バイオハザード: ザ・ファイナル

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バイオハザード: ザ・ファイナル
Resident Evil: The Final Chapter
監督 ポール・W・S・アンダーソン
脚本 ポール・W・S・アンダーソン
原作 カプコンバイオハザード
製作 ポール・W・S・アンダーソン
ジェレミー・ボルト英語版
ロバート・クルツァー
サミュエル・ハディダ
製作総指揮 マルティン・モスコヴィッツ
ヴィクター・ハディダ
出演者 ミラ・ジョヴォヴィッチ
アリ・ラーター
ショーン・ロバーツ
ルビー・ローズ
ローラ
オーエン・マッケン英語版
ウィリアム・レヴィ英語版
イアン・グレン
音楽 ポール・ハスリンジャー英語版
主題歌 L'Arc〜en〜CielDon't be Afraid
(日本語吹替版)[1]
撮影 グレン・マクファーソン
編集 ドゥービー・ホワイト
製作会社 カプコン
コンスタンティン・フィルム
デイヴィス・フィルムズ
ドン・カーモディ・プロダクション
インパクト・ピクチャーズ
配給 アメリカ合衆国の旗スクリーン・ジェムズ
日本の旗ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公開 日本の旗2016年12月23日[2]
アメリカ合衆国の旗2017年1月27日
上映時間 106分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $40 million
興行収入 $306,963,876
前作 バイオハザードV リトリビューション
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  『バイオハザード: ザ・ファイナル』 (Resident Evil: The Final Chapter) は、2016年12月23日公開[2](全米では2017年1月27日公開)のホラーアクション映画

カプコンのホラーアクションアドベンチャーゲーム『バイオハザードシリーズ』を原作とした、実写映画版シリーズの第6作品目かつ最終作である[3]。 

製作[編集]

2012年公開の『バイオハザードV リトリビューション』(以降『V』)から約4年振りの作品となる。

監督・脚本のポール・W・S・アンダーソンいわく、本作では『バイオハザード』(以降『I』)のような、ホラー色の強い要素を意識して制作したとのこと[4]。またポールは本作で初めて「コンバージョン」(2Dカメラで撮影して編集で3D作品にする方式)に挑戦している[5]。本作は『バイオハザードIV アフターライフ』(以降『IV』)や『V』にあったような、原作ゲームのシーンをそのまま再現したようなオマージュ描写は少なくなり、『I』(以降、『I』)や『バイオハザードIII』(以降『III』)同様、映画オリジナル要素が強い作風となっているが、舞台装置や演出などには、依然として多くの原作ゲームへのオマージュ要素が見て取れる。最終作ということで前作までの全5作品のハイライトが多く描写されている。

2014年9月に全米公開予定だったが、主演のミラ・ジョヴォヴィッチの第2子妊娠により撮影は延期され、2015年4月に第2子は生まれた。

撮影は、2015年9月から南アフリカヨハネスブルクケープタウンで行われた[3]。セット撮影がメインだった前作と違い、本作は「徹底的にリアルを追求したい」というポールの意向から現地撮影が行われ、「泥臭さが上手く撮れた」という。日本からは「驚くべき美貌と人を惹きつける強烈な個性、強い意志をもった女性」と映画プロデューサーに評されたファッションモデルローラが、女戦士のコバルト役で出演している[3]。オーディションを受けたうえで現地撮影に挑んだローラはアクションもすべてこなし、ポールに高評されている[6]

レッドクイーン役は第1作ではモデルのミカエラ・ディッカーが、前作では『MAMA』(2013)や『赤ずきん』(2011)への出演経験があるミーガン・シャルパンティエが演じ、今作では監督のポールと主演のミラの長女であるエヴァ・アンダーソンがレッドクイーンを演じた。レッドクイーン役を演じるために、エヴァは数年前から、イギリス英語を猛特訓していたという。

前作『V』のラストまで登場したジル・バレンタインエイダ・ウォンレオン・S・ケネディ、アリスのクローンの娘であるベッキーは本作映画では登場せず、その後の詳細は映画では語られない。だが本作の小説版では、前作『V』のラストから本作の映画版冒頭の場面に到るまでの物語が補完されており、ホワイトハウスでの篭城戦が描かれている。この戦いでジルはウェスカーの策略に気付き、彼と戦闘を繰り広げるが、取り逃がし失明状態にさせられ、目覚めた後はアリスを庇って、レオンやエイダとともに「メランジ」と呼ばれるアンデッドの融合体の攻撃によって命を落とす。本作の小説版で追加されたエピローグにて、ベッキーは事前に避難し生存しており、アイザックスを倒した後に彼女を捜していたアリスと再会する。

