S.H.I.E.L.D.

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S.H.I.E.L.D.とは、マーベル・コミックに登場する架空の組織である。時代や登場作品によって差異はあるが、スーパーヒーローを管理する国家組織として描かれている。『Strange Tales』第135号(1965年8月)でスタン・リージャック・カービーにより創造された。

長らくニック・フューリーが長官を務めていたが、ある事件を機に辞任。シビル・ウォーではアイアンマンが長官になっている。

正式名称[ソースを編集]

S.H.I.E.L.D.が何の略称なのかについては時代と作品によって差異がある。

初登場
Supreme Headquarters, International Espionage, Law-Enforcement Division.
1991年
Strategic Hazard Intervention, Espionage Logistics Directorate.
マーベル・シネマティック・ユニバース
Strategic Homeland Intervention, Enforcement, and Logistics Division.(戦略国土調停補強配備局)

2013年放送開始のテレビドラマAgents of S.H.I.E.L.D.』の第1話において、「『S.H.I.E.L.D.』は何の略なのですか」と尋ねられたグラント・ウォード捜査官が上記マーベル・シネマティック・ユニバース版の返答をするが、さらにその意味を尋ねられると「それは誰かがどうしてもイニシャルが『shield』という綴りになるようにしたかったということです」と答えている[1]

コミックでの歴史[ソースを編集]

S.H.I.E.L.D.はニコラス・ジョセフ・フューリーによって第二次世界大戦後に創設されたが、フューリーはアイデアを捨て、合衆国政府はこんな機関の成立を推進しないだろうと感じて隔離された機関に草案を残したままにした。しかしこの頃の不特定の時点で国際連合をベースにした国際グループがフューリーの与り知らぬ所でアイデアを掘り起こした。彼は事務局長(機関のNo.2)に起用されるまでS.H.I.E.L.D.の存在を知らなかった。

通常はニック・フューリー事務局長によって(ただし彼は彼も正体を知らない12名からなる評議会に指示を仰いでいる。)率いられているこの団体はしばしば外見上軍事的な組織として運営され、当初はアメリカ合衆国の傘下の団体として描かれていた。その後、S.H.I.E.L.D.は国連の管理下にあるという描写がなされ、国連総会の決議によって巨大な技術的リソースを自由に使え、加盟国に任務遂行のために入国する法律制定が存在することになった[2][3]。しかし、S.H.I.E.L.D.は国連ではなくアメリカ合衆国の管理下にあるというおそらく組織の架空の歴史を把握していない筆者による食い違った描写もある。例えば、アストニッシング・X-メン3号ではニック・フューリーはS.H.I.E.L.D.が虐殺事件に対して活動しないことについてアメリカ合衆国の国土で発生した事件ではないからと説明している[4]

ゴジラがアメリカ合衆国をぶらつき大西洋に消えるまで、S.H.I.E.L.D.は下位組織としてゴジラを捕獲するためのゴジラスカッドを結成した。このユニットはダムダム・デュガンによって率いられ、レッドローニンと呼ばれる巨大ロボやベヒーモスとして知られているヘリキャリアの小型版を使用した。

S.H.I.E.L.D.独自の技術革新の一つ、LMD(Life Model Decoy)は、差し迫った殺害の危機において人々の代替となる極めて生物に近いアンドロイドであり、二つの大きな激変の発端となっている。一つ目はスーパーヴィラン・スコーピオが技術を盗み、ゾディアックと呼ばれるヴィランのチームの二代目を作り出したことである。もう一つはデルタイツといういくつかのLMDが知性を獲得し、主要メンバー達に成り代わって潜入し、フューリーが対峙するはめになったことである。この事件により、オリジナルの組織は解散に追い込まれ、同じ略称の別のタスクフォースに置き換えられた。

