インクレディブル・ハルク (映画)

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ハルク (マーベル・コミック) > インクレディブル・ハルク (映画)
インクレディブル・ハルク
The Incredible Hulk
The-incredible-hulk-logo.svg
監督 ルイ・レテリエ
脚本 ザック・ペン
エドワード・ノートン(クレジット無し)
原案 ザック・ペン
原作 ジャック・カービー
スタン・リー
ハルク
製作 アヴィ・アラッド
ゲイル・アン・ハード
ケヴィン・ファイギ
製作総指揮 スタン・リー
デヴィッド・メイゼル
ジム・ヴァン・ウィック
出演者 エドワード・ノートン
リヴ・タイラー
ティム・ロス
ティム・ブレイク・ネルソン
タイ・バーレル
ウィリアム・ハート
音楽 クレイグ・アームストロング
撮影 ピーター・メンジース・ジュニア
編集 ジョン・ライト
リック・シェイン
ヴィンセント・タバイロン
配給 アメリカ合衆国の旗 ユニバーサル・スタジオ
日本の旗 ソニー・ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2008年6月13日
日本の旗 2008年8月1日
上映時間 112分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ブラジルの旗 ブラジル
言語 英語
ポルトガル語
製作費 $150,000,000[1]
興行収入 日本の旗 5億円弱[2]
アメリカ合衆国の旗 カナダの旗 $134,806,913[1]
世界の旗$263,427,551[1]
前作 アイアンマンマーベル・シネマティック・ユニバース前作)
次作 アイアンマン2(マーベル・シネマティック・ユニバース次作)
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インクレディブル・ハルク』(The Incredible Hulk)は、2008年アメリカ映画

マーベル・コミック」のコミック作品『ハルク』の実写映画化作品。また、様々な「マーベル・コミック」の実写映画化作品を、同一の世界観のクロスオーバー作品として扱う一大企画『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズの一作品でもあり、そのシリーズでは『アイアンマン』に続く第2作品目の映画となる。

概要[編集]

コミック作品『ハルク』の実写映画化作品としては、2003年にもアン・リー監督によって『ハルク』が映画化されたが、人間ドラマに焦点を当てた事からヒーロー物としては高い評価を得られず興行も振るわなかった。そのため本作は2003年の映画『ハルク』の続編ではなく、ストーリーとスタッフやキャストを一新した「リブート(再始動)作品」として、物語の冒頭から再制作された新作である。

また本作は、「マーベル・コミック」のヒーロー作品を同一の世界観のクロスオーバー作品として扱う一大企画『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズの一作品でもあり、『アイアンマン』に続く第2作品目となる。そのため本作のエンディングは、映画『アベンジャーズ』へと繋がる内容となっており『アイアンマン』シリーズの主人公トニー・スターク(演:ロバート・ダウニー・Jr)が出演している。日本では8月1日に公開され、キャッチコピーは「その「力」、ためらうな。」である。

いわゆる敵役(ヴィラン)としては、原作における「アボミネーション」が登場しハルクと対決する。また他の多くの「マーベル・コミック」の実写映画作品同様、今作でも原作者のスタン・リーがカメオ出演しており、テレビシリーズ『超人ハルク』等でハルク役を演じたルー・フェリグノがハルクの声を担当したほか、大学の警備員役でカメオ出演している。また、ブルースが怒りの感情を抑制するため師事する師匠として、格闘家のヒクソン・グレイシーが出演している。

映画のプロモーションの一環で、青森ねぶた祭りにハルクねぶたが登場した[3]

ストーリー[編集]

兵士強化実験のための研究(第二次世界大戦中に中止された、キャプテン・アメリカ誕生の結果となった実験)を行っていたブルース・バナー(エドワード・ノートン)は、研究の成功を確信し自らの肉体を使って実験を行った。しかし実験は失敗し、ブルースは緑色の巨人へと変貌。軍から追われる身となったブルースはブラジルリオデジャネイロに潜伏、武道家に師事し、変身の原因となる感情の制御方法を学びながら、「ブルー」と名乗る研究者の協力のもと、体を元に戻す方法を模索していた。しかし、感情の制御は容易ではなく、研究も詳細なデータが無いため上手くいかず、焦りばかりが募っていく。

