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喪失の儀礼

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
喪失の儀礼
殺人現場となる調布市・深大寺北側の林間地帯
殺人現場となる調布市深大寺北側の林間地帯
作者 松本清張
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 長編小説
発表形態 雑誌連載
初出情報
初出小説新潮1969年1月号 - 12月号
初出時の題名 『処女空間』
出版元 新潮社
挿絵 下高原健二
刊本情報
刊行 『喪失の儀礼』
出版元 新潮社
出版年月日 1972年11月30日
装幀 赤坂三好
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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喪失の儀礼』(そうしつのぎれい)は、松本清張の長編推理小説である。「処女空間」のタイトルで『小説新潮』に連載され(1969年1月号 - 12月号)、1972年11月に新潮社から刊行された。名古屋のホテルと深大寺で起こった医師連続殺人事件の謎を追うミステリー長編。

1994年2003年2016年テレビドラマ化されている。

あらすじ

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名古屋で内科医の学会に参加した住田友吉は、知人に会うと言って日本ライン沿いのホテルを出たあと、名古屋駅近くのホテルの客室内で、死体となって発見された。女性関係や医療関係の線で捜査が進む中、名古屋中署の大塚刑事は、住田が投稿していた現代俳句誌「秀樹」の関係者にあたる。

他方、東京・調布近くの深大寺で、再び医師の死体が発見された。被害者のポケットから犬山の土産物屋のレシートが発見されたことを聞いた大塚は、警視庁の須田一係長と共に捜査を続けるが、やがて謎の赤毛の女が浮上する。

登場人物

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大塚刑事
名古屋中署のベテラン部長刑事。
田村刑事
名古屋中署の若手刑事。独身。
須田警部補
警視庁捜査一課一係長。大塚刑事らと事件の捜査にあたる。
住田友吉
明和医科大学病院の診療主任。38歳。
小池為吉
栄光製薬の販売部係長。
三木章一
業界誌「医事通信」編集長。
山科伊佐緒
現代俳句誌「秀樹」の主宰者。
香原順治郎
香原医院院長。43歳。
萩原和枝
住田友吉に俳句を評価されていた60歳過ぎの女性。
萩原雄一
萩原和枝の息子。脊椎カリエスを病む。27歳。
萩原美奈子
萩原雄一の妻。夫の看護をしている。

エピソード

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  • 社会学者の井上俊は、「『霧の旗』の柳田桐子の復讐の物語を逆回転させ、被害者の死を冒頭において本格推理小説に仕立てれば『喪失の儀礼』になる」「桐子の場合と同じく『喪失の儀礼』の犯人たちの復讐も、常識的な道徳基準からみれば、いささか奇矯で、理不尽ともいえる種類のものだ。しかしそれだけに、推理小説のかたちをとった場合には、犯行動機の見当がつきにくく、謎が深まるという利点がある」と分析した上で、「松本清張の作品には、ときおり、社会的には正当化されえない私的正義の実現をめざす人物が登場する。そして、公的な正義の観点からは、私怨あるいは私憤として切りすてられてしまうもののなかにも、ある種の「正義」がありうることを私たちに示すのである」と述べている[1]

テレビドラマ

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1994年版

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松本清張スペシャル
喪失の儀礼
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『喪失の儀礼』
企画 長富忠裕
脚本 大野靖子
監督 松尾昭典
出演者 古谷一行
吉行和子
エンディング 中村彩花「遥かな時を越えて」
製作
プロデューサー 田中浩三(松竹)
嶋村正敏(日本テレビ)
林悦子(霧企画)
制作 日本テレビ
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1994年1月18日
放送時間21:03 - 22:54
放送枠火曜サスペンス劇場
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松本清張スペシャル 喪失の儀礼』のタイトルで、1994年1月18日21時3分 - 22時54分に日本テレビ系「火曜サスペンス劇場」枠にて放送された。最初の死体が発見されるホテル、大塚刑事の所属ともに仙台の設定。視聴率22.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[2]

キャスト

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スタッフ

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日本テレビ系列 火曜サスペンス劇場
前番組 番組名 次番組
淫らな骨
(原作:土屋隆夫
(1994年1月11日)
松本清張スペシャル
喪失の儀礼
(1994年1月18日)
夜の事情
(原作:連城三紀彦
(1994年1月25日)

2003年版

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松本清張特別企画
喪失の儀礼
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『喪失の儀礼』
脚本 大野靖子
監督 広瀬襄
出演者 泉ピン子
大地康雄
エンディング 中森明菜Days
製作
制作 テレビ東京
BSジャパン
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2003年11月30日BSジャパン
2003年12月3日テレビ東京
放送時間21:00 - 23:24
(地上波では20:54 - 23:18)
放送枠女と愛とミステリー
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松本清張特別企画 喪失の儀礼』のタイトルで、2003年11月30日21時 - 23時24分にBSジャパンの「BSミステリー」枠にて放送された。地上波では、同年12月3日20時54分 - 23時18分にテレビ東京系の「女と愛とミステリー」枠にて放送された。大塚刑事の所属はいわきの設定。

キャスト(2003年版)

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スタッフ(2003年版)

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テレビ東京系列 女と愛とミステリー
前番組 番組名 次番組
松本清張特別企画
喪失の儀礼
(2003年12月3日)
夏樹静子サスペンス
訃報は午後二時に届く
(2003年12月10日)

2016年版

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松本清張特別企画
喪失の儀礼
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『喪失の儀礼』
脚本 深沢正樹
監督 松田礼人
出演者 村上弘明
剛力彩芽
陣内孝則
石黒賢
笛木優子
長谷川朝晴
野村宏伸
高杉亘
黒沢あすか
金子昇
春田純一
寺田農
吉行和子
エンディング ダンドイ舞莉花 from Afro Bop Crew「I'm Okay」
製作
制作 テレビ東京
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2016年3月30日
放送時間21:00 - 23:08
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松本清張特別企画 喪失の儀礼』のタイトルで、2016年3月30日21時 - 23時8分にテレビ東京系で放送された[3]。大塚刑事の所属は静岡県の設定。

キャスト(2016年版)

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スタッフ(2016年版)

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脚注

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出典

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  1. ^ 『松本清張全集 第23巻』(1974年、文藝春秋)巻末の井上による解説。
  2. ^ 林悦子『松本清張映像の世界 霧にかけた夢』(2001年、ワイズ出版
  3. ^ a b c d 村上弘明×剛力彩芽×陣内孝則、トリオで再び松本清張作品に挑む”. ORICON STYLE (2016年2月5日). 2016年2月5日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j “剛力彩芽、松本清張作品の魅力を語る テレ東『喪失の儀礼』出演者一挙発表”. ORICON STYLE (株式会社oricon ME). (2016年3月3日). https://www.oricon.co.jp/news/2066514/full/ 2016年3月3日閲覧。 
  5. ^ a b c d 松本清張特別企画「喪失の儀礼」”. テレビ東京. 2016年2月5日閲覧。

外部リンク

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