フラガール

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フラガール
監督 李相日
脚本 李相日
羽原大介
製作 シネカノン
ハピネット
スターダストピクチャーズ
出演者 松雪泰子
豊川悦司
蒼井優
山崎静代
岸部一徳
富司純子
音楽 ジェイク・シマブクロ
撮影 山本英夫
編集 今井剛
配給 シネカノン
公開 日本の旗 2006年9月23日
大韓民国の旗 2007年3月1日
上映時間 120分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 14億円[1][2][3]
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フラガール』は、2006年9月23日全国公開の日本映画である。主演は松雪泰子で、シネカノン制作・配給である。

第80回キネマ旬報ベスト・テン日本映画ベストテン第1位および読者選出ベスト・テン(日本映画)第1位[2][3]第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作。

2008年7月に赤坂ACTシアターで舞台化作品が上演された。

概要[編集]

昭和40年(1965年)、大幅な規模縮小に追い込まれ危機的状況に陥った福島県いわき市[注 1]常磐炭鉱を舞台に、炭鉱で働く人々が職場を失う現実・苦悩に立ち向かい、町おこし事業としてを立ち上げた常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)の誕生から成功までを実話を元に描く。ハワイアンミュージックと本格的なフラダンスショーが描かれている。

プロデューサー石原仁美が、炭鉱の危機を救うために元炭坑夫の男たちがヤシの木を植え娘たちがフラダンスを学ぶという常磐ハワイアンセンター創設にまつわるドキュメンタリーをテレビでたまたま見かけて「これは絶対に映画になる」と映画化を構想し、その翌日に常磐興産へ連絡をとって取材を開始。当初は社長の中村豊を主人公とした『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』のような作品の構想を抱いていたが、取材を進める中で次第に素人フラダンスチームに惹かれていき、最終的に横浜から招いた講師による指導を受けながら努力を重ねてステージに立つまでの感動の物語を描くこととした[4]。原作の無い作品であることから脚本を何度も書き直し、構想から3年をかけてようやく制作に漕ぎ着けた。実話と同様に素人の女の子が数ヶ月におよぶ厳しいレッスンを共にして気持ちを1つに通じ合わせることでいい映画を作り上げたいとの思いから、主役の松雪泰子蒼井優から台詞のないダンサー役に至るまでダンス経験のない女優をキャスティングし、全員が一からダンスのレッスンを受けて撮影に臨んでいる[5]

公開前はそれほど注目を浴びた作品ではなかったものの、口コミを通じて評判を呼んだことで最終的に観客動員130万人、興行収入15億円超を記録する大ヒット作品となり、第80回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位、第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞など多くの賞を受賞した[5]

あらすじ[編集]

登場人物[編集]

常磐ハワイアンセンター関係[編集]

フラガールズ[編集]

常磐炭鉱の人々、他[編集]

スタッフ[編集]

ロケ地[編集]

作品の評価[編集]

興行成績[編集]

公開前はそれほど注目されていなかったが、口コミによって評判が伝わり、ロングラン上映をする劇場が多く、最終的には目標を上回る観客動員125万人、興収14億円という大ヒットとなった。

受賞歴[編集]

第79回アカデミー賞外国語映画賞の日本代表に選出(本選の第1次選考で落選)。また、第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞に選ばれたが、大手映画会社4社(東映、東宝、松竹、角川)以外の作品が受賞するのは1996年の『午後の遺言状』(日本ヘラルド映画)以来11年ぶりである。