ある日、ブルースは勤め先のジュース工場で不意に手を切ってしまい、血液が混入したジュースが出荷されてしまう。それを飲みガンマ線に汚染された人物が現れたことを知った軍は工場を突き止め、エミル・ブロンスキー(ティム・ロス)を含む精鋭部隊を送り込んできた。追い詰められたブルースは巨人へと変身し、部隊を壊滅させた。唯一生き残ったブロンスキーは、あの怪物が兵士強化実験の成れの果てであることを知り、衰えた肉体を強化するために実験に志願する。

研究資料を求めアメリカに戻ったブルースは、ロス将軍の娘であり実験の当事者でもある恋人のベティ・ロス(リヴ・タイラー)と再会し、資料を求めて大学へと潜入するが、そこには肉体を強化したブロンスキーが待ち構えていた。追い詰められながらも、二人はその場を逃れ、この時の戦いを目撃した学生の一人が「廃船(ハルク)のように巨大だった」と語ったことから、後にメディアからは「ハルク」と呼ばれるようになる。

ブルースは協力者の「ブルー」ことサミュエル・スターンズ(ティム・ブレイク・ネルソン)の元へたどり着き、遂に肉体を元に戻すことに成功する。しかし、その直後に追いついたロス将軍の部隊に捉えられてしまう。拘束されヘリで移送されていくブルース。その一方、ハルクの力に魅せられていたブロンスキーはサミュエルを脅迫し、彼が培養していたブルースの血液を自らに注入。もう一人のハルク「アボミネーション」へと変身し暴れ始める。パニックに陥る町を守るため、ブルースは自らの意思で再びハルクへと変身し、アボミネーションと死闘を繰り広げ、遂に勝利する。

再び逃亡生活を送ることになったブルースだったが、人里離れた地での修行の末、変身をコントロールしつつあった。

一方、ロス将軍は今回の一連の事件が原因で、計画の凍結を言い渡され、とあるバーで酔い潰れていた。するとそこにスーツ姿のトニー・スタークが現れる。トニーは極秘裏であるチームを編成しているとの話を持ちかけたところでこの映画は幕を閉じる。

キャスト[編集]