ミニシリーズ・シークレットウォーでのラトベリアでの悲惨な非公認の任務によって、フューリーは事実上長官の座を退き、彼の逮捕に国際的な懸賞金がかけられることになった。彼の最初の後継者は彼の親しい仲間からではなく、S.H.I.E.L.D.のヒエラルキーにとって正体不明の新参者マリア・ヒルだった。ヒルと合衆国大統領の間の会話を筆記したもの[5]によると彼女が長官の座についたのはフューリーに忠実な者たちを職から遠ざけ、スーパーヒーローコミュニティへの関わりを最小限にしようとする国連のコンセンサスがあったためである。大統領は合衆国民であるヒルにS.H.I.E.L.D.は国連に公認された組織だが、まずアメリカ合衆国に忠実であることを求めた。

合衆国超人登録法可決とそれに伴うスーパーヒーロー達のシビル・ウォーでは、S.H.I.E.L.D.が諜報員として施行を請負い、登録したスーパーヒーローの味方をした為にS.H.I.E.L.D.とスーパーヒーローコミュニティの間にさらなる政治的・倫理的軋轢を生み出た[6]

紛争の終結に向け、ヒルは自分が失敗するような意図を伴って長官にさせられていたと結論し、自分は長官代理となりトニー・スタークに後任を頼んだ。スタークは任命を受け入れ、超人シビル・ウォーの締めくくりとして長官となり、イニシアチヴのシリーズを引き受け、アイアンマンアーマーのデザインをモチーフにした金と赤のヘリキャリアの建造や被雇用者の投書箱の構築などに取り組んだ。S.H.I.E.L.D.をスタークインダストリーの子会社として扱うことに関して非難されながらも、組織の合理化とモラルの向上に成功した[7]。S.H.I.E.L.D.は国際的な超人テロの波と戦い、2つの国際的な事件によってスターク長官はもう少しで逮捕される所だったが、その影にマンダリンがいることが明らかにし、病原体エクストリミスを使った大量殺戮を止めた。

自在に姿を変える宇宙民族スクラル人シークレットインベージョンが始まったとき、スクラルのウイルスによりヘリキャリアは無力化され、バミューダトライアングルに取り残された[8]。この時点でスクラルは既にかなり多くのS.H.I.E.L.D.のエージェントと入れ替わっており、高い地位にいたダムダムデュガンも例外ではなかった[9]。侵略が撃退されるとブッシュ大統領はS.H.I.E.L.D.の解体を決定し[10]、50州のイニシアチブとアベンジャーズをノーマン・オズボーンの管理下におかれたサンダーボルツイニシアチブに置き換えた[11]

オズボーンはS.H.I.E.L.D.をかつてのS.H.I.E.L.D.やHYDRAと同じくサンダーボルツの忠実な構成員で構成されたH.A.M.M.E.R.と呼ばれる新たな組織に改編する機会を得た[12]。サンダーボルツはその過程で公式に解散された。彼はサンダーボルツを自分だけのための闇の軍事作戦部隊に改編した。その一方、H.A.M.M.E.R.は最新にして唯一政府がスポンサーになったアヴェンジャーズ『ダークアヴェンジャーズ』を運営している[13]

侵略の後、ニック・フューリーはS.H.I.E.L.D.自体が表面上は最初期からテロリスト集団HYDRAのコントロール下にあること突き止めた[10]

メンバー (原作コミック)[ソースを編集]

歴代長官[ソースを編集]

MCUでの歴史[ソースを編集]

メンバー (マーベル・シネマティックユニバース)[ソースを編集]

歴代長官[ソースを編集]

ニック・フューリー
フィル・コールソン
ニック・フューリーが最も信頼する部下。
映画「アベンジャーズ」で死亡したが、フューリーの命により自身が関与していたアベンジャーズ蘇生を目的とした「T.A.H.I.T.I.(タヒチ)計画」によって生還を果たす。
以降は存在自体がトップシークレットとなっており、優秀なエージェントを少数集めた精鋭チームのリーダーとして密かに活動を続けていた。
ヒドラ復活の際フューリーが死亡した(ように装っていた)ため、「エージェント・オブ・シールド」シーズン2にてその跡を継ぎ長官となる。
長官就任後は、フューリーが密かに企てていた「シータ・プロトコル」に参加しつつ、クリー人の遺物と超人「インヒューマンズ」に関する事件を陰から捜査していた。

