心の傷を癒すということ (テレビドラマ)

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心の傷を癒すということ
ジャンル テレビドラマ
原案 安克昌
脚本 桑原亮子
演出 安達もじり
松岡一史
中泉慧
出演者 柄本佑
尾野真千子
濱田岳
森山直太朗
浅香航大
清水くるみ
上川周作
濱田マリ
谷村美月
趙珉和
内場勝則
紺野まひる
平岩紙
石橋凌
キムラ緑子
近藤正臣
音楽 世武裕子
国・地域 日本の旗 日本
言語 日本語
時代設定 1970年 - 2019年
製作
制作統括 城谷厚司
プロデューサー 京田光広
堀之内礼二郎
橋本果奈
齋藤明日香
製作 NHK大阪放送局
放送
放送チャンネル NHK総合
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 2020年1月18日 - 2月8日
放送時間 土曜 21:00 - 21:49
放送枠 土曜ドラマ
放送分 49分
回数 4
公式ウェブサイト

特記事項:
NHK BS4Kにて第1話を同時放送、第2話から最終話を1月22日から2月5日まで水曜19:50 - 20:39に先行放送。
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心の傷を癒すということ』(こころのきずをいやすということ)は、阪神・淡路大震災から25年を機にNHK大阪放送局により制作され[1]NHK総合の「土曜ドラマ」にて2020年1月18日から2月8日まで放送された日本テレビドラマ。全4話。阪神・淡路大震災で自ら被災しながらも被災者の心のケアに努めた精神科医安克昌をモデルに、妻との「夫婦の絆」、寄り添い続けた被災者との「心の絆」を描いたヒューマンドラマ。自らも西宮市で被災した桑原亮子の取材に基づくオリジナルフィクション作品で[2]、安著の同名書籍とは内容が異なる。主演は柄本佑で、妻役を尾野真千子が演じる[3][4]ギャラクシー賞2020年2月度月間賞・第57回奨励賞受賞作。第46回放送文化基金賞番組部門テレビドラマ番組最優秀賞受賞作[5][6][7]

NHK BS4Kにて第1話が同時放送、第2話から最終話が1月22日から2月5日まで水曜日の19時50分から20時39分に先行放送された。

あらすじ[編集]

はにかみ屋の若き精神科医・安和隆は、プロ級のジャズピアノの腕前を持ちレコードと読書をこよなく愛しつつ、自らの居場所を探し続ける青年期を過ごしていた。やがて在日としての悩みを共有する明るい妻・終子と出会ったことで、心穏やかな日々を送るようになる。

第1子が誕生してまもなく阪神・淡路大震災が発生し、精神科医としてできることを模索する和隆は、被災者に寄り添って話に耳を傾けることで、精神科医ができることは被災者の治療よりも治癒力を回復させる手助けであると覚る。

精神科医として目の当たりにした被災地の様子を記した著書が賞を受賞した矢先、39歳となった和隆にがんが見つかる。

登場人物[編集]

安和隆
演 - 柄本佑
主人公。精神科医。神戸大学医学部附属病院精神科勤務。
安終子
演 - 尾野真千子
和隆の妻。
安哲圭
演 - 石橋凌
和隆の父。辣腕事業家。大阪在住の在日韓国人一世。
朴美里
演 - キムラ緑子
和隆の母。在日韓国人二世。
安智明
演 - 森山直太朗
和隆の兄。東京大学を卒業し渡米、原子力研究開発の第一人者となる。
安壮介
演 - 上川周作
和隆の弟。父・哲圭の事業を引き継ぐ。
湯浅浩二
演 - 濱田岳
和隆の親友。ともに精神科医の道に進む。和隆とジャズバンドを組み、サックスを担当する。
谷村英人
演 - 趙珉和
日報新聞社文化部の新聞記者。和隆に連載執筆を依頼する。
ママ
演 - 濱田マリ
ジャズ喫茶「スクルド」のママ。
結城理恵
演 - 谷村美月
和隆の患者。震災で精神的に不安定となり、避難所で和隆と出会う。
校長先生
演 - 内場勝則
避難所となった朝日小学校の校長。
演 - 紺野まひる
仮設住宅の入居者。幼子と2人で暮らす。
片岡心愛
演 - 清水くるみ
和隆の患者。急性アルコール中毒で搬送され、多重人格と診断される。
北林史也
演 - 浅香航大
和隆の後輩医師。和隆の元で研修医として学び、和隆を慕う。
新島聡子
演 - 平岩紙
和隆の同僚看護師。震災で病院が倒壊、避難所での看護活動を通じて和隆と知り合う。
永野良夫
演 - 近藤正臣
和隆の恩師。日本の精神医学の権威で、和隆が精神科医を志すきっかけになる。