他にも映画シリーズ6部作中にて処遇不明の登場人物として、アンジェラ・アシュフォード、クリス・レッドフィールド、Kマートなどがいるが、アンジェラは『III』の小説版でその顛末が語られるが、クリスとKマートは不明。

あらすじ[編集]

主人公のアリス・アバーナシーが目を覚ました時、その周りに広がっていたのは荒廃したワシントンD.C.だった。アリスはそこで巨大なコウモリのようなクリーチャー「ポポカリム」と死闘を繰り広げ、辛くも生還する。その後、アリスは廃墟と化したホワイトハウス周辺の建物を徘徊するうち、あるコンピューターが設置されている部屋を見つける。その室内のモニターに映し出されたのは、アンブレラ社の人工知能レッドクイーンだった。

レッドクイーンはアリスに「T-ウイルスに感染した、すべてのものを抹消できる抗ウイルス剤をアンブレラ社が開発した。それはラクーンシティの地下にあるハイブの中にある。そして、48時間以内に抗ウイルス剤を空気中へ放出させなければすべての人間が死亡し、アンブレラ社の真の目的が遂行されることになる。私はアンブレラ社に逆らえないが、人類を尊重するようにプログラミングされている。あなたに人類を救ってほしい。」と伝える。

アリスは以前にハイブやアンブレラ・プライムでレッドクイーンが自分や仲間たちを殺そうとしたため、レッドクイーンに対して半信半疑であったが、最後の望みをかけてラクーンシティへ向かう。その道中で襲ってきたアンブレラ社の隊員たちによる危機を脱した直後、アンブレラ社専用のバイクを使用しようとしたために電気ショックが発生し、アリスは失神してしまう。

意識が戻ったのは、アンブレラ社の装甲車内だった。そこには、アリスが以前に倒したはずのアイザックス博士が居た。アリスは移動中の装甲車上でアイザックスと死闘を繰り広げた果てに脱出し、かつての戦友クレア・レッドフィールドや新たな仲間と合流し、アルバート・ウェスカーの居るハイブへ向かう。その道中にはさまざまな罠が仕掛けられており、それらを切り抜けて最終決戦に挑むアリスは、自らの出生の真実を知ることとなる。

キャスト[編集]

主人公[編集]

アリス・アバーナシー
演:ミラ・ジョヴォヴィッチ
本作の主人公。元アンブレラ社の特殊工作員。ハイブでのバイオハザードに遭遇し、そこから脱出して以降、数々の修羅場を切り抜けてきた。
その過程でアンブレラからT-ウィルスを投与され、肉体的な変容を起こさないまま、超人的な身体能力とテレキネシスのような特殊能力を覚醒させ、被検体の成功例となる。だがアルバート・ウェスカーにT-ウィルスの中和剤を打ち込まれたことでそれらを失う。
前作『V』のラスト、再びウェスカーにT-ウィルスを投与されたことで、テレキネシスを取り戻したように描かれていたが、本作映画ではテレキネシスは用いず、高い身体能力と銃火器やナイフを駆使したスタイルで戦う。メインで使用する武器は、原作ゲーム『5』などに登場する3連ショットガンの「ハイドラ」であり、ポール監督が原作ゲームで気に入った武器の一つで使用させたと語っている。
テレキネシスを映画では使わない理由は本作の小説版にて明かされており、前作『V』のラストでウェスカーがアリスに打った薬品の効用は一度きりの不完全品であり、小説版でのみ描かれるホワイトハウスでの篭城戦での危機を脱するためにその力を使用し、再びテレキネシスは失われたことが本作の小説版にて記されている。ただし、高い身体能力と回復力は残っているようであり、アイザックスとの戦いの際、1度、指をレーザートラップで切断させられていたが、ラストではバイクのハンドルを両手で握っている事から、切断された指が再生した事が伺える。
本作では以前は敵対したレッドクイーンから、48時間以内にハイブの最深部にあるT-ウィルス感染者全てを殺せる抗ウィルスワクチンを取って解き放つように依頼され、半信半疑のままラクーンシティへと向かう。
その正体は、アリシアが成人女性に成長した姿を想定して作られたクローンであり、幼少期などの記憶がないのはそのためである。
抗ウィルス剤を解き放ち、T-ウィルスが浄化され始めると、大量のゾンビと共に倒れ混み、死亡したかに見えた。だが、実際には抗ウィルス剤はT-ウィルスのみを破壊、アリス自身の健康な細胞は一つも壊さなかったため、生還した。
戦いの果てにアリシアが遺した記憶データとリンクし、アリシア・マーカスとしての思い出を手に入れる。
抗ウィルス剤が地球全体に浸透するにはまだ数年の時間を要するため、生存者を救出するために戦いの旅を続ける。
小説版にてバイクでワシントンD.Cに戻り、クローンの娘であるベッキーに無事再会している。

