ゾンビ (映画)

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ゾンビ
Dawn of the Dead
Zombie
監督 ジョージ・A・ロメロ
脚本 ジョージ・A・ロメロ
製作 クラウディオ・アルジェント
アルフレッド・クオモ
リチャード・P・ルビンスタイン英語版
出演者 デビッド・エンゲ
ケン・フォリー
スコット・H・ライニガー
ゲイラン・ロス
音楽 ゴブリン
ダリオ・アルジェント
撮影 マイケル・ゴーニック
編集 ジョージ・A・ロメロ
配給 日本の旗 日本ヘラルド
公開 イタリアの旗 1978年9月2日
アメリカ合衆国の旗 1979年5月24日
日本の旗 1979年3月10日 (検閲)
日本の旗 1994年10月15日 (ディレクターズカット版)
上映時間 115分
139分(ディレクターズカット版)
製作国 イタリアの旗 イタリア
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 US$650,000[1]
興行収入 $55,000,000
前作 ナイト・オブ・ザ・リビングデッド
次作 死霊のえじき
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ゾンビ』(原題: Dawn of the Dead, 国際題: Zombie)は、1978年9月イタリアで公開されたジョージ・A・ロメロ監督のホラー映画。日本では1979年3月に公開された。

数多くのホラー作品を手掛けている映画監督のダリオ・アルジェントが音響効果、ヨーロッパ公開版の監修及び一部プロデュースを担当して制作費を集め、ヨーロッパでの配給権を得た。当時、無名だったロメロは、本作で一躍有名監督となった。

ストーリー[編集]

ある日、全米各地で突如死体がよみがえり、生者を次々と襲い始めた。生ける死体「ゾンビ」に噛まれて死んだ者たちもゾンビ化して急速に数を増やし、社会に大混乱が広がるなか、3週間が経過した。

フィラデルフィアのテレビ局「WGON」に勤めるフランと恋人のスティーブンは悪化していく現状に見切りを付け、ヘリコプターで都市からの脱出を決意する。出発前にスティーブンの友人でSWAT隊員のロジャーが同僚のピーターを伴って合流したヘリは、あるショッピングモールへ辿り着く。モール内部はゾンビの巣窟と化していたが、物資は手付かずのまま残されていた。

食料と安全な場所を求めていたスティーブンたちは、ピーターの提案により事態が収束するまでモール内に留まることに決める。しかし、モール入口をトラックで塞ぐ作戦中に正気を失ったロジャーがゾンビに腕と足を噛まれ、負傷してしまう。犠牲を出しながらもモールの封鎖を完了し、内部のゾンビを一掃して物資を独占することに成功したピーターたちは、最上階の隠れ部屋へ物資を運び込んで新たな生活を始めるが、負傷したロジャーの容態は日毎に悪化していく。その後、「自分がもし蘇ったら撃て」と言い残して死亡したロジャーはまもなくゾンビ化し、ピーターの手により永遠の眠りに就く。

3人となったピーターたちは外部と隔絶したモール内での閉塞感に満ちた日常を続けていたが、ある日30人近いヘルスエンジェルの一団にモール内の物資を狙われ、襲撃を受ける。搬入口からモール内へ侵入してきたゾンビの大群と略奪者、そしてピーターたちによる乱戦が始まるが、その最中にエレベーターへ隠れたスティーブンは腕を撃たれて負傷し、そこへ現れたゾンビたちに襲われて命を落とす。

