マーベル・コミック
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種類 | エンターテインメント |
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略称 | MC |
本社所在地 |
![]() ニューヨーク州ニューヨーク市 |
設立 | 1939年1月12日(Timely Comicsとして) |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | コミック |
売上高 | US$125,700,000 (2007) |
営業利益 | US$53,500,000 (2007) |
所有者 | マーベル・エンターテインメント(ウォルト・ディズニー・カンパニー) |
主要株主 | ウォルト・ディズニー・カンパニー |
関係する人物 | スタン・リー |
外部リンク | https://www.marvel.com/ |
マーベル・コミック(英名: Marvel Comics) は、アメリカ合衆国のニューヨークに本社を置く漫画出版社である。DCコミックスと並ぶ二大アメリカン・コミックス出版社のひとつ。カタカナ表記は「マーベル」[1] で、1990年代は「マーヴル」が公式な綴りとされたが、揺れがあり「マーヴェル」も見られる。設立当初の商品はコミックのみであったが、現在ではメディアミックス路線で作品を売り出しており、映画、ゲームでも世界的な人気を誇っている。
歴史[編集]
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タイムリー・コミックス[編集]
1939年にマーティン・グッドマンを社長に、その甥で当時十代のスタン・リーを編集に据え、「タイムリー・コミックス(Timely Comics)」としてグッドマンが所有していたニューヨーク42丁目(330 West 42nd Street)の事務所で[2] 発足した[3]。第二次世界大戦中にヒューマントーチ、サブマリナー、キャプテン・アメリカなどの人気キャラクターを生み出し、コミック雑誌やペーパーバック小説を発売していた。
アトラス・コミックス[編集]
第二次世界大戦後はヒーローものの人気が低下[4] しており、1949年には人気シリーズだった「マーベル・ミステリー・コミック」やヒューマントーチ、サブマリナーも中断、1950年にはキャプテン・アメリカを75号で中断した。そのためグッドマンはホラーやウェスタン、ユーモア、動物もの、冒険活劇、モンスター、犯罪、戦争ものなどにジャンルを拡大した。さらにジャングルもの、恋愛ストーリー、スパイもの、中世や聖書がテーマのコミックもあった。
グッドマンは1951年より、自分が持っていた新聞販売流通会社「アトラス・ニュース(Atlas News Company)」の地球の形のロゴの使用を開始した。アトラスの戦略は、当時新しいものを生み出すと言うより、テレビや映画などで既に人気となっていたウェスタンやドライブインシアターで流行ったモンスターもの、「ECコミック」など競合誌からもヒントを得ていた[5]。
マーベル・コミックス[編集]
その後「アトラス・コミックス(Atlas Comics)」と名を変え、1957年に現在の「マーベル・コミックス」となる[3]。競合誌の「DCコミックス」とともに、アメリカン・コミックを代表する著名なスーパーヒーローのほとんどを生み出した[6]。1982年には、日本の漫画「AKIRA」の原版を反転しカラー化して出版している[7]。1992年には、アメコミ界初のゲイのヒーローが登場する作品の連載も始めた[8]。
1980年代後半から徐々に経営が悪化し、一時はマイケル・ジャクソンが買収に乗り出したこともあったが[9]、1997年に倒産し、「マーベル・エンターテインメント」として再稼働するも振るわず、2009年にウォルト・ディズニー・カンパニーに買収された。
ウォルト・ディズニー・カンパニーによる買収[編集]
2009年8月31日、ウォルト・ディズニー・カンパニーは、40億ドルでマーベル・エンターテインメントを買収し、マーベル株主に対し、1株当たり30ドルとディズニー株0.745株を支払うことにした[10]。株主投票は2009年12月31日におこなわれ、数時間で[11] 買収が決まった[12]。
代表的な出版作品[編集]
- スパイダーマン (Spider-Man)
- キャプテン・アメリカ (Captain America)
- X-メン (X-Men)
- デアデビル (Daredevil)
- ハルク (Hulk)
- パニッシャー (Punisher)
- ファンタスティック・フォー (Fantastic Four)
- シルバーサーファー (Silver Surfer)
- ドクター・ストレンジ (Doctor Strange)
- アイアンマン (Iron Man)
- マイティ・ソー (Thor)
- ゴーストライダー (Ghost Rider)
- ウルヴァリン (Wolverine)
- ブレイド (Blade)
- ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
(Guardians of the Galaxy)
- アベンジャーズ (Avengers)
映画化[編集]
マーベルキャラが出演するモバイルゲーム[編集]
- ソーシャルゲーム
- マーベル ウォー・オブ・ヒーローズ(2012年、DeNAとウォルト・ディズニー・ジャパン)
- マーベル ツムツム(2016年、mixi)
- Marvel オールスターレルム (2020年、Kabam, Inc.)