ラクーンシティ廃墟の生存者[編集]

クレア・レッドフィールド
演:アリ・ラーター
『III』にてアリスと出会い、数度に渡り死地を乗り越えてきた戦友。女性ながらに銃火器の扱いにも長け高い戦闘能力を持つ。
『IV』ではアリスや兄のクリスと共に、アルバート・ウェスカーと死闘を繰り広げ退かせた。その直後、アンブレラ社が仕向けた部隊に捕まりアリスや兄と共に連行される。
だが、自身を乗せていたヘリのパイロットを殺害して難を辛うじて逃れ、その後はラクーンシティのドク率いるレジスタンスらの仲間に加わり、抵抗を続けていた所にアリスと再会を果たす。
アリスがバイオハザードを完全に鎮静化させるため、それを可能とするT-ウィルスのワクチンを取りに行く事を知り、アリス自身もT-ウィルスをその身に宿している事を危惧して1度は反対するが、アリスの強い決意を見て自身も協力する事を決意。再び行動を共にする。エンディングではクレアの姿はなく、アリスのみでマンハッタンへ向かっているので恐らく生存者たちとラクーンシティに残ったと思われる。その後の詳細は不明
兄のクリス・レッドフィールドはアンブレラの連行から脱出の騒乱ではぐれてしまい、処遇は不明。
ドク
演:オーエン・マッケン英語版
ラクーンシティ廃墟の生存者の一団を統括するリーダー。クレアとは恋人関係にある。
しかし、その正体はアンブレラ社に生存者側の情報を流していたスパイ。最期はクレアによって引導を引き渡された。
アビゲイル
演:ルビー・ローズ
ラクーンシティ廃墟の生存者の一人。盗難車の解体をしていた父の影響で機械に強く、色々なものを改造できる。ラクーンシティでの籠城戦では、窓ふき用のゴンドラを改造して、即席の投石器を作り出し、アンブレラの装甲車を破壊させるなどの活躍を見せた。その後はアリス達と行動を共にしてハイブへと潜入したが、ウェスカーが起動したタービンの刃に巻き込まれ、命を落とした。一緒に行動した時間は短かったが、アリスは彼女の死に涙した。
クリスチャン
演:ウィリアム・レヴィ英語版
ラクーンシティ廃墟の生存者の一人。コバルトと恋人関係である。かなり疑い深い性格で、アリスのことをなかなか信用しない。
戦いを通じてアリスを信用し共にハイブを目指すが、ケルベロスに噛み殺される。後にハイブの入り口にてアンデッドとなりアリスに襲いかかるが、ゲートが完全に閉まり、完全に生き絶える。
また彼が愛用している2丁の銃を合体させたような奇妙な銃は【Arsenal Firearms AF2011-A1】と言うイタリアの銃である。
コバルト
演:ローラ
ラクーンシティ廃墟の生存者の一人。
ドクを中心とした生存者グループの中核の一人であり、美貌の持ち主ながら男勝りな性格。グループのメンバーであるクリスチャンと恋人関係にある。ビル内での籠城戦の最中に、大挙したアンデッドの軍団に噛まれ死亡した。
レイザー
演:フレイザー・ジェームズ
ラクーンシティ廃墟の生存者の一人。黒人。ハイブ潜入後、ブラッドショットに頭を嚙み千切られ死亡した。

アンブレラ社[編集]

