バイオハザードV リトリビューション

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バイオハザードV
リトリビューション
Resident Evil: Retribution
監督 ポール・W・S・アンダーソン
脚本 ポール・W・S・アンダーソン
製作 ポール・W・S・アンダーソン
ジェレミー・ボルト
ドン・カーモディ
サミュエル・ハディダ
製作総指揮 マーティン・モスコウィッツ
出演者 ミラ・ジョヴォヴィッチ
ミシェル・ロドリゲス
ショーン・ロバーツ
リー・ビンビン
ヨハン・アーブ
ボリス・コジョー
コリン・サーモン
オデッド・フェール
中島美嘉
シエンナ・ギロリー
音楽 トムアンドアンディ
撮影 グレン・マクファーソン
編集 ニーヴン・ハウィー
製作会社 コンスタンティン・フィルム
インパクト・ピクチャーズ
配給 アメリカ合衆国の旗 スクリーン・ジェムズ
日本の旗 ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
公開 2012年9月14日
上映時間 96分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
日本語
製作費 $65,000,000[1]
興行収入 $240,159,255[1]
38.1億円日本の旗[2]
前作 バイオハザードIV アフターライフ
次作 バイオハザード: ザ・ファイナル
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バイオハザードV リトリビューション』(バイオハザードファイブ リトリビューション、原題:Resident Evil: Retribution)は、2012年9月14日に日米同時公開のホラーアクション映画3D上映も行われた。PG12指定。

サブタイトルの Retribution は報復、報いを意味する。

概要[編集]

本作は前作『IV』のラスト直後から続く形で始まる展開となっている。主な舞台はアンブレラ社の生物兵器研究における最高機密オペレーション施設「アンブレラ・プライム」であるが、その中にある生物兵器のシミュレーション実験場という形でアメリカのニューヨークタイムズ・スクエア)、日本の東京渋谷)、ロシアのモスクワ赤の広場)の街が登場する。

クリーチャーはリッカーや処刑マジニが再登場する他、『バイオハザード4』『バイオハザード5』に登場した寄生虫プラーガが初登場。その他、ゲームでの主要人物である「エイダ・ウォン」「レオン・S・ケネディ」「バリー・バートン」も設定の違いは存在するものの登場する。

ストーリー[編集]

アルバート・ウェスカーとの死闘を終え、アルカディア号に囚われていた生存者達を救出して甲板へ出てきたアリス・アバーナシーを、上空からアンブレラ社の戦闘部隊が急襲する。それを率いていたのは、かつてアリスと共に戦った仲間のジル・バレンタインだった。圧倒的な戦力差を前にそれでも一人戦うアリスは、多大な犠牲者を生んだ壮絶な銃撃戦の末に戦闘機の墜落に巻き込まれ、海へ転落する。体が深く沈みゆく中、アリスは絶望感と孤独感に打ちひしがれ、意識が遠のいていった。

意識を取り戻すと、目の前には平和な家庭があった。耳の不自由な娘と頼もしい夫に囲まれ、アリスは主婦として幸せな朝のひと時を過ごしていたが、そこへアンデッドが襲来したことで、周囲はたちまち地獄絵図へ変わる。娘を連れて逃げ出したアリスはとある民家へ落ち延びるが、そこで娘を隠してアンデッドを撃退した直後、新たなアンデッドに襲われる。それは、自宅で身を挺してアンデッドから逃がしてくれた夫の変わり果てた姿だった。

再び意識を取り戻すと、アリスは謎の実験施設の独房に囚われていた。そこでジルから執拗な拷問を受けるが、突然セキュリティシステムが停止し、独房の扉が開く。アリスは逃走の末に施設の制御室へ到着するが、そこでアンブレラ社の元工作員エイダ・ウォンに出会う。アリスがエイダを殺そうとした時、モニター越しにある人物が現れる。それは、死んだはずのウェスカーだった。ここがアリスだけでは脱出が困難な場所であり、エイダがウェスカーの命令で救出に来たことを知ったアリスは、やむなくエイダと行動を共にするが、すぐそこにジル率いるアンブレラの攻撃部隊や強力なアンデッド、そして生物兵器が迫っていた。

かつての仲間から攻撃され、かつての敵に助けられるアリスは、果たして実験施設から脱出することができるのか。

キャスト[編集]

主要人物[編集]