※括弧内は日本語吹替

ブルース・バナー / ハルク
演 - エドワード・ノートン水嶋ヒロ
白人系の天才生物学者。嘗て籍を置いていたカルバー大学で、アメリカ陸軍から放射線への耐性を測るという名目で依頼された実験を、公私共に良きパートナーであるベティと共に行い、自ら被験者となってガンマ線を浴びたが、心拍数が1分間に200回を超えると緑色の大男へと変身する体質となり、ロス父娘を負傷させ、大学の研究室を破壊してしまった。そのためロスら軍から追われる身となり、5年間リオデジャネイロで潜伏生活をおくりながら、“ミスター・グリーン”のハンドルネームを名乗り、スターンズと身体の治療法探しに連絡し合うこととなった。
控えめな物腰で、前述の経緯から心拍計を肌身離せなくなったが、治療法探しだけでなく心拍数を上げないための呼吸法や護身術に加え、町や現地の人に馴染むためポルトガル語まで習得しようとする努力家としての一面や[注釈 1]、身体一つでブラジルからメキシコを経由し、アメリカまで数週間かけて縦断するなどアクティブな男でもある。
居場所を突き止めたロスやブロンスキーら特殊部隊と対峙して以降、彼らとの2度の戦闘やベティとの再会を経てスターンズの元に辿り着き、身体に治療を施した直後にロスに捕らわれるが、最終的にはアボミネーションに変貌して暴れ回るブロンスキーを止めるために変身。治療は失敗に終わり、激闘の最中、アボミネーションに勝利[注釈 2]し再び行方を晦ました。
本作ラストでは、ブリティッシュコロンビア州のベラ・クーラで隠遁生活をはじめ、ハルクへの変身を制御するための修行に励む。
ハルク (マーベル・コミック)
声の出演 - ルー・フェリグノ
大量のガンマ線を浴びたブルースが変身した緑色の大男。カルバー大学構内での戦闘を目撃した男子学生により“廃船(ハルク)”の呼び名となった。身長は2.7mで、筋骨隆々としたその体躯は、銃撃にも傷付かないほど硬く、筋力や持久力、肺活量など全ての物理的な身体能力が想像を絶するほど強大なものであり、怒れば怒るほどそのパワーは強力になる。自身の力だけでなく、周囲にあるスクラップなどを保持して武器として利用する単純ながらも非常に効果的な戦法も多用する。また、ブルース/ハルクの血液にはガンマ線などの放射性物質が多量に含まれており、他の生物に極めて有害である。
基本的にブルースとしての理性はなく[注釈 3]、単語のみの簡易的な発声しかしない。敵味方関係なく暴れて周囲を破壊しつくすように思われがちだが、ブルースが心底大切にしている者には、身体を張ってでも守ろうとする意志も見せる。
エリザベス・“ベティ”・ロス
演 - リヴ・タイラー甲斐田裕子
遺伝細胞学を専門とする細胞生物学者で、ブルースの恋人。ブルースがハルク化した際に重傷を負ったが、一命を取り留めた。ロスの娘だが、母親を早くに亡くし、父親とはブルースの一件も手伝って疎遠になるほど不和な関係となっている。
ブルースが消息を絶った後は失意に陥り、怪我の回復後にレナードと交際していたが、ブルースを心から愛する想いを捨てきれずにいたため、彼を発見した際にはいち早く接触し、保管していた研究データを差し出して、母の形見のネックレスを質屋に売り[注釈 4]活動費用にするなど、身体の治療に奔走するブルースを危険に巻き込まれながらも全力で支える。
一途且つ穏やかでありながら、ブルースを執拗に追い続けるロスに何度も食い下がったり、乱暴な運転をしたタクシーの運転手に猛抗議するなど、強情な女性でもある。
ブルースと再会してからニューヨークまでの道中を共にするが、ハルクがアボミネーションとの決闘を終えると彼が再び行方を晦ましたため、今生の別れを味わうことになる。
エミル・ブロンスキー / アボミネーション
演 - ティム・ロス檀臣幸
39歳。ロシア生まれで英国育ち。海兵隊にて数々の戦績を挙げた兵士で、ロスに召集された精鋭隊員の中でも“最強”と評される。
ニヒルそうな顔つきの裏で、昇級よりも現場で戦う一兵士であることを渇望し、危険な実戦に陶酔するほどの非常に攻撃的で好戦的な人物である。
特殊部隊への召集後、リオデジャネイロでの戦闘で想像を絶するハルクとその力を目にし、取り逃がしたことで再戦と同等の力を望むようになり、ロスの勧めで超人血清を筋肉の奥深くと骨髄の中心に投与されて超人兵士となる。カルバー大学での再戦では、新たに得たその力を活かしてハルクと戦うが、相手を不用意に挑発したことで瀕死の重傷を負ってしまった。
だが血清の効果により数日で全快し、もう一度血清を投与され、ハルクとの決着のためにグレイバーン大学へ乗り込むが、そこでブルースの血液サンプルが培養されていると知るや、培養したスターンズを脅して自身に血液サンプルを投与させた。その結果、アボミネーションへと変貌し、ハルクを誘き寄せて決闘するために、ブロードウェイで破壊の限りを尽くしてしまう。そして現れたハルクを翻弄し苦しめるほどの激闘を繰り広げ、ロス父娘にも襲いかかるが、ハルクに巨大な鎖で締め上げられて敗北。その身柄は、ロスに引き渡される。
後に『エージェント・オブ・シールド』シーズン1の第13話で、アラスカのバローにあるS.H.I.E.L.D.の施設に収容されていることが、フィル・コールソンの台詞で判明した。
アボミネーション
超人血清を過剰投与されたブロンスキーがブルースの血液サンプルを取り込み変身した怪物。猛烈な破壊衝動を持つ筋骨隆々の大男という点ではハルクと同等だが、身長は3.7mの薄緑色の体躯で、着衣と体毛も無くなり、脊髄と胸骨が浮き出た半魚人風の意匠で、両肘から突起が突き出ており、変身後もブロンスキーの自我を保ち[注釈 5]まともに言語も話すなど、ハルクとの相違点も多い。しかし、ハルクと同等の身体能力と、互角以上に殴り合うほどの戦闘能力を発揮する。