ピーターとフランは何時間もスティーブンの帰りを待ち続けたが、彼はゾンビに変わり果てた姿となり、隠れ部屋までゾンビの群れを引き連れてくる。ピーターは無言でスティーブンの頭を撃ち抜くと、フランを連れてわずかな燃料しか残っていないヘリに乗り込み、夜明けの空へ飛び去るのだった。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替版声優
テレビ東京 DVD版追加部分
(テレビ版補完)
DVD版
ピーター・ワシントン ケン・フォリー 内海賢二
フランシーン・パーカー ゲイラン・ロス 宗形智子 林真理花
スティーブン・アンドリュース デビッド・エンゲ 津嘉山正種 森田順平
ロジャー・デマルコ スコット・H・ライニガー 石丸博也
ブレイド トム・サヴィーニ 池田勝 古宮吾一
フォスター博士 デヴィッド・クロフォード 星野充昭
バーマン デヴィッド・アーリー 筈見純 長島真祐
ラウシュ博士 リチャード・フランス 渡部猛 星野充昭
ウーリー ジョン・パフィシコ 安西正弘 高宮武郎
ギブンズ ダニエル・ディートリヒ 塚田正昭
TVキャスター ハワード・スミス 高宮武郎
ジョーンズ ダニエル・ディートリッヒ
SWAT指揮官 フレッド・ベイカー 伊井篤史
ロッド ロッド・スタウファー 小滝進 呉圭崇
マルティネス ジョー・セルビー 広瀬正志
神父 ホセ・デル・グレ 国坂伸 鈴木佑治
暴走族ブレイズ トム・サヴィーニ 池田勝 古宮吾一
暴走族ルディ ルディ・リッチ 屋良有作 鏡優雅
暴走族ラリー ラリー・ヴァイラ 長堀芳夫 呉圭崇
テレビ・ディレクター ジョージ・A・ロメロ 屋良有作 古宮吾一
テレビ・プロデューサー クリスティーン・フォレスト 好村俊子

日本語吹き替え版[編集]

※ディレクターズ・カット版吹替は2010年2月27日、『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2010』にて先行上映された。

舞台[編集]

  • 撮影に使用したモンローヴィル・モール英語版は、昼間は通常営業をしていたため、撮影は営業終了後の夜から早朝にかけて行われた。
  • 映画本編ではモールの屋上はパーキングから入れない設定となっているが、実際はパーキングの裏から屋上へ続くスロープがあり、簡単に歩いて入れる造りとなっていた。
  • 銃器店は元より存在しない。近郊の銃器店を借りてロケ撮影した映像を、モール内に存在しているように編集している。
  • 2013年現在のモンローヴィル・モールにはスケートリンクはなく、食堂街。また、本作撮影当時から残っている店舗は「J.C.ペニー」のみである。

バージョン違い[編集]

本作には大きく分けて下記のバージョンが存在する。『日本劇場公開版』以外はBD/DVDで視聴可能。

『米国劇場公開版』
北米で劇場公開されたバージョンで、日本ではCIC・ビクター ビデオ株式会社(現・NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社)から最初にソフト化されたバージョン。本編127分。
ロメロ独特の暗い味付けが特徴。ただし、ソフト化の際には若干の修正が加えられたため、厳密な意味での米国劇場公開版ソフトは存在しない。
「ダリオ・アルジェント監修版」
アジアやヨーロッパなどで世界中で一番多く劇場公開されたバージョン。日本劇場公開版のオリジナル版でもある。本編119分。
サバイバルアクション風な編集が特徴。ゴブリンの曲が全面的に使われている他、音響効果も全てダリオ・アルジェントによる編集で差し替えられている。
『日本劇場公開版』
日本ヘラルド映画配給。『ダリオ・アルジェント監修版』を元に一部シーンのカット、残酷シーンの修正、冒頭に日本オリジナルの惑星爆発[2]の追加映像を加えて劇場公開されたバージョンで、本編115分。
残酷なシーンが削除されたり静止画やモノクロに処理されているうえ、オープニングには惑星爆発のシーン(『メテオ』の未使用映像の流用)とそれによるゾンビ発生の説明が加えられ、エンドクレジットが削除されている。
日本版予告編では『マタンゴ』のマタンゴの鳴き声が使用されている[3]
ディレクターズ・カット版』
ロメロがカンヌ国際映画祭出品のために作ったバージョン。本編139分。
ショッピングセンター内の生活描写や、警察署での偽警官たちとの遭遇シーンが長くなっている。撮影終了から映画祭開催までの期間が短く粗編集しかできなかったため、ロメロは後のインタビューで「不満足な出来だ」と公言している。

その他のバージョン[編集]

『ラフカット版』
本当のノーカットオリジナル(ラフカット版)とされるものが存在する。約3時間。
『ゾンビ』メイキング映像を収録したソフト『ドキュメント・オブ・ザ・デッド』で、その一部を見ることができる。
ドイツ語の『ファイナルカット版』
ドイツで発売されたPAL仕様のDVDソフト。アルジェント版をベースにディレクターズカット版のシーンを強引に編集したもの。約156分。

テレビ放送バージョン[編集]