アリス・アバーナシー(Alice)
演:ミラ・ジョヴォヴィッチ
主人公。元アンブレラ社特殊部隊工作員。また、ハイブから感染なしで生き延びた唯一の人間である。アンブレラ社の実験で注入されたT-ウィルスを細胞レベルで取り込んだことにより、テレキネシスや超人的な身体能力を得た。しかし、前作でウェスカーに体内のT-ウィルスを中和する血清を打たれたため、本作ではそれらの能力を失ってしまっており、洗脳やプラーガの影響で超絶的な能力を有したジルやレイン達を相手に力が及ばず、全体的に劣勢を強いられる場面が多い。
前作の直後から始まったアンブレラの攻撃部隊との銃撃戦で意識を失い、アンブレラ社に囚われていたが、エイダや画面越しのウェスカーに導かれるまま彼の派遣した救出チームと合流し、地下施設からの脱出に成功する。
その後、直に対面したウェスカーから再びT-ウィルスを注入されたことで、能力を取り戻し、彼に促される形でアンブレラとの最終決戦に赴く事となった。
アルバート・ウェスカー(Albert Wesker)
演: ショーン・ロバーツ
アンブレラ社の元幹部。前作でアリスに倒されたのは、実はクローンであり、当人は生きていた。
今作ではアンブレラ社の全実権を握ったレッド・クイーンに反旗を翻し、アリスを「アンブレラ社壊滅のための強力な兵力」として実験施設から救うべく、モニター越しにレオン率いる救出チーム5人と、彼らに先んじてエイダを派遣する。
レッドクイーン(Red Queen)
演:ミーガン・シャルパンティエ(声:アヴェ・マーソン・オブライアン
第1作でアンブレラ社が開発した最先端の人工知能。
今作ではアリスを捕らえた施設の全システムを支配下に置き、アンブレラ社の全実権を握る事実上のボスキャラクターとなっている。目的のためには何人でも躊躇なく犠牲にする冷酷非情さで、施設内でのアリスや彼女の救出チームの動きを逐一監視し、ジル率いる攻撃部隊に命令を下したり、生物兵器を刺客として差し向けたりする。

アリス救出チーム[編集]

レオン・S・ケネディ(Leon S. Kennedy)
演:ヨハン・アーブ
ウェスカーにより派遣されたアリス救出チームのリーダー。
救出チームメンバーの一人であるエイダ・ウォンに絶大な信頼を寄せており、彼女がアンブレラに捕まって生死不明の状態になり、アリスやメンバーの全員が生存を絶望視していた中でも一人彼女の生存を信じていた。
アリス一人の救出のために仲間が多く犠牲になっていることに不満を持ち、アリスと意見がぶつかる一幕もあったが、最終的にアリス達と共にアンブレラ・プライムからの脱出に成功した。
その後、追撃してきたクローンレインとの肉弾戦で、骨折させられて戦闘不能に陥ったが、アリス達と共に生還し、ワシントンD.C.でレッドクイーン率いるアンデッド軍団との最後の戦いを繰り広げる。
劇中で彼の過去について語られる描写は殆ど無いが、本作の小説版や特典ディスクコンテンツ[3]で、原作同様、元はR.P.D.所属の警察官で、現在はアメリカ合衆国の特別エージェントであることが判明している。小説版によるとラクーンシティ壊滅前に、シティ郊外にあるアークレイ山地で発生していた地猟奇殺人事件の捜査中に消息を絶ち、表向きは事故による殉職となっていた。[4]
また、劇中でレインが寄生生物「プラーガ」を注射して自信を強化した際に、「プラーガ寄生体(The Las Plagas parasite)」とつぶやき、名称を知っていたことから、原作のように過去に「プラーガ」に関係した事件に巻き込まれている可能性もある。
エイダ・ウォン(Ada Wong)
演:リー・ビンビン(声:サリー・カーヒル
アンブレラ社の元工作員。色白肌のアジアンビューティー。現在はアンブレラ社と決別し、ウェスカー直属の工作員となっている。先んじて潜入した実験施設で救出したアリスとともに、施設から脱出すべく共闘する。
中盤でアリスを逃がすために囮となって戦うが、ジルに人質として捕らわれる[5]。アリスを追ってきたジルに捕虜として連行された際、クローンレインに殴られて気絶する。それ以降の出番はないがラストで救出され、アリス達と共にヘリコプターで生還した。戦闘力はアリスに勝るとも劣らず、ハイヒールを履いたまま華麗に戦う。また、原作ではエイダの象徴とも言えるフックショットを、今作では攻撃に使用している。
バリー・バートン(Barry Burton)
演:ケヴィン・デュランド
レオン率いるアリス救出チームの一員。原作同様マグナム銃を愛用している[6]
チームの前衛を任されており、危険地帯には基本的にバリーが突入してから、レオン達が続くという形をとっている。
潜水艦ドックでアンブレラの兵隊を一掃し、モスクワエリアでプラーガ・アンデッドや巨大リッカーの襲撃を生き延びてアリスの救出に成功するが、終盤で再び巨大リッカーに襲われ、重傷を負いながらもクローンワンらと激しい銃撃戦を繰り広げる。
最後は人質に捕らわれたエイダを助けるため、無抵抗で敵の眼前に赴き銃撃を受けるが、クローンワンが油断した隙を狙い、最後の力を振り絞って切り札のマグナム銃でクローンワンを射殺して一矢報いた。その後、クローンカルロスの銃撃を浴びて死亡する。
ルーサー・ウエスト(Luther West)
演:ボリス・コジョー
レオン率いるアリス救出チームの一員。前作でマジニの襲撃を受けた際にアリス達と離れ離れになったが生還しており、今作ではアリス救出チームの一員として登場する。
終盤で地下施設からの脱出に成功し、レオンと共にクローンレインと肉弾戦を繰り広げるも、プラーガを注射した彼女に終始圧倒され、強烈な掌底打ちを受けて心停止したために死亡する。
セルゲイ(Sergei)
演:ロビン・カシヤノフ
レオン率いるアリス救出チームの一員。
チーム内では電子端末による現在地の確認や救出ルートの計算を担当する。基地内のモスクワエリアにおいて、プラーガ・アンデッド部隊の攻撃から逃げ切った矢先に巨大リッカーに捕えられ、頭部を喰いちぎられて死亡する。
トニー(Tony)
演:オフィリオ・ポルティージョ
レオン率いるアリス救出チームの一員。
アンブレラ・プライムのモスクワエリアにおけるプラーガ・アンデッド部隊との銃撃戦の最中、銃器のリロード中にプラーガ・アンデッド(チェーンソー男)に殺害される。

