ブローニングM2重機関銃

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ブローニングM2重機関銃
M2E2 Quick Change Barrel (QCB).jpg
ブローニングM2E2重機関銃
ブローニングM2重機関銃
種類 機関銃
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
設計・製造
仕様
種別 重機関銃
口径 12.7 mm
銃身長 1,143 mm
ライフリング 8条右回り
使用弾薬 12.7x99mm NATO弾(通常弾、焼夷弾徹甲弾など)
装弾数 ベルト給弾(1帯110発)
作動方式 ショートリコイル
全長 1,645 mm
重量
  • 38.1 kg(本体のみ)
  • 58 kg(三脚を含む)
発射速度
  • 485-635発/分(M2HB)
  • 750–850発/分(AN/M2)
  • 1,200発/分(AN/M3)
銃口初速 887.1 m/s(M33)
射程
  • 2,000 m(有効射程)
  • 6,770 m(最大射程)
歴史 
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ブローニングM2重機関銃(ブローニングエムツーじゅうきかんじゅう)は、ジョン・ブローニング第一次世界大戦末期に開発した重機関銃である。

前身である水冷式M1921がアメリカ軍に制式採用されたのは1921年空冷式に改良されたM2の採用が1933年であるが、信頼性や完成度の高さから現在でも世界各国で生産と配備が継続されている。

概要[編集]

第二次世界大戦以来、現在でも各国の軍隊で使用されている著名な重機関銃である。M2のストッピングパワーや信頼性は伝説的で、口径が0.50インチであることから別名“キャリバー50” (Caliber .50) や“フィフティーキャル” (.50 Cal) と呼ばれる。第二次世界大戦中アメリカで200万挺以上が生産された。

M2の原型となった水冷式のM1921は、敵の砲兵観測気球を撃つことを目的に配備されたが、その威力と射程は様々な標的に対し有効であった。以降、M1921は改良型のM2と共に戦車装甲車トラックジープなどの車載用銃架、地上戦闘用の三脚架、対空用の背の高い三脚銃架、連装、または四連装の動力付き対空銃架、艦船用対空銃架、軽量銃身型の航空機用固定機銃、航空機用旋回機銃架、動力付き航空機用旋回機銃架など、様々な銃架に載せられ空軍を問わず広く配備された。簡単な部品交換だけで左右どちらからでも給弾できることも柔軟な運用を可能にした。

M1921はM2に比べて冷却器と冷却水の分だけ重かったものの、水冷式ならではの射撃持続時間の長さを生かして艦艇用としてM2採用後も併用されたが、第二次世界大戦終結後にはM2に交替して運用を終了している。

アメリカでは、M2の後継として1950年代後半に車両搭載用途を更新するものとしてM85機関銃が開発されたが、問題が多く、M2の後継とはならないままに終わった。1990年代後半より再び後継用機関銃の開発が進められ、XM312XM806といった新型機関銃の開発が進んでいたが、2012年に開発が中止された。

結果、設計されて80年以上も経つが、費用を考慮しての基本構造・性能トータル面でこの重機関銃を凌駕するものは、現在においても現れていない。FNハースタル社が代表的な改良型として、銃身交換を容易にしたFN M2HB-QCB(M2 Heavy Barrel-Quick Change Barrel)を開発し、先進諸国を中心に現有M2重機関銃のQCB改修、生産の切り替えが進んでいる。

特徴[編集]

M2は、12.7mm弾を音速の3倍の速度で発射する。M2の精度は素晴らしく、800 m先の標的にも正確に命中する。英語には「whole nine yards」という慣用表現があり、これには一切合切、全てのなどといった意味があるが、これは第二次世界大戦時、M2の給弾ベルトの長さが9ヤード(およそ8メートル)あった事に由来するとも言われ、9ヤード分が全弾を全部から生じたとも言われている。

装填は銃本体のフィードカバーを前方へ押し上げて、ベルトの第1弾を給弾口に差し入れた後、コッキングレバーを後方へ引く必要がある。カバーを開けずに装填も可能であるが、この場合コッキングレバーを二度引かないと薬室に初弾が入らない。発砲は後部に露出する逆Y字型のトリガーを親指で押す押金式で、トリガー下のボルト・ラッチ・リリース(セレクター)の切り替えで、セミ/フルオートの選択が可能である[1]。射撃方向も両脇ハンドルで変える。

