バイオハザード ダムネーション

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バイオハザード ダムネーション
Resident Evil: Damnation
監督 神谷誠
脚本 菅正太郎
製作 小林裕幸
製作総指揮 辻本春弘
音楽 近藤嶺
内山修作
主題歌 土屋アンナ
製作会社 カプコン
デジタル・フロンティア
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公開 2012年10月27日
上映時間 100分
製作国 日本の旗 日本
言語 英語
前作 バイオハザード ディジェネレーション
次作 バイオハザード: ヴェンデッタ[1]
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バイオハザード ダムネーション』 (Resident Evil: Damnation) は、2012年9月25日にアメリカでDVD/BDが発売され、同年10月27日より日本全国の劇場で公開されたフルCGアニメ映画。3D&2D同時公開。カプコンサバイバルホラーゲームバイオハザードシリーズ」を原案としている。

概要[編集]

2008年に公開された『バイオハザード ディジェネレーション』(以降、『DG』)の続編。

時系列的にはゲーム『バイオハザード5』(以降、『5』)と『バイオハザード6』(以降、『6』)の間の話になる(そのためもあり、エンディングではスタッフやキャストのクレジットに合わせて『6』の映像やタイトルが表示され、同作へ続くことが明示されている)。『バイオハザード リベレーションズ2』とほぼ同系列に位置する。

本作には『2』『4』『6』で暗躍したエイダ・ウォンが登場し、主人公のレオン・S・ケネディと共演している。また、前作同様に敵もレオンと関わりのあるものになっており、登場するクリーチャーは『2』のリッカータイラント、『4』のガナードになっている。

本作の舞台である東スラブ共和国がソビエト連邦時代の構成国であった関係から、劇中ではロシア語の文章が登場する。また、英語版における会話言語は英語であるが、東スラブの人間は政府側・反政府側双方共にロシア訛りのある英語を用いている。

製作[編集]

キャラクターデザインの恩田尚之や監督の神谷誠、CG制作のデジタル・フロンティアなど、主要スタッフは前作から続投している。CG制作は2011年9月から2012年8月まで行なわれ、スタッフには俳優声優を含めて450人(そのうち、デジタル・フロンティアから200人)が参加した。本作ではウクライナへのロケハンを行なったうえ、3D立体視に対応したのが前作との大きな違いである。モーションキャプチャ用のカメラも前作の50台から本作では100台に増やされたうえ、カメラ自体もより高性能機が導入された結果、取り込み精度は前作の8倍になった。また、モーションキャプチャ用にロサンゼルスでオーディションを行なったほか、リッカーの動きにも3割程度はモーションキャプチャが使われた。ライティングだけでも、10人が1か月をかけたという[2]

ロケハンで足りない部分は現地の他社スタッフに補佐してもらったが、デジタル・フロンティアで使用していた3DソフトがMayaだったのに対して他社は3ds Maxを使用していたため、データの受け渡しでは問題が発生した。そこでオープンソースのAlembicを用いることとなったが、予算的な問題からデジタル・フロンティアで『Alembic for 3dsMax』を開発することにより、問題を解決したという[2]

こうして制作された本作は、当時のデジタル・フロンティア史上最大規模であり、データ量は前作の10倍以上となった[2]

ストーリー[編集]

西暦2011年。元はソ連の構成国であったが冷戦終結後に独立した東欧の小国、東スラブ共和国の貧困問題に端を発する独立運動は、同国初の女性大統領であるスベトラーナ・ベリコバの呼びかけで終焉に向かいつつあった。しかし、政府が反政府側の自治区に有用資源を発見して再度攻撃を開始したため、独立運動は再開されて東スラブは今や内戦の地と化していた。

生物兵器「B.O.W.」が実戦投入された情報を受け、アメリカ合衆国大統領直属エージェントのレオン・S・ケネディは東スラブへ単独潜入する。その直後、政府事情によりアメリカは突如東スラブからの撤退を決めるが、レオンは命令を無視して戦場へ身を投じる。一方、東スラブの大統領府には「国連の対バイオテロ組織B.S.A.A.から来た」という女性が現れる。「東スラブ内で『プラーガ』が使用されていると報告され、そのための調査に来た」と語るのは、かつてラクーンシティ壊滅事件や南欧の事件で暗躍した女スパイのエイダ・ウォンであった。

元学校教師であり、反政府勢力の主要メンバーであるアレクサンドル・コザンチェンコは独立派の勝利のため、かつてヨーロッパの山村やアフリカのキジュジュ自治区で使用された寄生生物のプラーガを利用し、新技術により完全に制御下に置いたB.O.W.のリッカーを実戦投入する。

