三枝成彰

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三枝 成彰
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基本情報
出生名 三枝 成章(さえぐさ しげあき)
生誕 (1942-07-08) 1942年7月8日(76歳)
日本の旗 日本 兵庫県西宮市
出身地 日本の旗 日本
学歴 東京芸術大学音楽学部卒業
東京芸術大学大学院
音楽研究科修了
ジャンル クラシックオペラ
職業 作曲家
担当楽器 ピアノ指揮
事務所 メイ・コーポレーション
公式サイト 作曲家 三枝成彰OFFICIAL WEB SITE(公式サイト)

三枝 成彰(さえぐさ しげあき、1942年7月8日 - )は、日本作曲家。株式会社メイ・コーポレーション代表取締役、東京音楽大学客員教授、日本作編曲家協会副会長、日本交響楽振興財団理事、日本現代音楽協会理事、渡辺音楽文化フォーラム理事、全日本ピアノ指導者協会(PTNA)相談役、サイバー大学客員教授。1989年までは本名の三枝 成章(読みは同じ)名義で活動していた。

略歴[編集]

兵庫県西宮市に生まれ、生後間もなく東京都に移り、千葉県神奈川県を転々として育つ。1946年頃からピアノを習い始め、1951年桐朋学園子供のための音楽教室に入り、入野義朗に作曲を師事。和光学園小学校・中学校・高校を経て、1962年、一浪して東京藝術大学音楽学部作曲科入学。1年後輩に作曲家の池辺晋一郎がいた。1965年、作曲科在学中に安宅賞を受賞。1966年、同作曲科を首席で卒業。1971年に同大学院修了。1987年から東京音楽大学客員教授。1989年、「三枝成章」だと出世しない画数だと姓名判断でいわれたことから芸名を「三枝成彰」に改める。

父は『NHKのど自慢』を発案したNHKの音楽番組のディレクターで音楽評論家の三枝健剛こと三枝嘉雄。成彰自身も7歳のときに『NHKのど自慢』に出演[1]。3歳下の弟はNHKのドラマ演出家・映画監督三枝健起

1980年代半ばからは、『11PM』『CNNデイウォッチ』など、テレビ司会者キャスターコメンテーターとして表舞台に露出するようになり、タレントとして活躍の幅を広げた。

1991年には国際モーツァルテウム財団の委嘱で、モーツァルトの未完の曲「ヴァイオリン、ヴイオラ、チェロのための協奏交響曲イ長調」を補筆・完成させた。アニメ「機動戦士ガンダムシリーズ」(ΖΖΖ逆襲のシャア劇場版Z)の音楽も手がけている。

政治面では、故・羽田孜鳩山由紀夫と親交を持って[2]民主党を長く支持しており、野党支持者という理由でこれまでに多くの仕事を失ったと語っている[3]2007年紫綬褒章を受章。2017年には、旭日小綬章を受章している。

2018年1月滝廉太郎記念館の名誉館長(大分県竹田市)に就任している。

作風[編集]

商業音楽は一貫して作り続けていたが、いわゆる純芸術作品は、1980年代ころまでは十二音技法に代表されるような「前衛」の先鋒であった。しかし、1989年ごろを境に調性のある美しい旋律を持った作品を多く生み出すようになる。

三枝は、人の心に届かない実験音楽を作り続けることにある種の葛藤を抱えながらも、音楽界全体が既存のパラダイムを否定することだけにとらわれていたために、調性のある美しい音楽が発表できなかったと振り返る。だからこそ、これからは人間の心情に訴える第二次の「ロマン派」の時代である(新ロマン主義)と確信し、甘美な旋律をもつオペラを数多く作曲している。

三枝の音楽活動の特徴として挙げられるのが、彼の音楽活動が作曲とプロデュース活動の両輪によって成り立っているという点である。三枝は実験音楽を主としていた若い頃から、自作・他作問わずセルフプロデュースによるコンサートなどを積極的に行ってきており、そのバイタリティーあふれる活動ぶりは同世代の音楽家・芸術家の中でも飛びぬけているものがある。

作風こそ変化したものの、オペラの仕事における三枝のバイタリティーはむしろ旺盛であり、オペラの作曲だけではなく、コンサートの資金集めから台本の発注、出演者や演出のキャスティングなど、初演に至るまで必要な事柄に全て自身が関与している。

代表的なオペラは、新しい解釈の忠臣蔵として話題を呼んだ「忠臣蔵」、プッチーニの作で知られる『蝶々夫人』の遺児・ベンジャミン・ピンカートン・Jr.の母との死別後の生涯を太平洋戦争長崎原爆を交えて描いた「Jr.バタフライ」(上演台本・島田雅彦)など。

合唱曲で有名なのは、1981年文化庁芸術祭優秀賞受賞作品「川よとわに美しく」や、2003年NHK全国学校音楽コンクール高校の部課題曲「あしたはどこから」など。

テレビ音楽は「大河ドラマ」の音楽を2回担当したほか、アニメや映画なども多数作曲。また各界の著名人を集めた六本木男声合唱団を組織、えひめ丸事故への鎮魂歌を作曲、同合唱団で演奏するなど、作曲活動の域は広い。

