64(ロクヨン)

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64(ロクヨン)
著者 横山秀夫
発行日 2012年10月25日
発行元 文藝春秋
ジャンル 推理小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判上製本
ページ数 640
公式サイト 『64』横山秀夫
コード ISBN 978-4-16-381840-5
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64(ロクヨン)』は、横山秀夫による日本推理小説

このページではこの小説、およびこの小説を原作としたテレビドラマ等について説明する。

連載[編集]

  • 別册文藝春秋』(文藝春秋)にて、251号(2004年5月号)、253号 - 260号(2004年9月号 - 2005年11月号)、262号 - 263号(2006年3月号 - 5月号)まで連載された。
  • 改稿作業を続け、2009年頃には発売日まで決まったものの納得がいかず、全面改稿の上、書き下ろしとして2012年10月に刊行された[1]

作品の背景[編集]

「D県警シリーズ」の第4作目にしてシリーズ初の長編。

2冊目の短編集『動機』(2000年刊行)を書き終えた後、長編を書こうと書き下ろしの予定で150枚ほど書き始めていたが、他の出版社から連載や短編のオファーが殺到し、必死でこなしていた時に心筋梗塞で倒れた。療養もそこそこに『別册文藝春秋』で連載を始めたが、思うようにストーリーが進まず、ボタンを掛け違ったような違和感があり、「いつか必ず完成させる」と心に誓い、連載を途中でやめてしまった。『震度0』刊行後の2005年、『64』に再び着手できるようになり、手直しを加えた上で2009年に出版されることが決定するが、ただ書き終えただけの作品でしかなく、このままでは読者からお金を貰える作品たりえないと思い、出版を中止するという苦渋の決断をした。担当編集者は絶句していたという。再び『64』の改稿作業に入ったが、今度は突然、記憶障害に襲われ、前日に書いた原稿の内容が思い出せなかったり、主人公の名前さえ思い出せなくなってしまった。廃業という文字を頭に浮かべながら、どうしたらよいか分からず、庭仕事をし、いいアイディアや文章が思い浮かぶと書斎に駆け戻り、1、2行書き、また庭へ戻るという繰り返しだった。次第に筆が進むようになり、小手先の手直しをやめて全面改稿を重ねた。[2]

あらすじ[編集]

わずか7日間で幕を閉じた昭和64年(1989年)、D県警管内で7歳の少女・雨宮翔子が誘拐され、殺害される事件が起こった。当時、捜査一課特殊犯捜査係に所属していた三上義信も追尾班として初動捜査に加わり、犯人から要求された2000万円の身代金を運ぶ父親の車を追った。だが犯人の方が上手で、身代金はまんまと奪われ、5日後に翔子の遺体が無惨な状態で発見される。昭和天皇の崩御で悲しみに暮れると共に、新元号「平成」の制定で新しい時代の幕開けに色めき立つ世間とは裏腹に、幼い少女の死と遺族の慟哭を目の当たりにしたD県警は、平成の世に紛れた犯人を逃がすまいとこの事件をロクヨンという符丁で呼び解決を誓うが、遺族に吉報がもたらされないまま時は過ぎ、捜査本部は専従班に縮小され、名ばかりの継続捜査状態となっていた。

平成14年(2002年)、捜査二課次席まで出世していた三上は、突然警務部への異動を命じられ、広報官に任じられる。2年で刑事に戻るつもりで仕事に邁進し広報室の改革を目指すが、赤間警務部長からは上が決めたことを伝える窓口になり、自分が考える必要はないと忠告され、三上もある理由からそれに従わざるを得なかった。三上には元ミス県警の美しい妻・美那子と高校生の娘・あゆみがいる。だが、あゆみは父とよく似た醜い自分の顔と美しい母の顔を憎むようになり、高校を不登校がちになり、ついには部屋に引きこもるようになってしまっていた。カウンセリングを受けさせるなどして、状態は徐々に良い方向へ向かっているかに思えたが、整形を反対されたあゆみが家出してしまう。あゆみの捜索を全国の警察に口利きしてくれたのが他ならぬ赤間で、事あるごとにあゆみの件を持ち出し、自分の意に従わせようとする赤間の言動に、三上は苛立ちを禁じえない。そんな中、自宅にかかってきた無言電話があゆみからのものではないかと美那子が気に病み、再びかかってくることを期待し、美那子までもが引きこもり同然になってしまう。

