オーガノイドシステム

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オーガノイドシステム(通称OS)はゾイドの背景設定に登場する架空のシステム。

解説[編集]

オーガノイドシステム(以下、OSと表記)とは、ゾイドコアを活性化させ[1]、その戦闘能力を飛躍的に向上させる強化システム。元々は古代Zi人によって生み出されたテクノロジーであり、西方大陸に点在するオリンポス山や、ガリル遺跡などの古代遺跡からその情報を記した物が出土し、へリック共和国・ガイロス帝国両軍のゾイドにおいて導入された[2]

そのシステムを搭載されたゾイドは闘争本能の刺激[3]によるコアの活性化に伴い従来型を上回る戦闘力・運動性・生命力を獲得し、金属細胞再生能力を劇的に高める[4]。さらにはゾイドコアの分裂・成長を促進させる技術的な応用性をも併せ持っており、仮死状態のコアの復活や[5]、絶滅したコアの遺伝子情報を復元することさえも可能となる[6]。その反面、凶暴化したゾイドの闘争心がパイロットの精神にも多大な影響を及ぼす危険性を持ち、操縦者には心身ともに多大な負担を強いられるなど問題点を露呈している[7][注 1]。OSの効果を限定的を施す調整を行えば一般兵でも扱う事は可能ではあるが[8]、性能はシステムが未調整の機体には及ばない[9][注 2]。また、システムそのものにゾイドの精神破壊を招き、コアの寿命を極端に縮めるデメリットも存在したため[3]、ヘリック共和国、ガイロス帝国ではOS搭載ゾイドの種類や生産数は減少していった。一方で、ネオゼネバス帝国ではその効力をコントロール下に置く事に成功している[10][11][注 3]

作中での扱い[編集]

初期[編集]

ZAC2100年にガイロス帝国が、デスザウラー復活計画が行われていたオリンポス山の山頂の遺跡に残されたデータからOSの一部解析に成功し、試作機に搭載。ジェノザウラーとして完成した機体は模擬戦闘でセイバータイガーATとレッドホーンGCを瞬時にして葬るという恐るべき戦闘力を見せつけた。しかし、ジェノザウラーはOSの精神的負荷に耐えられるパイロットがおらず、量産化は遅滞する[7]

共和国でも遺跡から持ち帰られたデータを元に、シールドライガーにOSを搭載する事でブレードライガーを完成させる。だが、ブレードライガーも非常に扱いにくい機体となり、一部のエースパイロットにしか扱えなくなった。

その後、ジェノザウラーとブレードライガーはOSを簡略化した量産機が登場している。また、小型ゾイドなどにOSを限定的に搭載し、レブラプターやガンスナイパーといった高性能な小型量産機を開発。飛行ゾイドのストームソーダーは当時最強の空戦機のレドラーからその座を奪い取った。

更にジェノザウラーを大幅に強化した機体としてジェノブレイカーが誕生したが、こちらは性能向上と共により一層操縦困難な機体となってしまった。

特殊ケースとして、ゴジュラスにOSを搭載したゴジュラス・ジ・オーガの場合、通常ゴジュラスの10倍の戦闘力を持つに至ったものの、元々扱いにくかったゴジュラスが誰にも扱えなくなってしまい、無用の長物となりかけたが、特定パイロットにのみ心を許し、後にはダークスパイナーのジャミングウェーブを無効化する能力も発揮した。

真オーガノイド[編集]

真オーガノイドは西方大陸ガリル遺跡からガイロス帝国が回収したゾイドコアである[12]。ジェノザウラーやレブラプターといった実験型OS搭載機を凌駕する性能を誇るが[13]、これを搭載したデススティンガーは戦闘中に自己防衛本能を覚醒させた結果暴走し、パイロットの死亡後も活動を続けるゾイドへと変貌した[14]。さらに暴走時の各性能は製作者の想定を遥かに超えるレベルに達し[15]、化け物じみた戦闘力を発揮する暴走時のデススティンガー相手ではOS搭載機をはじめとした両軍強力ゾイドであっても勝機は薄い。

真オーガノイドには自己増殖、自己進化の能力があり、これによって暴走したデススティンガーは襲撃したゾイドを糧にして自ら増殖、進化していったが、真オーガノイドの危険性を察知した前述のヘリック、ガイロス両国のエースパイロット二人とその専用機の活躍と犠牲によってデススティンガーの暴走は阻止された[16]

後に量産されたデススティンガータイプの機体には「インターフェイス」と言うパイロットへの精神負担を肩代わりする事で暴走を抑える人間サイズのゾイドを一緒に搭載する事によって真オーガノイドのコントロールは可能となった[10]。ただし、関連書籍における戦力評価は暴走時のものを参照しており[17]、人間の手でコントロールされたデススティンガーとの性能差は不明。

