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ギャレス・エドワーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ギャレス・エドワーズ
Gareth Edwards
Gareth Edwards
2016年
生年月日 (1975-06-01) 1975年6月1日(49歳)
出生地 イングランドの旗 イングランド ウォリックシャーヌニートン
国籍 イギリスの旗 イギリス
職業 映画監督、VFXアーティスト
活動期間 2002年 -
主な作品
モンスターズ/地球外生命体
GODZILLA ゴジラ
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
ザ・クリエイター/創造者
受賞
ブルーリボン賞
外国語作品賞
2012年ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
その他の賞
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ギャレス・ジェームズ・エドワーズ(Gareth James Edwards, 1975年[1]6月1日[2] - )は、イギリス映画監督VFXアーティストとして数々の作品に携わり、2010年に監督した低予算SF映画モンスターズ/地球外生命体』で広く名前を知られるようになった[3]

生い立ち

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ウォリックシャーヌニートンに住むウェールズ人の息子として生まれる[4]。幼児期に『スター・ウォーズ』を観たことをきっかけに、映画製作の道を歩むようになったという[5][6]UCA芸術大学で映像学を学び、1996年に卒業した。2012年には同大学から名誉芸術賞を授与されている[7]

キャリア

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『ローグ・ワン』ジャパン・プレミアに出席するギャレス・エドワーズ、ディエゴ・ルナフェリシティ・ジョーンズ

BBCディスカバリーチャンネルの作品のVFXを手掛け[1]英国アカデミー賞を受賞するなど成功を収めた。2008年にBBC製作のドラマ『ウォリアーズ 〜歴史を動かした男たち〜英語版』を監督し、計250もの視覚効果を全て自分自身で担当した。また、同年にはSci-Fiチャンネル英語版の48時間映画コンテストにてスタッフなしで俳優を1人だけ起用して短編映画を製作し[1]、グランプリを受賞した。この経験は『モンスターズ/地球外生命体』の製作の際に活かされた。

『モンスターズ/地球外生命体』で長編映画を初監督[6]。同作品においてエドワーズは既製品を活用して同作のために特殊効果を作り出し、映画に起用した俳優は2人、スタッフは5人のみだった[8]。この作品は低予算映画ながら多くの批評家や映画監督から賞賛され[1]第13回英国インディペンデント映画賞にて3部門を受賞し、第64回英国アカデミー賞にもノミネートされた[6]

『モンスターズ/地球外生命体』の成功により、レジェンダリー・ピクチャーズなどハリウッドの大手映画会社のプロジェクトに呼ばれるようになった[9]。その結果、2011年1月にゴジラシリーズリブート映画『GODZILLA ゴジラ』の監督に抜擢された[10]。その後、2016年公開のスター・ウォーズシリーズ初のスピンオフ実写映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を監督することになった[11][6]。2016年5月には小規模作品に取り組むために、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の監督を降板した[12]

フィルモグラフィ

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映画

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題名 備考
2005 世界沈没
End Day
監督・脚本

Hiroshima: BBC History of World War II英語版
特殊効果
2007 ザ・ムーン
In the Shadow of the Moon
視覚効果
2010 モンスターズ/地球外生命体
Monsters
監督・脚本・撮影・視覚効果
2014 GODZILLA ゴジラ
Godzilla
監督[2]
2015 モンスターズ/新種襲来
Monsters: Dark Continent
製作総指揮
2016 ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
Rogue One: A Star Wars Story
監督
2023 ザ・クリエイター/創造者
The Creator
監督・原案・脚本・製作
2025 ジュラシック・ワールド/復活の大地
Jurassic World Rebirth
監督

テレビシリーズ

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題名 備考
2002
Nova英語版
アニメーター
2003
Seven Wonders of the Industrial World英語版
視覚効果
2005 宇宙へ 〜冷戦と二人の天才〜
Space Race
特殊効果・デザイン
2006
Perfect Disaster英語版
監督・視覚効果
2008 ウォリアーズ 〜歴史を動かした男たち〜英語版
Heroes and Villains
第4話「アッティラ大王 -大帝国の果てに-」
監督・視覚効果