時効間近のロクヨンについて警察庁長官が視察に訪れることが決まり、被害者遺族宅への長官の慰問許可を取り付けて来るよう赤間から命じられた三上が雨宮宅を訪ねると、雨宮は長官の慰問を拒否する。14年の長きに渡って事件を解決できない警察への失望と怒りが雨宮をそうさせたのかと三上は考えるが、雨宮と密に連絡を取り続けていなければならないはずの刑事部と雨宮の関係が断絶していることが判明する。同じ頃、主婦による重傷交通事故が発生し、加害者が妊娠8か月であったため、母胎への影響を考慮し匿名で記者クラブに発表したところ、猛抗議を受ける。記者たちは本部長に直接抗議文を提出すると息巻き、それを広報官もしくは秘書課長止まりにできまいかとせめぎ合いになり、記者と広報室の間には深い溝ができ、記者らは来たる長官視察のぶら下がり会見のボイコットを通達する。そんな中、三上の同期で人事を扱う警務部調査官の二渡が、ロクヨンについて聞き回っていることが分かる。二渡はかつてのロクヨン関係者に「幸田メモ」という言葉を出していた。幸田とは、ロクヨン事件で自宅班を担当し、事件の半年後に退職した元刑事の名だった。なぜ刑事ではない二渡がロクヨンを調べているのか、幸田メモとは何なのか、雨宮と刑事部の関係悪化の原因がそこにあるのではないか、三上の中に疑問ばかりが積み重なっていく。

やがて、長官は慰問の場でロクヨンを解決できないD県警の刑事部長の座を警察庁人事にすると宣言する予定であることが、警察庁に出向中の刑事の情報で判明し、刑事部はそれを阻止すべく長官視察を中止に追い込もうとしていることが分かる。視察を成功裏に収めるため、刑事部を揺るがすであろう幸田メモの中身を知ろうとする警務部と、幸田メモはおろか、ロクヨンについても箝口令が敷かれた刑事部の軋轢は深さを増していき、刑事部の暴露によると思われる警務部の不祥事がマスコミにスクープされる。赤間から催促され、雨宮に慰問を受け入れてもらうべく再び訪れると、今度は一転して慰問を受け入れると伝えてきた。広報室が不祥事の対応に追われる中、ロクヨンを模倣したと思われる誘拐事件が発生し、記者クラブと報道協定を結ぶべく会合が持たれる。協定は事件の詳細を記者クラブに逐一発表することが条件にも関わらず、刑事部が被害者一家の情報を一切漏らさず、一向に増えない情報に記者の不満は溜まる一方だった。何とか被害者の父親の名が明かされるが、記者が勝手に取材に動けば、警察に通報したことが犯人に分かってしまう恐れがあり、被害者の命さえ危ぶまれる。三上の必死の説得で協定は正式に締結され、三上は捜査車両への同乗を許される。やがて、14年の時を経て2つの誘拐事件が1つに収斂していく。

登場人物[編集]

三上家[編集]

三上 義信(みかみ よしのぶ)
D県警察本部 警務部秘書課調査官〈広報官〉警視。46歳。二渡とは同期。刑事になって3年目に突然広報室への異動を命じられ、刑事としての大事な時期を失ったと考えている。1年後に刑事に戻って以降は、いつまた刑事以外の課に異動させられるかという恐怖感から遮二無二働き、捜査一課で盗犯・強行犯・特殊犯などを担当し、捜査二課で職能を開花させて実績を上げ、知能犯捜査係の班長として汚職や選挙違反事件捜査の現場指揮を取り、次席まで務めた後、この春に20年ぶりに広報室勤務となる。赤間からの制止を聞かず、広報室改革を進め、記者や現場の人間にも理解されかけていたが、あゆみの家出を機に、再び彼らとの間に距離が出来ていく。
ロクヨン当時、捜査一課特殊犯捜査係(係長代理)に所属し、身代金の受け渡し場所へ向かう父親の車を追尾する任務に就いていた。
三上 美那子(みかみ みなこ)
義信の妻。元ミス県警の美人。あゆみから電話があるかもしれないからと引きこもり気味になっている。
ロクヨンの時は、犯人が身代金の受け渡し場所に指定した喫茶店で、アベックの女役として駆り出されていた。
三上 あゆみ(みかみ あゆみ)
義信と美那子の娘。16歳。父親に似た顔立ちにコンプレックスを抱き、母親の美貌を憎み、高校を半年で不登校になり、引きこもる。自分の顔を醜いと思うようになり、カウンセラーから醜形恐怖と診断されカウンセリングを受けていたが、三上に整形を反対され、家出する。