後期[編集]

ガイロス帝国(正確にはガイロス帝国内のネオゼネバス派)は西方大陸撤退直前に発掘されたインターフェイスと呼ばれる小ゾイド[注 4]からOSの制御に成功[10]。デススティンガーの改良機であるKFD(キラー フロム ザ ダーク)を開発したが、この際は実験機だった事もあり、出力を70%に抑えた状態で出撃していたため、最終的にはライガーゼロを含む共和国ゾイド群に全滅している[10]

また、OSの持つゾイドコアの分裂促進能力を活用し、ウオディックやデスザウラーを完全に復活させた。この時のデスザウラーは最大の激戦地セスリムニルの戦場の30機を含め、暗黒大陸本土決戦時には総計50機が完成し投入された。旧ゼネバス機よりも操縦性が悪くなったものの出力は格段に向上しており、(復活過程の関係で弱体化していたとはいえ)マッドサンダーの反荷電粒子シールドを荷電粒子砲で強引に突破し溶かしてしまう程の力を発揮した[18]

その後、ZAC2106年の時点でネオゼネバス帝国はOS解析をほぼ完全に成功しており、デススティンガーをベースにしたステルススティンガー、サックスティンガーといったOSを標準装備し、従来機よりも高い戦闘能力と再生能力を併せ持ったゾイドを多数配備している[11][注 5]

なお、ライガーゼロのような完全野生体ベース機の登場以来、OS搭載新型ゾイドはあまり登場しなくなった。

リバースセンチュリー[編集]

キングゴジュラスのコントロール技術とガイロス宮殿地下の古代ゾイド人技術を用いて完成した「DLS(ダイレクトリンクシステム)」が登場。ゾイドの闘争本能とパイロットをリンクさせゾイドの戦闘能力を向上させる機能を持ち、西方大陸戦争にて実用化されたオーガノイドシステムの先駆的存在として扱われている。

ゲーム[編集]

ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国』においても、上記の設定に準じるかたちでオーガノイドシステムが登場。オーガノイドシステムやデススティンガーを巡って、主人公(プレイヤー)やライバル及び同作中の陰謀の黒幕が戦ってゆくストーリーとなっている。

オーガノイド[編集]

アニメ『ゾイド -ZOIDS-』[編集]

アニメ第1作では古代ゾイド人が残した小型ゾイドの種類(“システム”とは呼ばれない)として登場。その能力は他のゾイドと合体する事でゾイドの進化と戦闘能力の強化、回復及び、石化(完全に死亡)したゾイドの復活を行うという現代技術では再現できない一種のオーバーテクノロジーである。

搭乗者に危機が迫った時に脱出させるための人を収容するスペースが体内に設けられ、ゾイドとの合体時はそのゾイドコアと一体化する。合体したゾイドの戦闘力は常識を逸脱したものとして作中では認識されており、現在では数が少ないことから伝説的な存在となっているが、かつては絶滅した古代ゾイド人には無くてはならない存在であるとして、一人の古代ゾイド人につき対になる「オーガノイド」が一体いたようである。

ジークシャドースペキュラーアンビエントの4体が確認されている。しかし、オーガノイドによって能力はそれぞれ異なっている。特にスペキュラーとアンビエントの二体は合体能力が顕著であり、合体したゾイドを巨大化させたり、より攻撃的な姿に変異させるなど他の個体に比べて進化・能力強化に特化した力をもっている。

シャドーの場合、合体したセイバータイガーが脚を切り落としてなお戦闘能力を無傷の状態よりも引き上げたり、通常のオーガノイドでは1分程度が限界とされるジェノブレイカーへの合体・制御を3分間も行える、オーガノイド同士の格闘戦ではスペキュラーを圧倒するなど、戦闘能力では他の個体を上回っているが、ほかのオーガノイドの持つ機体の修復能力は持たない。ジークに関しては特化した能力が明確には明かされていないが、完全に死亡した個体と融合して復活させたのはジークだけである(アンビエントは致命傷を負ったデススティンガーを蘇生させたことはあるが、完全に死んでいたわけではなく合体直前にゾイドコアが微かに再鼓動を始めていた)。

判明している限りでは、ジークにはフィーネ、スペキュラーにはリーゼ、アンビエントにはヒルツがそれぞれ対になっているが、シャドー、しかしオーガノイドは主人と認めたものに対しては非常に忠実である。ことにシャドーは、レイヴンに嫌悪されても追従し、バンに破れて自失状態になったままの彼にも従い続けた。

