M134 (機関銃)

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M134 ミニガン
Gatling Minigun.jpg
概要
種類 連装機関銃
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
設計・製造 ゼネラル・エレクトリック・ディロン・エアロ(M134D)
性能
口径 7.62mm
使用弾薬 7.62x51mm NATO弾
装弾数 ベルト給弾
リンクレス給弾方式など
作動方式 電気回転ドライブ方式
全長 900mm
重量 18,000g 総重量推定100kg
発射速度 毎分3,000発 可変式 その他バリエーションが存在する

M134は、ゼネラル・エレクトリック社製の口径7.62mmのガトリング銃。同じくGE社の製品であるM61A1(バルカン砲)を小銃弾サイズにスケールダウンした小型軽量版で、この開発経緯から「ミニガン(Minigun)」の通称で知られる。

最大で100発/秒の発射速度を誇り、生身の人間が被弾すれば痛みを感じる前に死んでいるという意味で「無痛ガン(Painless gun)」とも呼ばれる。


概要[編集]

M134は、アメリカ陸軍の形式名称で、アメリカ空軍ではGAU-2B/Aアメリカ海軍ではGAU-17/Aと呼ばれている。M61 シリーズと同様に6本の銃身を持つ電動式ガトリングガンであり、毎分2,000-4,000発という単銃身機関銃をはるかに超える発射速度を持つ。初期は毎分6,000発だったが、あまりにも速すぎて弾薬の消費が激しい上に作動不良が多発するため、発射速度が下げられた(当初はディロン社で生産されているM134Dが対応、GE製がこれに倣った)。ベルトリンクに見える部分は給弾ベルトで、この中を通って弾丸が送弾される。

主な用途はヘリコプターの地上目標に対する制圧射撃用であり、側面ドアの銃架に装着されてガンナー(ドアガン)が射撃する。また、一部の攻撃ヘリコプターでは機首のターレットや機体側面のラックに搭載されるなど、固定武装として用いられる。ベトナム戦争においては輸送機を改造したAC-47AC-119に複数搭載され、弾丸の豪雨を降らせるガンシップの武装となった(後にAC-130へ発展)。

従来の重機関銃のように、三脚を備え付けて地上で使用することも可能である。一部の特殊部隊ではハンヴィーに搭載し、比較的遠距離の敵を早急に無効化する「射程の長いショットガン」としても使用する。

本体重量だけで18kgもあり、加えて多数の弾薬と作動に必要な大容量のバッテリーが必要なため、一人の歩兵による携行兵器としての使用は非現実的である。また、手で構えての射撃にしても、実弾発射時の反動および振動が人間の体力・体重程度では到底制御できるものではなく、不可能である。

そのため、二人以上の歩兵による携行運搬を主眼とおいた、M134の派生型のひとつとして、5.56x45mm NATO弾仕様のXM214(通称マイクロガン)が開発、試作されたことがある。それでもなお、重量過多、反動が強烈過ぎるなどの理由で、計画中止となった。

映画などのフィクションでも人気があるが、射手が単独で携行し、手で構えて撃つという現実とは異なる描写がなされ、誤解を招くことも多い。映画に登場するような携帯型は実銃を改造した撮影用のプロップガンである。ただ、これを使用する登場人物はサイボーグ、あるいは人間型ロボットであると設定されている作品も多い。また、登場人物が常識外の怪力である事を表現する演出として、現実ではあり得ない事は承知で用いられる場合もある。毎分の発射速度が速すぎてフィルムでは火を吹いているようにしか見えないため、発射速度を下げて撮影されることが多い。

バリエーション[編集]

陸軍型 空軍型 海軍型 説明
XM134/M134 GAU-2/A 該当無し 7.62x51mm NATO弾使用 別称"ミニガン" 6バレル仕様 ガトリングガン
該当無し GAU-2A/A 該当無し GAU-2/Aの派生型
M134 GAU-2B/A Mk 25 Mod 0 GAU-2A/Aの派生型
該当無し GAU-17/A 該当無し GAU-2B/Aの派生型 既存の派生型周辺機器に対応するモデル
MAU-201/AまたはMAU-56/Aの給弾システムを使用する事ができる
XM196 該当無し 該当無し M134/GAU-2B/A の派生型 薬莢排出スプロケット(ギア)を改良した物
AH-56 シャイアンにてXM53 アーマメントサブシステムの一環として使用する
UH-1Yに搭載されたGAU-17/A
M134を搭載したハンヴィー
舟艇に搭載したMk 25 Mod 0で実弾演習を行うアメリカ海軍特殊部隊兵士
連続発射で赤熱した銃身


使用国[編集]


登場作品[編集]

ドラマ・映画[編集]

