奥田瑛二

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おくだ えいじ
奥田 瑛二
奥田 瑛二
本名 安藤 豊明
別名義 奥田 英二(旧芸名)
生年月日 (1950-03-18) 1950年3月18日(68歳)
出生地 日本の旗 日本 愛知県東春日井郡高蔵寺町(現、春日井市
身長 175 cm[1]
血液型 AB型[1][2]
職業 俳優声優ナレーター
映画監督画家
ジャンル 映画テレビドラマ舞台
配偶者 安藤和津
著名な家族 安藤桃子(長女)
安藤サクラ(次女)
柄本佑 (義息子)
犬養毅(義祖父)
事務所 ゼロ・ピクチュアズ
公式サイト ゼロ・ピクチュアズ
主な作品
テレビドラマ
円盤戦争バンキッド
宮本武蔵
金曜日の妻たちへIII 恋におちて
男女7人夏物語
金曜日には花を買って
花の乱
ひまわり
北条時宗
慶次郎縁側日記
どんど晴れ
風のガーデン
八重の桜
花燃ゆ
映画
もう頬づえはつかない
海と毒薬
千利休 本覺坊遺文
極道記者
『棒の哀しみ』
眠らない街 新宿鮫
皆月
少女〜an adolescent

奥田 瑛二(おくだ えいじ、1950年3月18日[1][3] - )は、日本俳優[1]映画監督[1]画家[1]。旧芸名、奥田 英二(読み同一)[3]。本名、安藤 豊明(あんどう とよあき)[2][3]

愛知県東春日井郡高蔵寺町(現、春日井市)出身[4]東邦高等学校卒業[5]明治学院大学法学部中退[2]。ゼロ・ピクチュアズ所属[6]。妻はエッセイスト安藤和津、長女は映画監督の安藤桃子(旧名・安藤モモ子)、二女は女優の安藤サクラ

来歴[編集]

小学校5年生のときに見た大友柳太朗の『丹下左膳』を観て衝撃を受け、役者を志す[7]。役者になるには体格を良くするべきと考え、中学では野球部、高校ではラグビー部に入る[8]。特に高校に入ってからは身長が大きく伸びたという。

大学進学を前に上京し役者を目指す旨を春日井市議会議員であった父・豊に打ち明けるも反対されるが、「政治の勉強をするため」と説得して了解を得る[9]東邦高等学校卒業後、明治学院大学法学部に入学。同時に父の伝で丹羽兵助代議士の秘書となり、住みこみの書生生活を送る。大学では演劇部にも参加しており、当時は辺真一も先輩部員として在籍していた[10]。議員秘書としての仕事もこなす学生生活を過ごすうちに自身の本分の是非に悩み出奔。大学も中退する。その後、改めて役者を志願し、いくつかの劇団を当たったがタイミング悪く、試験を受けることも出来ず頓挫[9]。高校の先輩でもある俳優の天知茂に師事し、約2年ほど付き人を務めたが、将来に不安を感じ夜逃げ同然に飛び出してしまう[7]

生活のために夜の仕事で食いつないでいたとき、客に促されモデルの仕事を始め、CMなどにも出演するようになる[7]。だが、俳優の夢を捨てきれず、当時のマネージャーの協力を得て[7]1976年に『円盤戦争バンキッド』の主人公・天馬昇 / バンキッドペガサス役でデビュー[3]。しかし、その後しばらくは役に恵まれず不遇時代を過ごし、家賃が払えずにアパートから逃げ出し、一時期は公園でホームレスのような生活をしていたという[7]。この頃に知り合い、後に妻となった安藤和津は、家に招いて食事を振る舞っていたと回想している[11]。また、この間、品川岸壁の荷揚げ、スナックのウェイターなどの職を転々としながら、食い繋いでいた[2]

1979年日活の『もっとしなやかに、もっとしたたかに』で実力を認められ、続いて『もう頬づえはつかない』に桃井かおりの相手役として出演する[3]。『宮本武蔵』の又八役を演じて以降、TVドラマ『金曜日の妻たちへIII 恋におちて』(1985年)、『男女7人夏物語』(1986年)、『金曜日には花を買って』(1986年 - 1987年)などへの出演により人気が上昇。これらの役柄によって女性ファンを獲得し、「不倫してみたい俳優」ナンバー1という称号も手に入れた[3]。しかし、本人はあくまで映画志向が強く、テレビ出演を続けつつも映画にのめり込んでゆく[3]