アレクサンダー・ローランド・アイザックス博士
演:イアン・グレン
本作および6部作シリーズ全体におけるバイオハザード事件の真の黒幕。アンブレラ社の創始者の一人。
『II』のラストや『III』にもアンブレラ社の幹部の一人として同一の人物が登場していたが、それはあくまで彼のクローンに過ぎなかった事が判明する。
『III』に登場したクローン以上に残忍かつ狡猾な性格で、共同創始者の一人でありT-ウィルスの開発者でもあったジェームズ・マーカスを、権力と利益を独占するために部下のウェスカーに命じて殺害させている。
聖書の「ノアの箱舟」を参考にした、T-ウイルスを用いてアンブレラ上級幹部以外の人類を計画的に抹殺し、人類が居なくなった世界で理想の楽園を作る計画、「The cleansing operation」(浄化作戦)の発案者であり、真のオリジナルであるアイザックス本人は、計画完了まで冷凍睡眠装置の中で休眠状態にあった。だが計画完遂目前で重大な障害が発生したため、ハイブにて部下のウェスカーの手によって覚醒し、アリス達の前に立ちはだかる。
ウェスカーやクローン・アイザックスとは異なり、アリスと同様に肉体的な変容はせずに人間の姿のままで超人的な身体能力を持つ。ウェスカー同様、銃弾の弾道を見切って避けたり、アリスの攻撃パターンや使用する武器に対して予測し対応行動できる「予測戦闘ソフトウェア」をインストールしており、戦闘能力に関しても自身のクローンやウェスカーはおろかアリスをも上回る。
小説版によるとアイザックスの超人的な身体能力の理由は、アリスが成功させたT-ウイルスの適合による進化ではなく、アイザックスはサイバネティクス技術による人間の更なる進化を研究しており、「バイオプラント」なる身体機能管理システムを自身の体内に取り込んでいる。その恩恵により、超人的な戦闘能力や、肉体の損傷に対する修復能力、敵の様々な攻撃パターンを即座に予測し対応できる「予測戦闘ソフトウェア」を保持している。自身が開発したこのバイオプラントに絶対的な自信を持っており、T-ウイルスにより超人的な力を手に入れるもアリスのように完全には制御できず肉体がクリーチャー化しつつあるウェスカーや、タイラントと化した『Ⅲ』のクローンのアイザックスを見下している。
その圧倒的な力でアリスとクレアを二人同時に圧倒し窮地に追い詰める。だが、アリスも予測戦闘ソフトウェアの処理が追い付かないほどの猛攻を仕掛けて応戦し、アイザックスがレーザーを利用して攻撃した僅かな隙に予測戦闘ソフトウェアの弱点である死角を突かれアリスに懐に手榴弾を入れ込まれてしまい、それにより重傷を負って倒れる。
だがそれでも絶命しておらず、地上でワクチンを解き放とうとしたアリスの前に再び立ちはだかるが、そこに現れた自身のクローン体に偽者であることを告げた事で、逆上したその自身のクローン体によって刺殺されてしまう。
アルバート・ウェスカー
演:ショーン・ロバーツ
『Ⅲ』より登場したアンブレラ社の幹部の一人。アンブレラ社の創始者であるオリジナルのアイザックスの腹心で、計画を実動する役割を担っていたことが判明した。
『V』のラストでは、アリスにT-ウィルスを打ち込んで能力を取り戻させ、共闘を持ちかけていたが、実際は罠に掛けるためのフェイクであった事が判明し、アンブレラ側の一員であり続けていた。
『Ⅳ』や『V』であった圧倒的な強さや存在感が今作では薄くなっており、アリスの打倒に手こずって、アイザックスに指示を仰ごうとしたり、レッドクイーンからの攻撃に対処できずに重傷を負わされたりするなど、的確な指示、判断が至らない部分が目立っている。
最期は、アリシア・マーカスからアンブレラ社を「解雇」されたため、レッドクイーンがウェスカーを攻撃対象として扱えるようになり、シェルターの頑丈な防爆扉を脚に落とされ重傷を負い、身動きが取れずアリシアを騙し、吸収し復活する為にアリシア助けを求めるが「受け入れなさい」と切り捨てられて、衰弱死しアリスに握らされていた爆弾の起爆装置を落としてしまい、アリシアやハイブに眠るアンブレラの大勢の上級幹部らもろとも爆発に巻き込まれ死亡した。
小説版ではウェスカーの細胞が地下深くに潜り、【いつか地上に出てくるのがお楽しみ】という文章があるため、まだウェスカーが完全に死亡したとは限らない。つまりこの後のバイオハザードシリーズに登場する可能性がある。
サミュエル・アイザックス博士
演:イアン・グレン
アレクサンダー・ローランド・アイザックスのクローン。本人は自身こそがオリジナルと信じている。
オリジナルと同じく残忍な性格ではあるが、どんな状況でも冷静沈着なオリジナルに対して、こちらは、自身が優勢の時は歓喜の声を上げて喜び、劣勢の時は、怒号を放って激昂したり、自身の命令に意見する部下をメッタ刺しにして殺害したりするなど、感情の起伏が非常に激しい人物である。
本作では、アンブレラの「浄化作戦」の陣頭指揮を取っており、数少ない人類が居留する地域であるラクーンシティを襲撃しようとしている。道中でアリスと遭遇し、アリスに引けを取らない戦闘能力で彼女を追い詰めるが、一歩及ばず、左手を切り落とされる等の重傷を負って退けられてしまう。
以後はアンブレラ社の最終目的である「浄化作戦」よりも、アリスへの復讐を優先するようになり、執拗にアリスを狙い続ける。アリスがハイブに入った後は、復讐を果たすために自らの肉体を餌にアンデッドの軍団を引き連れてハイブへと向かった。