D県警広報室[編集]

D県警の広報室は4年前に広報課への昇格が持ち上がったが、記者と広報室が結託することを危惧した前任の大黒警務部長によって潰された。記者を飼い馴らすよう命じる上層部と、記者に情報を漏らす敵のような扱いをする現場との板挟み状態になっている。マスコミからは記者発表の準備をするだけの部門と思われ、不遜な扱いを受けている。

諏訪(すわ)
D県警警務部秘書課 係長。広報室勤務は5年で、記者を懐柔する機転にも長ける。
蔵前(くらまえ)
D県警警務部秘書課 主任。真面目だけが取り柄。
美雲(みくも)
D県警警務部秘書課。広報室の最年少。23歳。元交通課。

ロクヨン関係者[編集]

雨宮 翔子(あまみや しょうこ)
昭和64年1月5日に、近所の親類宅へお年玉を貰いに行くと言って出かけたまま姿を消した。10日に市内の廃車置き場で遺体で発見される。
雨宮 芳男(あまみや よしお)
翔子の父親。事件当時は雨宮漬物の社長をしていたが、事件を機に経営を従兄弟に任せて退いた。心労から髪は真っ白になり、見た目は実際の年齢以上になってしまった。
雨宮 敏子(あまみや としこ)
翔子の母親。6年前に脳梗塞で倒れ、去年亡くなった。
雨宮 賢二(あまみや けんじ)
芳男の実弟。芳男とは亡き父の遺産相続を巡って揉め、また経営していたオートバイ販売店の資金繰りが苦しく、街金から多額の借金をしていたため、長らく第一容疑者として厳しい取調べを受けた。
吉田 素子(よしだ もとこ)
雨宮漬物事務員。事件当時32歳。会社で身代金の受け渡し場所を指定する電話を受けた。

D県警その他[編集]