主要メンバー[ソースを編集]

創設メンバー[ソースを編集]
ハワード・スターク
ペギー・カーター
ヘンリー・ピム
初代アントマン。ハワードらとの確執により離脱。
「アベンジャーズ」関係者[ソースを編集]
クリント・バートン / ホークアイ
弓の名手。スナイパーとして暗躍する。
ロキに洗脳されS.H.I.E.L.D.と敵対したのち、ナターシャを通じて洗脳が解けるとアベンジャーズに加入。
ヒドラによるS.H.I.E.L.D.崩壊後は、アベンジャーズとして活動。
ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ
凄腕のスパイ。アベンジャーズの結成に一役買い、アベンジャーズに加入。
ヒドラによるS.H.I.E.L.D.崩壊後は、アベンジャーズとして活動。
スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ
かつてはペギー・カーターの恋人であり、S.H.I.E.L.D.の前身SSRとも関係があった。
70年もの眠りから目覚めたのち、S.H.I.E.L.D.に在籍しつつアベンジャーズとして活動。
復活したヒドラを滅ぼすべく、ヘリキャリアーを破壊することでS.H.I.E.L.D.諸共ヒドラを葬った。
S.H.I.E.L.D.崩壊後は、アベンジャーズとして活動。
マリア・ヒル
フューリーの右腕。
S.H.I.E.L.D.崩壊後は、トニー・スタークに雇われる。
シャロン・カーター / エージェント13
ペギーの姪。極秘裏にキャプテンを警護していた。
S.H.I.E.L.D.崩壊後はCIAに異動、現在は対テロ共同対策本部に在籍。
「ヒドラ」関係者[ソースを編集]
アレクサンダー・ピアース
バロン・ヴォルフガング・フォン・ストラッカー
ジャスパー・シットウェル
ブロック・ラムロウ / クロスボーンズ
ジャック・ロリンズ
短編におけるメンバー[ソースを編集]
フェリックス・ブレイク
「エージェント・オブ・シールド」におけるメンバー[ソースを編集]

シーズン3に再登場した際には、『ウォッチドッグ』を結成し、自分を瀕死にまで追い込んだ超能力者(インヒューマンズ)を殺害するために、ATCUの基地からミサイルを盗み、基地を破壊するなど、過激な行動をとる。