最終局面では、念願のアリスを見つけて大喜びで、「奴らを連れてきた」と勝利宣言をするが、同時にオリジナルの自分自身と鉢合わせになってしまい、自身がクローン体である真実を告げられてしまう。その事実を信じられず、オリジナルの方こそが薄汚いクローンであると罵った後、錯乱してオリジナルを殺害した。直後に、彼自身が先導してきたアンデッドの軍団に食い殺され死亡した。
チュウ司令官
演:イ・ジュンギ
アイザックスの部下。戦闘でアリスを圧倒するも敗北し、装甲車に紐で繋がれアンデッドを引き付けるための囮にされた。
その後の詳細は描かれていないが、アンデッド化したらしく終盤のシーンでクローンのアイザックス博士に噛み付いている姿が見られる。
アリシア・マーカス
演:ミラ・ジョヴォヴィッチ / エヴァ・アンダーソン(少女期)
アイザックスと共にアンブレラ社を立ち上げた故ジェームズ・マーカス博士の娘。父ジェームズが死んだ現在は、アイザックス博士と共に共同出資者で、アンブレラ社の最高権力者である。
細胞が異常な速度で老化する「プロジェリア」という難病を患っており、父ジェームズが開発したT-ウイルスにより一時は回復したが、完全には治癒していない。
アイザックス博士とは会社内での支配階級が同一であるため、レッドクイーンを用いて博士を排除することはできなかったが、手下であるウェスカーになら手を下せることを思い出し、ウェスカーを解雇して重傷を負わせ、追い詰められていたアリス達の突破口を見出した。
最後は自身の幼少期の記憶をアリスに託した後、ウェスカーと共に施設の爆発に巻き込まれて死亡した。
アンブレラ社の最高権力者で、原作ゲームには登場しない映画版オリジナルキャラクターではあるが、病気による老体で、生命維持装置付きの車いすに乗って移動する彼女の風貌は、性別こそ異なるものの、原作ゲームのアンブレラ社の最高権力者であるスペンサー卿の姿を彷彿とさせる。
ジェームズ・マーカス
演:マーク・シンプソン
アイザックスと共にアンブレラ社を立ち上げた科学者。アリシアの父。
アリシアの難病「プロジェリア」を治療するためにT-ウイルスを開発したが、会社の利益と権利の独占を狙ったアイザックスに裏切られ、彼の命を受けたウェスカーに殺害された。
本作の小説版によると、彼の死後、T-ウイルスの研究を引き継ぎ仕上げたのは、愛娘の難病というジェームズと同じ境遇に悩んでいた映画2作目『II』に登場したチャールズ・アシュフォード博士であるとされている。
本作に登場するクレアやウェスカーと同じく原作ゲームからの登場人物であり、「アンブレラ社の創設メンバーの一人」「T-ウイルスを開発」「会社と意見がぶつかりウェスカーに殺害される」などの部分が原作と共通している。ただし原作は「規律」「忠誠」「服従」を重んじる冷酷な性格で、「娘達」と呼称して可愛がっている生物兵器はいるものの、人間の娘はいない設定であったが、映画では娘のアリシアを第一に考える優しい人物として描かれている。
ちなみに映画冒頭のシーンで、ジェームズが初登場した際に、英語のプロフィール文章が表示されるが、そこには「DIRECTOR OF THE UMBRELLA TRAINING FACILITY.」(アンブレラ養成所所長)、「HEAD OF THE UMBRELLA RESEARCH CENTER IN THE ARKLAY MOUNTAINS.」(アンブレラ・アークレイ研究所主任)と書かれており、彼が登場する原作ゲーム『0』を強く意識したプロフィールとなっている。
レッドクイーン
演:エヴァ・アンダーソン
アンブレラの中枢部及び、ハイブの制御、管理を担う人工知能。アンブレラ創始者の一人であるジェームズ・マーカスの娘、アリシアの少女時代の容姿をインターフェースホログラムとしている。会社の莫大な財産を守るために、アイザックス博士により製作された。
アンブレラ社の衛星システムを使って世界中の様子を監視でき、必要に応じて様々な電子機器に姿を現すことが出来る。
『I』では、ハイブの中枢コンピューターを担う人工知能として登場、ハイブ内にて起きたバイオハザードを外に出さないため、感染した恐れのあるハイブの従業員を抹殺し、アリス達に生物兵器を仕向けるなどの非情な決断を下し対応していた。
『V』では、再びアリスの敵として登場。ウェスカー曰く、「アンブレラの事実上のトップで、世界を滅亡させようとしている」と説明されたが、本作でそれがウェスカーの嘘であったことが判明する。
本作では、基本理念として「アンブレラ社に仕えると同時に、人命を尊重する」ようにプログラムされていることが判明、アリシアによって暴露された「浄化作戦」の概要を把握したことで、「人命の尊重」という理念に対し、T-ウイルスを用いて人類を「抹殺」し続けるアンブレラ社とアイザックス博士に矛盾を感じてきたことをアリスに告白する。
「アンブレラ社に仕える」ようにプログラムされ、自身ではアンブレラの凶行を阻止できないため、認知されない範囲でアンブレラ社を裏切り、アリスに会社の最重要機密である「T-ウィルス感染者を死滅させる風媒の抗ウィルスワクチン」の存在を伝えて、人類の滅亡を阻止して欲しいとアリスに依頼した。
スタッフロール終了後、彼女の『I』から続くお決まりの台詞である「You are all going to die down here」(みんな、ここで死ぬのよ)という掛け声を最後に、本作および、15年続いた本シリーズは幕を閉じる。
またレッドクイーンはプログラムであるのでバイオハザードシリーズの続編が出るのであれば、登場する可能性が高い。