人物

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  • 尊敬する映画監督はジョージ・ルーカススティーヴン・スピルバーグクエンティン・タランティーノ[13]
  • ゴジラシリーズの大ファンとしても知られる[14]。『モンスターズ/地球外生命体』のマーケティングでは、オーストラリアへ行った際に立ち寄ったDVDショップで見つけたゴジラシリーズのDVD全巻を、なけなしの貯金をはたいて買い揃えてから配給会社へ向かったが、そのオフィスにはDVD全巻が棚に並んでいた。「なんであるの?」とギャレスの質問に対し、社員の「ウチで配給したからさ。欲しいのかい?」との答えを聞いたギャレスは、驚いて落胆した(本人曰く、「しまった。数百ドル損した」)[15]
    • ゴジラシリーズはすべて好きだと豪語しているが、あえて選ぶなら第1作『ゴジラ』(1954年)を挙げている[6]。また、オタク的な嗜好としては『怪獣総進撃』(1968年)も挙げている[6]
    • 2017年公開の『GODZILLA 怪獣惑星』のことも高評しており、公開初日の同年11月18日にTOHOシネマズ新宿にて開催された公開記念舞台挨拶では、ギャレスからの賞賛コメントが映されている[16]
  • 深海生物を愛好しており、『モンスターズ/地球外生命体』や『GODZILLA ゴジラ』でもキャラクターに深海生物の発光を取り入れている[6]

出典

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  1. ^ a b c d GODZILLA60 2014, pp. 21–23, 文 わたなべりんたろう「新世代のスティーブン・スピルバーグ ギャレス・エドワーズ論」
  2. ^ a b 野村宏平、冬門稔弐「6月1日」『ゴジラ365日』洋泉社映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、150頁。ISBN 978-4-8003-1074-3 
  3. ^
  4. ^ Godzilla and Star Wars director Gareth Edwards”. Wales Online (2014年5月27日). 2014年5月27日閲覧。
  5. ^ The film that changed my life: Gareth Edwards”. The Observer (2011年2月27日). 2013年8月12日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g 完全解読 2014, pp. 6–7, 取材・構成 ガイガン山崎「ギャレス・エドワーズ監督インタビュー」
  7. ^ UCA - News”. 2017年10月23日閲覧。
  8. ^ Rose, Steve (2010年11月27日). “Monsters: the bedroom blockbuster that's the anti-Avatar”. The Guardian. 2011年11月17日閲覧。
  9. ^ Godzilla: Meet The Director”. Youtube. 2014年4月10日閲覧。
  10. ^ 新たなハリウッド版『ゴジラ』監督に低予算映画出身の有望株が大抜てき!?”. シネマトゥデイ (2011年1月5日). 2013年8月14日閲覧。
  11. ^ 新『GODZILLA』監督、『スター・ウォーズ』スピンオフ映画を監督へ!”. シネマトゥデイ (2014年5月23日). 2014年5月23日閲覧。
  12. ^ Fleming Jr., Mike (2016年5月13日). “Director Gareth Edwards Exits 'Godzilla 2'”. Deadline.com. http://deadline.com/2016/05/godzilla-2-director-gareth-edwards-exits-rogue-one-a-star-wars-story-1201755484/ 2016年5月13日閲覧。 
  13. ^ “Gareth Edwards Names His 3 Filmmaking Heroes Plus New 'Godzilla' Featurette Goes Behind The Scenes”. Indiewire.com. (2014年5月1日). http://blogs.indiewire.com/theplaylist/watch-gareth-edwards-names-3-filmmaking-heroes-plus-new-godzilla-featurette-goes-behind-the-scenes-20140501 2014年6月4日閲覧。 
  14. ^ 「モンスターズ…」G・エドワーズ監督に直撃!「ブレア・ウィッチ+宇宙戦争÷2!」「日本人に受け入れられなければ本物のゴジラではない」”. 夕刊ガジェット通信 (2011年7月22日). 2013年12月23日閲覧。
  15. ^ “Gareth Edwards Interview”. ToHo Kingdom. (2014年3月16日). http://www.tohokingdom.com/interviews/gareth_edwards_video_03-2014.html 2014年3月23日閲覧。 
  16. ^ 虚淵玄、アニゴジは「伝統の特撮ゴジラ最新作の後なら」と日本産ゴジラの筋を通す”. コミックナタリー. 2017年11月18日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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