疑惑 (松本清張)
『疑惑』(ぎわく)は、松本清張の推理小説である[1]。『オール讀物』1982年2月号に、『昇る足音』の題で掲載され(掲載時の挿絵は濱野彰親)、改題の上、同年3月に中編集『疑惑』の表題作として、文藝春秋から発刊された。
1982年に松竹系で映画化され、またこれまで5回テレビドラマ化されている。
目次
あらすじ[編集]
富山新港湾の岸壁で、鬼塚球磨子(くまこ)と夫・白河福太郎の乗った車が、時速40キロのスピードで海へ突っ込み、夫が死亡する事件が起こった。球磨子は車から脱出し助かっていたが、保険金狙いの殺人と疑われ警察に逮捕される。新聞記者の秋谷茂一は、球磨子の過去の新宿でのホステス時代、暴力団員とつるんで詐欺・恐喝・傷害事件を起こし、北陸の財産家である福太郎と結婚後はすぐ、夫に巨額の生命保険をかけた…を詳細に報じた上で、球磨子を「北陸一の毒婦」と糾弾する記事を書いた。秋谷の記事を契機に他のマスコミも追随、日本中が球磨子の犯行を疑わないムードになった。球磨子の弁護人も辞退が続出する中、佐原卓吉(映画・ドラマでは佐原律子)が弁護人となる。球磨子の犯行を確信する秋谷は、佐原に状況を覆す力はないと高をくくっていた。
映画[編集]
疑惑 | |
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Suspicion | |
監督 | 野村芳太郎 |
脚本 |
古田求 野村芳太郎 |
原作 | 松本清張 |
製作 |
野村芳太郎 杉崎重美 |
出演者 |
桃井かおり 岩下志麻 |
音楽 |
芥川也寸志 毛利蔵人 |
撮影 | 川又昴 |
編集 | 太田和夫 |
製作会社 | 松竹・霧プロダクション |
配給 | 松竹・富士映画 |
公開 |
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上映時間 | 127分 |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
配給収入 | 3.7億円[2] |
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1982年9月18日に公開された。製作は松竹・霧プロダクション、配給は松竹・富士映画。原作の焦点は新聞記者・秋谷に当てられているが、映画では、桃井かおり演じる被疑者・球磨子と、岩下志麻演じる女性弁護士・佐原の心理的関係に焦点が当てられている。英語題名『Suspicion』。現在はブルーレイ、 DVD化されている。
キャスト[編集]
- 白河(鬼塚)球磨子
- 演 - 桃井かおり
- 恐喝・傷害などで前科四犯の悪名高い女。福太郎の3億円にも上る保険金の受取人となっている。弁護士はいるが、作中では保険金殺人で死刑判決もあり得ると知り、自身も六法全書を読んだ上で裁判に臨んでいる。子供の頃に養子に出されたり、ホステスとして働いたり、クラブ経営や福太郎に会う前に離婚歴などもあり波乱に満ちた人生を送る。
- 佐原律子
- 演 - 岩下志麻
- 国選弁護人として球磨子の裁判を弁護する。本来民事裁判専門だが、弁護士として有能。裁判中も感情的な言動をする球磨子にも凛とした態度で対応する。証言者たちには、緩急をつけた話し方で証言の矛盾点を探る。離婚経験があり、娘のあやこと月に一度会うことを楽しみにしている。
球磨子に関わる主な人物[編集]
- 秋谷茂一
- 演 - 柄本明
- 事件を追う記者。当初から福太郎の死亡事件は、球磨子による犯行と睨んで取材を行う。新聞記者としての使命感を持ち、親しい刑事たちから情報を聞きこんだり、球磨子の釈明会見で強気な態度で直接疑問をぶつけたりしている。球磨子と親しい豊崎から証言を得るため近づく。
- 豊崎勝雄
- 演 - 鹿賀丈史