“アボミネーション”の名称は、本作には登場せず、『マーベル・ワンショット』の『相談役』で初登場する。
サディアス・“サンダーボルト”・ロス将軍
演 - ウィリアム・ハート菅生隆之
アメリカ陸軍将軍。5年前にスーパーソルジャー計画を再開させた責任者であり、実験失敗でハルク化したブルースによって娘のベティと共に負傷する。それ以降、体質が変化し行方を晦ましたブルースを目の敵・「軍の所有物」と見做し、捕獲して治療はせずに、スーパーソルジャー計画続行と実験失敗の事実の隠蔽のためにブルースの行方を追い続けていた。
厳格な軍人だが、ブルースを娘の恋人と知りながらも計画のために利用し、手段を選ばずに自身の保身と目的達成を企むなど、独善的で冷酷な男である。娘のベティとは、実験失敗後に疎遠となり、顔を合わせる度に険悪なムードとなるが、内心では偽りなく大切に思っている。
ブルースがリオデジャネイロに潜伏しているとの情報を得て、召集したブロンスキーら特殊部隊を率いて現地へ向かい、作戦指揮を執るが、ブルース/ハルクの逃走を許した。その後、ブロンスキーに超人血清を勧めて投与させ、カルバー大学のキャンパスでの再戦時にもハルク捕獲の指揮を執るが、居合わせたベティの制止を聞き入れず、逆に彼女を窮地に追いやってしまい、ハルクに連れ去られることとなった。
後日、復活したブロンスキーに再度血清を投与させ、グレイバーン大学で遂にブルースを捕獲し、ベティを同乗させた輸送ヘリコプターで連行するが、アボミネーションとなったブロンスキーを止めるため、彼を飛行中のヘリから降ろすことを渋々了承した。それでも、アボミネーションと戦うハルクの援護射撃を部下に指示し、ベティと2人で危機に陥りながらも激戦の顛末を見届けた。
本作のラストでは、スーパーソルジャー計画が永久凍結されたことを受け、バーで自棄酒と煙草に溺れていたが、そこに現れたトニーからチーム編成について交渉される。
数年後の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』では、陸軍を退役し、アメリカ国務長官として登場する。
サミュエル・スターンズ
演 - ティム・ブレイク・ネルソン森川智之
グレイバーン大学の若干落ち着きがない教授で、自らの治療法を探っていたブルースがネットで出会い、連絡を取り合っていた協力者。ハンドルネームは“ミスター・ブルー”。
非常に優秀な頭脳を持つ細胞生物学者だが、旺盛な自身の好奇心を満たす研究と成果を何より第一に優先する傾向の持ち主で、治療のためにブルースから送られた血液サンプルを密かに培養し、マウスや人体で実験するなど倫理観はやや薄いマッドサイエンティストである[注釈 6]
ベティと2人で訪ねてきたブルースを治療し、その成果を解説するが、同時にサンプル培養の事実を告げ、ブルースからサンプルを全て破棄するように警告されても応じなかった。その直後、ブルース捕獲に突入して来たブロンスキーの要求を受け、彼に血液サンプルを投与しアボミネーションへ変貌させてしまった。その際のアボミネーションの暴走で負傷し、血液サンプルが額の怪我に染み込んだことで額が肥大していったが、その後の彼の動向は不明。
レナード・サムソン
演 - タイ・バーレル藤原啓治
心理学者で、ブルース失踪後のベティが交際を始めた新しい恋人。スタンリーからも「良い奴」と評されるほど快活で誠実な性格であり、ベティとは良好な関係を築いていたが、彼女がブルースと再会するとロスら陸軍に通報してしまう。
しかし、ハルクとベティが特殊部隊の追撃から互いを助け合おうとする姿を見て、通報したことを後悔し、最後はベティを危険に晒したロスを批難する。
キャスリーン・スパー
演 - クリスティナ・カボット
アメリカ陸軍少佐。副官として、ペンタゴン内から実戦現場まで、ロスを補佐する。
グレイバーン大学では、ブルースの血液サンプルを培養していたスターンズを尋問するが、血液サンプルを欲するブロンスキーに背後から殴り倒される。
ジョー・グレラー
演 - ピーター・メンサー
アメリカ軍の将軍で、ロスの同僚。ブルースの潜伏先がリオデジャネイロと判明後に、ブロンスキーら精鋭たちを召喚し、特殊部隊を編成。彼らを率いて出動する直前のロスにエールを送り、後事を託す。
スタンリー
演 - ポール・ソールズ(小山武宏
ピザ屋兼ダイナーの店主。ブルースとベティの良き理解者であり、5年前の実験失敗で流れたブルースに関する悪い噂も信じなかった。そのため、ブルースが自身の元に現れてからは、寝床の提供やカルバー大学潜入まで、彼をサポートした。
ブルースが現れたことに気付いたベティにその経緯を打ち明け、2人の再会のきっかけも作る。
マルティナ
演 - デボラ・ナシメント
ポルト・ヴェルデで働く若い女性従業員。ガラの悪い中年グループに絡まれていたところを救ってくれたブルースに、好感を持つ。
合気道のインストラクター
演 - ヒクソン・グレイシー
リオデジャネイロの道場で、ブルースに合気道とヨガを伝授した人物。
ミルウォーキーの男
演 - スタン・リー
ミルウォーキーに住む老人。リオデジャネイロから出荷されたブルースの血液が混入したガラナ・ソーダを飲んでしまい、身体に悪影響を及ぼす。この一件が、本編の発端となる。
トニー・スターク
演 - ロバート・ダウニー・Jr(藤原啓治)
パワードスーツを身に纏ったヒーロー“アイアンマン”である天才発明家。本作ラストで、酒と煙草に浸るロスの元に現れて皮肉げに声をかけ、自分たちはチームを編成中だと告げる。
彼がロスとの交渉に現れた理由と、その結果は『マーベル・ワンショット』の『相談役』で明らかとなる。
  • その他日本語吹き替え
田野恵乃村健次木下浩之山野井仁加瀬康之落合弘治咲野俊介駒谷昌男間宮康弘小松史法原田晃田中晶子加納千秋