実験用クローン(民間人)[編集]

クローンアリス(Clone Alice)
演:ミラ・ジョヴォヴィッチ
アンブレラ社が造り出したアリスのクローン。今作ではアンブレラの研究施設の1つで何も知らず、夫トッドと娘ベッキーと3人で暮らす主婦になっている。
マジニ・アンデッドの襲撃からベッキーを連れて必死に逃げるが、逃げ込んだ民家で彼女をクローゼットへ隠した矢先にマジニ化したトッドに襲われる。後にオリジナルのアリスとエイダが訪れた際には惨殺された状態で発見された。
トッド(Todd)
演: オデッド・フェール
アンブレラ社が造り出したカルロスのクローンで、クローンアリスの夫。
アンデッドの襲撃から身を挺して妻子を逃がすが、彼女らの落ち延びた先でマジニと化してクローンアリスに襲いかかる。その後の詳細は不明。
ベッキー(Becky)
演: アリアーナ・エンジニア
実験用のクローンの少女。クローンアリスとトッドの娘。聴力に障害があり、手話で話す。
逃げ込んだ民家に隠れていたところを本物のアリスに発見され、彼女を母と思い込み、共に行動する。自分を含めて吊り下げられたクローン達の姿を目撃したり、巨大リッカーに浚われて繭の中に閉じ込められる等の散々な目に逢うが、アリス達と共に地下施設からの脱出に成功した。
クローンレイン(Clone Rain)
演: ミシェル・ロドリゲス
第一作に登場したアンブレラ特殊部隊隊員レインのクローンで、二人登場する内の一人。好戦的な性格のオリジナルと異なり、銃の反対デモに参加しているという記憶を移植されている。
オリジナルやもう一人のクローンとは違い、銃の扱いも知らない一般市民と設定されており、アンデッドの襲撃から逃げるクローンアリスとベッキーを自動車で救助するが、その直後に発生した事故によりはぐれてしまう。モスクワエリアで本物のアリスと合流した後は彼女達と行動を共にするが、巨大リッカーに襲撃された際に弾き飛ばされ、柱へ激突した際に首の骨が折れて死亡する。
本作の未公開シーンでは、ニューヨークエリアにてアリス達に襲いかかったアンデッドとしても登場している。

アンブレラ社攻撃部隊[編集]