- 球磨子の元彼。3年前に詐欺事件を起こし仮釈放中の身で、球磨子のヒモ状態。過去に球磨子の前夫の土地・家屋を共謀してせしめたことがある。事件前に球磨子と会って福太郎の事件と似たような自動車事故の『ケネディ事件』について話したことがあると証言する。
- 白河福太郎
- 演 - 仲谷昇
- 作中では富山で有名な白河酒造の社長。球磨子の夫でお互い再婚同士。車の事故(ほどなくして事件扱い)により死亡。球磨子によると泳ぎは苦手だが釣り好きなこともあり、福太郎が言い出して多額の保険に入ったとのこと。生前、球磨子に惚れ込んでいたが、気弱な性格で親族や球磨子どちらにもいい顔をしていた。
警察関係者[編集]
- 山崎捜査係長
- 演 - 新田昌玄
- 直接捜査を仕切る刑事。保険金殺人疑惑の釈明会見で警察を挑発した球磨子を敵視して捜査にあたる。
- 小林刑事
- 演 - 河原崎次郎
- 事件当初から球磨子が犯人と決めつけて捜査を行う。秋谷とは顔なじみでつい情報を漏らす。
- 刑事課長
- 演 - 山本清
- 確たる証拠がない状態での球磨子の逮捕はできないと慎重かつ確実な態度で殺人による逮捕にこだわる。
- 佐々木刑事
- 演 - 飯島大介
- 球磨子のことを苛立たせる存在として敵視している。小林の先輩刑事。酔うと口が軽くなる。
- 浅野刑事部長
- 演 - 梅野泰靖
- 法医学教授による福太郎の遺体の鑑定結果を受けて刑事たちに報告する。
- 石原署長
- 演 - 小林昭二
- 事件報道がされて数日後、市民から警察署に球磨子を逮捕するよう抗議が殺到したため焦る。
法曹関係者[編集]
- 宗方検事
- 演 - 小林稔侍
- 本作の裁判の検事。証言者たちの様々な証言などから保険金殺人の容疑が掛かった球磨子を厳しく追求する。
- 矢沢裁判長
- 演 - 内藤武敏
- 裁判中球磨子が勝手に発言したり感情的な態度を取るため、手を煩わされる。
- 原山正雄
- 演 - 松村達雄
- 白河家の顧問弁護士。球磨子から裁判の弁護を依頼されるが、土壇場になって長年の持病を理由に弁護を断る。
- 岡村謙孝(かねたか)
- 演 - 丹波哲郎
- 弁護士。原山の大学の後輩。原山によると刑事専門の弁護士としては日本屈指の存在とされる。
主な証言者[編集]
- 安西教授
- 演 - 小沢栄太郎
- 大学医学部教授。福太郎の遺体を鑑定し、裁判で事故当時福太郎は助手席に座っていたと証言する。
- 藤原好郎
- 演 - 森田健作
- 球磨子と福太郎が乗っていた車の事故の目撃者。裁判では、車を運転していたのは球磨子だと証言する。
- 堀内とき枝
- 演 - 山田五十鈴
- 東京のクラブ経営者で、球磨子の元雇い主。球磨子が福太郎と初めて会った頃のことを証言する。
- 木下保
- 演 - 三木のり平
- 福太郎の釣り仲間。福太郎が亡くなる1ヶ月前に会った時のことを証言する。
福太郎の親族など[編集]
- 白河はる江
- 演 - 北林谷栄
- 福太郎の母。周りから『大奥様』と呼ばれる。結婚当初から球磨子のことを良く思っていない。
- 白河宗治(むねはる)
- 演 - 丹呉年克
- 白河家の跡取り息子で中学生。福太郎と前妻の子。球磨子のことを『あの女』呼ばわりして嫌う。
- 島田勝行
- 演 - 水谷貞雄
- 福太郎の義理の弟(福太郎の前妻の弟)。はる江から甥の宗治の後見人を頼まれる。
- 白河藤九郎
- 演 - 大森義夫
- 親族会議で福太郎に、手切れ金を渡して悪評高い球磨子と離縁するように発言する。
- 白河家親族
- 演 - 中村美代子
- 親族会議で、福太郎と球磨子の結婚について白河家が陰口を叩かれるようになったとぼやく。
- 岩崎専務
- 演 - 名古屋章
- 白河酒造の専務。福太郎と球磨子の入籍を事後報告されたり、球磨子の素行の悪さに振り回される。
その他[編集]
- 片岡咲江
- 演 - 真野響子
- 哲郎の後妻。あやこの育ての親。実の子のように愛情を持ってあやこに接している。
- 片岡哲郎
- 演 - 伊藤孝雄
