黒革の手帖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
黒革の手帖
小説中の「クラブ・カルネ」が所在する設定とされる、銀座七丁目付近[1]。
小説中の「クラブ・カルネ」が所在する設定とされる、銀座七丁目付近[1]
著者 松本清張
発行日 1983年1月27日
発行元 新潮社
ジャンル 小説
日本の旗 日本
言語 日本語
ページ数 377
コード ISBN 4101109532
Portal.svg ウィキポータル 文学
[ Wikidata-logo-en.svg ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

黒革の手帖』(くろかわのてちょう)は、松本清張の長編小説。巨額の金を横領し、銀座のクラブのママに転身した女性銀行員を、魑魅魍魎とした世界を背景に描く、著者のピカレスク・サスペンスの代表的長編。

週刊新潮』に「禁忌の連歌」第4話として連載され(1978年11月16日号 - 1980年2月14日号、連載中の挿絵は濱野彰親)、1980年6月新潮社から単行本として刊行された。 後に電子書籍版も発売されている。

過去5回テレビドラマ化されている。

あらすじ[編集]

原口元子は、銀行の支店に勤務する地味なOLだった。しかし彼女は、その地位を利用して、銀行から7568万円の大金を横領、それを元手に、銀座のクラブのママとなる。

競争や葛藤が渦巻く夜の銀座で、さらなる野望へ向け彼女が狙う次の獲物は…。

登場人物[編集]

  • 原作における設定を記述。
原口 元子(はらぐち もとこ)
本作の主人公。元は東林銀行の女子行員だったが、叡子の店の見習いを経て、やがて銀座に自らの店「クラブ・カルネ」を開く。
楢林 謙治(ならばやし けんじ)
楢林産婦人科病院院長。
橋田 常雄(はしだ つねお)
医科系大学専門の予備校「医科進学ゼミナール」理事長。
安島 富夫(やすじま とみお)
橋田の知人の国会議員秘書。
山田 波子(やまだ なみこ)
クラブ・カルネに飛び込んできたホステス。天性の華やかさと、男を籠絡する手腕を持つ。
中岡 市子(なかおか いちこ)
楢林産婦人科病院の婦長。
島崎 すみ江(しまざき すみえ)
赤坂の料亭「梅村」の女中だったが、クラブ・カルネのホステスに転身する。
岩村 叡子(いわむら えいこ)
銀座で10年以上「クラブ・燭台」を経営してきたママ。
牧野(獣医)
銀座界隈の事情なら何でも耳に入れている、女のような振る舞いの男。
村井 亨(むらい とおる)
東林銀行の支店次長[2]
長谷川 庄治(はせがわ しょうじ)
銀座の大型店「クラブ・ルダン」を経営する長谷川商事の社長。

出版[編集]

新潮文庫

エピソード[編集]

  • 「黒革の手帖」のいわれに関して、著者は「宝石商が顧客とその売った商品の名をメモした手帖から取った」と記している[3]。著者は宝石商の顧客リストである“黒い革表紙の手帖”に関する情報を、税務署員からの1962年来信の手紙を契機に得たのち[4]、宝石商の革手帖を脱税者リストに置き換え、本作を設定したと推定されている[5]
  • 著者は銀座のバー「眉」「ラ・モール」(いずれも現存せず)などを取材しているが、著者と長い付き合いのあった、文壇バー「ばあもす」(現存せず)に勤めていたママ・Hによれば、牧野獣医には、実在のモデルがいたとされている。取材に訪れた時の著者は、助言を受けるまじめな客で、ホステスたちの話をじっと聞いていたが、メモは一切とらなかったという[6]
  • 小説第二節に、「数年前に起った或る地方銀行の横領事件」「その金額が九億円にも達していたことで世間をおどろかした」と記した箇所があるが、劇作家の山崎哲は、元子の手口は、1973年滋賀銀行9億円横領事件に触発されて書かれたと推定している[7]。同事件では、同銀行山科支店のベテラン女子行員・Oが、その立場を利用し、1968年から5年3ヶ月にわたり、定期預金、通知預金の偽造伝票を作成して現金を引き出し、総額で約9億円を横領していた。ただしOは、ギャンブルや贅沢三昧の日々を送る愛人に、金のほとんどを貢ぎ、自身は困窮した暮らしをしていた点で、本作の元子とは異なっている。なお、本作刊行の翌年となる1981年には、女子行員・Iによる、三和銀行オンライン詐欺事件が発生し、偽造伝票に拠らない新しい手口として、当時注目を集めたが、同事件でも、詐取した金の現金化に、本作同様、架空名義口座が使われていた[8]