スタッフ[編集]

製作[編集]

本作のプロデューサーである京田光広神戸市出身で、阪神・淡路大震災にて実家が半壊した。東京で勤務していた京田は使命感に駆られて神戸へと戻り現地取材班の一員として寝る間も惜しんで取材に従事するが、はたして取材活動は被災者の助けとなっているのか、家族が被災し故郷が悲しみに暮れる中で取材を続ける意味に疑問を抱き続けた。後に大阪へ異動となってからも被災地取材や震災番組から目を背けてきたが、安克昌著の『心の傷を癒すということ』と出会い、自ら被災しつつも被災者に寄り添い続けた安氏の姿に触れたことを契機に、「自分も故郷を覆った悲しみに、もう一度しっかりと向き合ってみよう」と決意。当初は安氏のドキュメンタリー番組の制作を検討していたが、その大きな人間性や生い立ちを知ることで「ドキュメンタリーでは描ききれない」と感じ、ドラマとして表現することとした[8]。「心のケアのパイオニアだった安さんのことをみなさんに知ってもらいたい」として企画を温め続け、約10年の年月を経て制作へと至った[2]

脚本は第54回ギャラクシー賞奨励賞を受賞し本作が初の連続ドラマとなる桑原亮子が担当。中学2年生の時に兵庫県西宮市で被災した桑原は、地震体験装置に入って当時の記憶を呼び起こすことで同じく25年間「小部屋の中に閉じこめていた」と語る震災体験と向き合い、「想像で書いてしまうと、失礼な気がした」として安氏の遺族へ丁寧に取材を重ねて、生い立ちや苦悩、家族との絆から、夫人との出会いやデートのエピソードまで細かく聞き出し、本作を執筆している[2]

主演の柄本佑も、遺族に会って話を聞いた上で、「寄り添う」ことをテーマに本作の撮影に臨んだ。また、撮影開始の2か月以上前から「まったく初めての体験」と語るジャズピアノの練習を続け、劇中では華麗な演奏シーンをたびたび披露している[9]

放送日程[編集]

放送回 放送日 サブタイトル 演出
総合 BS4K
第1話 1月18日 神戸、青春の街 安達もじり
第2話 1月25日 1月22日 僕たちの仕事 松岡一史
第3話 2月01日 1月29日 見えない命綱 中泉慧
最終話 2月08日 2月05日 残された光 安達もじり

スペシャル版[編集]

スペシャル版 心の傷を癒すということ』と題し、全4話を110分に再編集したスペシャル版がNHK総合(関西地方)にて2020年3月1日の16時5分から17時55分に放送された。

作品の評価[編集]

「ひとつひとつのシーンが感情の密度が濃く」、主演の柄本佑のセリフ回しひとつからも「いかに緻密にドラマ化されたかが伺え」、主人公の安和隆が被災者へ接する態度と同様に「優しく丁寧に寄り添い続けるような」作品との評価を受けて、2020年2月度ギャラクシー賞月間賞を受賞した[10][11]

原作の良さに加え、「心の傷を癒すということ」の本質を示した「弱いっていうのは大事なことだよ。他人の弱さがわかるからね」「医者の仕事というのは、そばに寄り添うことでしかない」といった名台詞や「誰かのために穏やかに、しかし忍耐強く一緒にいることの大切さ」を伝える柄本佑の秀逸な演技などにより、「心に傷を抱えて生きる人の多い現代を支えてくれる感動の作品」との評価を受けて第46回放送文化基金賞番組部門にてテレビドラマ番組最優秀賞を受賞した[5]。また、「人の心に寄り添う大切さを噛みしめたストイックな演技が圧巻」と評を受けた柄本佑が、同部門にて演技賞を受賞している[12]

受賞歴[編集]