赤間 肇(あかま はじめ)
D県警警務部長。41歳。警察の権威を貶めんと失策をあげつらおうとするマスコミを牽制するため、無愛想で強面の三上を広報官に抜擢するが、三上の広報室改革には反対する。
二渡 真治(ふたわたり しんじ)
D県警警務部警務課 調査官(警視)。三上の同期。三上とは高校の同級生で同じく剣道部に所属していたが、三上が3年の県大会の団体戦で大将を務めたのに対し、二渡は補欠だった。警察学校を首席で卒業し、昇任試験にも次々と受かり、D県警最年少の40歳で警視に昇任した。「幸田メモ」について調べている。
松岡 勝俊(まつおか かつとし)
D県警捜査一課長 参事官。ロクヨンでは直近追尾班を束ね、身代金を運ぶ芳男の車の後部座席に潜んでいた。
前島 泰雄(まえじま やすお)
三上の同期。現在は警察庁刑事局に出向している。二渡とは警察学校で同室だった。
辻内 欣司(つじうち きんじ)
D県警本部長。44歳。前警察庁会計課長。現在、同期の中では最も警察庁長官の椅子に近い男と目されている。
荒木田(あらきだ)
D県警刑事部長。刑事たちの象徴ともいえる刑事部長職についている。そのポストが本庁に『召し上げ』られると知り、最後の地方の刑事部長になるのを阻止すべくあらゆる手段を使おうとする、が。
糸川 一男(いとかわ かずお)
D県警捜査二課次席。三上の4つ下で、三上が知能犯捜査一係の班長だった時に、3年部下だった。商業高校出身で、帳簿類に強い。
栗山 吉武(くりやま よしたけ)
F署留置管理係 巡査長。50歳。女性留置人に猥褻な行為をし、商品券で口止めをしたとして東洋新聞に抜かれ、緊急逮捕される。
その他
  • 石井 - D県警警務部秘書課 課長。
  • 戸田 愛子 - 秘書課末席。
  • 坂庭 - D県警Y署署長。石井の前任者で、前秘書課長。
  • 落合 - D県警捜査二課長。
  • 草野 - 専従班の刑事。三上の同期。
  • 阿久沢 - 専従班の刑事。
  • 槌金 武司 - 専従班の副班長。三上の一期上。警部。
  • 漆原 - ロクヨンの自宅班キャップ。当時、捜査一課特殊犯捜査係 係長。現在、Q署の署長。
  • 柿沼 - ロクヨンの自宅班サブキャップ。当時、捜査一課特殊犯捜査係。現在、専従班。
  • 七尾 - 婦警で唯一警部に昇任した。D県警本部警務課で婦警担当係長を長く務めている。
  • 南川 - 三上の二期下。本部鑑識課員。
  • 猪俣 - 科捜研所長。
  • 梨本 鶴男 - 警備部。次期刑事部長と目される。
  • 小保方(こぼがた) - F署の署長。
  • 生駒 - 警務部監察課長。
  • 御倉(みくら) - 捜査一課。三上の二期下。
  • 橋元 - 捜査一課内勤。
  • 芦田 - 暴力団対策室係長。
  • 会沢 - 三上の元部下。
  • 緒方 - 強行犯捜査一係 班長。
  • 峰岸 - 特殊犯捜査係 班長。
  • 鬼頭 - 強行犯捜査二係 班長。

警察庁[編集]

田辺
警察庁前長官。長官人事の主流は警備局出身者だが、4代ぶりに刑事局から就任し、刑事警察の建て直しを宣言したが、半年後の今年7月に急性高血圧症で他界した。
小塚
警察庁長官。警備局出身。

マスメディア[編集]

  • 手嶋(てじま) - 東洋新聞サブキャップ。H大卒。26歳。
  • 秋川 - 東洋新聞キャップ。K大卒。29歳。記者クラブのボス格。
  • 山科 - 全県タイムス暫定キャップ。F大卒。28歳。代議士秘書の三男。
  • 梓 幹雄 - 東洋新聞D支局上席デスク。T大卒。46歳。
  • 富野 - D日報の記者。
  • 野々村 利一 - 東洋新聞D支局長。居丈高な男。
  • 宇津木 - 毎日新聞キャップ。
  • 袰岩(ほろいわ)、林葉 - NHK記者。
  • 梁瀬 - 時事通信記者。
  • 高木 まどか、掛井 - 朝日新聞記者。
  • 牛山、笠井、木曾 亜美 - 読売新聞記者。牛山は秋川を嫌っている。
  • 須藤、釜田 - 産経新聞記者。
  • 角池 - 共同通信記者。
  • 浪江 - 記者。

美術館建設入札談合事件[編集]

八角建設
入札を陰で仕切る地方ゼネコン。中堅建設会社6社の幹部8人が逮捕されたが、二課は黒幕である八角の専務の逮捕を狙っている。
祖川建設
県議の弟が社長を務める、準大手の建設会社。行政との癒着や暴力団絡みの噂が絶えず、談合からは八角から外された。

その他[編集]