設定・用語[編集]

スーパーソルジャー計画[編集]

概要
第二次世界大戦中に研究が行われた末、続行が不可能になった、“超人兵士”を複数生み出すための計画。正式名称は“ウェポンプラス計画”[注釈 7]
本作の5年前にロスの主導で再開し、ブルースは超人血清を投与したことでのガンマ線耐久性の向上についての研究として軍から依頼され、ベティと実験を行っていたが、失敗したことで再び計画は頓挫してしまった。だが、ブルースの行方を突き止めたロスは、彼を捕らえてもう一度計画を再開させようと企てたが、本作の一件で実現せずに完全凍結される。
超人血清
スーパーソルジャー計画の中核をなす人体強化血清。嘗て第二次世界大戦時に、開発者のエイブラハム・アースキン博士が射殺されたことで製造方法が失われたが、戦後も複数の科学者や組織がこの血清を再現しようと、独自に研究していた。
本作に登場するものは、スターク・インダストリーズが再現したものであり[注釈 8]、ブルースはガンマ線実験の際に、これを自身に投与した上で実験に臨んだが、失敗して事故を起こしてしまう。それにもかかわらず、現在でも軍に少量の血清が冷凍保存されており、ロスはハルクと渡り合う力を欲するブロンスキーにこれを勧奨して密かに用意し、彼に微量の血清を2度投与した。その結果ブロンスキーは、1度目の投与で前方を走っていた他の兵士たちを息一つ切らさずに軽く追い抜く走力と、高い跳躍力を発揮し、通常では再起不能となる瀕死の重傷もたった数日で全快したが、2度目の投与では自身の脊髄が肥大化し、より強大な力を求めてしまうなど副作用が見られた。
本作以降にも、幾つかのMCU作品に登場する。
ガンマ・チェア
ブルースがガンマ線実験の際に使用した、ガンマ線照射機。横から見るとアルファベットの“G”や“C”に見える照射機本体と歯科用チェアユニットを組み合わせたような形状の大型装置で、実験のためにカルバー大学の研究室に設置された。
実験の成功を確信したブルースは自ら被験者となってこの装置に着席し、超人血清を投与した後にガンマ線を照射して浴びたが、その結果ハルクと化して暴走。同時にこの装置も破壊される。そのため、この装置は5年前の出来事を描写した本作のオープニング・クレジットのみに登場する。

