恐喝者

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恐喝者
作者 松本清張
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 短編小説
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出オール讀物1954年9月
初出時の題名 『脅喝者』
出版元 文藝春秋新社
刊本情報
収録 『悪魔にもとめる女』
出版元 鱒書房
出版年月日 1955年8月30日
装幀 東郷青児
装画 生沢朗
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恐喝者』(きょうかつしゃ)は、松本清張短編小説。『オール讀物1954年9月号に掲載され、1955年8月に短編集『悪魔にもとめる女』収録の1編として、鱒書房(コバルト新書)より刊行された。当初の題は『脅喝者』。

過去3度テレビドラマ化されている。

あらすじ[編集]

大雨の中、筑後川の堤防が決壊した。近くの刑務所に服役していた尾村凌太は、危険を感じ脱走、濁流の中に飛び込んだ。泳ぎ着いた一軒の家で、凌太は逃げおくれた若い女性に出会う。いよいよその家も潰れそうになったため、凌太はその女を抱えて再び濁流に身を投じる。やっと岸にたどり着いた凌太は、女に人工呼吸を施すが、意識を取り戻した女は、凌太に犯されたと誤解してしまう。それから一年後、凌太は九州の山奥でダム工事の人夫となっていたが、新しい工事監督の傍らにいる女性が、あの時の女であることに気づく。

エピソード[編集]

テレビドラマ[編集]

1960年版[編集]

1960年8月15日8月22日KRテレビ(現:TBS)系列の「ナショナル ゴールデン・アワー」枠(20:30-21:00)、「松本清張シリーズ・黒い断層」の1作として2回にわたり放映。

キャスト
スタッフ
KRT(現:TBS)系列 ナショナルゴールデン・アワー
(松本清張シリーズ・黒い断層)
前番組 番組名 次番組
一年半待て
(1960.8.1 - 8)
恐喝者
(1960.8.15 - 22)
張込み
(1960.8.29 - 9.5)

1962年版[編集]

1962年2月17日2月24日テレビ朝日系列の「指名手配」枠(20:00-20:30)にて2回にわたり放映。

キャスト
スタッフ

1997年版[編集]

松本清張スペシャル
恐喝者
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『恐喝者』
企画 長富忠弘
脚本 大野靖子
監督 松尾昭典
出演者 古谷一行
藤真利子ほか
製作
プロデューサー 田中浩三
佐々木淳一
伊藤祥二
林悦子
制作 日本テレビ
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1997年2月25日
放送時間21:03 - 22:54
放送枠火曜サスペンス劇場
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松本清張スペシャル・恐喝者」。1997年2月25日日本テレビ系列の「火曜サスペンス劇場」枠(21:03-22:54)にて放映。大洪水のシーンにおけるCG処理の多用は、当時日本のテレビドラマとして類例のなかったもの。視聴率17.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[2]

キャスト
スタッフ
監督:藤嘉行
助監督:横井健司
撮影:中橋嘉久
美術:太田喜久男
CG:加瀬秀雄
HAL編集:高橋久則、西潟弘記
合成用プール協力:コスモスポーツクラブ(幼児活動研究会)
日本テレビ系列 火曜サスペンス劇場
前番組 番組名 次番組
刑事
(1997.2.18)
松本清張スペシャル
恐喝者
(1997.2.25)
弁護士・朝日岳之助9
(原作:姉小路祐)
(1997.3.4)

出典[編集]

  1. ^ 『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション 上巻』(2004年、文春文庫)17頁
  2. ^ 林悦子『松本清張映像の世界 霧にかけた夢』(2001年、ワイズ出版)参照。