銘川 亮次(めいかわ りょうじ)
酔って道を渡っていた時に車にはねられ、意識不明の重体、後に死亡する。北海道出身。
菊西 華子(きくにし はなこ)
Y署管内で銘川をはねた加害者。32歳の主婦。妊娠8か月であったため、母胎への影響を考えて広報室が匿名で報じたところ、匿名にする理由を巡って、記者クラブともめる原因となる。
望月
三上の同期で、ロクヨンでは同じく直近追尾班に属し、三上が離れた後も捜査本部に残っていた。3年前に父親が倒れ、辞職し、園芸農家を継いだ。
尾坂部 道夫
8年前に退官した元D県警刑事部長。尾坂部がいればロクヨンは解決できたと言われる優秀な刑事だったが、事件当時は警察庁刑事局に出向していた。
幸田 一樹(こうだ かずき)
元D県警捜査一課刑事。ロクヨンでは自宅班だったが、事件の半年後に辞職。
日吉 浩一郎(ひよし こういちろう)
元科捜研研究員。38歳。NTTの先端技術部門から転職してきた職歴を買われて、技術吏員としてロクヨンの自宅班の4番手として招集された。事件後に3か月ほど休職したまま依願退職扱いとなった。自宅では事件以来、14年部屋に引きこもったまま。
村串 みずき(むらくし みずき)
旧姓・鈴本。ロクヨンでは憔悴する雨宮敏子対策の交替要員として雨宮家にいた婦警。美那子の一期上で、三上とも所轄の刑事課で一緒だったことがある。銀行員と結婚して退職した。あゆみからと思われる無言電話後、家を出なくなった美那子が心配で、三上が家に呼んだことがある。美雲の高校の先輩でもある。
久間 清太郎(きゅうま せいたろう)
ロクヨン当時の刑事部長。知性派と言われ、実際の事件には弱かった。当時は退官間際で、外郭団体への天下りも決まっていた。
室井 忠彦(むろい ただひこ)
久間の次の刑事部長。
大舘 章三(おおだち しょうぞう)
元刑事部長。三上と美那子の仲人親であり、三上が「刑事の父」と慕っていた。
林 夏子(はやし なつこ)
37歳。元マッサージ嬢。現在は空き巣専門の泥棒の情婦。内縁の夫は常習累犯窃盗罪で服役中。窃盗容疑で留置中に管理係から猥褻な行為をされた。
目崎 正人(めざき まさと)
スポーツ用品店を経営する。娘が2人おり、高校生の長女・歌澄(かすみ)が誘拐される。

評価[編集]

文芸評論家の北上次郎は、無理解な上司に行動を制約されながらも、溝の出来たマスコミ各社との妥協点を模索し、長官視察の真意を探りながら、被害者の父親を説得し、望まなかったはずの部署で、刑事部と警務部の板挟みになりながら奮闘する、緊迫感が最後まで持続する点を賞賛した[3]

主要なブック・ランキングは、前年11月から同年10月に刊行された作品を対象にしており、本作は10月末に刊行されたにも関わらず、圧倒的な支持を受けて「週刊文春ミステリーベスト10」及び「このミステリーがすごい!」で第1位になった。また、第10回本屋大賞及び『ミステリが読みたい!』で第2位となったほか、『ダ・ヴィンチ』2013年7月号で発表された「2013年上半期 BOOK OF THE YEAR」で第1位となった[4]

2016年、推理作家協会より、ダガー賞・翻訳部門の最終候補に選ばれる[5]

受賞(小説)[編集]

テレビドラマ[編集]

2015年4月18日より、NHK土曜ドラマ」にて全5回で放送。主演はNHKドラマ初主演となるピエール瀧で、「昭和な顔」がキャスティングの決め手となったという[6][7][8]。横山の作品がNHKで映像化されるのは、2005年に同枠で放送された『クライマーズ・ハイ』以来となる[6]。また本作より、土曜ドラマの放送時間が21時から22時スタートに変更された。

平成27年度(第70回)文化庁芸術祭賞大賞(テレビ・ドラマ部門)を受賞[9][10]

2015年12月26日、全5回の放送を約2時間にまとめた『64(118分版)』が放送された。

キャスト(テレビドラマ)[編集]

スタッフ(テレビドラマ)[編集]

評価・受賞(テレビドラマ)[編集]