1986年には『海と毒薬』(ベルリン映画祭銀熊賞)で熊井啓監督と出会う[3]。36歳にして映画では初の単独主演をつかみ、毎日映画コンクール男優主演賞などを獲得した[3]。これでひと皮むけ、『千利休 本覺坊遺文』(1989年ベネチア映画祭銀獅子賞)、『式部物語』(1990年モントリオール映画祭芸術貢献賞)、『ひかりごけ』(1992年)と立て続けに熊井作品に出演する[3]。これらの熊井作品で海外でも知られる存在となり、1992年にはクロード・ガニオン監督によるカナダ映画『ピアニスト』で天才ピアニストにふんし、猛特訓したという演奏場面も披露した[3]

1993年公開の映画『棒の哀しみ』ではブルーリボン賞を始め国内の映画賞を多数受賞した[3]。以降も、ヤクザからアダルトビデオ会社社長、パチンコ屋社長など、アウトローな役を難無く演じる積極性を武器に、50本以上の映画に出演している。

2017年、娘の安藤サクラが妊娠・出産したことにより孫が誕生した。

映画監督として[編集]

元来「天職」と自覚していた役者だったが、42歳のときに「監督やるぞ!」と思い立ち、周囲に宣言。しかし、経験不足からか自信を持てずに挫折。その後基礎から映画製作を学び、48歳にして助監督を経験。50歳を迎えた2001年に『少女〜AN ADOLESCENT』で念願の監督デビューとなる。

2006年1月に松坂慶子を主役とした『るにん』を公開。共に国内外の映画賞で多数の賞を獲得。3作目となる『長い散歩』は、奥田が「どうしても仕事がしたかった」という緒形拳を主役に配し、モントリオール世界映画祭で、日本映画として1982年佐藤純弥監督作『未完の対局』以来2作目となるグランプリを受賞。さらに国際批評家連盟賞とエキュメニック賞も同時受賞し、計3冠を獲得するという快挙を成し遂げた。

人物・エピソード[編集]

  • 1979年犬養毅元首相の孫で犬養健元法相の娘であるエッセイスト安藤和津と結婚[3]。娘が2人おり、長女の安藤桃子(旧名・安藤モモ子)は助監督として、二女の安藤サクラは女優として父親の作品に参加するなど芸術一家でもある。弟・安藤豊彦は苔玉作家、父・安藤豊は元春日井市議会議員である[4]
  • 俳優声優伊武雅刀は高校の1学年先輩にあたる。
  • 特技は、ギター[12]ブルースハープ[13]挿絵[12]絵画[13]連城三紀彦の連載小説『花堕ちる』や、和津夫人の童話『月うさぎ』などで描いた挿絵は玄人はだし[3]1991年には個展も開いている[3]。音楽方面では、1986年谷村新司とのデュオでシングル盤「クラシック-CLASSIC-」をリリースしている。
  • 進め!電波少年』の松村邦洋がアポなしで突然現れた際、松村の願い(「僕をモデルに絵を描いて欲しい」)を快く引き受けた[14]。また足を怪我した際も「つばをつけて足を直してあげたい」とやって来た松村に快くつばをかけさせ、関係者に非常に好印象であった[14]
  • 業界屈指の色気を持つ俳優であり、テレビ番組に出演する際には「ちょいワル」と呼ばれるスーツの着方を実践。また、津川雅彦明石家さんまらとたびたび合コンを開催[14]。女性陣のセッティングを自ら担当する(加えて女性側の幹事に「キレイな子を連れてこなかったら殺す」と脅迫する)というこだわりの持ち主である[14]。しかしそんな女性好きが高じてか、1999年に絵画モデルの10代女性にセクハラをした疑惑が浮上し、会見で「妻には初めて手をついて土下座した」と明らかにした。また、極めて酒癖の悪い人物としても有名で、酒席で下半身を露出して週刊誌、女性週刊誌で記事になったこともある。
  • 2016年、『土曜スタジオパーク』にゲスト出演した際に『円盤戦争バンキッド』でのエピソードを語った[8]。当時は一生懸命だったので恥ずかしさはなかったという[8]。また今でも変身ポーズは覚えていると語り、スタジオで披露した[8]。アクションは最初の5本までは実際に行っていたといい、その後担当したスタントマンのスタイルが悪く見ていて辛かったという[8]。『バンキッド』終了後にオーディションなどを受けた際、子供番組をやっていた事で馬鹿にされたことがあったが、後に売れてからは相手のプロデューサーから謝罪されたことなどを話した[8]。また、『バンキッド』で共演した柳生博は、当時の奥田について「変な役者だった。ものすごくリアル」などと述べ、自分の方が先輩だったのにも関わらず怖かったとも述べた[8]。怖かった感想を持たれたことについて、奥田自身は「学生時代に政治の世界に突っ込んでいたから」などと見解を述べている[8]
  • 愛知県で生まれ育ち、東邦高校出身であることから中日ドラゴンズのファンに思われがちだが、実のところ阪神タイガースの大ファンであり、オールスターのテレビ中継に同級生でもある川藤幸三と一緒にゲストとして出演したことがある。また、元阪神の捕手で現楽天コーチの山田勝彦や元巨人捕手の山倉和博、元中日投手の朝倉健太は高校の後輩にあたる。
  • 自動車免許の更新に行かなかった事で免許が失効になったこともある。
  • 「自分じゃない自分になりたい」という感性から、本名で呼ばれることが嫌いと述べている[15]
  • 句歴20年以上の俳人である。『サンデー毎日』で川上弘美と俳句談義をしている。