CHUCK/チャック
シーズン3第1話終盤において、チャックとサラを救出するためにケイシー大佐ヘリから掃射している。
GUN CRAZY Episode-2「裏切りの挽歌」BEYOND THE LAW
アイアンマン2
アイアンマンマーク2がウォーマシンに改造された際の追加武装として登場。
エクスペンダブルズ3 ワールドミッション
前半のモガディシュ戦闘で、ヘイル・シーザーが本銃の個人携行用カスタムモデルを装備。ガンナー・ヤンセンと共にボートから機銃掃射を行い、主人公のバーニー・ロスたちを援護した。なお、ガンナーは「自分のより大きな銃」への対抗心から、ヘイルに実銃の速射性にちなんで「10秒で撃ち尽くすぞ」と皮肉を言っている。
地獄の黙示録
UH-1にドアガンとして搭載されている。「ワルキューレの騎行」の音楽に乗りながら、ベトナムゲリラに向けて射撃する。
ジュラシック・ワールド
ヘリコプターにドアガンとして搭載されており、脱走した恐竜に対して使用される。
スーパーマン リターンズ
銀行強盗の一味が使用し、警官隊を圧倒する。しかし、現れたスーパーマンには弾をすべて弾かれてしまう。
ターミネーター2
エンリケ・サルセイダの武器庫にあった武器の1つにM134の携行用カスタムモデルがあり、普通の銃より大きな本銃を手にしたT-800のことを、ジョン・コナーは「あんたにピッタリだ」と評する。その後、サイバーダイン社の戦闘では社屋前に陣取るロサンゼルス市警察の警官隊に対してT-800は窓から掃射を行い、多数のパトカーや警官たちの足元付近を撃って追い立てるが、その途中で弾切れとなったために放棄する。威力の描写は通常の機関銃とほぼ同様で、パトカーを蜂の巣にするも完全破壊には至っていない。むしろ、共に携行していたM79 グレネードランチャーのほうが強力に描写されている。
冒頭の未来世界の戦闘シーンでは、人類抵抗軍がM134の部品を用いて作られたフェイズドプラズマ機関銃を、陣地機銃やテクニカルの車載機銃として用いている。
ターミネーター4
T-800以上に巨大なT-600が片手で使用。
第9地区
監視塔に設置されている。
トランスフォーマー/ロストエイジ
「墓場の風」の車両に搭載。シェーンの車に威嚇射撃する。
ネイビー・シールズ
Mk5特殊任務艇UH-60 ブラックホークに搭載されている。
バトルシップ
主人公たちが海上にある不審物体を臨検するために乗り込んだ複合艇に搭載されている。
プレデター
個人携行型が最初に登場した作品。チームの一員ブレインが使用し、そのブレインがプレデターに狩られたあと、ブレインの親友マックが仇討ちに使用。
プレデターズ
登場人物の1人であるニコライが、ブレインと同じく個人携行型を装備する。しかし、中盤の戦いでプレデターのショルダープラズマキャノンにより機関部を破壊されたため、その場に破棄した。
ホワイトハウス・ダウン
マトリックス
ネオとトリニティーがモーフィアスを救出すべく乗り込んだビルの屋上で、奪ったUH-1にドアガンとして搭載されていたものをネオが使用。並の銃とは比べ物にならない連射力を生かし、普通の銃撃を回避するエージェントたちに直撃弾を与え、一時的に無力化させた。
ランボー/怒りの脱出
ランボーが中盤のベトナム基地を襲撃した際にUH-1の操縦席から遠隔操作を行い、北ベトナム軍兵士を一掃した。
終盤のヘリ戦では、ソ連軍Mi-24 ハインドに搭載されたDShK38重機関銃M60Dの改造)による銃撃に対抗すべく、アメリカ軍捕虜がUH-1のキャビンから射撃した。これにより、Mi-24は機体の一部が破損して落下し、ソ連軍兵士1人を倒した。
ワイルド・スピード SKY MISSION
ジャカンディ率いる民間軍事組織無人攻撃機に搭載し、ラムジーの乗っている車を攻撃した。その後、ホブスの活躍により無人攻撃機が破壊され、銃本体を持ってジャカンディのヘリを攻撃した。
ワンス・アンド・フォーエバー
前半のフォート・ベニング基地にて、アメリカ陸軍第1騎兵師団隷下の第7騎兵連隊第1大隊士官たちが、大隊長を務める主人公のハル・ムーア米陸軍中佐との初顔合わせの当日、士官たちが集合していた基地の倉庫で本銃を試験運転していた。後半のイア・ドラン渓谷の戦い終盤では航空支援に到来したブルース・クランドールアメリカ陸軍少佐らが駆るUH-1の武装の1つで、北ベトナム軍目がけて猛烈な機銃掃射を行った。

漫画・アニメ[編集]