テレビドラマ[編集]

1982年版[編集]

松本清張の黒革の手帖
ジャンル テレビドラマ
放送時間 月曜日22:00 - 22:54(54分)
放送期間 1982年1月4日 - 2月8日(6回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 テレビ朝日
演出 山内和郎
原作 松本清張『黒革の手帖』
脚本 服部佳
プロデューサー 備前島文夫
佐々木孟
出演者 山本陽子
テンプレートを表示

松本清張の黒革の手帖』は、1982年1月4日より2月8日まで毎週月曜日22:00 - 22:54に、テレビ朝日系列の「月曜劇場」枠で放送された。主演は山本陽子

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

放送日程[編集]

各話 放送日 サブタイトル
第1話 1982年1月04日 女子銀行員横領
第2話 1982年1月11日 元子の次の獲物
第3話 1982年1月18日 元子、誘惑されて
第4話 1982年1月25日 しのび寄る影…
第5話 1982年2月01日 ある決断…
最終話 1982年2月08日 執念の果てに…
平均視聴率 17.4%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)
テレビ朝日系列 月曜劇場
前番組 番組名 次番組
骨肉の森
(1981.8.31 - 12.14)
松本清張 黒革の手帖
(1982.1.4 - 2.8)
雨あがりの女
(1982.2.22 - 4.19)

1984年版[編集]

黒革の手帖
ジャンル テレビドラマ
放送時間 平日13:00 - 13:30(30分)
放送期間 1984年1月5日 - 2月24日(37回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 TBS
演出 富本壮吉
原作 松本清張『黒革の手帖』
脚本 柴英三郎
出演者 大谷直子
テンプレートを表示

1984年1月5日より2月24日まで平日13:00 - 13:30に、TBS系列の「花王 愛の劇場」枠で放送された。主演は大谷直子

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

TBS系列 花王 愛の劇場
前番組 番組名 次番組
妻の定年
(1983.10.31 - 12.30)
黒革の手帖
(1984.1.5 - 2.24)
花さくらんぼ
(1984.2.27 - 4.20)

1996年版[編集]

松本清張特別企画
黒革の手帖
ジャンル テレビドラマ
放送時間 土曜日21:00 - 23:21(141分)
放送期間 1996年12月7日(1回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 テレビ朝日
演出 長尾啓司
原作 松本清張『黒革の手帖』
脚本 金子成人
出演者 浅野ゆう子
外部リンク 土曜ワイド劇場
テンプレートを表示

松本清張特別企画・黒革の手帖』は、テレビ朝日系列2時間ドラマ土曜ワイド劇場」(土曜日21:00 - 23:21)で1996年12月7日に放送された。主演は浅野ゆう子

視聴率は18.1%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

テレビ朝日 土曜ワイド劇場
前番組 番組名 次番組
松本清張特別企画
黒革の手帖
(1996.12.7)
厄除け商売繁盛殺人事件
(原作:鳥羽亮
(1996.12.14)

2004年版[編集]

松本清張 黒革の手帖
ジャンル テレビドラマ
放送時間 木曜日21:00 - 21:54(54分)
放送期間 2004年10月14日 - 12月9日(7回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 テレビ朝日
演出 松田秀知
藤田明二
原作 松本清張『黒革の手帖』
脚本 神山由美子
プロデューサー 内山聖子
中山和記
出演者 米倉涼子
外部リンク 公式サイト

特記事項:
第22回ATP賞(全日本テレビ番組製作社連盟主催)最優秀賞(ドラマ部門)受賞作品
テンプレートを表示

2004年10月14日より12月9日まで毎週木曜日21:00 - 21:54に、テレビ朝日系列の「木曜ドラマ」枠で放送された。主演は米倉涼子

テレビ朝日開局45周年企画。

概要[編集]