出演[編集]

テレビドラマ[編集]

映画[編集]

オリジナルビデオ[編集]

舞台[編集]

  • 真夜中のパーティー(1983年、パルコ劇場) - ドナルド 役
  • 逢魔が恋暦(1988年、松竹) - 茂兵衛 役
  • 四谷怪談 十六夜の月(1996年、新宿梁山泊) - 伊策 役
  • 夏の庭(1997年、パルコ劇場) - 古香老人 役
  • ラヴ・レターズ(1998年、パルコ劇場)
  • エリザベス・レックス(2004年、オン・タイム) - ウィル 役
  • 兵士の物語(2007年、東京文化会館)[注釈 11]
  • 幽霊たち(2011年、パルコ劇場) - ホワイト、ブラック(二役)

劇場アニメ[編集]

吹き替え[編集]

ゲーム[編集]

ラジオドラマ[編集]

バラエティ[編集]

ドキュメンタリー[編集]

  • ドキュメント72時間 札幌すすきの 24時間にぎりめし屋(2012年7月17日、NHK) - 語り
  • わが心の聖地〜思いの道 願いの道〜(2013年10月 - 2014年9月、BS日テレ) - ナレーター
  • 日中共同制作 カンフーの聖地へ 世界遺産少林寺 奥田瑛二の鉄道とバスの旅(2014年8月10日、BS朝日) - ナビゲーター[28]

CM[編集]

ミュージックビデオ[編集]

音楽[編集]

シングル[編集]

  • クラシック -CLASSIC- / オールドタイム(1986年、ポリスター) - 谷村新司とデュエット
  • 想い出はタンゴに染めて / 卒業試合(1987年、ポリスター)
  • イタイのそこが / エンド・マーク(1989年、ポリスター)

アルバム[編集]

  • ふらふら(1987年、ポリスター)
  • ブラック・バージン(1989年、ポリスター)

個展(開催地)[編集]

  • フォーシーズンスホテル
  • 銀座三越
  • ホワイトギャラリー

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 「安藤豊明」名義
  2. ^ 初期はスーツアクターも兼任
  3. ^ 日本・カナダ合作
  4. ^ 兼監督・企画・製作
  5. ^ 兼プロデューサー
  6. ^ 兼監督・企画
  7. ^ 兼監督・企画・原案
  8. ^ 兼監督・原作・脚本
  9. ^ ノンクレジット
  10. ^ 監督・脚本・企画
  11. ^ 兼演出