本作は東京12チャンネル(現テレビ東京)の『木曜洋画劇場』で2回放映され、それぞれが微妙に異なる内容となっている。また、冒頭の惑星爆発シーンも『日本劇場公開版』とは編集が全く異っている。

深沢哲也版(『サスペリア』版)
1980年10月16日のテレビ初放映バージョン。タイトルは『衝撃SFサスペンス ゾンビ 地球SOS 死者が甦った日』。
解説は映画評論家・深沢哲也。「日本劇場公開版」を元に残酷シーンのほとんどと、主人公たちがヘリでフィラデルフィアを飛び立ってからショッピングセンターへ着陸するまでの経過などが削除され、約90分に収められている。特徴的なのは音楽で、多くが同じゴブリンによる映画『サスペリア』と『ローマ麻薬ルート大追跡』のBGMや、ジャン・ミシェル・ジャール軌跡』の曲(ショッピングセンターへ着陸する部分で流れる曲)へ差し替えられている。オープニングBGMには、イエスの『海洋地形学の物語』の曲が使用されている。
台詞についても、内容を分かりやすくするために日本語吹替独自の物へ変更されている。冒頭のテレビ局で博士が自説を開陳するシーンでは「惑星イオスが爆発したために死者が甦った」等と、テレビ放映独自の設定が強調されている。また、フランの妊娠に対するピーターの立場は中絶を勧めるオリジナルと正反対となっており、ラストでヘリの燃料の残量を訊ねるピーターの台詞が「赤ん坊を育てる場所を見つけなきゃ」と「まかしときぃ〜!」へ変更され、ハッピーエンド色が強くなっている。新世紀完全版DVD-BOXのコレクターズ・ディスクでは隠しコマンドで冒頭の惑星爆発シーンとラストのピーターのセリフのみ収録された。
河野基比古版
1982年7月1日放映バージョン。解説は映画評論家・河野基比古。分数や編集や台詞は深沢哲也版とほぼ同じであるが、音楽は「日本劇場公開版」に即して戻された。またラストのピーターの台詞も「日本劇場公開版」に即した物へ変更されている。DVD/BDの「アルジェント監修版」にはこのバージョンに追加録音を行った物が収録された。

幻のエンディング[編集]

インターネットの映画脚本サイト等に掲載されている同作の草稿"DAWN OF THE DEAD The working draft 1977"では、エンディングはピーターが拳銃で自殺、フランも回転するヘリのローターへ自らの頭部を突っ込み自殺、そして夜明けの空を背景にフランの死体を喰っているゾンビたちをバックにエンドクレジットが流れ、エンドクレジットが終わるとローターの回転が徐々に遅くなり、止まる(ピーターとフランが脱出するのに十分なヘリコプターの燃料は最初から無かった、ということを暗示している)といったものだった。

ロメロによると、実際に撮影が始まる前にこのエンディングは破棄され、すぐに書き直された。しかし、

  • フランがヘリの羽によって頭部を断裁されるためのテスト用ダミーを捉えた写真が現存している。
  • フラン役のゲイラン・ロスが雑誌のインタビューで、このシナリオの存在と撮影に関して言及している。

以上のことから、このシナリオのエンディングも一旦は撮影されたのではないかと言われていたが、BD-BOX封入ブックレットのスタッフインタビューによりこのエンディングは撮影されなかったことが判明している。フランのテストダミーは、映画序盤のプエルトリコ人たちが住むアパートにおいて、SWAT隊が黒人と思われる男性の頭を銃撃で破壊するシーンに再利用されている。

サウンドトラック[編集]

サウンドトラックCDは通常盤(10曲収録)とコンプリート盤(16曲収録)の2種が発売済み。コンプリート盤にも収録されていない曲(フランがクリッシュナゾンビに襲われるシーンで流れる曲)もある。

映像ソフト[編集]