ジル・バレンタイン(Jill Valentine)
演:シエンナ・ギロリー
第2作『バイオハザードII アポカリプス』でアリスと共に行動し、ラクーンシティから生還した美しき元S.T.A.R.S.隊員。ラクーンシティ脱出以降、アリスとは別行動だったが、アンブレラ社に囚われて拷問された挙げ句、胸に節足動物型デバイス「スカラベ」を取り付けられてレッドクイーンに洗脳され、アンブレラ社の攻撃部隊の指揮を取ることになった。
当初からアリスに匹敵する天性の戦闘力の持ち主だったが、今作での戦闘力はアリスを圧倒する。銃撃も格闘も一切の無駄がなく、終盤でのアリスとの肉弾戦でも終始優勢を保ったまま片手でアリスの首を絞めながら持ち上げ戦闘不能にまで追い詰めるが、とどめを刺そうとした際にデバイスを外されたことで洗脳から解放され、一時気を失う。その後に意識、自我を取り戻すと、クローンレインに追い詰められていたアリスへ銃を投げ渡して彼女の逆転の機会を作り、アリス達と共に生還した。
本作における金髪のポニーテールにバトルスーツの外観と、洗脳され敵になっている設定などは、原作ゲーム『5』に準じている。
クローンレイン(攻撃部隊員)
演:ミシェル・ロドリゲス
第一作に登場したアンブレラ特殊部隊員レインのクローンで、二体登場する内の一体。こちらはジル率いる攻撃部隊の一員で、彼女の副官的存在として立ち回る。劇中では、捕虜にしたエイダに銃を向けアリスたちを脅すシーンが多い。
他の攻撃隊員達が死んだ後もジルと共に生き残っており、基地から脱出したアリス一行の前にジルと共に氷下から潜水艦に乗って登場する。エイダを人質に取り、アリス達が攻撃できない間に自身にプラーガを注射して身体能力を強化する。そして、銃弾をものともしない生命力(原作『4』のサドラー人間形態のオマージュ)や相手を打撃で骨折させたり心臓を止めるなどの攻撃力を手に入れ、ルーサーを殺害してレオンとアリスを瀕死へ追い詰めた。最期は自我を取り戻したジルが投げ渡した銃を使ったアリスに足元の氷を破壊され、彼女へ捨て台詞を吐きながら氷下に潜むプラーガ・アンデッド達に海中へ引きずり込まれていった。
小説版ではその後、海中で完全にクリーチャー化し、潜水艦での脱出を図るドリ一行の前に立ちはだかった。
クローンカルロス(Clone Carlos)
演:オデッド・フェール
アンブレラ社によるカルロスのクローンで、ジル率いる攻撃部隊の一員。クローンワンと共に、他の隊員達の統制役を務める。
終盤で他の隊員らと共にバリーを射殺するも、クローンレイン以外の残存隊員と共に基地の破壊に巻き込まれ、死亡した。
クローンワン(Clone One)
演:コリン・サーモン
第一作に登場したアンブレラ特殊部隊隊長ワンのクローン。今作ではジル率いる攻撃部隊の一員で、ここでも他の隊員達の纏め役を務めている。
バリーと激しい銃撃戦を繰り広げた後、人質に取ったエイダを盾に彼を銃撃して瀕死にさせるが、油断して銃を下ろしたところでバリーにマグナム銃で射殺される。

その他[編集]

第一感染者のクローン(J Pop Girl)
演:中島美嘉(※日本版主題歌も担当)
前作の冒頭に登場した、東京で最初にT-ウイルスに感染し、アンデッドとなった女性。今作ではアンブレラ社によるクローンのマジニとして登場する。
東京エリアから制御室へと続く光の廊下で、他のアンデッドらと共にアリスと激戦を繰り広げるが、射殺される。

小説版の登場人物[編集]

小説版で語られるエピソードに登場する。アリス一行と並行して行動を開始していた、もう一組の脱走者たち。

ドリ
小説版に登場するもう1人の主人公。15歳程度の容姿をしたクローンの少女。自身が実験のために造られた事実を認知しており、自由を得るために外の世界を目指す。アリスの戦闘データを学習されており、彼女に及ばないまでも高い運動能力を誇る。
ジュディテク
本名はジュディ・ゴードン。実験施設の女性研究員。経緯は不明だが、試験用クローンであるドリを会社に隠れて娘のように育てていた。彼女と共に、アリス一行への対応に追われる施設からの脱出を敢行する。
トム・ペッパー
実験施設で働いていたアンブレラの整備士。友人をT-ウイルスによって失った過去を持ち、自身もクローン兵のように洗脳装置を取り付けられかけたため、忠誠心は捨てている。生物兵器に関する知識は豊富である。見切りも兼ねてドリとジュディテクの脱出を手引きし、脱出用の潜水艦を操縦した。

登場クリーチャー[編集]