銃身は100発程度の発砲で銃身の温度が約130-230 ℃に達する。これにより、銃身底部と機関部の間隔を調整する頭部間隙(ヘッドスペース)の調整と、撃発と排莢のタイミングを最適化するタイミング調整という作業が必須となる。これを怠ると命中精度が著しく損なわれる他、排莢不良や過大な発射ガス漏れによる射手の負傷など、事故へとつながる。調整にはそれぞれ専用のシックネスゲージを用いて行われる。本稿冒頭で紹介したFNハースタル社のFN M2HB-QCBは、この調整作業を省略できるようにした改良である。

運用[編集]

歩兵の場合、M2は3名のチームで運用するためEn:Crew-served weapon(CSW)の一種である。基本的構成として用いられる三脚は対地攻撃用のM3三脚架(現在はM205三脚へ代替中)で、この他、対空機銃として用いるための地上設置型マウントが各種ある(後述「銃架」の節参照)。

なお、軽機関銃分隊支援火器のもののように銃自体の付属品として装備される二脚とは異なり、M2用の三脚架はそれ自体に個別に制式番号のつけられる、独立した装備品である。ただし、M2を三脚架を用いずに本体を直接射手がハンドルを保持する等の運用法で射撃することは、重量・発射反動の点から実際には不可能であるため[注釈 1]、M2が本体のみで銃架を用いずに運用されることはない。

M2は装甲車両に装備される機関銃としても標準的な存在であり、M60パットンM1エイブラムスなどの戦車やM113M109といった装甲戦闘車両では主に車長武装として車長用展望塔(司令塔)に、ソフトスキン車輌ではキャビン上にマウントリングを追加して自由に旋回させられるようにして装備している。さらに、近年はM2を搭載した遠隔操作銃座(RWS)が複数種開発され、ストライカーICVなどの車輌に搭載されている。

航空機銃として

M2の航空機搭載型であるCal.50 AN-M2(後述)は、第二次世界大戦中に使われたアメリカ軍航空機の代表的な武装でもあった。AN-M2は弾道特性の良好さと開戦当初はまだ主流であった7mmクラスの航空機銃と比較して大口径大威力であったことから大きな効果を示したが、航空機銃として見ると列国のものの中では使用弾薬の口径と発射速度に比して銃本体が大柄で重く、弾薬給弾方式を銃本体の給弾機構にのみ依存しているため、高いGのかかる空中戦では空戦機動時にベルトリンクが捩れることによる装弾不良が頻発、装備方法に改良が加えられたが、完全とはいえなかった。アメリカ陸海軍では20mm口径の航空機関砲への移行を計画したが、十分な性能と信頼性を持ったものが導入できず、大戦を通じてAN-M2が主力航空機関銃として用いられることになる。

このため、航空機には1機当たり多数を搭載することで火力を補い、装弾不良の発生で火力を失う事態を避ける工夫が成された。中でもA-26は、前方固定のM2を14門(加えて旋回機銃として連装機銃2基、合計18門)装備することにより機体性能も相まって圧倒的な攻撃力を得た。アメリカの開発した初期のジェット戦闘機においてもAN-M2、およびその改良型のAN-M3が多連装で搭載されている。しかし、炸裂弾頭を用いることのできない12.7mm機銃弾では同時発射数で補ったとしても口径20mm以上の機関砲に火力で劣るため[注釈 2]、第二次世界大戦後は20mm口径の航空機関砲への移行が本格的に進められ、ポンティアック M39リヴォルヴァーカノン、そしてM61 モーターガトリング砲といった20mmクラスの航空機関砲に取って代わられている。

現在ではアメリカ軍の固定翼機でこの銃を搭載する機種は運用されていないが、アメリカ海兵隊ではUH-1NCH-46ECH-53Eなどのヘリコプタードアガンとしてキャビン内から乗員が対地射撃をする際に使用している。