EX-VITA
PSYCHO-PASS
軍事ドローンに装備されている。
ギルティクラウン
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
第24話の強化外骨格相手の戦闘で、体の大半をサイボーグ化したバトーが使用する。
さばげぶっ!
静かなるドン
新撰組突撃隊長の猪首硬四郎が使用。猪首の怪力ぶりを示すアイテムとなっている。
しすばれ -Sister bullet-
第1巻にて、弾正院尽が使用。
真剣で私に恋しなさい!
密輸犯の倉庫に転がっていたもの。作中では打撃武器として使用された。
するめいか
『セーラー服と重戦車』
ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生
アニメ第4話に登場。
秘密結社鷹の爪 カウントダウン
デラックスモービルに装備されている武器として登場しており、レオナルド博士によると「苦しまずに一瞬にして死ねる武器」とのこと。
フランチェスカ
めだかボックス
宗像形が所持。
ヨルムンガンド
漫画第3巻、アニメ第6話でレームとマオがから海賊オリックスへの攻撃に使用。
ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』‎
終盤、輸送機内でルチアーノが使用。本銃が非現実的な扱い方が多くされるなか、本作では常人が1人で持ち運ぶという非現実的な描写はあるものの、発砲時の反動を制御できないという現実的な描写がなされている。

小説[編集]

自衛隊三国志
三国時代タイムスリップした自衛隊撃墜された中国軍攻撃ヘリコプターに搭載されていたものを、張飛が取り外して個人で使用する。これは違法コピー品であり、発射速度は本家には遠くおよばないものであったが、小型化されたバッテリーが内蔵されていた。
ソードアート・オンライン
第5巻で、敵スコードロンのベヒモスが使用。

ゲーム[編集]

Just Cause
Saints Row: The Third
「ミニガン」の名称で登場。ブルートと呼ばれるクローンの一部がミニガンで武装してプレイヤーに襲い掛かってくる。また、プレイヤーもミニガンを使用できるが、行動に制限がかかる。
Team Fortress 2
ロシア人の大男「ヘビー」のメイン武器として登場。近距離では戦闘職の体力が175-300のゲームにおいて秒間500ダメージというとてつも無い数値を叩き出すが、遠距離ではピストルの方がマシと言うピーキーな性能。
WarRock
一部のステージに配置されている他、UH-60 ブラックホークの武装としても登場。
エースコンバット アサルト・ホライゾン
MH-60ドアガンとして「機関銃」の名称で登場。ステージでは無限かつオーバーヒートなしで撃てる。また、Mi-24 ハインドRPG-7弾頭などを撃墜することも可能。
怪盗ロワイヤル-zero-
「ガトリング」の名称で登場。
カウンターストライクオンライン
「M134 ミニガン」として登場。また、ゲームオリジナルのカスタムとしてクリスマスの装飾が施された「M134 ChristmasEdition」および性能が上昇した「M134 Predator」が登場。
グランド・セフト・オートシリーズ
ほとんどの作品に「ミニガン」として登場。最高の連射性能を誇る。
コール オブ デューティシリーズ
CoD4
UH-60からの掃射ができる。撃ち続けるとオーバーヒートを引き起こしてしまう。
CoD:MW2
ハンヴィー・UH-60からの掃射ができる。
CoD:MW3
UH-60・M1A2 エイブラムスUGVからの掃討ができる。M1A2に搭載しているものは撃ち続けるとオーバーヒートを起こす。
CoD:BO
キャンペーンに「デスマシーン」の名で登場するほかUH-1の搭載火器として登場。
CoD:BO2
キャンペーンに「ミニガン」と近代化改修を施したものが「デスマシーン」の名で登場。また、VTOLのドアガンとしても登場している。
CoD:G
キャンペーンでは車両・UH-60の搭載火器として登場。マルチプレイでは「デスマシーン」の名で登場する。
バイオハザード5
「ガトリングガン」の名で登場、クリス・レッドフィールド専用銃。
バトルフィールドシリーズ
BF3
BF4
輸送ヘリコプターRHIBボートなどに搭載されている。
BFHL
武装SUV攻撃ヘリコプターなどに搭載されている。
マーセナリーズ2 ワールド イン フレームス
ヘリ・連合軍の車両に搭載している。
メダル・オブ・オナー
CH-47 チヌークに搭載している。撃ち続けるとオーバーヒートを起こす。
メダル・オブ・オナー ウォーファイター
UH-60に搭載している。撃ち続けるとオーバーヒートを起こす。
メタルギアソリッド ピースウォーカー
「M134ガトリング機関銃」として登場。連射性能はゲーム中トップクラス。
リトルバスターズ! エクスタシー
 朱鷺戸沙耶が作中にて使用。

遊戯銃[編集]

実物からして電動であるため、必然的に電動ガンとなる。

アサヒファイアーアームズ製電動ガスガン
1993年発売。ラジコンカー用ニッカドバッテリーで給弾機構を駆動させ、エアタンクやグリーンガスなどの外部ソースのエア/ガスで発射する。
トイテック製電動エアコッキングガン
1993年発売。鉛蓄電池で給弾機構・発射機構を駆動させる。2008年にはクラフトアップルより耐久性向上・ホップアップシステム搭載などの改良がなされたリニューアル版が発売された。

外部リンク[編集]

Self-operated
Non-NATO
  • GShG-7.62, Soviet equivalent to the M134.
  • CS/LM12, Chinese equivalent to the M134.
General