デイジー・”スカイ”・ジョンソン / クェイク
シーズン1より登場。フィル・コールソンが見出した凄腕ハッカー。途中からS.H.I.E.L.D.に加入、コールソンのチームに正式参加。
特殊能力を持った超人「インヒューマンズ」であり、振動を操る能力を持つ。
S.H.I.E.L.D.におけるアベンジャーズに相当するインヒューマンズのチーム「シークレット・ウォリアーズ」を結成、指揮を執る。
シーズン3終盤よりS.H.I.E.L.D.を離脱して「クェイク」を名乗り単独で行動している。
メリンダ・メイ
シーズン1より登場。「騎兵隊」の異名を持つ戦闘のスペシャリスト。事情により戦闘から身を引いていたが、コールソンがスカウトしチームに参加。
飛行機の操縦のほか、潜入から戦闘までオールマイティにこなし、コールソンのチームにおける切り込み隊長的役割を担う。
グラント・ウォード
シーズン1より登場。スカイの教育を担当。危険な任務も粛々とこなす。
その正体はヒドラのエージェントであり、チーム離脱後は拘束されるも逃走、後にヒドラの長官となる。
レオ・フィッツ
シーズン1より登場。工学部門に長けるエージェント。シモンズと並び、フィッツシモンズと呼ばれる。
元はエンジニアで、特別なギミックを持った数々の武器や兵器のほか、量子場攪乱装置などの特殊な装置、数多の機能を有するコールソンの義手など、様々なアイテムの開発と研究を行う。
ジェマ・シモンズ
シーズン1より登場。生命科学部門に長けるエージェント。フィッツと並び、フィッツシモンズと呼ばれる。
主にメンバーの治療やウイルスの研究、特効薬の開発などを行う。
ランス・ハンター
シーズン2より登場。元は傭兵だが、コールソンの誘いと元妻ボビーの勧めでS.H.I.E.L.D.に加入。
喧嘩っ早く逃げ足が早いが戦闘のプロで、ボビーと共に潜入・戦闘任務に加わることが多い。
シーズン3中盤でS.H.I.E.L.D.を離れる。
バーバラ・”ボビー”・モース
シーズン2より登場。ランスの元妻。マックと共に、エージェント・ゴンザレス率いる「もうひとつのS.H.I.E.L.D.」のメンバーだった。
ふたつのS.H.I.E.L.D.が合流してからはコールソンの下につき、堪能な語学力で潜入捜査を行い、状況によっては戦闘も行う。
シーズン3中盤でランスと共にS.H.I.E.L.D.を離脱。
アルフォンソ・”マック”・マッケンジー
シーズン2より登場。メカニックであり、傷を負って不自由になったフィッツのサポートを行った。
ボビー共々「もうひとつのS.H.I.E.L.D.」のメンバーであり、ヒドラによるS.H.I.E.L.D.崩壊時に脱出のため斧を使って以降、戦闘時は斧を用いることが多い。
ふたつのS.H.I.E.L.D.合流後はコールソンに不快感を示し一時は退職を望んだものの、コールソンの左手を(彼を救うためではあるが)切り落としたため、退職をやめS.H.I.E.L.D.に残った。
L・エイヴリー
リチャード・ラムレイ
ジョン・ギャレット
アントニー・トリプレット
イサベル・"イジー"・ハートレー
ビクトリア・ハンド
キャラ・パラマス / エージェント33
ビリー・ケーニグ
エリック・ケーニグ
サム・ケーニグ
グッドマン博士
ストライテン博士

脚注[ソースを編集]

  1. ^ Brett Leppard (2013年9月27日). “Spin-offs, Assemble! Five things you can expect to see in Agents of S.H.I.E.L.D.”. GQ.com (UK). 2013年11月27日閲覧。
  2. ^ Amazing Fantasy (vol. 2) #7 (2005年6月)
  3. ^ Sanderson, Peter (2007). The Marvel Comics Guide to New York City. New York City: Pocket Books. pp. 62–63. ISBN 1-14653-141-6. 
  4. ^ Astonishing X-Men (vol. 3) #3 (September 2004)
  5. ^ Secret War #5 (2005年12月)
  6. ^ Civil War #1-7 (July 2006 - Jan. 2007), and related series
  7. ^ Iron Man (vol. 4) #15 (April 2007)
  8. ^ Secret Invasion #1 (June 2008)
  9. ^ Secret Invasion Prologue
  10. ^ a b Secret Warriors #1
  11. ^ Secret Invasion #8 (December 2008)
  12. ^ Dark Avengers #2
  13. ^ Dark Avengers #1
  14. ^ Barry Dutter (w), M.C. Wyman (p), Greg Adams & Chris Ivy (i). "Fury" Fury #1 (1994年5月), Marvel Comics
  15. ^ Sgt. Fury and his Howling Commandos # 1 (July 1963)
  16. ^ Sgt. Fury and his Howling Commandos # 1 (July 1963)
  17. ^ X-Force # 1
  18. ^ Tales of Suspense # 75 (March 1966)
  19. ^ Secret War # 5
  20. ^ Tales of Suspense #39 (March 1963)
  21. ^ Secret Invasion #8 (December 2008)
  22. ^ Siege #4 (May 2010)