艦載機銃として

M2は制式化当初より水冷銃身型が艦艇に搭載する対空機銃として用いられた。航空機銃同様、第2次世界大戦とそれ以後は20mm口径の機関砲に代換されていったが、小型艦艇に対する近距離攻撃兵器としては艦載兵装として運用され続け、現在でもアメリカ海軍の一部艦艇に個艦防衛の最終防衛ラインの一翼を担う兵器として装備されている他、アメリカ沿岸警備隊も使用している。

長距離狙撃兵器としての運用[編集]

リューポルド・マーク8照準器を載せたM2を撃つアメリカ海兵隊員

ベトナム戦争において、後に確認殺害戦果93を挙げたアメリカ海兵隊のトップ・スカウト・スナイパーであるカルロス・ハスコックが、この重機関銃の射程の長さと威力に注目して前線基地で単発狙撃に使用し、7.62mm弾よりも弾道特性が良好で射程も威力も充分であると報告している。

実際に、この時の狙撃は当時の最長距離の狙撃記録を大きく上回り(約2,300m)、その35年後に元から狙撃用として作られた対物ライフルによって、やっとこの記録は破られた。この銃は長時間の射撃に耐えるために長く重い銃身(ブルバレル)を持ち、三脚による固定と本体重量の恩恵で単発射撃では反動の問題もほとんどなく、発射速度が機関銃としては比較的遅いことから、トリガーでセミオート、フルオートのコントロールをするのが容易であったという。銃身・弾薬の精度は比較的高く、構造上も他の機関銃に比べれば狙撃に向いている。これは、ハスコックのオリジナルではなく、古くは朝鮮戦争の長期に亘る山岳戦において、長距離での狙撃に使われている。そこではブリーチをロックしてセミオート化し、上部にテレスコピックサイトを追加する事で、据付の長距離狙撃銃として使用したという記録が残されている。

フォークランド紛争での狙撃運用説について[編集]

本銃が活躍した例としてフォークランド紛争でのアルゼンチン軍の防衛戦術がある。1982年6月11日にイギリス軍第3空挺大隊は夜陰に紛れてロングドン山地へ進軍し、西側の山頂”フライハーフ”に到達したものの、21:30ごろ周囲のアルゼンチン軍陣地に捕捉され、105mm無反動砲や迫撃砲による砲撃に加え、暗視装置を装備した狙撃兵による狙撃とともに遮蔽壕からM2重機関銃による猛射を浴び、狭い稜線上でほとんど身動きができない状態に陥った[3]。これに対しイギリス軍は砲兵に支援を要請したが、強固な天然岩盤に囲まれたアルゼンチン軍陣地にはあまり効果がなく、最終的に7.62mm汎用機関銃で支援された歩兵がアルゼンチン軍火点に対戦車兵器や手りゅう弾と銃剣突撃による直接攻撃を敢行し、これを攻略した[4]。イギリス軍は 18 人の戦死者と約 40 名の負傷者を出すなど、出血を強いられた [5]

上記のフォークランド紛争での重機関銃の運用を、通常の射撃ではなく「単発撃」であったとする記述が、一部の和文文献には見受けられる[注釈 3]

しかしフォークランド紛争、狙撃銃、狙撃手などに関する英文の文献やその和訳書[注釈 4]には、「重機関銃による単発撃」についての言及が見当たらない。また「フォークランド紛争での戦訓がきっかけとなって対物ライフルが開発された」とする説も、一部の和書[注釈 5]には見受けられるが、これも英文文献やその和訳書[注釈 6]では言及されていない。

日本におけるM2重機関銃[編集]

日本軍での使用[編集]