オーガノイドは短時間飛行できる能力を持ち、ジークは背部ブースターを吹かし、シャドーは背部翼を持って飛行。シャドーはプテラスガンスナイパーを体当たりで撃墜した事もあった。またスペキュラー、アンビエントの二体はどちらの方法でも飛行する姿が確認されている。それにシャドーとは違い実体翼では無く光の翼であり、色もそれぞれ青、赤である。

ビーク[編集]

『ゾイド -ZOIDS-』ではGF(ガーディアンフォース)の一員であるトーマ・リヒャルト・シュバルツ中尉の開発したAIビークが登場している。AIビークは索敵、射撃管制及び戦術目的と戦況判断を円滑に進めるものであり、そしてオーガノイドと同様にゾイドの能力を高めるものがある。

AIである点がオーガノイドと異なり、トーマ本人は「ある意味、オーガノイド以上の力を持つ」と自負している。実際にソフト面を強化する補助システムとしての能力は高いと言えるが、オリジナルのオーガノイドのようにゾイドの形態を進化させたりパイロット保護の機能までは持ち合わせていない。

普段はトーマが搭乗するディバイソンに搭載されているが、62話ではトーマが乗り込んだハンマーヘッドに移植された事もある。あくまでもトーマが個人的に作ったものなのでトーマ以外には特に類似している機種を使用する描写はなかった。

漫画『機獣新世紀ZOIDS』[編集]

ジークとシャドーの二種類が登場。合体する事でゾイドの性能を向上させ、時には回復も行うという点では同じだが、同漫画におけるシャドーは合体したゾイドが一定時間を経つと死に至る設定を持っている[注 6]。ジークは収容した人間の傷を治癒させる能力を秘めている他、合体したゾイドから過去の記憶を読み取る描写も見受けられた。また、ジーク、シャドーともに分子レベルで搭乗者とゾイドを融合させ、操縦負荷を軽減させる能力も併せ持っている。そのため、ゾイドとの合体時の描写もアニメとは異なり、スペードまたはハート状に変形、その後搭乗者を守る保護シートのように変化してコックピットに搭乗者とゾイドを融合させる形で合体している[19]

アニメ『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』[編集]

ゾイド新世紀スラッシュゼロ』では第一作と違い、「アルティメットX」と呼ばれる特定のゾイドに搭載された一種の人工知能と言うことになっており、戦闘を経る事によって経験を蓄積し、ゾイド自身の戦闘能力を高める事ができるとされる。こちらは従来のOSとは設定や機能はだいぶ異なっており、上述するビークタイプに近いものとなっている。

ゲーム『ZOIDS SAGA』など[編集]

ZOIDS SAGA II』においてパルスと呼ばれるヒョウ型のオーガノイドが登場。アーカディア王国の古代遺跡から発見されてDr.Tがオーガノイド研究のための実験をしていたが、時空融合で飛ばされた世界で出会った主人公ゼルに譲られる。

パルスはマスター(ゼル)の感情や精神に影響を受けて成長し、会話の選択肢によって体色が白・黒・青・赤に変化(能力も変化)する。オーガノイドについて、ゼルは(実在するとは思わなかったが)ゾイドを強化できる生物という程度の知識があったが、町の人々はオーガノイドを全く知らないような反応を示した。物語中では、パルスが時空融合に伴う現象である時空クレバスに反応したり、ブリッツタイガーはパルスと合体することで限界まで性能を引き出せると説明されたりした。

なお、パルスと対になる古代人の存在は不明だが、『ZOIDS STRUGGLE』のストーリーモードに登場する古代ゾイド人のルーシュが、パルスに酷似した黒い小型ゾイドを引き連れている場面がある。ただし、同作ではパルスやオーガノイドについて全く説明は無く、ストーリー的にも関連づけられていない。

その他、スーパーロボット大戦シリーズの『スーパーロボット大戦Operation Extend』でもジークなどのオーガノイドが登場する。『ゾイド -ZOIDS-』作品としての参加となるため、設定などは同アニメに準じている[20]

搭載ゾイド[編集]