3人の運命が交差することにより、事件は思わぬ方向に突き進む。

登場人物[編集]

詳細は、バイオハザードシリーズの登場人物やリンク先の個別項目を参照。声優名は、英語版/日本語吹き替え版。

レオン・S・ケネディ
声:マシュー・マーサー/森川智之
主人公。『バイオハザード2』(以降、『2』)でラクーンシティから生還して以降、アメリカ大統領直属のエージェント。B.O.Wが実戦投入されていることがほぼ確実となった状況での一方的な撤退命令に納得できず、単独で東スラブ共和国に留まることを決意する。本作では監督の方針によりピンチに陥るシーンが多い。なお、今回の潜入作戦『プロジェクト・オズ』においての暗号名は『オズの魔法使い』をモチーフにしており、レオンの暗号名は「ティンマン(ブリキの木こり)」。
アレクサンドル・コザンチェンコ
声:デイヴ・ウィテンバーグ/檜山修之
通称はバディ(相棒)かサーシャ(アレクサンドルの略称)。東スラブの反政府勢力主要メンバー。元小学校教師で、JDとは幼馴染。婚約者イリーナや教え子たちを政府軍の誤爆で殺されたことをきっかけに反政府軍に参加し、後に指導者であるアタマンの右腕的存在となった。
アタマンの死後は、彼の跡を継いで支配種プラーガを自らに寄生させ、リッカーの大群を従えて大統領府に攻撃を仕掛けた。
エイダ・ウォン
声:コートニー・テイラー/皆川純子
東洋系の女スパイ。本名を含めた素性のほとんどが不明。『2』でレオンと行動を共にした。シモンズに雇われており、支配種プラーガを入手するため、B.S.A.A.から派遣された特別調査官と素性を偽り、東スラブ共和国政府を訪れる。
スベトラーナ・ベリコバ
声:ウェンディー・リー/川崎恵理子
東スラブの大統領。ソ連崩壊に伴いさまざまなビジネスに手を染め、オリガルヒ(大富豪)になる。その莫大な資金力を背景に政界へ進出して地位を高め、東スラブ初の女性大統領にまで上り詰めた。軍で戦闘訓練を積んだ教官クラスの実力者でもあり、エイダを上回る圧倒的な身体能力と戦闘力を持つ。
JD
声:ヴァル・タッソー/大畑伸太郎
反政府勢力のメンバー。本名は不明。アメリカという国家自体は嫌悪しているが、映画や音楽、ファストフードの影響でアメリカかぶれになっている。
イワン・ジュダノビッチ
声:ロビン・サックス/飯塚昭三
通称はアタマン(長老)。反政府勢力長老議会の指導者。大統領府に侵入する作戦を画策するが、高齢の自身に支配種プラーガを投与した影響で体力が弱っており、サーシャやJDらの助けを必要とする。
イングリッド・ハニガン
声:サリー・サフィオッティ/杉本ゆう
『4』や『DG』にも登場した女性。アメリカの政府機関に所属しており、通信を介してレオンのサポートを務めている。
案山子
CIAが送り込んだ諜報員。本名は不明。暗号名は『オズの魔法使い』の「案山子」にちなむ。
作戦でレオンと合流する予定だった。合流時にはすでに重傷を負っており、言葉を発することさえも困難な状態だったが、それでもレオンに「養蜂家(ビーキーパー)」というメッセージを伝えた直後、突然襲撃してきたリッカーに斬首されて死亡する。また、生前にはアメリカにもたらした情報が序盤のアメリカの撤退や終盤のアメリカとロシアの侵攻のきっかけとなった。
スベトラーナの秘書官
冷戦時代からスベトラーナの戦友でもある男性。本名は不明。常に付き添うスベトラーナとは、信頼し合っている様子。体格や戦闘技術は並より上だが、エイダには軽くあしらわれ、拳銃を奪われた。物語終盤にはレオンとバディを確実に始末するため、増援としてスーパータイラント2体を投入した。
ディレック・C・シモンズ
エイダの雇い主。『6』における黒幕の1人であり、後にトールオークスでバイオテロを実行することになる。

登場クリーチャー[編集]