太平洋戦争では大日本帝国陸軍陸軍航空部隊)を中心に、日本軍でも航空機関砲(固定式・旋回式)としてブローニング系機関銃やその改良型が大々的に使用された。

ホ103
陸軍は、M2重機関銃の航空機搭載型であるAN/M2(MG53-2)をベースとし、実包ブレダSAFAT 12.7mm重機関銃の規格(12.7x81mmSR)に変更し、独自の改良を施した、ホ103(一式十二・七粍固定機関砲)を採用し、一式戦「隼」を始めとする大半の陸軍戦闘機に装備した。
ホ103はM2と比べ、砲自体が一回り小型軽量でかつ発射速度に勝るものの、代償として弾頭が少々軽いので、威力と初速で劣った(代わりにM2には無い榴弾「マ弾」が使用可能)。また、M2の欠点は大きく重いことだが、ホ103はその重量を大きく下回った。
ホ5
更に陸軍は、高威力20mm機関砲の開発に着手し、12.7mmのホ103をベースに20mm弾(20x94mm)に対応するように拡大改良したホ5(二式二十粍固定機関砲)を開発採用、四式戦「疾風」を始め、太平洋戦争中期以降登場の多くの陸軍戦闘機が装備した。
ホ5は、口径20mmながら口径12.7mmのM2とほぼ同寸法同重量であり、発射速度や初速も優秀で相応の威力を持つ。
三式十三粍固定機銃
海軍でもM2をベースに、オチキス(保式)系である九三式十三粍重機関銃銃身と13mm弾(13.2x96mm)を用いる三式十三粍固定機銃として採用したが、搭載機は大戦後期登場の零戦五二乙型以降の少数の海軍戦闘機のみに留まった。こちらはM2と比べ発射速度に勝りサイズや重量はM2とほぼ同等、なおかつ弾頭重量が大きく一発あたりの威力で上回るが初速は低い。

第二次世界大戦後における使用[編集]

第二次世界大戦後、日本が再軍備を進めるとM2もまずはアメリカ軍よりの供与品として装備された。供与品の他、住友重機械工業の田無製造所では1984年からライセンス生産が行われている。

陸上自衛隊では主に戦車自走砲装甲車などの車載機関銃や対空用として「12.7mm重機関銃M2」という名称で採用しており、戦車や装甲車への車載用の他、各部隊が対地対空兵器として装備しており、年間80挺を新規調達している。M3銃架は96式40mm自動てき弾銃と互換性がある。対空兵器として地上設置する場合はM63対空銃架を使用する。現在では前述のQCB仕様のものが調達されている。調達価格は約530万円である[要出典]

海上自衛隊では創設間もない時期の護衛艦などに数挺搭載していたが、威力不足と短射程を理由に一時期搭載する艦艇はなくなった。しかし、北朝鮮不審船事件などを受けて、皮肉なことに現役艦載武器の威力過剰[注釈 7] が問題とされて、小目標に対する適切な火力を有する本銃が再び搭載されるようになった。なお、M2は艦艇固有の装備ではなく搭載品として扱われている。航空自衛隊でも本機関銃を四連装としたM55機関銃トレーラーを基地防空用として採用した[注釈 8]

海上保安庁でも創設当時から運用しており、「13ミリ機銃」と呼称され、多くの巡視艇に装備された。現在でも13mm単銃身機関銃として巡視船巡視艇に搭載されている。

2013年(平成25年)12月18日、メーカーの住友重機械工業において、5.56mm機関銃(ミニミ軽機関銃)・74式車載7.62mm機関銃・12.7mm重機関銃(ブローニングM2重機関銃)の3種で少なくとも合計5,000丁にものぼる試験データ改竄が発覚。同社は5ヶ月の指名停止処分となった。

各型および派生型[編集]