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f 奥田瑛二”. 日本タレント名鑑. VIPタイムズ社. 2018年10月28日閲覧。
  2. ^ a b c d 『テレビ・タレント人名事典』第5版、日外アソシエーツ2001年、235頁。ISBN 978-4816916779
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『日本映画人名事典』男優編<上巻>、キネマ旬報社1996年、337-338頁。ISBN 978-4873761886
  4. ^ a b 奥田瑛二〜140年前かやぶきの家 見つかった秘蔵フィルム” (日本語). ファミリーヒストリー. TVでた蔵. 2018年9月16日閲覧。
  5. ^ TOHO INTERVIEW”. 愛知東邦大学. 2018年10月28日閲覧。
  6. ^ ゼロ・ピクチュアズ”. ナロー. 2018年10月28日閲覧。
  7. ^ a b c d e 奥田瑛二|ホームレスから映画の主演俳優にまで登り詰めたスゴい人!”. 日刊スゴい人 (2015年9月15日). 2018年10月28日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h 土曜スタジオパーク 奥田瑛二”. gooテレビ番組. NTTレゾナント (2016年11月5日). 2018年11月5日閲覧。
  9. ^ a b 9月7日 - 9月11日の「ラジオサロンdeくにまる」のゲストは奥田瑛二さん”. くにまるジャパン. 文化放送 (2015年9月7日). 2017年5月26日閲覧。
  10. ^ vol.3 パク・グニョン×辺真一 対談 『哀れ、兵士』が描き出すもの”. FT Focus. 2017年5月26日閲覧。
  11. ^ 私の分岐点(第294回)エッセイスト安藤和津さん、『ビッグイシュー日本版』329号
  12. ^ a b 『日本タレント名鑑'94』 VIPタイムズ社、1994年、77頁。
  13. ^ a b 『日本タレント名鑑2004』 VIPタイムズ社、2004年、84頁。ISBN 978-4990124229
  14. ^ a b c d 男の履歴書 奥田瑛二”. 男を磨く情報サイト インライフ. INLIFE. 2018年11月5日閲覧。
  15. ^ 朝日新聞「どらく」ひとインタビュー 俳優/映画監督 奥田瑛二さん Archived 2010年6月28日, at the Wayback Machine.
  16. ^ 零戦 〜搭乗員たちが見つめた太平洋戦争〜 - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
  17. ^ “相武紗季主演ドラマ『硝子の葦』から裸のポスター公開、追加キャスト9人も判明”. (2015年1月17日). http://www.cinra.net/news/20150117-garasunoashi 2015年1月17日閲覧。 
  18. ^ “ミュージカル界のプリンス”井上芳雄、阿部サダヲと親子役”. ORICON (2015年2月25日). 2015年2月25日閲覧。
  19. ^ 松本潤、主演ドラマ「99.9」で弁護士役に初挑戦! 香川照之×榮倉奈々と共演”. 映画.com (2016年2月25日). 2016年2月25日閲覧。
  20. ^ “長谷川博己、推理サスペンス初主演 作者・法月綸太郎氏も太鼓判”. ORICON STYLE. (2016年9月1日). http://www.oricon.co.jp/news/2077695/full/ 2016年9月1日閲覧。 
  21. ^ 椎名桔平、ブラックマネーを操る男に!連続ドラマW「不発弾」共演に原田知世ら”. シネマカフェ. 2018年3月19日閲覧。
  22. ^ “ディーン&井浦新主演「レ・ミゼラブル」SPドラマ化!山本美月、吉沢亮ら出演”. シネマトゥデイ (株式会社シネマトゥデイ). (2018年11月20日). https://www.cinematoday.jp/news/N0105054 2018年11月20日閲覧。 
  23. ^ 長谷川博己の指を二階堂ふみがなめて…『この国の空』映像初公開”. シネマトゥデイ (2015年5月8日). 2015年5月11日閲覧。
  24. ^ 高橋伴明監督、20年ぶりエロス作…奥田瑛二&柄本佑“義理親子”が共演”. シネマトゥデイ (2015年4月30日). 2015年4月30日閲覧。
  25. ^ ベトナムの風に吹かれて;作品情報 - 映画.com”. 映画.com. 2015年7月9日閲覧。
  26. ^ 綾野剛×榮倉奈々×瑛太×三浦友和×永瀬正敏ら超豪華キャスト!佐藤浩市主演『64』に集結”. シネマトゥデイ (2015年3月26日). 2015年3月26日閲覧。
  27. ^ “岡田准一と西島秀俊が時代劇で初共演、木村大作の監督3作目「散り椿」”. 映画ナタリー. (2017年5月24日). http://natalie.mu/eiga/news/233834 2017年5月24日閲覧。 
  28. ^ 日中共同制作 カンフーの聖地へ 世界遺産少林寺 奥田瑛二の鉄道とバスの旅(BS朝日)、2014年8月5日閲覧

外部リンク[編集]