その他の設定・用語[編集]

超音波砲
スターク・インダストリーズ製の兵器である、大型スピーカータイプの超音波照射装置で、ハンヴィーの荷台に搭載され運用する。ロス率いる特殊部隊が、カルバー大学のキャンパスでの戦闘で2基分投入し、ハルクに対して超音波を照射。ハルクの動きを数十秒間止める程の効果を披露したが、ハルクが装備した鉄板攻撃で2基とも破壊される。
なお、MCUの時系列では、既にスターク社は兵器開発から撤退しているため、本作のオープニング・クレジットでスターク社から本兵器の兵器開発承認が下りていた。
また、後に小型化されたものがウォーマシン マーク3にも搭載される。
カルバー大学
アメリカのヴァージニア州・ウィロウデイル[注釈 9]にキャンパスを構える大学。ベティが籍を置き、5年前にはブルースもここに在籍していたが、キャンパスの研究室内で行った超人血清とガンマ線の実験の失敗でハルクに変貌する体質となってしまい、研究室も壊滅した。
5年後に、ブラジルから数日間をかけてここに北上したブルースが研究データを取り戻すために来校・潜入し、翌日には彼が研究データの解析に大学へと訪れていることを知らされた特殊部隊とハルクの再戦の場となる。
マイティ・ソー』シリーズのエリック・セルヴィグ博士や、『エージェント・オブ・シールド』シリーズのアンドリュー・ガーナー博士も本校に籍を置いており、『エージェント・オブ・シールド』シーズン2と3にも本校のキャンパスが登場する。
ホッシーニャ
本作序盤の舞台であり、ブルースの潜伏先だったブラジルのリオデジャネイロにあるファヴェーラ。丘陵地帯に古びた建物が乱雑に立ち並び、その一角の打放しコンクリートの家屋にブルースは犬を飼って隠れ住み、道場では心拍数を抑える方法と護身術として、ヨガと合気道を学んでいた。
ポルト・ヴェルデ
ホッシーニャでブルースがアルバイトをしていた飲料水の瓶詰工場。ここもファヴェーラにある施設の例に漏れず、建物や設備の老朽化が目立ち、ガラが悪い中年グループも勤務しているなど、職場環境はかなり劣悪である。ハルクとブロンスキーら特殊部隊の最初の戦場となり、壁面に大穴が開くなどの被害を被る。
ピンゴ・ドセ
ポルト・ヴェルデで瓶詰めされていたガラナ飲料。ブルースの血液がこの飲料のうちの1本に混入してしまい、ロスがブルースの潜伏先を察知する遠因となる。
アントマン (映画)』 では、主人公・スコット/アントマンと彼の仲間たちが住居とするミルグロム・ホテルの外壁にこの飲料の宣伝ポスターが貼られている[注釈 10]
グレイバーン大学
アメリカのニューヨークにキャンパスを構え、スターンズが籍を置く大学。ベティと共にここを訪ねたブルースは、彼女とスターンズの協力で自身の身体の治療に成功する。しかしその後、スターンズがここでブルースから送られてきた彼の血液サンプルを培養し、複数の被験者に投与実験を行っていたことも発覚。このことが、ハルクとの再戦に乗り込んできたブロンスキーをアボミネーションへと変貌させてしまう。
S.H.I.E.L.D.
MCUの作品の多くに登場する国際的な捜査機関。
本作では、この組織に所属するエージェントは未登場だが、オープニング・クレジットではブルースに関するS.H.I.E.L.D.の公文書が一瞬登場しており、S.H.I.E.L.D.長官のニック・フューリーの名も記載されていた。
また、ロスがブルース捜索のためにS.H.I.E.L.D.のデータベースとメール検閲を使い、彼がスターンズの職場であるグレイバーン大学へ向かっていることを突き止める。

スタッフ[編集]

  • 監督:ルイ・レテリエ
  • 音楽スーパーバイザー:デイヴ・ジョーダン
  • 音楽:クレイグ・アームストロング
  • 視覚効果スーパーバイザー:カート・ウィリアムズ
  • 美術:カーク・M・ペトルッチェリ

ソフト化[編集]