M1921
.50口径機関銃として初めて制式化されたモデル。銃身は水冷式。
M1921A1
1930年に採用された改良型。既存のM1921は全て-A1に改修されている。
基本形は水冷式だが、バレルジャケットを冷却孔の開いた空冷型とした航空用も開発された。
Cal.50 T1
M1921A1の発展改良型。給弾が左右どちらからでも可能になっていることがM1921との相違点である。
Cal.50 T2 / M1
T1の改修型。T2に更なる改修を加えたものが制式化され"M2"となったが、T2もM2の開発完了/制式化以前に"Cal.50 M1"として制式化されている。しかし、アメリカ軍当局は量産発注はM2の開発完了を待ってこれに一本化する決定を下したため、T2がM1として発注、および部隊配備されることは無きままに終わった。
2連装対空銃架に搭載されたM2
M2
最初の量産型。銃身は水冷式。
M2 HB
M2の水冷式の銃身冷却装置を廃したもの。"HB"とは"Heavy Barrel"、“重量型銃身”を意味する。水冷に代わり肉厚の銃身とすることで銃身の過熱に対する耐久性を向上させたもので、水冷型に替わって標準的なモデルとなった。後に水冷型のM2が使われなくなるとこちらのHB型の方が単に"M2"と呼ばれるようになり、"Cal.50 M2"といえばこのモデルを指すようになった。
M2E1
トリガーを電磁(ソレノイド)式とした車載型。M55四連装対空機関銃架や、これを車載化したM16対空自走砲のM45対空銃架や、2挺のM2と1門の37mm機関砲を混載したM42またはM54対空銃架を備えたM15対空自走砲といった自走対空砲の備砲、T42中戦車(M47中戦車の試作型)やM41軽戦車の試作型と初期生産型などの主砲同軸機関銃、M48パットンの銃塔機銃やM1エイブラムスの車長展望塔用機銃として用いられた。
M2E2
FNハースタル社により開発されたFN M2HB-QCB(後述)モデルのアメリカ軍名称。
M2A1
M2E2の制式名。2011年に採用され、アメリカ軍では同年から現役にある歩兵部隊向けM2の全数を-A2仕様に改修するプログラムを進めている。
輸出型
Colt MG 52 / MG 52A / MG52-2
M1921およびM2の輸出型。MG52Aは水冷型銃身を持つ[14][15]
Colt Browning Model 1924/1942
コルト社によるM2 / M2HBの輸出モデルの呼称。グァテマラに輸出された。
発展型
T27
ハイスタンダード社によって試作された発展型。発射速度の向上を目的としたもので、1944年1月から1945年3月にかけてT27/-E1/-E2/-E3/-E4/-E5/-E6/-E7と改良試作品が製造されてテストが繰り返されたが、作動不良と部品の破損に悩まされ、T27E4では毎分1,330発の発射速度を達成したものの、作動中の破損と作動不良が多すぎるとして計画中止となった。
T42
対空兵器の装備機銃として開発された発展型。毎分700発の発射速度を持つことが要求され、AN/M3の設計を採り入れて開発された。高速連続射撃に耐えるために肉厚の重銃身としたやや短い銃身を持つ。試作のみで制式採用はなされずに終わった。
M85
ジェネラル・エレクトリック社がM2の後継としてM2の設計を発展させて開発した50口径重機関銃。まず車両搭載用として開発され、M60戦車LVTP7水陸両用装甲車に搭載されたが、問題が多く、M2の後継とはならなかった。
XM806
ジェネラル・ダイナミクス社がM2の後継として開発を行っていた50口径重機関銃、2012年に開発が中止された。
国外生産型
空包発射補助具を取り付けたK6
K6[16]
韓国統一重工業が老朽化したM2の代替に設計した改良型。FN M2HB-QCBに準じたもので、銃身に把手を取り付けて銃身交換を容易にしたもの。1989年から韓国軍に配備されている。


FN M.1939
ベルギーのFN社が航空機搭載用に開発したM2の派生型。炸裂弾等を使用できるよう大口径化し13.2x99 mm弾仕様に変更、発射速度を1080発/分に向上させている。
Akan m/39(Automatkanon m/39)
M.1939のスウェーデンでの制式採用名称。
Akan m/39A(Automatkanon m/39A
スウェーデンのエリクソン社でライセンス生産されたm/39の制式名。
12.7 Lkk/42 VKT
フィンランドでコピー生産されたM.1939。口径と使用弾はオリジナルと同じ12,7x99 mm弾に再変更されている。銃身のヒートカバーが銃口部まであり、形状がベルグマン MG 15nAに似たスリット型になっていることがM2とは異なる。
FN M2HB-QCB
FN M2HB-QCB
FNハースタル社により開発された改良型。"QCB"とは"Quick Change Barrel"の略で、交換後の位置調整を必要としない形で銃身が交換できるようになっており、これにより迅速な銃身交換が可能となった。銃身部の根本にL字型のグリップがあることが外観上の特徴である。
BRG-15
FN社がM2の後継に提案した改造型。15.5x106mm弾を使用。


AN/M2[編集]