第22回ATP賞最優秀賞(ドラマ部門)受賞作品。現在はDVD化されている。原作から脚色がなされている。

この2004年版は米倉涼子、釈由美子ら個性的なタレントも多数出演している。なお、10月21日に放送される予定だった第2回の放送分は、プロ野球日本選手権シリーズ(西武×中日)の中継が「報道ステーション」の放送時間帯まで食い込んでしまい、次の週に順延されたが、この措置に視聴者からのクレームが殺到した。

平均視聴率は15%前後、最終回視聴率は17.7%(瞬間最高視聴率は23.2%)を記録した。また、ラストは原作とは異なる。初回視聴率はこの枠の中では「歴代4位」の高視聴率。

当初は黒木瞳深田恭子の主演で、2時間の単発ドラマとして企画されていたが、テレビ朝日側からの要請でキャスティングを変更しての連続ドラマとなった[9]

このドラマが好調だったことから、放映が始まってほどなく「米倉と松本清張の3部作」という企画が持ち上がり、同じ枠で「松本清張 けものみち」「松本清張・最終章 わるいやつら」が制作されることになる[9]

ストーリー[編集]

銀行員・原口元子は勤務先の銀行から1億2000万円を横領する。元子は架空名義預金者のリストが記された黒革の手帖と引き換えに、銀行に横領を不問に付させることに成功する。やがて、銀座の老舗クラブ「燭台」のママ・岩村叡子のもとで銀座での生き方のイロハを学んだ元子は横領した金を元手に、銀座に「カルネ」(仏:carnet 手帖)という名のクラブを開く。

カルネには、男に捨てられ、途方にくれているところを元子が拾った、山田波子などをホステスとして加え、カルネの経営は順調な滑り出しを見せる。しかし、波子はカルネの常連客の楢林譲治と深い仲になり、楢林から金を引き出して、「カルネと同じビルに自分も店を出す」と言い出す。波子の裏切りに激怒した元子は、写しをとっておいた黒革の手帖を使って、楢林から大金をゆすりとる。そのため、楢林から波子への援助は停止され、波子の開店計画はご破算になる。

波子の放逐に成功した元子は、銀座一の名店「ロダン」が売りに出されていることを知り、ロダン買収のために、新たなターゲットを探し始める。そのころ、カルネには陰のある代議士秘書・安島富夫が顔を出すようになる。男に依存し、挙句の果てに捨てられた母の姿を見て育った元子は、どの男にも頼らず生きていこうと決意していたが、安島に惹かれて行く。

元子の噂は銀座中にとどろき、その噂を聞きつけて、総会屋の長谷川庄司もカルネに顔を出す。そこで、元子と安島が惹かれあっていることを知った長谷川は、元子に安島に近づかないよう警告する。安島への恋を忘れ、ロダン買収に邁進する元子だったが、長谷川は元子に周到な罠を仕掛けていた……。

キャスト[編集]