マーベルキャラが出演するコンピュータゲーム[編集]
特に表記のない物はカプコン製。
- 対戦格闘ゲーム
- 横スクロール・アクションゲーム
- X-MEN(コナミ)
- The Punisher
- Spider-Man(セガ)
- マーヴルスーパーヒーローズ ウォーオブザジェム
- キャプテンアメリカ・アンド・ジ・アベンジャーズ(データイースト)
- アイアンマン/XOマノワー
- MARVEL ULTIMATE ALLIANCE 3: The Black Order(任天堂)
東映との提携[編集]
1977年6月[13][14]、東映がアメリカの出版社・ケイデンス・パブリッシングとキャラクターに関するライセンス契約を結び[13][14]、同社の事業部門である米コミックス誌界の大手、マーベル・コミックス・グループ(Marvel Comics Group、略称:MCG)が発行するコミック誌のキャラクター全ての劇画権、出版権などを獲得した[13]。1978年5月15日に[15]、東映本社で、マーベル・コミックス・グループと東映が業務提携すると発表され[15][16][17]、マーベル・コミックスが所有するスパイダーマン、キャプテン・アメリカ、ファンタスティック4、ハルク等々多数の人気スーパーヒーロー・キャラクターの日本に於ける商品化[17]、テレビ番組の制作[17]、出版、遊園地及び劇場などでの実演等のマーチャンダイズを行い[15][17]、東映が所有するマジンガーZ、ゲッターロボなどの人気キャラクターをマーベルを通してアメリカを始め世界各国に売り込む相互乗り入れ事業を行うと発表した[17]。
1980年にマーベル・コミックス・グループがフィルム業界進出を狙い新たに「マーベル・プロダクション(en:Marvel Productions)」を設立したため[14][18]、東映は業務提携を強化することになり[14][18]、同年7月10日、東映本社で、同グループ社長・ジェームス・ゴードン、岡田茂東映社長、今田智憲東映動画社長による共同記者会見を行い[18]、同社と出版、キャラクター商品などの提携の他[18]、この提携で両社は共同でテレビ、劇場用アニメーションの企画・製作・販売を強化するとし[18]、製作に関しては岡田社長が「世界的に評価の高い東映動画が一手に引き受ける契約をした」と話した[14][18]。販売に関してはアメリカの三大ネットワークを始め、双方のルートを通じて、アメリカはマーベル、日本及び東南アジアは東映で、ヨーロッパは共同で世界のマーケットへ進出を企図した[14][18]。
こうした提携を受け、1978年から1981年にかけて、『スパイダーマン』の実写化(スパイダーマン)やスーパー戦隊シリーズなどの作品に携わった[15]。スタン・リーは東映の『スパイダーマン』を絶賛している[15]。1980年には、マーベルの怪奇コミックス「The Tomb of Dracula」を原作として東映動画が制作したテレビアニメ特番『闇の帝王 吸血鬼ドラキュラ』が放送されている。一方、米国においてはマーベル・コミックスが『惑星ロボ ダンガードA』、『超電磁ロボ コン・バトラーV』などの主役ロボットが宇宙で活躍するコミックス『ショーグン・ウォリアーズ(en:Shogun Warriors (comics))』を刊行している。
当時のほとんどの作品には「©(テレビ局名)・MCG・東映」と著作権表記されていたが、現在では版権切れに伴って表記が消えている。
この提携契約終了後はほとんど縁がなかったマーベルと東映だが、2014年から放送開始となるマーベルの日本ローカライズアニメ作品『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』は東映アニメーションが制作することになった[19]。
MCG提携による東映作品[編集]
- スパイダーマン(1978年、東京12チャンネル)
- バトルフィーバーJ(1979年、テレビ朝日系)
- 電子戦隊デンジマン(1980年、テレビ朝日系)
- 闇の帝王 吸血鬼ドラキュラ(1980年8月19日、テレビ朝日系)
- 太陽戦隊サンバルカン(1981年、テレビ朝日系)
MARVEL提携による東映アニメーション作品[編集]
- ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ(2014年、テレビ東京系)
マーベル75周年の軌跡 コミックからカルチャーへ![編集]
『マーベル75周年の軌跡 コミックからカルチャーへ!』(原題:MARVEL75YEARS FROM PULP TO POP!)は、アメリカ合衆国のドキュメンタリー作品[20]。マーベル誕生75周年を記念して制作された[20]。映画『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』にシャロン・カーター / ケイト / エージェント13役で出演したエミリー・ヴァンキャンプによるホストのもと、マーベル関係者へのインタビューを通じて歴史をたどっていく[20]。
日本では映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の日本公開を記念し、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン公開記念 マーベル75年の軌跡 コミックからカルチャーへ!』のタイトルでDlifeにて2015年7月5日 22:00 - 23:00(JST)に放送された[20]。ヴァンキャンプの声は御沓優子によって日本語に吹き替えられ、関係者の部分は字幕放送となっている。
円谷プロダクションとのコラボレーション[編集]
2019年11月23日、マーベルが2020年にウルトラマンの新作コミックを出版することが、東京コミコン2019にてマーベル・コミックス編集長のC・B・セブルスキーと円谷プロダクション代表取締役会長兼CEOの塚越隆行により、発表された[21]。昭和第1期ウルトラシリーズを、マーベルが新たなアートとストーリーで描く[21]。
2020年2月29日、新作コミック『THE RISE OF ULTRAMAN』(ザ・ライズ・オブ・ウルトラマン)のカバーイラストが、セブルスキーによって披露された[22]。同年後半にアメリカで出版予定の第1巻は、カイル・ヒギンズとマット・グルームが脚本、フランチェスコ・マンナが作画をそれぞれ担当する[22]。全5巻を予定しており、6月17日にはアレックス・ロスによる第1巻のカバーアートが公開された[23]。
脚注[編集]
- ^ 日本国内の権利を有するディズニーは、ウェブサイトで「マーベル」と表記している。
- ^ History of Marvel Comics – MARVEL COMICS LIBRARY
- ^ a b スーパーヒーローとアメリカ社会 森田匡、慶応大学『政治学研究』49号(2013)
- ^ Wright, Bradford W. (2001). Comic Book Nation: The Transformation of Youth Culture in America. The Johns Hopkins University Press. p. 57. ISBN 978-0-8018-6514-5
- ^ Per Les Daniels in Marvel: Five Fabulous Decades of the World's Greatest Comics, pp. 67–68: "The success of EC had a definite influence on Marvel. As Stan Lee recalls, 'Martin Goodman would say, "Stan, let's do a different kind of book," and it was usually based on how the competition was doing. When we found that EC's horror books were doing well, for instance, we published a lot of horror books'".