P-38 ライトニング 双発戦闘機の機首に搭載されているAN/M2

航空機搭載型。"AN"とは"Army / Navy"、“陸海軍共通”を示す[注釈 9]。M2を航空機に搭載するために改修したもので、地上型のM2とは機関部前端の形状が異なることと、バレルジャケットが銃口部まであることが識別点である。レシーバーの板厚を薄くするなどして全体的に軽量化されており(M2の38kgに対しAN/M2は28kg)、発射速度は毎分600-800発、もしくは毎分700-850発に向上されている。

銃架に架載されて地上型のM2と同様のスペードグリップ/手動トリガーを用いて射手が操作する手動型(.50 AN/M2 Flexible)と、電磁式トリガーに対応した撃発システムを用いて戦闘機の主翼や機首に装備され、コックピットからの遠隔操作で発射できるようになっている固定搭載型(.50 AN/M2 Fixed)がある。

P-47 サンダーボルトといったアメリカ軍戦闘機や爆撃機などに広く搭載された他、ベトナム戦争においてはヘリコプターなどにも搭載された。

AN/M2(.50 AN/M2)[17][18]
口径 0.50 in (12.7 mm)
全長 固定式:57.09 in (145.01 cm)、旋回式:56.4 in (143.26 cm)
砲身長 36.0 in (91.44 cm)
総重量 固定式:61.4 lbs (27.85 kg)、旋回式:65.4 lbs (29.66 kg)
砲身重量 10.2 lbs (4.63 kg)
砲口初速 2,900 fps (884 m/s)
発射速度 700-850 rpm
弾頭重量 M2 AP:706.7 gr (45.79 g)、M8 API:622.5 gr (40.34 g)
Cal.50 Model 1918
原型。ブローニング M1917 7.62mm機関銃航空機関銃用に改良した型であるcal .30 M1918を.50口径(12.7mm)に大口径化した拡大発展型。
Colt MG 53 / MG53A
.50 M1921A1 / M2の航空機搭載型の輸出仕様の名称。
MG 53-2
MG 53のバリエーションの一つで、AN/M2に相当するモデル。フィンランドに輸出されたF2A戦闘機(B-239)に搭載されていた。
12,7 mm automatkanon m/45(12.7mm akan m/45)
スウェーデン軍における.50 AN/M2の制式名称。
発展・改良型
T21
コルト社およびスプリングフィールド兵器廠によって試作された発展型。1940年から1942年にかけてテストが行われ、毎分1,200発の発射速度を達成した。
T22
ハイスタンダード社によって試作された発展型。1942年8月から1943年後半にかけてT22/-E1/-E2/-E3/-E4/-E5/-E6と改良試作品が製造されてテストが繰り返され、作動不良と部品の破損に悩まされたものの、毎分1,066発(T22)/1,219発(T22E2)/1,018発(T22E4)の発射速度を達成した。
T26
T22の発展改良型。T22より改造した試作品が製造されたのみにとどまる。
T25
フリッジデール社によって開発された発展型。1944年3月から1944年7月にかけてT25/-E1/-E2/-E3と改良試作が繰り返されてテストが行われ、T22E3では平均して毎分1,250発の発射速度を達成、1945年4月に"Cal.50 M3"として制式採用された。
T36
T22の開発/試験の結果を受けて設計された改良型。既存のAN/M2に適用する能力向上改修として計画され、発射速度を毎分100発程度向上させ、給弾能力の向上と作動不良の減少を達成するものとして完成した。この改修を適用したモデルには"(AN/)M2A1"の制式名が与えられることになったが、AN/M3の開発と製造/運用の切り替えが決定したため、限定的な存在に終わった。


AN/M3[編集]

AN/M3
天地逆に架装された状態で、AS-211 ウォリアー(アエルマッキ S-211ジェット練習機の武装型)の機体下面ガンポッド(Aerotech .50 Gun Pod)に搭載されているもの

AN/M2の発展型[注釈 10]。電気モーターを用いた補助機構により発射速度を1,200発/分に強化している。F-86 セイバー他初期のジェット戦闘機の搭載武装として用いられた他、XM14/SUU-12 ガンポッドとしても使用された。