  • 第80回キネマ旬報ベストテン(2007年1月9日発表)
    • 邦画第1位 :「フラガール」[6]
    • 読者選出邦画ベストテン 第一位:「フラガール」
    • 助演女優賞:蒼井優
  • 第31回報知映画賞(2006年11月28日発表)
    • 最優秀作品賞:「フラガール」
    • 最優秀助演女優賞:蒼井優
  • 第19回日刊スポーツ映画大賞(2006年12月5日発表)
    • 作品賞:「フラガール」
    • 主演女優賞:松雪泰子
    • 助演女優賞:富司純子
    • 新人賞:蒼井優
  • 第61回毎日映画コンクール(2007年1月19日発表)
    • 日本映画優秀賞:「フラガール」
    • 助演女優賞:蒼井優
  • 第49回ブルーリボン賞(2007年1月25日発表)
    • 作品賞:「フラガール」
    • 主演女優賞:蒼井優
    • 助演女優賞:富司純子
  • 第21回高崎映画祭
    • 最優秀監督賞:李相日(フラガール)
    • 最優秀主演女優賞:蒼井優(フラガール)
  • 第28回ヨコハマ映画祭
    • 日本映画ベストテン 第2位:フラガール
    • 主演女優賞:蒼井優
  • 2007年エランドール賞
    • 作品賞(映画):「フラガール」
    • 新人賞:蒼井優
  • 第16回東京スポーツ映画大賞
    • 主演女優賞:蒼井優
    • 助演女優賞:富司純子
  • 第11回日本インターネット映画大賞
    • 日本映画部門作品賞(第1位):「フラガール」
    • 助演女優賞:蒼井優
  • 第30回日本アカデミー賞(2007年2月16日発表)
    • 最優秀作品賞:「フラガール」
    • 最優秀監督賞:李相日
    • 最優秀脚本賞:李相日、羽原大介
    • 最優秀助演女優賞:蒼井優
    • 優秀主演女優賞:松雪泰子
    • 優秀助演女優賞:富司純子
    • 優秀新人賞:蒼井優、山崎静代
    • 話題賞:「フラガール」
  • 第16回日本映画批評家大賞
    • 助演女優賞:フラガールズ
  • 第44回ゴールデン・アロー賞(2007年3月1日発表)
    • 映画賞:松雪泰子

実話との相違点[編集]

映画は当初、センターの設立を企画創案し、創業者となった常磐炭鉱副社長、中村豊を主人公に企画が考えられたため、フィクションを脚色した部分がある。

  • 主人公の平山まどかは鼻っ柱の強い女性講師で、借金を抱え、都落ちしたSKD(松竹歌劇団)のダンサーという設定だが、実際のモデルは日本のフラダンス界の草分け、カレイナニ早川(本名・早川和子)で、ハワイ留学から帰った彼女がテレビに出ていたのを中村豊がぜひにと頼み込み、その考えに感銘し、講師を引き受けたのである。
  • 蒼井優のモデルは、小野(旧姓、豊田)恵美子である。映画では踊りに縁のない女子高生として描かれているが、実際の小野恵美子は舞踏学院一期生の最年長21歳で、小学2年生からクラシックバレエを続け、高校時代はダンス部の主将も担当。リーダーとして早川の右腕的存在であった。[7]

エピソード[編集]

  • 映画の舞台である福島県いわき市常磐湯本にあるいわき市石炭・化石館(炭鉱内部シーンのロケ地として撮影が行われた)では、企画展として「あの感動をもう一度。フラガール展」が開催された。
  • 映画の舞台になった「スパリゾートハワイアンズ」内に、映画の衣裳や小道具などが展示されている「フラ・ミュージアム」が2007年11月にオープンした。
  • フラガールの上映以前、ハワイアンズではフラダンスショーはプールに設立された一時的なショータイムの認識が強く、食事や休息の合間に見物する客がほとんどであった。そのため、空席が目立っていたが、上映以降はショータイムを目的とした客が増え、特に長期休暇期間には30分前には席が埋まり、立ち見客や二階テラス、さらには隣接されている巨大プールからの見物客が出るほどの賑わいとなっている。見物料は基本的に上映以前から無料(ただし入園料は別)であるが、現在は有料の予約席がある。
  • フラ発祥の地であるハワイ州でも、2006年10月30日現地時間)、ハワイ国際映画祭の大トリとして、ホノルルのハワイ・シアターを使い、アメリカ合衆国内としてのプレミア上映が行われた。上映前に、ジェイク・シマブクロのライブ演奏と、ジェイクの伴奏によるジェニファー・ペリの歌も披露された。なお、その際上映された作品は、借金取りの石田(寺島進)が登場するシーンは完全にカットされ石田が一切登場しないことになっており、また日本国内での宣伝映像に使われた、まどかの初訪問(「私のハワイ、どこ?」と絶句する)シーンなど他の一部シーンもカットされた、日本国内で上映されたものとは一部異なるものとなっていた。
  • 2011年3月11日に発生した東日本大震災で被災したいわき市を支援するために、当映画に出演した松雪泰子蒼井優富司純子山崎静代らが1,000万円の義援金をいわき市に送った[8]
  • 『フラガール』というタイトルであるが、映画のクライマックスのダンスは「タヒチアン」である[9]

