見送って

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見送って
作者 松本清張
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 短編小説
シリーズ 隠花の飾り
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出小説新潮1978年5月
出版元 新潮社
刊本情報
収録 『隠花の飾り』
出版元 新潮社
出版年月日 1979年12月5日
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見送って』(みおくって)は、松本清張短編小説。『清張短篇新集』第4話として『小説新潮1978年5月号に掲載され、1979年12月に短編集『隠花の飾り』収録の1作として、新潮社より刊行された。

1986年にテレビドラマ化されている。

あらすじ[編集]

昨年女子大を卒業した島村悠紀子は結婚式を迎えた。スピーチの場で、悠紀子の母・基子が、夫を早く喪ったのち、厳格な姑に従いつつ、娘を育ててきたことが、相次いで賞賛される。基子は短歌を作る愉しみを持っていた。しかし、悠紀子にはいまだに解らない歌があった。母はその時信州へ行ったはずなのに、京都で「君」を詠んだ謎の歌を残している…。

親族の見送る中、新郎新婦は新婚旅行へと飛び立っていった。その後一同空港出口へ向かう途中、姑たちの前でふいに立ち止まった基子は…。

エピソード[編集]

  • 著者は本作の手控えのメモを「四十五歳の未亡人。姑あり。戦前から山の手のいい家庭。息子二十五歳。彼は恋愛して結婚する。その新婚旅行を空港に見送った直後、彼女は姑にモーテル(ラブ・ホテル)の経営を宣言して、「亡夫と約束した息子への責任は果したから、今後は自由に生きる」と言う。姑は昔気質のうるさ型。未亡人を知る人々は、彼女がモーテルを経営したと聞いて仰天する。実話。」と記している[1]

テレビドラマ[編集]

松本清張サスペンス 隠花の飾り
見送って
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『見送って』
脚本 大薮郁子
監督 鷹森立一
出演者 司葉子
荒木道子ほか
製作
制作 関西テレビ
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1986年5月19日
放送時間22:00 - 22:54
放送枠関西テレビ制作・月曜夜10時枠の連続ドラマ
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1986年5月19日関西テレビ制作・フジテレビ系列(FNS)の「松本清張サスペンス 隠花の飾り」(22:00-22:54)の1作として放映。視聴率13.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[2]

キャスト
スタッフ
関西テレビ制作・フジテレビ系列 松本清張サスペンス・隠花の飾り
前番組 番組名 次番組
足袋
(1986.5.12)
見送って
(1986.5.19)
愛犬
(1986.5.26)

出典[編集]

  1. ^ 「創作ヒント・ノート」(『小説新潮』1980年2-3月号掲載、『作家の手帖』(1981年、文藝春秋)に収録)参照。
  2. ^ 林悦子『松本清張映像の世界 霧にかけた夢』(2001年、ワイズ出版