主人公[編集]
原口 元子
演 - 米倉涼子
元は「東林銀行」北口支店の冴えないベテラン女子行員として勤務、10年間で400万円を貯金する一方、夜はクラブ「燭台」でアルバイトをしていた。
無感動で単調なOL生活から脱却するため、勤務先の架空口座の存在を知り、架空名義預金者(=脱税者)の全リストを写し取った黒革の手帖を武器に大金を横領する。
そして1年足らずで、銀座7丁目WATER TOWERビル3Fにクラブ「Carnet(カルネ、フランス語で「手帖」の意味)」をオープンし、様々な人間を利用し、格も名前も銀座一と言われる老舗クラブ 「RODAN(ロダン)」のママにまでのし上がる。銀座では「絶対誰の囲い物にもならない」「絶対一生誰も愛さない」を信条としている。
母は脳梗塞で京都の病院に入院中(昏睡状態)。元子は未だに、男に依存しながら生きてきた母を軽蔑している。
クラブ「カルネ」[編集]
山田 波子〈23〉
演 - 釈由美子
神戸生まれ(劇中は関西弁)。
元子に拾われ、クラブ「カルネ」のホステスとして勤務して店のナンバーワンになるも恩を忘れて元子に反旗を翻し、「カルネ」の上階(5F)にクラブ「バーデンバーデン」を開店するが元子の策略によって失敗に終わる。
天使の顔をした悪女。甘え上手・世渡り上手なブリっ子。非常に執念深い女。一見天真爛漫に見えても、天性の色気で男を翻弄してしまう。
楢林のお気に入り。
紺野 澄江
演 - 吉岡美穂
クラブ「カルネ」のホステス。バツ1
もとは赤坂の料亭「梅村」の仲居をしていたが、廃業に伴って元子を頼りに「カルネ」に入店する。
控えめで地味な印象だが、客の扱いが上手く世渡り上手。
「自分がオーナーになって何か店をやりたい」と考えているが、元子に利用されてしまう。
橋田とは「梅村」の仲居時代からの顔見知り。
矢沢
演 - 萩野崇
クラブ「カルネ」のボーイ。
美里
演 - 田中夕稀
クラブ「カルネ」のホステス。
麻理
演 - 高野杏子
クラブ「カルネ」のホステス。
元子の関係者[編集]
安島 富夫
演 - 仲村トオル
群馬に選挙区がある民政党の江口衆議院議員の公設秘書
江口急死後、未亡人をおしのけて地盤を継いで立候補(長谷川の後援を得ており、政界進出を計画)。のちに伽耶子と政略結婚する。
母一人子一人で育った(母は故人)。
クールで飄々としているが、実は元子との恋と野心との狭間で悩んでいる。
櫻井 曜子
演 - 紫吹淳宝塚退団後初のドラマ出演)
元子の行きつけの美容院の店長。
タロット占いで元子の運命を占い、有益なアドバイスをおこなう。
真希
演 - 森洋子
元子の行きつけの美容院のスタッフ。
橋田 常雄
演 - 柳葉敏郎
大手進学予備校「橋田医科進学ゼミナール」理事長。江東区有明に自社ビルを構える。
自分1人の手で現在の地位を手にした苦労人。
元子に惚れ込んでしまい、逆に弱みを握られて利用される(そのため元子を「殺したいくらい」憎んでいる)。
岩村 叡子
演 - 山本陽子
老舗クラブ「燭台」のママ。銀座のご意見番的存在。
クラブ経営を学ぶために「燭台」へ来た元子を育てあげ、大口の客を紹介するなどしてくれた師匠であり恩人。
独立後も元子には「分相応な生き方をするように」と忠告している。
かつては長谷川の愛人だった。
長谷川 庄司
演 - 津川雅彦
総会屋。(フィクサー)「神榮商事グループ」会長。政財界に隠然たる影響力を持っている。
普段は穏やかな人柄。元子には偉くなる秘訣として「人を信じないこと、それを相手に感ずかせないこと」と教えた。
安島には期待しており、一人前の政治家に育てようと可愛がっている。
元子にも興味を持っていて「面白い女」と評価している。
楢林美容外科クリニック[編集]
楢林 謙治
演 - 小林稔侍
「楢林美容外科クリニック」院長(本院は新橋)。千葉には分院がある。元は形成外科だったが、美容外科に転じて大成功した。
テレビ出演も多い高名な美容外科医だが相当な女好き。妻の入院を理由に市子とは長年愛人の関係。
「カルネ」で波子と出逢ってしまって以来舞い上がっている。
中岡 市子
演 - 室井滋
「楢林美容外科クリニック」看護婦長(楢林の長年の愛人)。
公私共々20年間、楢林のために全てを捧げ尽くしてきた献身的な女。
私生活は地味。根暗で気弱。他人からの優しさに非常に弱い。
再三の忠告を無視して楢林が自分を捨てて波子に走ったことに激怒し、元子に協力して復讐を遂げる。
だが自分も元子に利用されていたことに気づき、元子を「絶対許さない」と怨みながら楢林のもとに戻って復讐の機会を狙っている(性格も攻撃的に変貌した)。
恭子
演 - 赤坂七恵
「楢林美容外科クリニック」看護師
東林銀行[編集]
村井 亨
演 - 渡辺いっけい
「東林銀行」北口支店次長。
元子の横領の責任を取らされて銀行を辞職する羽目に。
その後は長谷川のもとで働きながら元子に復讐する機会を伺っている。
藤岡 彰一
演 - 小野武彦
「東林銀行」北口支店長。
元子の横領の責任を取って関連会社の窓際に左遷される。
「カルネ」を訊ねて元子を罵倒し復讐しようとするも失敗、自暴自棄になり飛び降り自殺する。
その他[編集]
甲田
演 - 中根徹
クラブ「ロダン」のマネージャー。
秋葉
演 - 上田耕一
会長。
田村
演 - 西田健
弁護士。
伽耶子
演 - 真木よう子
信者20万人の宗教団体「シンギミココロの会」創始者の孫娘。
のちに安島と婚約。