VHS
  • ゾンビ(1989年3月1日、CIC・ビクター ビデオ JSL10005)
  • ゾンビ ディレクターズカット完全版(1995年3月24日、アスク講談社 ACH1-31201)
  • ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版(1995年3月24日、アスク講談社 ACH1-31202)
レーザーディスク
  • ゾンビ(2枚組・3面CLV)(1985年、パイオニア SF098-0076)
  • ゾンビ パーフェクト・コレクション(4枚組 LD-BOX[4])(1995年2月21日、バンダイビジュアル BELL-745)
DVD
  • ゾンビ:ドーン・オブ・ザ・デッド〜ダリオ・アルジェント監修版〜(1999年10月25日、ハピネット BIBF-1125)
  • ドーン・オブ・ザ・デッド ゾンビ:ディレクターズ・カット・エディション(1999年12月18日、ハピネット BIBF-1187)
  • ゾンビ 米国劇場公開版(2004年7月23日、ハピネット BIBF-4666)
  • ゾンビ ダリオ・アルジェント版〈スマイルBEST〉(2007年12月21日、ハピネット KBIBF-1125)
  • ゾンビ ディレクターズカット版〈スマイルBEST〉(2007年12月21日 ハピネット KBIBF-1187)
  • ゾンビ 米国劇場公開版〈スマイルBEST〉(2007年12月21日、ハピネット KBIBF-4666)
  • ゾンビ 新世紀完全版DVD-BOX(5枚組[5])(2010年4月23日、スティングレイ STDX-0007)
  • ゾンビ ディレクターズカット版 HDリマスター・バージョン(2010年10月2日、ハピネット BBBF-8624)
  • ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版 HDリマスター・バージョン(2010年11月4日、ハピネット BBBF-8625)
  • ゾンビ 米国劇場公開版 ニューマスター&ワイドバージョン(2010年11月04日、ハピネット BBBF-8626)
Blu-ray Disc
  • ゾンビ 製作35周年記念究極版ブルーレイBOX(3枚組 BD-BOX[6])(2013年12月20日、『ゾンビ』BD発売委員会 BBXF-9409)
  • ゾンビ -ディレクターズカット版- 【HDリマスター版】(2013年12月20日、『ゾンビ』BD発売委員会 BBXF-2061)
  • ゾンビ -ダリオ・アルジェント 監修版- 【HDリマスター版】(2013年12月20日、『ゾンビ』BD発売委員会 BBXF-2062)
  • ゾンビ -米国劇場公開版- 【HDリマスター版】(2013年12月20日、『ゾンビ』BD発売委員会 BBXF-2063)

関連ソフト[編集]

  • ドキュメント・オブ・ザ・デッド〜ジョージ・A・ロメロのゾンビワールド(LD)(1995年9月21日、ハピネット・ピクチャーズ SHLY-51)
  • ドキュメント・オブ・ザ・デッド 製作35周年特別版(Blu-ray Disc+DVD[7])(2014年7月2日、『ドキュメント・オブ・ザ・デッド』発売委員会 BBXF-2058)

製作メモ[編集]

ナタで頭を割られるゾンビ役のレナード・ライズは、アメリカで開催されているホラー映画コンベンションの常連である。自分のブースでは、撮影に使ったナタと同型の模型や自分の頭を割られるシーンをプリントしたTシャツなどを販売している。

脚注[編集]

  1. ^ Box Office Information for Dawn of the Dead. Internet Movie Database. Retrieved August 17, 2013.
  2. ^ それまでの「米国劇場公開版」や「ダリオ・アルジェント監修版」では明確に説明されなかった「死者たちの復活する理由」を補完するため、オープニングに「ある惑星の爆発で、死体を蘇らせる光線が発せられ、それが地球で眠る死者に影響を与えたため蘇った」という説明のテロップを付加している。正しくは「19XX年 未知の惑星から不思議な光線が地球に到達 この謎の光線は地上の死者をよみがえらせた 生ける屍(「ゾンビ」と振り仮名)は人肉を求めて--」という文章となっていた。
  3. ^ 洋泉社『別冊映画秘宝 オール東宝怪獣大図鑑』79ページ
  4. ^ 『ディレクターズカット完全版』と『ダリオ・アルジェント監修版』をセットにしたLD-BOX
  5. ^ 『ダリオ・アルジェント監修版』、『ディレクターズ・カット版』、『米国劇場公開版』、『特典ディスク』と2008年1月にカナダで放送されたドキュメンタリーテレビ映画『ゾンビマニア』のDVDをセットにしたDVD-BOX。
  6. ^ 『ディレクターズ・カット版』、『ダリオ・アルジェント監修版』、『米国劇場公開版』をセットにしたBD-BOX。
  7. ^ 『ドキュメント・オブ・ザ・デッド』(BD)と「ドキュメント・オブ・ザ・デッド【2012年最終版】』(DVD)のセット。

外部リンク[編集]