マジニ・アンデッド(Majini Undead)
T-ウイルスに感染してから長い時間が経ち、体内に宿すT-ウイルスが経年劣化によって変異を遂げて進化した、アンデッド(ゾンビ)の亜種。「マジニ」とは、スワヒリ語で「悪霊」を意味する。
最も本能的な欲求である「食欲」に突き動かされ、生者を次々と襲う。通常のアンデッドより知能や身体能力が高く、郊外エリアでアリスとクローンレインが遭遇した際に、乗りこんだ自動車でも、振り切ることが困難なほど非常に素早い。
捕食の際には、花弁状の嘴のような器官を口から露出させて襲いかかるほか、地中や水中を潜りながら獲物に忍び寄って奇襲することを得意とする。
原作では、寄生虫「プラーガ・タイプ2」によって操られた人間のなれの果てという設定であったが、実写映画版では、T-ウイルスの変異の過程で生まれた「アンデッドの進化形態」という位置づけであり、プラーガとは無関係である。
本作の特典ディスクの解説[3]によると、マジニ・アンデッドの最大の特徴である口から露出させる花弁状の嘴のような器官は、経年劣化によるT-ウイルスの変異によって、血肉を効率よく摂取できるように体内に生成された牙であると語られている。
処刑マジニ(Axeman)
ニューヨークエリアにて、アリスとエイダを排除するべく、レッドクイーンによって解き放たれた人間ベースの生物兵器。
劇中でのビジュアルは、頭巾を被った巨漢のクリーチャーで、「斧」と「ハンマー」を合体させたような形状の巨大な断頭斧を軽々と自在に振り回す。
今作では同時に二体登場するが、外観の差別化を図るためか、一体は原作ゲーム『5』に準じた姿で、もう一体は頭部が巨大な釘で貫かれた姿で登場する。
拳銃で頭を撃ち抜いてもビクともしないほど、全身が強化されているほか、前作に登場した個体よりも更に巨躯な体格になっており、前作同様、走るスピードは原作ゲームよりも速い。
ニューヨークエリアのバスや、タクシーを、手にした斧で豪快に破壊しながらアリス達に襲い掛かるが、知能はあまり高くなくタクシーに斧を突き刺した際に、動きが鈍った瞬間をアリス達に突かれ、その状態でガソリンの溜まった給油口付近を撃たれてタクシーが爆発し、二体とも死亡する。
原作ゲームでは、寄生虫「プラーガ・タイプ2」によって操られた人間のなれの果てである「マジニ」の一種であり、登場する『5』では、日本版、英語版共に「処刑マジニ」(Executioner Majini)という名称である。
一方で、本作「V」及び、前作「IV」に登場するこのクリーチャーの英語圏における名称は、原作『5』の「処刑マジニ」(Executioner Majini)の英語圏での愛称である「AXEMAN」が正式名称[7]であり、「マジニ」とは異なるアンブレラ社によって生み出された生物兵器として扱われている。
本作の特典ディスクの解説[3]によると、アンブレラ社の最も成功した生物兵器の一つで、大量の複製(クローン)が製作されたと語られている。
プラーガ(The Las Plagas parasite)
寄生した宿主の身体能力を向上し、素体がアンデッドであれば知性も与える寄生生物。スペイン語でプラーガ(Plaga)は、寄生虫である「ノミ」を媒介として感染するペスト等の「伝染病」を意味するほか、広義な意味での「災害(厄災)」を意味し、ラスプラガス(Las Plagas)は、寄生虫や害虫に関する被害、及び「害虫」そのものを意味する。
アンブレラ社がアンデッドやクリーチャーを完全統制する目的で開発した生物兵器であり、原作ゲームにおける「支配種」と「従属種」の両方のプラーガの性質を持つ。
アンデッドに投与すると、ある程度の知能が与えられると同時に食欲が抑制され、生身の人間に投与すると、常人以上の身体能力を得られるが、その代償として凶暴性が増し、攻撃部隊のクローンレインに至っては、脳のある頭部を含む全身に銃弾を受けても全く問題としないほどの生命力と、掌打によってルーサーを一撃で殺害するような驚異的な攻撃力を得ている。
