平成30年1月10日発行
  10. ^ 「各国別 世界の現勢Ⅰ」(岩波講座 現代 別巻Ⅰ)p358 1964年9月14日第1刷 岩波書店
  11. ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p264 二宮書店 平成30年1月10日発行
  12. ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p264 二宮書店 平成30年1月10日発行
  13. ^ 「ビジュアル データ・アトラス」p365 同朋舎出版 1995年4月26日初版第1刷
  14. ^ 「世界の鉄道」p343 一般社団法人海外鉄道技術協力協会著 ダイヤモンド・ビッグ社 2015年10月2日初版発行
  15. ^ 外務省 ガボン基礎データ
  16. ^ 外務省 ガボン基礎データ
  17. ^ 「各国別 世界の現勢Ⅰ」(岩波講座 現代 別巻Ⅰ)p358 1964年9月14日第1刷 岩波書店
  18. ^ 『アフリカを知る事典』、平凡社、ISBN 4-582-12623-5 1989年2月6日 初版第1刷 p.92
  19. ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p263 二宮書店 平成30年1月10日発行
  20. ^ International Religious Freedom Report 2007: Gabon. United States Bureau of Democracy, Human Rights and Labor (September 14, 2007)
  21. ^ 『ブリタニカ国際大百科事典』4巻カイリ―カン、「ガボン」、TBSブリタニカ、pp.501
  22. ^ https://www.afpbb.com/articles/-/2838349?cx_part=search 「アフリカ・ネイションズ・カップ、予選グループの組み合わせが決まる」AFPBB 2011年10月31日 2020年1月4日閲覧

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]