- 一人娘のあやこを引き取り後妻・咲江と暮らす。律子と離婚した時の条件として月に1度あやこを律子に会わせる。
- デスク
- 演 - 小美野欣士
- 秋谷の同僚記者
- 演 - 羽生昭彦
- 記者
- 演 - 城戸卓
- 交通課警官
- 演 - 森下哲夫
- 鑑識課員
- 演 - 遠藤剛
- 警察署受付
- 演 - 小森英明
- 弁護士会幹部
- 演 - 神山寛
- 陪席判事
- 演 - 加島潤
- 看守
- 演 - 小田草之介
スタッフ[編集]
- 監督:野村芳太郎
- 製作:野村芳太郎、杉崎重美
- 脚色:松本清張
- 撮影台本:古田求、野村芳太郎
- 撮影:川又昂
- 美術:森田郷平
- 編集:太田和夫
- 照明:小林松太郎
- 録音:原田真一
- 音楽:芥川也寸志、毛利蔵人
- 助監督:松原信吾
受賞歴[編集]
- 1982年度「キネマ旬報ベストテン」第4位
- 第6回日本アカデミー賞優秀作品賞、優秀監督賞(野村芳太郎)、優秀脚本賞(古田求、野村芳太郎)、優秀主演女優賞(桃井かおり(『青春の門 自立篇』と併せての受賞))、優秀助演男優賞(柄本明(『セーラー服と機関銃』等と併せての受賞)、鹿賀丈史)、優秀音楽賞(芥川也寸志(『幻の湖』と併せての受賞))、撮影賞(川又昂(『道頓堀川』と併せての受賞))、照明賞(小力松太郎(『道頓堀川』と併せての受賞))、録音賞(原田真一(『道頓堀川』と併せての受賞))
- 第37回毎日映画コンクール日本映画優秀賞、脚本賞(古田求、野村芳太郎)
- 第7回報知映画賞主演女優賞(桃井かおり)
エピソード[編集]
- 製作発表は1982年7月9日、東京の帝国ホテルで行われたが、会見後には桃井かおり・岩下志麻と清張の対談が設定された[3]。その後も清張は本映画のロケーションを見学し(『岡倉天心 その内なる敵』の取材を兼ねていた)、出演者と交流した。完成披露試写会は、9月8日に丸の内ピカデリーで行われた[4]。
- 映画の製作発表からまもなく、1974年に発生した別府3億円保険金殺人事件の被疑者Aから、原作者宛に手紙が来た。『疑惑』に書かれた内容は自分のことそのものであるとし、事件に関する意見を原作者に要求するものであったが、清張は事件は創作のヒントにしたにすぎないとして、関与を断った[5]。
- 桃井かおりは、球磨子役のオファーを受けた経緯を次のように語っている。「週刊誌的には私自身がわけもなく嫌われていて最悪な状態だったんで、「いまさらこの役をやる必要はないでしょ」と、うちの事務所は全員大反対(笑)。でも、(中略)等身大の桃井ネタは尽きたと思っていたので、いっそすごく嫌な人とかダメな人を少し作って演じてみたい、とにかく演じたいという気持ちが強かったんですね。球磨子のような人だと思われてこそ大成功くらいの気持ちで、思いっきりやってみようと思ったんです」[6]。
- 自動車事故のロケは富山新港の南側の公共埠頭で西から東に走るように行われた。実況見分の場面では2015年に移転の旧富山商船高専の実習場と3代目の練習船若潮丸が映っている。
- 富山のロケ先で桃井と原作者が食事をした際、オコゼの唐揚げを注文した清張を見て、桃井は「オコゼ食べちゃうんですか」と言ったところ、清張は「似ているからって、僕が食べちゃいけないの」と返し、いっきに緊張がゆるんで和んだと桃井は回顧している[7]。
- 女性弁護士を演じた岩下志麻は、本映画は専門用語が多くセリフも膨大であり、役作りのため、弁護士事務所を訪問したり、家庭裁判所で実際の裁判を見学したりしたが、撮影が真夏に行われたこともあり、終了したあとはしばらく虚脱状態になったと回顧している[8]。
- 映画のラストに関しては、原作者と監督の野村芳太郎の間で、意見の対立があった。野村芳太郎は弁護士が事件の真相を見破り球磨子が救われる結末を主張したのに対し、清張はあくまで辛口の終わり方を主張、結局、清張の意見が通った。本映画は清張が脚本の前半を実際に執筆したものの、実際の映画は古田求と野村芳太郎の書いた部分が大半を占めることになったとされているが[9]、脚色として清張の名がクレジットされているのは、このことが理由となっている[10]。