AN/M3(.50 AN/M3)[19][20][21]
口径 0.50 in (12.7 mm)
全長 4 ft 9.5 in (146.05 cm)
総重量 69 lbs (31.30 kg)[注釈 11][22]
砲身重量 10.91 lbs (4.95 kg)
砲口初速 2,870 fps (875 m/s)[注釈 12]
発射速度 1,150-1,250 rpm
弾頭重量 1.7 oz (48.19 g)
射程 5,350-7,275 yd (4,892-6,652 m)
砲身命数 15,000発
T38
1945年にフリッジデール社によって開発されたM3の発展型。毎分1,500発の発射速度の達成が要求され、要求は満たせなかったものの、毎分1,450発の発射速度を達成した。
GAU-15/A、GAU-16/A、GAU-18/A
AN/M2及びAN/M3を基に軽量化されたヘリコプター搭載型。乗員が直接射撃を行うタイプ。


M3M/GAU-21
AN/M2を基にしたヘリ搭載型。FN社製。ヘリコプターの側面ドアに銃架と共に固定されており、安定性が上がっている。連射速度を上げ、スペードグリップを大型化している。メタルループが付けられており、弾詰まりのトラブルを減らすことができる。
M3P
AN/TWQ-1 アベンジャー防空システムに搭載するために開発された、FN社製のAN/M2の発展型。発射速度が950発/分と1,100発/分の選択式となり、銃口部に大型の筒形フラッシュハイダーが装着された。給弾方式は機械式のメタルループ方式となっている。FN HMP中国語版ガンポッドにも搭載される。


銃架[編集]

各種銃架が制式化されている。

M3三脚架
三脚(トライポッド)式の銃架。M2重機関銃の基本銃架であり、もっとも多用されている銃架である。重量は約20kgで本体重量(38kg)も相まって12.7mmの強烈な反動を吸収している。
M1対空銃架
M3三脚架に支柱と補助脚を付けた高射用銃架。しかし、安定性が悪く、後にM63が制式化されると退役していった。
M63対空銃架
WW2後に設計された新型の銃架で、トリガーハンドルの位置を変える事で地上用と対空用に対応する。脚部は十字型の四脚構造になっていて安定性が高い。
M3対空銃架
M3三脚架と名称は同じであるが別物である。水冷式のM1921重機関銃用に造られた対空銃架で、後方に梯子状の取っ手が付いて、バレルジャケットの上に専用の照星と照門が付属している。
M46連装対空銃架
これもM3対空銃架同様、水冷式のM1921を並列にマウントする対空銃架である。艦艇用に使われている。
M35車載銃架
車両搭載用の単脚銃架。ジープや小艦艇などに使われている。
M46車載銃架
車両搭載用のリングマウント。トラックハーフトラックの防御火器として使われる。リングに沿って全周射撃が可能。
M33連装対空銃架
爆撃機の旋回機銃塔から発展した連装銃架。M13対空自走砲に用いられたが、すぐに砲門を倍加させたM45に取って代わられた。
M45/M55四連装銃架
M16対空自走砲などに使われる四連装銃架。目的は対空用だが地上用にも転用され、凄まじい威力から「ミートチョッパー」との渾名がある。M45は車載用。M55は牽引式に与えられた制式名。
M205三脚銃架
M3に代わる、新型の三脚銃架。

登場作品[編集]

参考文献・参照元[編集]

  • Gordon L Rottman. Weapon series 4 "Browning .50-caliber Machine Guns" . (ISBN 978-1849083300). Osprey Publishing. 2010.