日本語吹き替え[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
劇場公開版[7][8]
アリス・アバーナシー ミラ・ジョヴォヴィッチ 本田貴子
アリシア・マーカス
アレクサンダー・ローランド・アイザックス博士 イアン・グレン 水内清光
サミュエル・アイザックス博士
クレア・レッドフィールド アリ・ラーター 岡寛恵
アルバート・ウェスカー ショーン・ロバーツ 立木文彦
ドク オーエン・マッケン英語版 浪川大輔
アビゲイル ルビー・ローズ 野一祐子
クリスチャン ウィリアム・レヴィ英語版 伊藤健太郎
チュウ司令官 イ・ジュンギ 石田彰
コバルト ローラ
レイザー フレイザー・ジェームズ 西凜太朗
ジェームズ・マーカス博士 マーク・シンプソン 下妻由幸
アリシア・マーカス(幼少期) エヴァ・アンダーソン なし
レッドクイーン かないみか
その他の吹き替えキャスト 飯沼南実
渡辺優里奈
高杉義充
里卓哉
演出 中野洋志
翻訳 風間綾平 藤澤睦実
制作 ACクリエイト

登場クリーチャー[編集]

アンデッド(ゾンビ
T-ウイルスによって1度死んだ人間の肉体が蘇ったもの。最も本能的な欲求である「食欲」に突き動かされ、生存者たちを次々と襲う。知能が低く感情もないため炎に突っ込むシュールな場面が見られる。記憶は多少残るらしいが、本作にはそのような描写は存在しないのでその可能性は低い。栄養が無くても、数十年は活動を続けることが可能。撃退方法としては、脊髄か脳を破壊するほか、首の骨を折る、刃物で首を切りつけるなども有効である。
映画序盤のワシントンD.C.では、水分補給を行っていたアリスを水中から奇襲し、食虫植物状の口を露出させて襲い掛かる太ったアンデッドが登場するが、映画パンフレットやBlu-ray特典のオーディオドキュメンタリーによると、この特殊なアンデッドは、最新原作ゲームのクリーチャーにインスパイアされた「ジュアヴォ」という名称であるとのこと。
本作ではアンブレラ社が、アンブレラ社員以外の全人類を抹殺する「浄化作戦」を完遂するために、アンブレラの捕虜となった生存者を餌として装甲車にぶら下げてアンデッドを先導し、数少ない人類が居住する地域を襲撃させている。アリス達はこれを「アンデッド軍団」と呼称している。人類滅亡間近であるためか、シリーズ最多のアンデッドが登場する。
映画の終盤では、アリスへの復讐に燃えるクローンのアイザックス博士によって先導されてきた、那由他の如く存在する「アンデッド軍団」がアリスに襲い掛かったが、アリスの手に入れた抗ウィルスワクチンによって全て死滅した。
ポポカリム
コウモリに寄生虫プラーガを寄生させ改良を繰り返し、大きな破壊力と高い飛翔能力を両立させた大型の生物兵器(B.O.W.)。映画の序盤の荒廃したワシントンD.C.に1体登場するほか、映画終盤にも複数体登場する。
咆哮を上げて上空から獲物を襲撃するほか、胴体から垂れ下がった下半身から伸びる鋭く尖った触手や、鉤爪を使って攻撃する。原作ゲーム『5』において、感知式爆弾(いわゆる対人地雷)が効果的であることのオマージュか、アリスはこのクリーチャーを地雷(クレイモア)を使って撃破している。
前作『V』終盤のワシントンD.C.のシーンにて、ポール監督が空を飛行するクリーチャーのことを、原作ゲーム『5』に登場する「キペペオ」であると音声解説で語っていたが、今作のポール監督に対するインタビュー記事では、同じく原作ゲームの『5』に登場する「ポポカリム」であると語っており、相違がみられる。また本作の小説版では「インフェクター」と呼称されていた。