日本ではソニー・ピクチャーズ エンタテインメントよりBlu-ray、DVDが2009年2月25日に発売された。

マーベル作品とのクロスオーバー[編集]

本作はマーベル・コミックが自社製作したアメコミヒーロー映画『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズの第2作目でもあり、第1作目の『アイアンマン』と連動している(日本では本作が先に公開された)。その後『アイアンマン2』『マイティ・ソー』『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』と続けて製作し、それぞれのヒーローが集結する『アベンジャーズ』に繋げるプロジェクトとなっている。

  • 劇中に登場する音波兵器はオープニング映像においてスターク社製であることが示唆されている。また、『アイアンマン』、『アイアンマン2』のトニー・スタークが登場し、ロス将軍に対して「チームを編成中」との報告を行っている。
  • ブルース・バナーが行っていた研究は『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』でアースキン博士の死によって凍結されたスーパーソルジャー計画である。しかしこの研究によって再開発された超人血清は未完成のものであり、その結果、ハルクとアボミネーションが誕生する。なお、原作ではハルクらの誕生原因はガンマ爆弾による放射線であった。
  • ブルース・バナーとベティ・ロスを捜索する際にはメール検閲に「S.H.I.E.L.D.」が協力している。
  • ハルクが雷に向かって吠えるシーンは、雷神マイティ・ソーがハルクと戦うことを示唆したものであると言われており、後に『アベンジャーズ』で実現されることとなった。[4][5]

本編中に科学者サミュエル・スターンズがアボミネーションに頭部を殴られ、頭部にできた傷口に壊れた機材から滴ったブルースの培養血液が入り混んだ結果、彼の頭部が緑に変色しながら膨らむシーンがあるが、これは原作に登場するヴィランキャラ「リーダー」を意識して描かれ、他にもラストシーン等の描写が続編への伏線かと思われたが、現在に至るまで単独作品としての続編は製作されていない(企画案としては以前公言されている[6])。本作の設定は後のマーベル作品にも引き継がれているが、『アベンジャーズ』以降はブルース役をマーク・ラファロが新たに担当しており、本作のキャストが他のマーベル作品に出演する事もなかったため、本作は長らく『マーベル・シネマティック・ユニバース』の他作品との繋がりが薄かった。

2016年公開の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』にはウィリアム・ハートが演じるサディアス・ロスが登場(同作では軍を退役して国務長官に就任した設定)。本作のキャストが初めて他のマーベル作品に出演した。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 但しポルトガル語は上手く話せず終いだった。
  2. ^ 巨大な鎖で締め上げてとどめを刺そうとしたが、ベティの呼びかけで思い留まった。
  3. ^ 変身中の記憶は断片的なイメージしかなく、脳に幻覚剤を1リットル分流し込んだ感じだとブルースは述懐した。
  4. ^ 本作ラストで、ブルースによって買い戻され、ベティへ郵送準備されていた。
  5. ^ 但し元のブロンスキーの姿には戻れない。
  6. ^ ブロンスキーに血液サンプル投与を強要された際には、危険性を伝えている。
  7. ^ 超人血清のクールタンクのラベルプレートに記載。
  8. ^ 超人血清のクールタンクのラベルプレートにスターク社のロゴだけでなく、“ドクター・ラインシュタイン”という名も記載されており、これは、アースキンの偽名である。
  9. ^ ブルーレイの特典データで確認できる。
  10. ^ 但し、画面に登場したのは冒頭の僅か1カットのみである。

参考[編集]

  1. ^ a b c The Incredible Hulk (2008)”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2009年11月20日閲覧。
  2. ^ 『アイアンマン』にも“アメコミの壁””. Variety Japan. 2008年10月4日閲覧。
  3. ^ シネマトゥデイ 史上初!青森ねぶたにハリウッド映画のキャラが!「ハルク」が快挙
  4. ^ 『アベンジャーズ』映画パンフレット
  5. ^ また、ブルーレイの特典映像の中で原作エピソードの再現でもある事が語られており、同エピソードのモーションコミック映像も収録された。
  6. ^ http://www.cinematoday.jp/page/N0016094 『インクレディブル・ハルク2』では悪役リーダー登場か? - シネマトゥデイ

外部リンク[編集]