※以下、カッコ内は出演話数

スタッフ[編集]

放送日程[編集]

各話 放送日 サブタイトル 演出 視聴率
第1話 2004年10月14日 銀座の女帝 松田秀知 17.4%
第2話 2004年10月28日 愛欲の獲物 14.9%
第3話 2004年11月04日 愛の口止め料 藤田明二 13.6%
第4話 2004年11月11日 銀座の頂点へ 15.6%
第5話 2004年11月25日 女帝の危機 松田秀知 15.7%
第6話 2004年12月02日 一晩2億の女 13.2%
最終話 2004年12月09日 負けるもんか!銀座の蝶、最期の闘い 松田秀知
藤田明二
17.7%
平均視聴率 15.4%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)
テレビ朝日 木曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
南くんの恋人(2004年版)
(2004.7.8 - 9.16)
松本清張 黒革の手帖
(2004.10.14 - 12.9)
富豪刑事
(2005.1.13 - 3.17)

2005年版[編集]

黒革の手帖スペシャル
〜白い闇
ジャンル テレビドラマ
放送時間 土曜日21:00 - 23:21(141分)
放送期間 2005年7月2日(1回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 テレビ朝日
演出 松田秀知
原作 松本清張『白い闇』
脚本 両沢和幸
プロデューサー 内山聖子
橋本芙美
出演者 米倉涼子
外部リンク 土曜ワイド劇場
テンプレートを表示

黒革の手帖スペシャル〜白い闇』は、テレビ朝日系列2時間ドラマ土曜ワイド劇場特別企画」(土曜日21:00 - 23:21、30分後拡大)で2005年7月2日に放送された。主演は米倉涼子。

松本清張の短編小説「白い闇」を「黒革の手帖」風にアレンジした内容[10]。また「白い闇」は過去に何度かドラマ化されたことがある(詳しくは白い闇を参照)。

「白い闇」を下敷きに、銀座を追われ、復権を目指す元子に接近する大手ホテルチェーンの社長兄弟との愛憎劇を描く。視聴率は16.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)。現在はDVD化されている。

土曜ワイド劇場[11]では1996年7月から番組終了(2017年4月)までの間、全作品共通のエンディングテーマを用いることになっていたが、本作に限り、それを使用する代わりに、連続ドラマ(2004年度版)のエンディングテーマを用いた。

ストーリー[編集]

山田波子の告発によって、銀座を追われた原口元子は、京都のクラブ「千扇」のママをつとめながら、復権の機会をうかがっていた。大手ホテルチェーンの尾関ホテルチェーンの社長・尾関清一に目をつけた元子は、株主総会に出席し、清一の不正を糾弾する。元子に興味を持った清一は、元子に接近し、その度量に惚れる。そして、清一は元子に求婚し、元子を婚約者として周囲に紹介するのだった。やがて、清一は仕事のために、東北へ旅立つが、そこで行方不明になってしまう。清一の腹違いの弟である高瀬俊吉から、十和田湖の近くに清一の愛人の田所常子が住んでいることを聞き出した元子は早速、常子を訪ねるが、常子は「清一さんを返して!」と泣きじゃくるばかりで、らちがあかず、元子は腹をたてて、常子のもとを去る。しかし、その直後、常子の死体が十和田湖で発見され、地元の警察は元子に疑いの目を向ける。警察署に連行された元子に対して、警察官・北見和行は元子の旧悪をまくしたてて、元子を追及していく。そのころ、京都では俊吉が尾関ホテルの経営権を手にいれていた。そして、俊吉は、釈放され京都に戻った元子に接近し……。