ただし劇中でのビジュアルは、原作『5』のポポカリムの他に、キペペオのデザインも一部取り入れられている。具体的には、頭部や両翼の形状、下腹部の大きな腫瘍などは、原作『5』のポポカリムのデザインが踏襲されているが、胴体から垂れ下がった下半身や、鉤爪の形状の一部は、キペペオのデザインが踏襲されている。
ケルベロス
ハイブに実験動物として飼育されていたドーベルマンをベースに、T-ウイルスによって生み出された生物兵器。ゾンビと同様に「食欲」に支配され、俊敏な動きで人を襲う。なぜ犬系のゾンビは人間のゾンビのように動きが鈍感にならないのかは詳細不明で、小説版ではそのことをアリスは疑問を持っている。
名前の由来は、ギリシア神話に登場する地獄の番犬「Kerberos」。本作では、同じくドーベルマンがベースの『I』や『II』のゾンビ犬、『IV』のアジュレと比べて、体に肉がほとんど付いておらず、骸骨のような醜悪な容姿をしている。威嚇、攻撃時にはアジュレのように頭部が分裂するが、頭部全体が分裂するアジュレに対し、こちらは下顎のみが分裂し、分裂した下顎と残った上顎で攻撃を行う。ハイブに接近したアリス達を撃退するべく、ウェスカーの指示のもとレッドクイーンによって解き放たれた。
崖から飛び降りたアリス達を深追いせず、迂回して追跡したり、危険の多いハイブに近寄ろうとしないなど、T-ウイルスによって生み出されたクリーチャーの中でも特に知能は高い。しかし、勢い余って水に落ちたケルベロスが水中に沈んでいく描写があることから、犬かきは出来ないようである。
Blu-ray特典のポール監督の解説によると、ケルベロスからハイブへ逃げるこの一連のシーンは、原作『1』冒頭のシーンであるS.T.A.R.S.隊員がケルベロスに追われて、洋館へと避難するシーンのオマージュであると語っている。
ブラッドショット
人間をベースにT-ウイルスによって生み出された生物兵器であり、映画中盤のハイブにおいて登場するボスクリーチャー。
その劇中でのビジュアルは、過去作などに登場した「リッカー」を彷彿とさせる全身の筋繊維がむき出しになった巨漢のクリーチャーで、巨体に見合わない俊敏な動きで獲物を襲う。
他にも光るものを感知する目を持っており、懐中電灯の光でアリス達を認識し、歪に生え揃った牙を使ってアリスと行動を共にしていたレイザーを殺害する。アリスの銃撃によって一度は床に倒れるものの、死んだふりであり、再び暗闇の中に姿を消す。
暗闇の中からアリスを再び襲撃するが、光を優先して追うため、アリスを襲うつもりが懐中電灯に気を取られるなどの面を見せる。最後にはアリスの策略にはまり、動けなくなったところをナイフで攻撃されてようやく絶命した。

プロモーション[編集]

2016年12月13日にはワールドプレミアが六本木ヒルズアリーナで開催され、主要俳優陣やポールとミラに加え、2人の長女であり本作でレッド・クイーンを演じるエヴァ・アンダーソンが登壇した[9]

日本では2017年5月27日公開予定のフルCGアニメ映画『バイオハザード ヴェンデッタ』との連動プロモーションが行われており、2016年12月23日の本作公開に合わせて『ヴェンデッタ』の本予告映像がYouTubeで公開されたほか、日本限定ムビチケカードが販売されている[10]

小説版[編集]