脚注・出典[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ ニ脚とピストルグリップを装備して射手1名で運用できる構成とした発展型は試作された例があるが、制式化はされていない[2]
  2. ^ 第二次世界大戦後では、ジェットエンジンの発達によって軍用航空機の高速化が進んだ結果、無誘導の銃弾や砲弾を命中させること自体が困難となり、「一発当たりの火力の大きさと、速射性のバランスがとれた対空火器」として機関砲が着目され、小口径の機関銃は弾薬の威力不足、大口径の高射砲は速射性の悪さからいずれも対空兵器としては力不足と見なされた。
  3. ^ 例として[6][7][8]
  4. ^ 例として[3][9][10][11][12]
  5. ^ 例として[6][8]
  6. ^ 例として[3][9][10][11][12][13]
  7. ^ 艦砲ミサイルでは小型船は一撃で沈んでしまう。また、威嚇射撃にしても対費用効果が高すぎる欠点があった。
  8. ^ 後継機種であるVADSの導入にともなって現在では実戦運用を外れており、予備装備として保管されるのみである。
  9. ^ "AN/M*"の制式番号は口径ごとに与えられているため、単に"AN/M2"とのみ表記/呼称した場合、それが指し示すものは複数存在するので注意が必要である。正式には口径を示す数字を付けて表記され、アメリカ軍において"AN/M2"の制式番号の付いた航空機用機関銃には「.30 AN/M2」「.50 AN/M2」「20mm AN/M2」の3種類が存在する。
  10. ^ なお、アメリカ軍においてAN/M3も複数存在しており、".50 AN/M3"の他"20mm AN/M3"が存在する。
  11. ^ Gun (64.5 ibs) + recoll adapter (4.5 lbs)
  12. ^ 発射する弾種によって2,730-3,450 fps (832-1,052 m/s) の間で変動。

出典[編集]

  1. ^ 上田信『COMBAT BIBLE2』「M2 HMG(重機関銃)」、49頁。
  2. ^ FORGOTTEN WEAPONS.COM|February 19, 2014|Ian McCollum|Browning M2 “Anti-Mechanization Weapon”
  3. ^ a b c Nine Battles to Stanley, pp. 172-173.
  4. ^ The Falklands War Then and Now, p. 465
  5. ^ The Official History of the Falklands Campaign Volume II, pp. 629-630
  6. ^ a b 床井雅美『アンダーグラウンド・ウェポン 非公然兵器のすべて』日本出版社、1993年、135頁。ISBN 4-89048-320-9
  7. ^ あかぎひろゆき『40文字でわかる 銃の常識・非常識: 映画の主人公の銃の撃ち方は本当に正しい?(Kindle版)』Panda Publishing、2015年。ASIN B00TG26T6Cオンライン版、Google Books)
  8. ^ a b 大波篤司、福地貴子「No.037 コンクリートの壁をも撃ち抜く狙撃銃とは?」『図解 スナイパー』新紀元社、2016年、83頁。ISBN 978-4775314333オンライン版、Google Books)
  9. ^ a b Martin Pegler (2010). Sniper Rifles: From the 19th to the 21st Century. Osprey Publishing. p. 62. ISBN 9781849083980 オンライン版、Google Books)
  10. ^ a b Martin J Dougherty (2012). Sniper: SAS and Elite Forces Guide: Sniping skills from the world's elite forces. Lyons Press. p. 70. ISBN 9780762782840 オンライン版、Google Books)
  11. ^ a b ピーター・ブルックスミス(著)、森真人(訳)『狙撃手(スナイパー)』、2000年、15-18頁。ISBN 978-4562033621
  12. ^ a b パット・ファレイ、マーク・スパイサー(著)、大槻敦子(訳)「フォークランド戦争の狙撃手」『図説 狙撃手大全』原書房、2011年、262-271頁。ISBN 978-4562046737
  13. ^ Chris McNab (2016). The Barrett Rifle: Sniping and anti-materiel rifles in the War on Terror. Osprey Publishing. ISBN 978-1472811011 
  14. ^ AuctionZip>Lot 29152: COLT MG52-A BROWNING MACHINE GUN ※2020年10月12日閲覧
  15. ^ MORPHY AUCTIONS>COLT MODEL MG52-A WATER COOLED 50 CAL MG ON GROUND TRIPOD. ※2020年10月12日閲覧
  16. ^ Military Factory>S&T Motiv (Daewoo) K6 Heavy Machine Gun (HMG) ※2020年9月15日閲覧
  17. ^ BROWNING MACHINE GUN CALIBER .50, M2, AIRCRAFT, FIXED AND FLEXIBLE
  18. ^ .50 Caliber Browning (12.7 x 99 mm) Ammunition
  19. ^ THE AN-M3 .50 CALIBER MACHINEGUN - GENERAL INFORMATION
  20. ^ Browning M3 Machine Gun U.S. AIR FORCE
  21. ^ 12.7×99MM NATO CARTRIDGES (.50 CAL) FN HERSTAL
  22. ^ Browning M3 Machine Gun では65 lbs (29.48 kg) と表記。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]