ちなみに原作ゲームシリーズと本作の劇中で、原文で「Las Plagas」というスペイン語のセリフが用いられる場合、日本語の字幕表記と吹き替えは、一貫して「プラーガ」と片仮名表記されるが、本作の劇場販売された日本語版プログラムや、小説版では、「Plaga」の前に付く「Las」の文字も含めて、「ラスプラガス」という片仮名表記で翻訳されている。
本作では原作ゲーム『4』と同じく注射器に入った状態で登場するが、卵の状態で注射する『4』とは異なり、幼虫の姿で登場し、注射されている。
プラーガ・アンデッド(Las Plagas Undead)
寄生生物「プラーガ」を投与されたアンデッド(ゾンビ)で、モスクワエリアにて侵入者であるレオン達を排除するべく、レッドクイーンによって解き放たれた生物兵器。
知能をプラーガで、耐久力をT-ウィルスでそれぞれ強化した、原作ゲームに登場しないウイルスとプラーガの併用クリーチャーである[8]
いわゆる原作ゲームの「ガナード」や「マジニ」に相当する、高度な知能を持ったクリーチャーであり、原作の「ガナード」や「マジニ」と同様に、集団行動でレオン達を追い詰め、武器として銃や機関銃、RPG-7を使うほか、バイクや自動車を乗りこなす個体も登場する。ただし、素体がアンデッドであるために、動きは鈍重であり、会話による意思疎通は行えない。
特典ディスクの解説[3]によると「プラーガ・アンデッド」は、かつて「III」でサミュエル・アイザックス博士を中心に行われた「アンデッドの飼い慣らし計画」の完成形モデルであり、飼い慣らしに失敗して生まれた獰猛な「スーパー・アンデッド」とは異なり、従順な性質で知性があり、軍隊のように団結して戦うことが出来るため、アンブレラ社にとって最も役に立つ存在であると解説されている。
チェーンソー男(Las Plagas Undead:Primary Weapon "Chain Saw")
プラーガと高い適合率を見せたアンデッドに、強靱な腕力を活かせる武器としてチェーンソーを持たせた者。他の個体よりタフで銃弾に怯まず、チェーンソーを扱う。原作とは違ってアンデッドを素体としており、布袋で顔を隠さずに旧ソ連軍服姿で一体だけ登場した。
トニーの銃撃にひるまず接近し、トニーをチェーンソーで殺害した後に、リロード中で動けないレオンに襲い掛かったが、背後からルーサーに頭を打ちぬかれて撃退された。
巨大リッカー(Uber Licker)
人間の体組織に直接T-ウイルスを注入して製造された人間ベースの生物兵器。新鮮な人間のDNAを摂取することで変異して巨大化する。
名称の「リッカー(Licker)」とは、「舐めるもの」を意味する英語の造語で、英名の「ウーバーリッカー(Uber Licker)」の「Uber」とは「優れている」を表す接頭詞である。
かつて『I』に登場した個体よりも、はるかに巨大化しており、特徴的な長く伸びる舌は、文字通り「二枚舌」となっており横に並んでいる。舌を使って敵を締め上げたり、巨体そのものでの攻撃を得意とする。
走行する自動車を軽々と追い越す巨体に見合わない敏捷性と、自動車を弾き飛ばす程の圧倒的なパワーを併せ持っている。生命力も非常に高く、施設の天井の崩落に巻き込まれたり、アリスにサブマシンガンで脳を執拗に撃たれても生きているほどである。
基本的に獲物はすぐに殺さず、生け捕りにして、自らが生み出した繭の中へ閉じ込める性質を持ち、モスクワエリア等ではリッカーによって生成された繭が数多く存在する。
特典ディスクの解説[3]によると、リッカーが『I』で見せた新鮮な人間のDNAを摂取することで変異して巨大化する特性を研究するために、カムチャッカ半島海溝に存在する旧ソ連の潜水艦ドックに併設された「アンブレラ・プライム」は、巨大化するリッカーの成長を見守るのにうってつけで、ここで大量の巨大リッカーが製造されたと語られている他、リッカーが新たに見せた繭を生成して獲物を閉じ込める特徴は、この繭の中に獲物を閉じ込めドロドロに溶かし、プロテインに富んだ物体に変質させた後に吸収するためであると解説されている。
また、特典映像のアンダーソン監督の解説では、リッカーの生成する「繭」のデザインに関して、ただの繭ではなく、リッカーらしい禍々しさが欲しいとデザイナーに依頼したと語っており、繭の外観をトラバサミのようにし、獲物がトラバサミに捕まっているようなデザインにしたと解説している。