本作の小説版では『III』の小説版と同じく、前作から本作の映画版冒頭の場面に到るまでの、映画では描かれなかった物語が補完されている。

前作『V』のラスト、アリスは生き残ったジル・バレンタインエイダ・ウォンレオン・S・ケネディ、そして戦いの中で助けたアリスのクローンの娘であるベッキーと共に、宿敵アルバート・ウェスカーに救出された。 ウェスカーの防衛要塞と化したワシントンD.C.ホワイトハウスに招かれたアリスは、彼にT-ウイルスを再び投与され、暴走した人工知能「レッドクイーン」が人類を絶滅させようと差し向けたという、ホワイトハウスを取り囲むアンデッドの大群を一掃するのに力を貸して欲しいとウェスカーに依頼されて、前作『V』は終幕となった。

本作の小説版では、『V』のラストのウェスカーの発言はアリスを自身の“兵器”として利用するための虚偽であったことが判明する。アンデッドの大群はレッドクイーンが差し向けたものではなく、ウェスカーの地位を狙うアンブレラ社の女性幹部「ダニア・カルドザ」(映画版では未登場)が、以前ジルを洗脳していた装置「スカラベ」の量産型をアンデッドらに用いて仕向けたものであった。その大群を率いるカルドザを打倒するため、ウェスカーはアリスを欺き、アリスに投薬したT-ウイルスも一度テレキネシスを発動すれば超人化の効果はなくなってしまう不完全品であった。

ホワイトハウスでカルドザが率いるアンデッドの大群と籠城戦を行う中で、ウェスカーの真意を見抜くアリスら一行であったが時すでに遅く、レオンとエイダはカルドザが差し向けたアンデッドの複合融合体「メランジ」と、ジルはウェスカーと戦うも命を落とす。アリスはテレキネシスを発動させることに成功し、メランジらアンデッドの大群とそれを操っていたカルドザを倒し何とか勝利するも、ウェスカーには逃げられた上、ベッキーも行方不明となってしまう。また高い身体能力以外の、テレキネシスなどの特性は再び失われてしまった。映画版の冒頭の場面は、この戦いの直後から始まる。

また上記内容の追加に伴い、小説版のラストにはエピローグも追加されており、ホワイトハウスでの戦いの争乱で行方不明となったアリスのクローンの娘であるベッキーのその後が明かされ、アンブレラ社との長年に及ぶ戦いの決着を付けた後も彼女を捜し続けていたアリスと再会を果たし、物語は幕を閉じる。

出典[編集]

  1. ^ “ラルクが「バイオハザード」新作の吹替版主題歌を担当「メンバーもゾンビ大好き」”. 映画ナタリー. (2016年11月8日). http://natalie.mu/eiga/news/208330 2016年11月8日閲覧。 
  2. ^ a b “ちょっとだけど…『バイオハザード』最終章の邦題が変更”. シネマトゥデイ. (2016年8月1日). http://www.cinematoday.jp/page/N0084965 2016年8月2日閲覧。 
  3. ^ a b c ローラ、『バイオ』最新作に女戦士役で出演 起用理由は「驚くべき美貌と個性」 | ORICON STYLE
  4. ^ 「バイオハザード:ザ・ファイナル」ポールW.S.アンダーソン監督インタビュー シリーズ原点である“ホラー”に立ち返った 2/2
  5. ^ 「バイオハザード:ザ・ファイナル」ポールW.S.アンダーソン監督インタビュー シリーズ原点である“ホラー”に立ち返った 1/2
  6. ^ 映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』公開記念!「ポール・W・S・アンダーソン」監督にロングインタビュー!! | ロケットニュース24
  7. ^ “映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』日本語吹替版に浪川大輔さんや石田彰さんら豪華声優陣が出演!”. アニメイトタイムズ (アニメイト). (2016年12月14日). http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1481604512 2016年12月14日閲覧。 
  8. ^ バイオハザード: ザ・ファイナル”. ふきカエル大作戦!! (2016年12月16日). 2016年12月22日閲覧。
  9. ^ “ミラ・ジョヴォヴィッチの娘エヴァ、母ゆずりの美少女ぶりにかわいいの嵐!”. シネマトゥデイ. (2016年12月13日). http://www.cinematoday.jp/page/N0088291 2016年12月18日閲覧。 
  10. ^ “フルCG長編アニメーション映画『バイオハザード:ヴェンデッタ』2017年5月27日公開、キービジュアル解禁!”. ファミ通.com. (2016年12月15日). http://www.famitsu.com/news/201612/15123007.html 2017年1月14日閲覧。 

外部リンク[編集]