キャスト[編集]

原口 元子
演 - 米倉涼子
クラブ「千扇」のママ。かつては銀座一のクラブを経営していたこともあり、銀座に帰る機会をうかがっている。銀座へ凱旋するための足がかりとして尾崎清一に目をつけるが……。
尾関 清一
演 - 豊原功補
尾関ホテルチェーン社長。野心家で、一代でホテルチェーンを築き上げた父親に対抗するため、元子の度量を手にいれようとする。足が不自由。
高瀬 俊吉
演 - 岡本健一
清一の腹違いの弟。清一の運転手をつとめる。兄の清一に対しては複雑な感情を抱いている。兄の失踪後、ホテルの経営権を掌中におさめる。
尾関 孝次郎
演 - 田村高廣
尾関ホテルチェーン総帥。長谷川庄司とは親友で、政財界に隠然とした影響力を持つ。かつては、クラブ「カルネ」の常連だった。
田所 常子
演 - 小沢真珠
清一の愛人。恋愛にのめりこむと見境がつかなくなるところがある。元子に清一を返してくれるよう懇願するが……。
白木 淳三
演 - 吹越満
常子の兄。常子が死んだ真相を探るべく動き回り、元子の周囲にもたびたび出没する。
北見 和行
演 - 西村雅彦
青森県警警部。常子殺害の容疑者として、元子を追及し、捜査の過程で、元子の旧悪を暴いていく。

スタッフ[編集]

2017年版[編集]

黒革の手帖
ジャンル テレビドラマ
放送時間 木曜 21:00 - 21:54(54分)
放送期間 2017年7月 - 9月(予定)
放送国 日本の旗 日本
制作局 テレビ朝日
原作 松本清張『黒革の手帖』
出演者 武井咲
外部リンク 公式サイト
テンプレートを表示

2004年版と同様、テレビ朝日系「木曜ドラマ」枠にて制作され、松本清張の没後25年となる2017年7月から放送が開始される予定。原口元子役は、米倉涼子の事務所の後輩である武井咲が演じる。

キャスト (2017年版)[編集]

原口 元子
演 - 武井咲

スタッフ (2017年版)[編集]

テレビ朝日 木曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
緊急取調室(第2シリーズ)
(2017年4月20日 - 6月〈予定〉)
黒革の手帖
(2017年7月 - 9月〈予定〉)
-

舞台版[編集]

2006年10月、明治座の1ヶ月公演として行われた。全38場。2009年5月に「松本清張生誕100周年記念」として同じ明治座で再演された。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

脚注・出典[編集]

  1. ^ 小説第一節に、叡子のクラブ・燭台は「銀座の並木通りを土橋近くへ歩く横丁」にあると記され、第三節では、元子のクラブ・カルネが「この(燭台の)すぐ近く」の新築ビルにあると記されている。
  2. ^ 連載時の名は「浜井誠」であったが、単行本化時に変更された。『週刊 松本清張』第4号(2009年、デアゴスティーニ・ジャパン)10-11頁参照。
  3. ^ 著者による「着想ばなし7」(『松本清張全集 第42巻』(1983年、文藝春秋)付属の月報に掲載)を参照。
  4. ^ 税務署員の手紙に関しては、著者による「創作ヒント・ノート」(『小説新潮』1980年2・3月号掲載、後に『作家の手帖』(1981年、文藝春秋)に収録)参照。
  5. ^ 『週刊 松本清張』第4号 10頁参照。
  6. ^ 『週刊 松本清張』第4号 11頁参照。
  7. ^ 山崎哲・芹沢俊介『500メートルの女たち(「恋愛」事件)』(1989年、春秋社)参照。
  8. ^ 『週刊 松本清張』第4号 4-5頁参照。
  9. ^ a b 中山和記 『ワイルドサイド』 春日出版、2008年、257-261頁
  10. ^ 「黒革の手帖スペシャル〜白い闇」制作秘話
  11. ^ 土曜プライム』の一企画扱いに降格後を含む。

外部リンク[編集]