- ^ アメリカン・コミックとアメリカ映画に見る原子力の姿 植竹大輔、日本大学工学部、国際文化表現学会東京大会シンポジウム「原子力をめぐる文化表象」2012年12月8日
- ^ ビジネスケース『ビズメディア〜北米マンガ市場の開拓者』 一橋大学イノベーション研究センター、東洋経済新報社, 2014
- ^ ディズニーアニメにおけるマイノリティ表象と社会的影響 神尾美咲、獨協大学、2013 年1月
- ^ MICHAEL JACKSON, INC.: マイケル・ジャクソン帝国の栄光と転落、そして復活へ ザック・オマリー・グリーンバーグ、Cccメディアハウス, 2014
- ^ “Disney to Acquire Marvel Entertainment for $4B”. Marketwatch. 2009年8月31日閲覧。
- ^ Disney Completes Marvel Acquisition[リンク切れ], Fox Business, December 31, 2009
- ^ Marvel Shareholders OK Disney Acquisition, Marketwatch, December 31, 2009
- ^ a b c “東映、米誌のキャラクター権獲得―大手出版社と契約、同時に自社品輸出図る。”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): p. 9. (1977年5月19日)
- ^ a b c d e f 「映画界の動き東映、米マーベル・プロと業務提携結ぶ」『キネマ旬報』1980年8月下旬号、キネマ旬報社、 164頁。
- ^ a b c d e “東映がアメリカのマーベル・コミック社と提携”. 週刊映画ニュース (全国映画館新聞社): p. 1. (1978年5月30日)
- ^ 鈴木武幸『夢を追い続ける男』講談社、2018年、150 - 152頁。ISBN 978-4065137628。
- ^ a b c d e 「映画界の動き 東映、米マーベル・コミックとジョイント」『キネマ旬報』1978年6月下旬号、キネマ旬報社、 180-181頁。
- ^ a b c d e f g 「東映、米マーベル・プロと業務提携結ぶ 企画・販売は両社、製作は東映動画で」『映画時報』1980年9月号、映画時報社、 16頁。
- ^ マーベルの日本ローカライズアニメ作品『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』の共同提供は、ウォルト・ディズニー・ジャパン、東映アニメーション、MARVEL、テレビ東京、アンブリン・パートナーズ/ドリームワークス・アニメーション、MTV Japanである。
- ^ a b c d “「アベンジャーズ」最新作公開記念! 「エージェント・オブ・シールド」とマーベルのドキュメンタリー番組がDlifeにて7月放送”. TVグルーブ (2015年6月24日). 2015年9月27日閲覧。
- ^ a b “マーベル・円谷プロがコラボを発表 ウルトラマンの新作コミック出版へ”. ORICON NEWS (オリコン). (2019年11月23日) 2019年11月24日閲覧。
- ^ a b “マーベル・コミックスでウルトラマンが描かれる!『THE RISE OF ULTRAMAN』カバーイラスト公開”. music.jpニュース (music.jp). (2020年3月2日) 2020年3月2日閲覧。
- ^ “ド迫力!マーベル版ウルトラマン、伝説的アーティストによるカバーアート公開”. シネマトゥデイ (シネマトゥデイ). (2020年6月17日) 2020年6月19日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 公式サイト(英語)
- マーベル(日本語)
- Marvel (@marvel_jp) - Twitter
- Marvel - Facebook
- MARVEL STYLE JAPAN (marvelstyle_jp) - Instagram
- マーベル - YouTubeプレイリスト
- 『THE MARVEL ENCYCLOPEDIA マーベル・キャラクター大辞典』小学館集英社プロダクション、2010年
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