関連商品[編集]

サウンドトラック[編集]

ビデオ[編集]

  • 2007年3月16日に、1枚組の『スタンダード・エディション』と、本編ディスクに加え2枚の特典ディスクとシナリオを付録した『メモリアルBOX』が、ハピネットから発売された。

舞台[編集]

2008年7月から8月にかけて、東京TBS赤坂ACTシアターをはじめ全国5都市で上演された。

映画版も手掛けた羽原大介が脚本を手掛け、映画にはなかったエピソードも盛り込まれる。山田和也が演出を担当。谷川紀美子役の福田沙紀と平山まどか役の片瀬那奈がダブル主演を務め、福田は本作が初舞台にして初主演[10]。また、現役のスパリゾートハワイアンズのダンサー2名もフラガールズ役で出演する[11]

キャスト[編集]

スタッフ(舞台)[編集]

  • 脚本 - 羽原大介
  • 演出 - 山田和也
  • テーマ音楽 - ジェイク・シマブクロ
  • 舞踊振付・指導 - カレイナニ早川
  • 音楽 - 佐橋俊彦
  • 美術 - 大田創
  • 照明 - 高見和義
  • 音響 - 山本浩一
  • 衣裳 - 原まさみ
  • ヘアメイク - 鎌田直樹
  • 振付 - 西祐子
  • アクション - 渥美博
  • 演出助手 - 豊田めぐみ
  • 舞台監督 - 北條孝
  • 共同プロデューサー - 熊谷信也
  • プロデューサー - 河出洋一
  • ロゴデザイン - 大寿美トモエ
  • 宣伝美術 - COM Works
  • 宣伝写真 - 川田洋司(mosa.inc)
  • 主催 - TBSTBSラジオ朝日新聞社
  • 特別協賛 - イトーキ
  • 後援 - ハワイ州観光局、タヒチ観光局
  • 協力 - シネカノンスパリゾートハワイアンズ
  • フラダンス衣裳協力 - メネフネプランテーション

公演日程[編集]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 実際には合併でいわき市が成立したのは1966年。当時は常磐市

出典[編集]

  1. ^ 映画制作者連盟2006統計
  2. ^ a b 「平成18年」(80回史 2007, pp. 493-503)
  3. ^ a b 「2006年」(85回史 2012, pp. 652-660)
  4. ^ 小西淳一 (2007年9月15日). “映画「フラガール」 早川和子と小野恵美子”. asahi.com (朝日新聞デジタル). http://www.asahi.com/travel/traveler/TKY200709140235.html 2018年3月16日閲覧。 
  5. ^ a b 石原仁美 (2014年8月7日). 構想から3年後に実現したフラガール映画化 夢を、未来をあきらめない。 映画プロデューサー 石原仁美さん。今一押しの書籍は『ありふれた愛じゃない』. インタビュアー:清水一利. ethica(トランスメディア).. http://www.ethica.jp/6201/ 2018年3月18日閲覧。 
  6. ^ 邦画1位は「フラガール」・キネマ旬報[リンク切れ]
  7. ^ 「映画になった奇跡の実話」 鉄人ノンフィクション編集部
  8. ^ “「フラガール」の松雪泰子さんらが義援金”. 読売新聞. (2011年4月11日). http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20110411-OYT1T00222.htm 2011年4月11日閲覧。 
  9. ^ “結束のDNA フラガール 復興のステップ”. 朝日新聞. (2013年1月6日). http://www.asahi.com/news/intro/TKY201301050271.html 2013年1月11日閲覧。 朝日新聞1月6日付朝刊第6面
  10. ^ “福田沙紀、片瀬那奈でフラガール舞台化”. 日刊スポーツ. (2008年3月25日). https://www.nikkansports.com/entertainment/cinema/news/p-et-tp1-20080325-339809.html 2018年3月16日閲覧。 
  11. ^ a b c “フラガールが舞台で復活! 全国巡回へ”. asahi.com (朝日新聞デジタル). (2008年5月8日). http://www.asahi.com/komimi/TKY200805070067.html 2018年3月16日閲覧。 
  12. ^ “瀧本美織が復興のフラガール 3・11テレ東特別ドラマ主演”. スポーツ報知. (2015年2月9日). http://www.hochi.co.jp/entertainment/20150209-OHT1T50054.html 2015年2月10日閲覧。 

外部リンク[編集]