プラーガ
『4』『5』に登場した寄生生物。本作では支配種プラーガと従属種プラーガが登場し、リッカーを制御する。また、プラーガに寄生された人間は眼球が赤くなるという描写があるほか、プラーガに寄生されても辛うじて自我を保っている者が登場する。
ガナード
従属種プラーガに寄生され、変異した人間たち。前作のゾンビに代わる脅威。反政府軍が所持していたプラーガが市街地に流出したために発生したが、その時点で支配種プラーガを宿していたアタマンが死亡していたため、コントロールを受けていない状態にある。
肌が青白く、眼球が赤いことが外見上の特徴。宿主となった人間は中枢神経を乗っ取られて自我を失うが怪力を得るうえ、多少のダメージを受けても短時間で回復できるようになる。知性が残っており、武器を扱いながら組織的な集団行動で標的を追い詰め、プラーガの幼体を植え付けてガナード化させることにより、仲間を増やしていく。仲間を増やす際には口から花弁状の嘴に似た器官を露出させ、そこからプラーガの幼体を取り出して相手の口に無理矢理ねじ込む。
ゲーム版より動作がぎこちなく、言語を話す場面も非常に少ないため、外見はゾンビに近い。
寄生体が露出したガナード
脳を破壊されて沈黙し、首から成長したプラーガが露出したガナード。露出したプラーガは棘の付いた触手状に成長しており、それを振り回して攻撃する。また、失われた宿主の脳の代わりに身体をコントロールしているため、動作は単純である。
リッカー
T-ウイルスに感染してゾンビ化した人間が、生者の肉を喰らって十分なエネルギーを摂取したことで、さらに変異したクリーチャー。元はラクーンシティの惨劇にて自然発生した存在だが、後にアンブレラ社やトライセル社によってクローンが量産され、現在ではブラックマーケットにてB.O.Wとして定着している。本作に登場する個体はすべて従属種プラーガに寄生されており、支配種プラーガに寄生された人間(アタマンやバディ)によって制御され、政府軍を攻撃する。
ゾンビ
リッカーに襲われた政府軍兵士が、その保菌するt-ウィルスに感染して変貌したクリーチャー。小説版の冒頭にのみ登場し、映画版には登場しない。
タイラント
声:マイケル・マコノヒー
T-ウイルスの完全適合者であるセルゲイ・ウラジミールのクローンを素体に、アンブレラ社がT-ウイルスを投与して人体改造を施すことで誕生した、究極のB.O.W.。外見は『2』に登場したT-103型と酷似しているが、身長は4.3メートルにまで巨大化している。また、黒い耐弾・耐爆コートで全身を包んでおり、頭部のみ露出している。『2』では9mmパラベラム弾数十発のダメージで一時ダウンする程度の耐久力だったが、本作では表皮が固く、頭部をアサルトライフルで銃撃されても傷を負わない。また、リッカーや人間の頭を握り潰すほどの握力、中型乗用車を片手で吹き飛ばして宙に浮かせるほどの腕力、スーパー化前でも走行するほどの機動性を併せ持つ。
以下に、スベトラーナの秘蔵していた複数体を肩に記された番号別に記述する。
016&008
2体とも大統領府の地下施設に秘蔵されたカプセルから出現。多数のリッカーを倒し、レオンとバディを追ってエレベーターに侵入するがワイヤーが切れ、エレベーターごと奈落へ落下して行方不明となった。
013
地上にたどり着いたレオンとバディの前に立ちはだかる。バディの率いるリッカー4体を倒し、逃げた1体を追い詰めて倒すが、レオンの銃撃によってタンクローリーの爆発に至近距離で巻き込まれ、スーパータイラント化する。
スーパータイラント
コートを外し、より強力な形態に変異したタイラント。各種能力がさらに向上し、動作も変異前より早くなっている。特に腕力が向上しており、全速力で走行する18トン以上の歩兵戦闘車を正面から受け止め、持ち上げられる。全身の表皮は岩石のように変化し、右腕の先端は鈎爪になっており、リッカーを一撃で切り裂く。反射速度や瞬発力も向上しており、発射されたロケット弾を掴んで投げ返すほどである。また、高い知性は変異前から維持されているようで、歩兵戦闘車の砲撃を発射前に回避したり、頭を前に突き出して砲搭の可動を封じるなど、弱点を瞬時に見切っている。作中では3体が登場する。
013
タンクローリーの爆発に巻き込まれた結果、コートを外して変異し、レオンやバディと対峙する。レオンのロケットランチャーRPG-7による狙撃を、1発目はギリギリで回避し、2発目は掴んで投げ返す。また、バディの従えるリッカーを1体を残して全滅させたうえ、彼が運転するBMP-3を正面から受け止めて転倒させようとするが、最後のリッカーに視界を塞がれた隙に砲搭に乗っていたレオンに頭部を砲撃され、ようやく沈黙した。
番号不明の2体
スベトラーナの秘書官がレオンとバディを確実に始末するために投入した2体。スーパータイラント013を倒した直後のレオンとバディに襲いかかり、弾切れになるまで追い詰めるが、2体とも突如現れた戦闘機A-10の機銃掃射とミサイル攻撃で粉砕された。

スタッフ[編集]

出典[編集]

外部リンク[編集]