日本語吹き替え[編集]

役名 俳優 日本語吹替
劇場公開版 テレビ朝日[9]
アリス・アバーナシー ミラ・ジョヴォヴィッチ 本田貴子 岡寛恵
クローンアリス
エイダ・ウォン
(アンブレラ社の元工作員)
リー・ビンビン 岡本麻弥 皆川純子
クローンレイン
民間人と攻撃部隊員)
ミシェル・ロドリゲス 朴璐美 高山みなみ
ジル・バレンタイン シエンナ・ギロリー 湯屋敦子 岡本麻弥
アルバート・ウェスカー
(私設部隊)
ショーン・ロバーツ 立木文彦 大塚明夫
ルーサー・ウエスト ボリス・コジョー 楠大典 山野井仁
レオン・S・ケネディ ヨハン・アーブ 宮内敦士 森川智之
クローンワン コリン・サーモン 大友龍三郎 玄田哲章
クローンカルロス
(攻撃部隊員)
オデッド・フェール てらそままさき 江原正士
トッド
(民間人)
ベッキー
(クローンアリスとトッドの娘)
アリアーナ・エンジニア 羽飼まり 能登麻美子
セルゲイ ロビン・カシヤノフ 金野潤 亀田佳明
バリー・バートン ケヴィン・デュランド 金光宣明 江川央生
トニー オフィリオ・ポルティージョ なし 不明[10]
第一感染者
(クローン)
中島美嘉 台詞なし
レッド・クイーン ミーガン・シャルパンティエ かないみか 釘宮理恵
サミュエル・(サム)・アイザックス博士 イアン・グレン
(アーカイブ映像)
水内清光 大塚芳忠
その他の吹き替えキャスト 鍋井まき子
滝知史
田村真
鈴木佑治
佐藤芳洋
樋口あかり
田村真
中尾一貴
荒井勇樹
小若和郁那
水越健
演出 中野洋志 鍛治谷功
翻訳 太田直子 藤澤睦実
制作 ACクリエイト ブロードメディア
初回放送 2014年11月2日
21:00-23:10
日曜洋画劇場

※2015年12月2日発売の「吹替洋画劇場」シリーズ「吹替洋画劇場『バイオハザードV リトリビューション』デラックス エディション」Blu-rayには本編ディスクとは別に、テレビ朝日版(約85分)の吹き替え版を収録した特典ディスクが付属している。

日本語版制作スタッフ[編集]

テレビ放映[編集]

2014年11月2日テレビ朝日の『日曜洋画劇場』枠で地上波初放送された。アリスをはじめ続けて登場した人物については、同一の声優陣による吹き替えが施されている[9]

映画本編を冒頭からそのまま放送するのではなく、合間にアリスをはじめ今作の登場人物の紹介やミラ・ジョヴォヴィッチポール・W・S・アンダーソンへのインタビュー、そして事前に視聴者から募集したミラやポールへの質問コーナーを挟みながら放送した。本編終了後には、2015年から制作開始する[11]次回作『バイオハザード: ザ・ファイナル』でシリーズを完結させることや、第1作の登場人物を再登場させることがポールの発言で明かされた[12]

音楽[編集]

音楽は前作に引き続きトムアンドアンディが手掛ける。サウンドトラック盤は2012年9月11日にアメリカで発売された。

Resident Evil: Retribution - Music from the Motion Picture
全作詞・作曲: トムアンドアンディ。
# タイトル 作詞 作曲・編曲 時間
1. 「Hexes (Featuring Chino Moreno)」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
2. 「Flying Through The Air」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
3. 「First Blood」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
4. 「Tokyo Revisited」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
5. 「Corridor」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
6. 「Planting」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
7. 「Axemen」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
8. 「Fall Back」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
9. 「Imprinted」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
10. 「Suburbia」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
11. 「Phantom Chase」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
12. 「End Of The World」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
13. 「Drive Away」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
14. 「Ice Pack」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
15. 「Zombies Under Ice」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
16. 「It's Help」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ
17. 「Flying Through The Air (T-Mass Remix)」 トムアンドアンディ トムアンドアンディ

日本版主題歌

2012年9月19日発売。MUSIC VIDEO DVD付初回限定盤:AICL 2420~1 通常盤:AICL 2422

Blu-ray・DVD[編集]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメントより下記が発売。

  • バイオハザードⅤ リトリビューション Blu-ray ペンタロジー BOX(初回生産限定、6枚組、2012年12月19日発売)
  • バイオハザードⅤ リトリビューション Blu-ray IN 3D(初回生産限定、2枚組、2012年12月19日発売)
  • バイオハザードⅤ リトリビューション Blu-ray & DVDセット(初回生産限定、2枚組、2012年12月19日発売)
  • バイオハザードⅤ リトリビューション DVD(初回生産限定、1枚組、2012年12月19日発売)
  • バイオハザードⅤ リトリビューション 【Amazon.co.jp限定】Blu-ray IN 3D スチールブック仕様(数量生産限定、2枚組、2012年12月19日発売)
  • バイオハザードV リトリビューション Blu-ray・廉価版(1枚組、2013年6月26日発売)
  • バイオハザードV リトリビューション DVD・廉価版(1枚組、2013年6月26日発売)

エピソード[編集]