  • 平成27年度(第70回)文化庁芸術祭賞(テレビ・ドラマ部門)大賞[9][10]
    • 受賞理由として、組織と個人の対峙をダイナミックに描き突出した面白さがあったこと。脚本の構成力とエネルギッシュな演出およびピエール瀧の主役起用により濃密なドラマを成立させたこと。騒然とした多重な人物関係がサスペンスを増幅させてゆく、その語りの手際が群を抜いていたことがあげられている[11]
  • 第53回ギャラクシー賞(テレビ部門)選奨[12]
    • 放送批評懇談会の選評では、精緻に織り上げられた複雑な構造の原作を、正確かつスタイリッシュに映像化した質の高いドラマであると評価している。また、原作どおりのいかつい顔・雰囲気と、静謐な佇まいながら熱を帯びた演技により、広報官・三上の葛藤や決断を骨太に表現しきったとして、主演のピエール瀧を、本作の成功を導いた最大の功労者と高く評価している[13]

放送日程[編集]

各話 放送日 サブタイトル 演出
第1回 4月18日 井上剛
第2回 4月25日
第3回 5月02日 増田靜雄
第4回 5月09日 井上剛
最終回 5月16日

DVD[編集]

  • タイトル - NHK BD/DVD「64 ロクヨン」
  • 発売日 - 2016年3月25日
NHK 土曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
限界集落株式会社
(2015.1.31 - 2.28)
※ここまで21時台での放送
64(ロクヨン)
(2015.4.18 - 5.16)
※本番組から22時台での放送
ちゃんぽん食べたか
(2015.5.30 - 8.1)

映画[編集]

64-ロクヨン-
前編 / 後編
監督 瀬々敬久
脚本 久松真一
瀬々敬久
原作 横山秀夫
出演者 佐藤浩市
綾野剛
榮倉奈々
夏川結衣
緒形直人
窪田正孝
坂口健太郎
筒井道隆
鶴田真由
赤井英和
菅田俊
烏丸せつこ
小澤征悦
金井勇太
芳根京子
菅原大吉
柄本佑
椎名桔平
滝藤賢一
奥田瑛二
仲村トオル
吉岡秀隆
瑛太
永瀬正敏
三浦友和
音楽 村松崇継
主題歌 小田和正風は止んだ
撮影 斉藤幸一
編集 早野亮
制作会社 コブラピクチャーズ
配給 東宝
公開 日本の旗
2016年5月7日(前編)
2016年6月11日(後編)
上映時間 121分(前編)
119分(後編)
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 19.4億円(前編)[14]
17.4億円(後編)[14]
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2016年に『64-ロクヨン- 前編/後編』の2部作で構成され、『64-ロクヨン- 前編』は2016年5月7日、『64-ロクヨン- 後編』は6月11日に公開[15]。監督は瀬々敬久、脚本は久松真一・瀬々敬久、主演は佐藤浩市。配給は東宝[16]。映画公開時、前編は20億を見込めるスタートを切り[17]、その後公開した後篇もその勢いを落とすことなく、前編・後編合わせて40億見込める作品となった[18]

本作と連動する形で『月曜名作劇場』(TBS系)「D県警シリーズ」2作(『陰の季節』『刑事の勲章』)が制作・放映、ならびにDVD化されており、本作のキャスト数名が“Special Thanks”として友情出演している。

結末が原作とは異なる終わり方となっている。

キャスト(映画)[編集]

三上家[編集]

広報室[編集]

ロクヨン捜査班[編集]

県警本部警務部[編集]

県警本部刑事部[編集]

雨宮家[編集]

目崎家[編集]

ロクヨン捜査員の家族[編集]

記者クラブ[編集]

その他の記者[編集]

誘拐事件捜査員[編集]

ロクヨン事件関連人物[編集]

  • 吉田 素子 - 後藤ユウミ
  • 「喫茶あおい」店主 - 川瀬陽太
  • 「フルーツパーラー四季」店員 - 林摩耶
  • 「釣り宿一休」店員 - 川屋せっちん
  • 梁の主人 - 奥瀬繁
  • 解体業者 - 才木清英
  • アベック捜査員(刑事部捜査一課) - 佐々木一平
  • ブラシを受け取る刑事(刑事部捜査一課) - 松原慎太郎
  • スーツケースを発見した刑事(刑事部捜査一課) - 贈人、日下部千太郎伊藤毅
  • 雨宮を押しとどめる刑事(所轄署刑事課) - 松本勝、崔哲浩、今村裕次郎

