H&K UMP

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H&K UMP
HKUMP45.JPG
フォアグリップを取り付けたUMP45
概要
種類 短機関銃
製造国 ドイツの旗 ドイツ
設計・製造 H&K
性能
口径 11.43mm(.45口径
9mm
10mm(.40口径)
銃身長 200mm
使用弾薬 .45ACP弾
9x19mmパラベラム弾
.40S&W弾
装弾数 25発(.45ACP)
30発(9mm, .40S&W)
作動方式 クローズドボルト撃発
シンプルブローバック方式
全長 450mm(ストック展開時690mm)
重量 UMP45:2.3kg(5ポンド
UMP40, UMP9:2.1kg(4.6ポンド)
※すべてマガジンは含まない
発射速度 600発/分
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H&K UMPドイツ語: Universale Maschinen pistole)は、ドイツH&K社が開発した短機関銃[1][2]

概要[編集]

1950年代後半から1960年代にかけて、西ドイツ(当時)のH&K社は、同社のG3自動小銃を元にした短機関銃としてMP5を開発した。これは、1966年に同国の連邦国境警備隊に採用されたのを皮切りに、同国の地方警察でも多くが採用された。また、1977年ルフトハンザ航空181便ハイジャック事件で、連邦国境警備隊のGSG-9が突入作戦を成功させた際にMP5を使用していたことが喧伝されたことから、ドイツ国外の対テロ作戦部隊でも広く採用されるようになり、同種部隊の標準的兵器と呼ばれるまでになった[3]

MP5は、100メートル以内の射程であれば狙撃銃にも匹敵する射撃精度を誇るが、構造的に複雑で単価が高く、野戦用短機関銃として軍隊が大量配備するのには不適であった。このことから、アメリカ軍の統合小火器計画局(JSSAP)は、発展型9ミリ短機関銃計画として、MP5よりも安価で、かつ高性能の短機関銃の開発を各社に要請した。これに応じて、H&K社はまず1981年にSMG-Iを、1984年にはリアサイトなどを変更した改良型としてSMG-IIを開発した。JSSAPの短機関銃計画が中止され、これらの短機関銃はいずれも製品化に至らなかった[2]

また、1980年代末から1990年代初頭にかけて、MP5の後継を模索するなかで、SMG-I・IIの実績を踏まえて、その素材をポリマー化したMP-2000、また、MP5の量産性を向上させるために閉鎖機構を単純なブローバックにしたMP5 PIP(Product Improvement Project)が開発された。しかし、予測に反して、MP5の販売実績は依然として好調であり、あえて後継機を市場に投入する必要性が薄くなったことから、これらも製品化に至らなかった[2]

しかし、このころ、アメリカ合衆国を中心としてMP5でも用いられていた9x19mmパラベラム弾について、ストッピングパワーの不足が懸念され、拳銃.45ACP弾.40S&W弾といった大口径化が志向されるようになっていた。H&K社でも、SOCOMの要請に応じて.45ACP弾を使用するH&K MARK 23を開発した。これと歩調をあわせて、同規格の弾薬を使える短機関銃が求められるようになったことから、MP-2000などのノウハウを踏まえた大口径短機関銃として開発されたのが本銃である[1][2]

なお、当初は同社製品間での住み分けのため、本銃は.45口径、MP5は9mm口径とされていたが、のちに要請に応じて、9x19mmパラベラム弾仕様のUMP9や、.40S&W弾仕様のUMP40も市場に投入されるようになっている。[1][2]

設計[編集]

外形上は、並行して設計されていた5.56x45mm NATO弾を用いる自動小銃であるH&K G36との共通点が多い。フレームや弾倉だけでなく、内部の撃発メカニズムまで含めて、ポリアミドガラス繊維を混入した繊維強化プラスチック(GFRP)を広範に採用しているのも同様である。これにより、生産性の向上と軽量化が図られたほか、海水にも強くなり、潜水後、上陸してすぐに射撃できるようになった。また、銃床も、MP5では伸縮式だったのに対して、本銃ではG36と同様、右側面への折りたたみ式となっている[1][2]

上記の経緯より、作動方式としてはシンプルブローバック方式が採用された。射撃精度確保のため、撃発はクローズドボルト方式で行われる。銃身H&K社で伝統的なポリゴナル・バレルとされた[2]。また、SOCOMからの要請を重視して設計されたことから、特殊作戦への投入を想定して、着脱式のサウンド・サプレッサー消音器)も供給された[1]。例えばH&K社の純正品として供給されているブリュッガー&トーメ(B&T)社のモデルSDであれば、重量449グラムで、ドライ状態で19デシベル、ウエット状態で27デシベルの減音効果があるとされている。なお、サプレッサーを装着しない状態の銃声は157デシベルである[2]

照準器は、MP5がドラム式であったのに対し、本銃ではVノッチとピープの2段切替式とされた。また、レシーバートップとフォアエンドの下面・右側面にはピカティニー・レールが装備されており、各種アクセサリの装着に対応している[2]

採用国[編集]


登場作品[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d e 床井雅美 『オールカラー軍用銃事典』 並木書房2005年、198-199頁。ISBN 978-4890631872
  2. ^ a b c d e f g h i Satoshi Maoka (2007年12月18日). “HK Universal Machine Pistol”. 2016年2月9日閲覧。
  3. ^ 床井雅美 『最新サブ・マシンガン図鑑』 徳間書店2000年、18-25頁。ISBN 978-4198913427

外部リンク[編集]