(限定)は限定的にOSが用いられている機体。(培養)はOSを使って培養された機体。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「公式ファンブック2」において初のOS搭載機であるジェノザウラーが模擬戦を行った際、テストパイロットを担当したリッツ・ルンシュテッドにはゾイド側の精神が流れ込み、鼓動の高鳴りや呼吸の乱れ、破壊衝動が発生した。後にこれはOSの搭載によって凶暴化したために生まれたゾイドの憎しみの感情であることが判明している。
  2. ^ ただし、限定的なOSを施したレブラプターはロールアウト時に中型ゾイドを凌駕する高い性能を発揮し[8]、OS調整後のジェノザウラーも主力機足り得る性能は併せ持つとされている[9]
  3. ^ 一方で、ハイエンドマスターモデルのブレードライガーABバン仕様の説明においてはOSは大きく別けて『ヘリック共和国、ガイロス帝国それぞれが遺跡に記してあった情報を解析して得た技術で制作したゾイドコアのリミッター解除ユニット。これにより、ゾイドはパワーや生命力・再生能力が格段に向上するものの、凶暴性が増すために、操縦は非常に困難になる。』、『ガイロス帝国軍によって解析されたゾイドコアを胚の段階で戦闘本能、遺伝情報を組み替える原型質転換技術』、『化石化したゾイドコアや衰弱したゾイドコアを活性化させ、ゾイドコアの分裂を促進する事が出来る』『「オーガノイド」と呼ばれる古代ゾイド人が生み出した小型ゾイドが、ほかのゾイドに融合することで戦闘能力を大幅に強化するタイプ。しかし「オーガノイド」は「生きた化石」と呼ばれるほど稀少なもので、その存在はわずか数個体が確認されている』といった数種類の技術が存在するものとしている。
  4. ^ バトルストーリーにおいて真オーガノイドであるデススティンガーを制御するために必要なインターフェイスは、アニメの「オーガノイド」に極めて近い姿をしている(ジオラマではジェノブレイカー付属のシャドーを改造した物が使われている)
  5. ^ ただし、これらの機体はオリジナルのデススティンガーのように自己進化や自己増殖といった能力を発揮した例は見られない。
  6. ^ 後にシャドーとの合体負荷に耐え得る専用のゾイドも登場

出典[編集]

  1. ^ 「EZ-026 ジェノザウラー」トミー 2000年3月2日発売 商品パッケージ
  2. ^ 「ゾイド公式ファンブック」小学館 2000年3月20日初版発行 30頁、70-71頁。(ISBN 4-09-102830-6)
  3. ^ a b 「電撃ホビーマガジン」2002年9月号 メディアワークス 160-161頁
  4. ^ 「ゾイド公式ファンブック2」小学館 2001年3月1日初版発行 33頁、62頁。(ISBN 4-09-102863-2)
  5. ^ 「ゾイド公式ファンブック3」小学館 2002年3月1日初版発行 25頁。(ISBN 4-09-106030-7)
  6. ^ 「ZOIDS BOOK2002」『電撃ホビーマガジン」』2002年4月号 メディアワークス 付録冊子 13頁
  7. ^ a b 「ゾイド公式ファンブック2」小学館 2001年3月1日初版発行 12-20頁。(ISBN 4-09-102863-2)
  8. ^ a b 「ゾイド公式ファンブック2」小学館 2001年3月1日初版発行 82頁。(ISBN 4-09-102863-2)
  9. ^ a b 「機獣新世紀ゾイドバトルストーリー THE AVENGE OF PROITEN(プロイツェンの反逆)」『ゾイドコアボックス』 小学館 2003年10月24日発売付属書籍 73頁。(ISBN 978-4099410865)
  10. ^ a b c d 「ゾイド公式ファンブック3」小学館 2002年3月1日初版発行 31頁。(ISBN 4-09-106030-7)
  11. ^ a b 「RZ-064 ゴジュラスギガ」トミー 2002年9月28日発売 付属冊子「オフィシャルファンブック
  12. ^ 「ゾイド公式ファンブック2」小学館 2001年3月1日初版発行 16-23頁。(ISBN 4-09-102863-2)
  13. ^ 「ゾイド公式ファンブック2」小学館 2001年3月1日初版発行 88-89頁。(ISBN 4-09-102863-2)
  14. ^ 「月刊コロコロコミック」2000年9月号 小学館 54-55頁
  15. ^ 「ゾイド公式ファンブック2」小学館 2001年3月1日初版発行 42-43頁。(ISBN 4-09-102863-2)
  16. ^ 「ゾイド公式ファンブック2」小学館 2001年3月1日初版発行 50-60頁。(ISBN 4-09-102863-2)
  17. ^ 「ゾイド公式ファンブック4」小学館 2004年2月1日初版発行 96頁。(ISBN 4-09-106132-X)
  18. ^ 「ゾイド公式ファンブック4」小学館 2004年2月1日初版発行 30-31頁。(ISBN 4-09-106132-X)
  19. ^ 『機獣新世紀ZOIDS』
  20. ^ スーパーロボット大戦Operation Extend公式ウェブサイト - CHARACTER:ゾイド -ZOIDS-