警察関係者[編集]

  • 白田(警務部警務課長) - 中野剛
  • 秘書課員 - 鈴木雄一郎月川修古川康村松和輝、新野卓、平野鈴原陽子、小野ゆたか、スギウチタカシ
  • 角刈りの刑事(刑事部暴力団対策室) - 五刀剛
  • 若造の刑事(刑事部捜査一課) - 久保勝史
  • トイレの刑事(刑事部捜査一課) - 安藤広郎、村本明久、志賀龍美
  • 若い刑事(所轄署刑事課) - 小澤雄志成田瑛基
  • 守りの刑事(刑事部暴力団対策室) - 石田佳央、芦原健介、檜尾健太、塩見大貴
  • 目崎家の自宅班(刑事部捜査一課) - 佐野元哉、由川信幸、木田毅祐、小水たいが
  • 邀撃班(刑事部捜査一課) - 岩田知幸、クラ、金子貴伸、齋賀正和、萩原宏樹、兼原良太郎、山神佳誉
  • 警官(所轄署地域課) - 荒木秀行、澤山薫
  • 作業服を着た警官(所轄署交通課) - 鈴木大介、志村朋春

その他の人物[編集]

スタッフ(映画)[編集]

受賞(映画)[編集]

DVD,Blu-ray[編集]

  • 発売元: TBS、販売元: TCエンタテインメント、発売日: 2016年12月9日
  • 64-ロクヨン-前編/後編 豪華版 Blu-rayセット (前編DISC、後編DISC、特典DISC2枚)
  • 64-ロクヨン-前編/後編 豪華版 DVDセット (前編DISC、後編DISC、特典DISC2枚)
  • 64-ロクヨン-前編 通常版Blu-ray 本編DISC1枚
  • 64-ロクヨン-後編 通常版Blu-ray 本編DISC1枚
  • 64-ロクヨン-前編 通常版DVD 本編DISC1枚
  • 64-ロクヨン-後編 通常版DVD 本編DISC1枚

出典[編集]

  1. ^ 宇田夏苗 (2013年4月25日). “著者インタビュー - 横山秀夫『64』”. 楽天ブックス. 2015年1月22日閲覧。
  2. ^ 横山秀夫 一般小説ランキング第1位 インタビュー『ダ・ヴィンチ』2013年7月号 p.23
  3. ^ 北上次郎「今週の必読: 7年間の沈黙を破る、警察小説の最高峰『64(ロクヨン)』」『週刊文春』2012年11月29日号 p.131
  4. ^ a b 2013年上半期、もっとも面白かった小説は『64(ロクヨン)』に決定!”. ダ・ヴィンチニュース. KADOKAWA. 2015年1月22日閲覧。
  5. ^ “日本人初!作家・横山秀夫氏「64」が英ダガー賞の最終候補に”. スポーツ報知. (2016年7月28日). http://www.hochi.co.jp/entertainment/20160728-OHT1T50212.html 2016年7月29日閲覧。 
  6. ^ a b ピエール瀧さん主演、土曜ドラマ「64(ロクヨン)」制作開始!”. 土曜ドラマ. ドラマトピックスブログ: NHKブログ (2014年11月11日). 2015年1月22日閲覧。
  7. ^ ピエール瀧がドラマ「64」で誘拐事件を追う広報官に!山本美月、AKB48・入山杏奈らも出演!!”. Smartザテレビジョン (2014年11月11日). 2015年1月22日閲覧。
  8. ^ ピエール瀧、NHKドラマ初主演!起用理由は“昭和な顔”と『あまちゃん』の評価”. クランクイン! (2014年11月12日). 2015年1月22日閲覧。
  9. ^ a b “大賞に「ラ・マンチャの男」松本幸四郎ら 文化庁芸術祭賞発表”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2015年12月25日). http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2015/12/25/kiji/K20151225011748620.html 2015年12月25日閲覧。 
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関連項目[編集]

外部リンク[編集]