著作も多数あり、1990年代後半にはワイドショーコメンテーターや民間の選挙啓発団体「選挙に行こう勢!」共同代表なども務めた。

1984年NHKの新大型時代劇『宮本武蔵』でのオープニングテーマは吹奏楽曲にアレンジされ『Overture "FIVE RINGS"』として1985年の第33回全日本吹奏楽コンクールの課題曲の1つとして採用されている。

受賞歴[編集]

  • 東京芸術大学在学中に安宅賞を受賞
  • 芸術祭優秀賞(1974年)
  • 芸術祭優秀賞(1981年)
  • レコード・アカデミー賞(1981年)
  • レコード協会アニメーション部門ゴールデンディスク大賞(1989年)
  • アジア・パシフィック・フィルム・フェスティバル最優秀音楽賞(1989年)
  • イタリア、サレルノ映画祭、チェザーレ・ザヴァッティーニ賞 (1989年)
  • 日本アカデミー賞映画音楽部門優秀音楽賞(1988年)
  • 日本アカデミー賞映画音楽部門最優秀音楽賞(1989年)
  • 日本酒大賞奨励賞(1997年)
  • 兵庫県文化賞(2000年)
  • 兵庫県功労者表彰(2006年)
  • 橘秋子賞(2007年)
  • 紫綬褒章(2007年)
  • プッチーニ国際賞(2008年)
  • 渡辺晋賞(2011年)
  • 旭日小綬章(2017年)

作品[編集]

オペラ[編集]

  • モノオペラ「好色一代女」(1977年)
  • グランドオペラ「龍恋譜」(1978年)
  • ロックオペラ「サロメ」(1978年)
  • ラジオオペラ「記憶交換」(1985年)
  • オペラ「千の記憶の物語」(1991年)
  • オペラ「忠臣蔵」(1997年)
  • オペラ「ヤマトタケル」(2001年)
  • オペラ「Jr.バタフライ」(2004年)
  • モノオペラ「悲嘆」(2008年)
  • オペラ「忠臣蔵 外伝」(2004年)
  • オペラ「KAMIKAZE-神風-」(2013年)
  • オペラブッファ「狂おしき真夏の一日」(2017年)

オラトリオ[編集]

  • オラトリオ「ヤマトタケル」(1989年)

管弦楽曲[編集]

  • ヴァリアツィオーニ13(1967年)
  • 交響曲「動乱」(1979年)
  • 7月のバイオレンス(1983年)
  • THE SYMPHONY(1983年)
  • 交響組曲「Zガンダム」(1985年)
  • 組曲「東京」より “SUMMER”(1986年)
  • ORCHESTRA '89(1989年)
  • プロヴァンス組曲(1989年)
  • 組曲「忠臣蔵」(1998年)

管弦楽と合唱[編集]

  • レクイエム~曾野綾子のリブレットによる(1998年)
  • カンタータ「天涯」(自由人の祈り)(2000年)
  • 「最後の手紙~The Last Message」(2010年)

協奏曲[編集]

  • ピアノ協奏曲 (1971年 管楽器奏者がコーラの瓶を拭くなどのパフォーマンスを取り入れた曲
  • 三絃協奏曲「1993-12-01 SANGEN」(1993年)
  • チェロ協奏曲「王の挽歌」(1993年)
  • ピアノ協奏曲「見よ、西風からの富士」(1994年 混声合唱をともなう)
  • 太鼓協奏曲「太鼓について」(2002年)
  • フルート協奏曲~アンドレア・グリミネッリ委嘱~(2003年)
  • トランペット協奏曲~セルゲイ・ナカリャコフ委嘱~(2004年)
  • ピアノ協奏曲「イカの哲学」(2008年)

バレエ音楽[編集]

  • バレエ音楽「カチカチ山」(1978年)
  • バレエ「A bientôt~だから、さよならはいわないよ」(2006年)

室内楽[編集]

  • デュオコンチェルト(1962)
  • 木管五重奏曲(1963年)
  • 弦楽四重奏のためのノヴェレッテ(1965年)
  • 木管三重奏曲(1966年)
  • COSMOS Ⅰ(1971年)
  • COSMOS Ⅱ(1973年)
  • COSMOS Ⅲ(1974年)
  • COSMOS Ⅳ(1974年)
  • THE GAME Ⅰ(1977年)
  • THE GAME Ⅱ(1977年)
  • RADIATION MISA(1981年)
  • viola'82(1982年)
  • Sho'83(1983年)
  • 風’83.(1983年)
  • FIVE RINGS(1984年)(1985年度全日本吹奏楽コンクール課題)
  • DUO'87(1987年)
  • 幻想の狩人たち~自由への頌歌~(1990年)
  • viola'91(1991年)
  • チェロのためのREQUIEM(1998年)
  • あの世からの声(1998年)
  • まだ見ぬコーンウォールへの旅(1999年)
  • チェロの為の小さなシンフォニー(2005年)
  • 1000人のCelloの為のREQUIEMⅡ~HIROSHIMAの為に~(2009年)
  • 2009年の初夏(2009年)
  • 「送れなかった手紙」~軍服の代わりに制服を着て、戦火へ飛び込んだ71人の学徒兵~浦項の戦闘で1950年8月11日、当時中学3年生で命を落とした故イ・ウグン学徒兵の「送れなかった手紙」(2014年)