  • ギャラクシー賞
    • 2020年2月度 月間賞
    • 第57回(2019年度) テレビ部門 奨励賞
  • 第46回放送文化基金賞 番組部門
    • テレビドラマ番組 最優秀賞(第1話「神戸、青春の街」、第2話「僕たちの仕事」)[5][6][7]
    • 演技賞(柄本佑)[7][12]

関連番組[編集]

関連商品[編集]

DVD
  • 心の傷を癒すということ(2020年9月1日発売予定、ハピネット、HPBR-617)[15]
サウンドトラック
シナリオ
  • 『月刊ドラマ』2020年11月号(映人社) - 第1話・第2話シナリオを収録。

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ NHK大阪放送局の2019年8月28日のツイート2019年8月28日閲覧。
  2. ^ a b c d 松浦隆司 (2020年1月12日). “震災体験が糧…聴覚障害持つNHK番組脚本家の思い - ナニワのベテラン走る〜ミナミヘキタヘ〜”. 日刊スポーツ. https://www.nikkansports.com/entertainment/column/naniwa/news/202001110001015.html 2020年1月14日閲覧。 
  3. ^ 柄本佑さん主演『心の傷を癒すということ』制作開始!”. NHKドラマ. ドラマトピックス. 日本放送協会 (2019年8月28日). 2019年8月28日閲覧。
  4. ^ “柄本佑主演、震災後の心のケアに奔走した若き精神科医の物語”. ORICON NEWS (oricon ME). (2019年8月28日). https://www.oricon.co.jp/news/2143273/full/ 2019年8月28日閲覧。 
  5. ^ a b c 第46回「放送文化基金賞」受賞一覧 (PDF)”. 放送文化基金. p. 5. 2020年8月5日閲覧。
  6. ^ a b “NHK「心の傷を癒す」など受賞 放送文化基金賞”. 共同通信社. (2020年8月4日). https://rd.kyodo-d.info/np/2020080401001755?c=39546741839462401 2020年8月10日閲覧。 
  7. ^ a b c “柄本佑、桜井ユキ、『第46回放送文化基金賞』で演技賞 出演作品も受賞”. ORICON NEWS (oricon ME). (2020年8月4日). https://www.oricon.co.jp/news/2168642/full/ 2020年8月10日閲覧。 
  8. ^ 渡部圭介 (2020年1月14日). “【阪神大震災】被災地癒やした「ぬくもり」今こそ NHKドラマが描く安克昌医師の生涯”. 産経ニュース (産経デジタル). https://www.sankei.com/west/news/200114/wst2001140012-n1.html 2020年1月30日閲覧。 
  9. ^ “柄本佑、ドラマでジャズピアノを弾く「2カ月以上前から練習」”. SANSPO.COM (産経デジタル). (2020年1月14日). https://www.sanspo.com/geino/news/20200114/geo20011414590017-n1.html 2020年1月30日閲覧。 
  10. ^ “発表!2020年2月度ギャラクシー賞月間賞” (PDF) (プレスリリース), 放送批評懇談会, (2020年3月19日), https://houkon.jp/wp/wp-content/uploads/2020/03/gekkan202002.pdf 2020年5月1日閲覧。 
  11. ^ “柄本佑『心の傷を癒すということ』ギャラクシー月間賞「感情の密度が濃い」”. マイナビニュース (マイナビ). (2020年3月19日). https://news.mynavi.jp/article/20200319-999168/ 2020年5月1日閲覧。 
  12. ^ a b 第46回「放送文化基金賞」受賞一覧 (PDF)”. 放送文化基金. p. 11. 2020年8月5日閲覧。
  13. ^ 心の傷を癒すということ”. トピックス. NHK. 2020年2月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月13日閲覧。
  14. ^ こころの時代〜宗教・人生〜「心のケアから品格ある社会へ」”. 過去の放送. NHK. 2020年3月13日閲覧。
  15. ^ “柄本佑主演ドラマ『心の傷を癒すということ』DVDが「防災の日」に発売決定”. TVLIFE web (学研プラス). (2020年5月22日). https://www.tvlife.jp/entame/288566 2020年5月24日閲覧。 

外部リンク[編集]

NHK総合 土曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
みをつくし料理帖スペシャル
(2019年12月14日 - 12月21日)
心の傷を癒すということ
(2020年1月18日 - 2月8日)