  • シリーズを通してジル役を演じてきたシエンナ・ギロリーは制作側の意向で降板が発表されていたが、後にファンの声援を受けて続投が決定した。今作でもゲームのジルの動きや表情をきめ細かく研究して演技に実践したため、映画版に対して否定的だったゲームファンから絶賛された。
  • 本作の撮影は2011年10月から同年12月にかけて行われ、トロントのシネスペース・フィルム・スタジオ以外にも、ニューヨークタイムズ・スクエア東京モスクワ赤の広場がロケ地となった。
    • 撮影中のシネスペース・フィルム・スタジオ内に建てられたセットにて、稼働式の台が地面に倒れ込み、ゾンビ役のエキストラ12人と撮影スタッフ4人が負傷した。すぐに救急隊が現場に到着したが、負傷したエキストラたちは皆、血まみれの衣裳や特殊メイクを施していたため、怪我の程度を把握するのが困難だった。警察の発表によると、幸いにも命に係わるような重傷者は出なかったという[13]
  • 日本では最終興行収入38億1000万円を記録した。これは2012年の洋画興行収入の2位である[14]
  • 前作のラストシーンまでアリスと共に行動していたクリスとクレア、Kマートは今作では登場しない。アンダーソン監督のインタビューによると、レオンやエイダ等の新キャラクターの登場、レインや過去のキャラクターの復活を優先したためとされる。
  • エイダ役のリー・ビンビンは東京で行われる試写会への出席を拒否し、日本版ポスターから自身を削除するよう申し出た。尖閣諸島問題で日中の対立が高まったことを受け、「釣魚島(日本名:魚釣島)は中国固有の領土である」との政治的立場を表明し、日本だけは絶対に行かないと宣言した[15]

オマージュ[編集]

本作には、アンダーソン監督が好きな映画『エイリアン2』をはじめ、ジェームズ・キャメロンが過去に監督を務めた作品のオマージュが挙げられる(カッコ内は元ネタとなったシーンやキャラクター等)。

  • エイリアン2』 - 巨大リッカーの生け捕りにした人間を繭の中へ閉じ込めるという性質(エイリアンの生け捕りにした人間を分泌液で作った繭に拘束し、チェストバスターを寄生させる習性)、巨大リッカーの繭の中に閉じ込められたベッキーの救出シーン(繭に拘束されていたニュートの救出シーン)。
  • ターミネーターシリーズ』 - レッド・クイーン(スカイネット)、本作でのウェスカーとアリスの立ち場(ジョン・コナーと『ターミネーター2』のターミネーターT-800)。

出典[編集]

  1. ^ a b Resident Evil: Retribution”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年12月19日閲覧。
  2. ^ 2012年度(平成24年)興収10億円以上番組日本映画製作者連盟 2013年1月30日発表
  3. ^ a b c d e 特典ディスク『プロジェクト・アリス:インタラクティブ・データベース』の解説より
  4. ^ 同事件を追っていたジルはアンブレラ社の正体を知ったが、レオンが死亡した(と思われていた)ことの責任を追及されて停職(圧力)を受けてしまう。
  5. ^ 描写はないが、ジルと1対1で戦って敗れたという設定になっている。
  6. ^ ただし、本作での使用モデルは形状から原作のものとは異なり、トーラス・レイジングブルであることがうかがえる。
  7. ^ エンドクレジットでの表記は「The Axe Men」
  8. ^ 後に公開されたフルCGアニメーション映画「バイオハザード ダムネーション」にて、本作のようにT-ウイルスのクリーチャーである「リッカー」を「プラーガ」によって制御する設定が登場する。
  9. ^ a b “「日曜洋画劇場」で2年ぶり吹替新録『バイオハザードV』地上波初放送”. http://www.oricon.co.jp/news/2043678/full/ 2014年10月24日閲覧。 
  10. ^ トニーの台詞自体なく、唯一声を出した死に際の声も劇場公開・ソフト版では原音だが、日曜洋画劇場版ではそこのみだが吹き替えられている。
  11. ^ 2014年内から開始する予定だったが、同年8月にミラの第2子妊娠が発覚したため、撮影は2015年へ延期となった。詳細はミラの項目を参照。
  12. ^ 日曜洋画劇場|2014/11/02(日)放送 | TVでた蔵
  13. ^ 「バイオハザード5」撮影中の事故でゾンビたちが負傷!!”. クランクイン! (2011年10月12日). 2014年11月2日閲覧。
  14. ^ “今年の洋画興行、さらに深刻の度合い増す”. 文化通信社. (2012年12月12日). http://www.bunkatsushin.com/varieties/article.aspx?id=1931 2012年12月17日閲覧。 
  15. ^ 「バイオハザード」出演した中国人人気女優 尖閣対応を批判、「日本のポスターから削除して」 J-CAST 2012年9月5日

外部リンク[編集]