独奏[編集]

  • LA・LA-LA-LA・LA(1977年)
  • FLASH Ⅰ(1977年)
  • viola'81(1981年)
  • 組曲≪竹の園生≫(1983年)
  • ブルドックのブルース(ピアノ曲集、全21曲)(1983年)
  • UTA Ⅱ(1987年)
  • Cello'88(1988年)
  • percussion'88(1988年)

合唱曲[編集]

  • 六声のためのマドリガル(1970年)
  • 遊園地の汽車(1973年)
  • 旅立つ朝に(1974年)
  • UTA(1974年)
  • 川よとわに美しく(1986年)
  • 川よとわに美しくPart2(1986年)
  • またあした(1997年)
  • あしたはどこから(1997年)
  • いのちのふるえ(1992年)
  • 千曲川賛歌(1997年)
  • 呪文(1997年)
  • 黒い風琴(1995年)
  • いくたびか(1998年)
  • 二人の星をさがそうよ(1998年)
  • 雪がつもる(1998年)
  • ひとり林に・・・(1998年)
  • 犬が自分のしっぽをみて歌う歌(1998年)
  • 白い街(1998年)
  • 北の海に(1998年)
  • ロマンチストの豚(1998年)
  • 汽車はどこかで汽笛を鳴らす(1998年)
  • ピースロード(1998年)
  • 時天空(1998年)
  • じゅんさいの二十才の君は池に咲く(1998年)
  • 新・千曲川賛歌(2009年)

テーマ曲(テレビ・ラジオ)[編集]

NHK[編集]

日本テレビ[編集]

TBS[編集]

テレビ朝日[編集]

テレビ東京[編集]

BGM[編集]

テレビ[編集]

舞台音楽[編集]

映画音楽[編集]

アニメ[編集]

ゲーム[編集]

その他[編集]

社歌[編集]

  • 明治生命株式会社社歌「元気を届けて空を見よう」
  • グンゼ株式会社イメージソング「BLAND-NEW WAVE」
  • 株式会社富士銀行110周年株式会社NOVA21グループ社歌
  • YULON(台湾の自動車会社)社歌
  • 今がその瞬間(株式会社CSKオリジナル第二社歌)
  • 株式会社ユアーズ社歌「とっておきのEveryday」
  • 明治生命保険相互会社社歌「元気を届けて空を見よう」
  • BAR歌「ぶぶいの<ぶゐ>」平野薫子さんへ
  • 東邦銀行  愛唱歌「愛の歌が聴こえるか?」・応援歌「我らならば」

自治体歌など[編集]

  • 千葉市イメージソング「心の飛行船」政令指定都市移行記念
  • 長岡長和町 町の歌 「美しい町に住む人は
  • 崇教真光 「おお花よ おお光よ」
  • 高岡市民の歌「ふるさと高岡」

校歌[編集]

出演[編集]

テレビ[編集]

CM[編集]

著書[編集]

  • 『Love songs 大作曲家の愛のかたち』1-2 主婦の友社 CD books 1989-90
  • 『人間グラフィティ 三枝成彰対談集』潮出版社 1989
  • 『男が女を嫌いになった日』講談社 1993
  • 『知ったかぶり音楽論』朝日新聞社 1993
  • 『譜面書きの遠吠え』広済堂出版 1996
  • 『大作曲家たちの履歴書』中央公論社 1997 のち文庫 
  • 『三枝成彰オペラに討ち入る』ワック 1999
  • 『名曲の履歴書 挫折を繰り返す人のためのクラシック入門』朝日新聞出版、2012 
  • 『驚天動地のクラシック』キノブックス 2014
  • 『無敵の「一日一食」』SB新書 2016

共著[編集]

  • 『三枝成彰のオペラの楽しみ方 初めて観てみようと思う時に』堀田正実共著 講談社 1993
  • 『人生に座標軸を持て 自分の価値は自分で決める』松井孝典,葛西敬之共著 1999 ウェッジ選書
  • 『特攻とは何だったのか 日本人として忘れてはいけないこと』堀紘一共著 PHP研究所 2009

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 「のど自慢」な人々製作委員会編 『「のど自慢」な人々』 文藝春秋1998年ISBN 416-3543007
  2. ^ “ゆかりの人たちが見た「なるもんじゃない」首相の8カ月”. asahi.com (朝日新聞社). (2010年6月3日). オリジナル2010年6月4日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100604233631/http://www.asahi.com/politics/update/0603/TKY201006030003.html 2010年10月7日10:41閲覧。 
  3. ^ 【代表選挙集会】各界から来賓挨拶 政権交代で真の民主主義国家へと激励」”. 民主党公式サイト (2010年6月3日). 2009年9月1日00:57閲覧。[リンク切れ]

外部リンク[編集]