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テレビドラマ[編集]
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2018年現在、テレビ朝日・フジテレビでそれぞれ2回制作されており、テレビ朝日で2019年に3回目が制作された。
1992年版[編集]
松本清張スペシャル 疑惑 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 松本清張『疑惑』 |
企画 | 鈴木哲夫(フジテレビ) |
脚本 | 金子成人 |
演出 | 長尾啓司 |
出演者 |
いしだあゆみ 小林稔侍 |
製作 | |
プロデューサー |
名島徹(フジテレビ) 小坂一雄(レオナ) 林悦子(霧企画) |
制作 | フジテレビ |
放送 | |
放送国・地域 |
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放送期間 | 1992年11月13日 |
放送時間 | 21:02 - 22:52 |
放送枠 | 金曜エンタテイメント |
「松本清張スペシャル・疑惑」。1992年11月13日21時2分 - 22時52分に、フジテレビ系の『金曜ドラマシアター』で放送された。
キャスト
- 白河球磨子:いしだあゆみ
- 秋谷茂一:石橋凌
- 大場久美子
- 白河福太郎:織本順吉
- 藤原好郎:布川敏和
- 広岡瞬
- 戸川京子
- 斉藤洋介
- 梅津栄
- 原山正雄:草薙幸二郎
- 浦田賢一
- 上月左知子
- 藤本俊和
- 清水章吾
- 佐原卓吉:小林稔侍
スタッフ
- 原作:松本清張「疑惑」
- 脚本:金子成人
- 監督:長尾啓司
- 音楽:岩間南平
- 選曲:山川繁
- カースタント:高橋レーシング
- 撮影協力:宇奈月温泉観光協会、宇奈月ニューオータニホテル、産経新聞、富山テレビ
- 技術協力:映広
- スタジオ:府中多摩スタジオ
- 企画:鈴木哲夫(フジテレビ)
- プロデュース:名島徹(レオナ)、小坂一雄(レオナ)、林悦子(霧企画)
- 制作:フジテレビ、レオナ、霧企画
2003年版[編集]
松本清張没後10年特別企画 疑惑 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 松本清張『疑惑』 |
脚本 | 竹山洋 |
演出 | 大原誠 |
出演者 |
佐藤浩市 余貴美子 |
製作 | |
プロデューサー |
松本基弘(テレビ朝日) 井口喜一(共同テレビ) 鈴木伸太郎(共同テレビ) |
制作 | テレビ朝日 |
放送 | |
放送国・地域 |
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放送期間 | 2003年3月22日 |
放送時間 | 21:00 - 22:51 |
放送枠 | 土曜ワイド劇場 |
特記事項: 土曜ワイド劇場25周年記念スペシャル | |
2003年3月22日21時 - 22時51分に、テレビ朝日系の『土曜ワイド劇場』で、同番組の25周年記念スペシャル、松本清張没後10周年特別企画として放送された。
キャスト
- 秋谷茂一:佐藤浩市
- 白河球磨子:余貴美子
- 沢木登:高橋和也
- 川崎三郎:大沢樹生
- 佐藤文治:河原崎建三
- 秋谷道子:山下容莉枝
- 原山正雄:織本順吉
- 緒方武雄:佐戸井けん太
- 広田幸子:坂上香織
- 中村太:飯田基祐
- 高畠健吉:山西道広
- 渋谷律子:春木みさよ
- 木下保:坂口芳貞
- 中西守:五代高之
- 藤原好郎:真鍋尚晃
- 野島秀夫:皆川拓也
- 田村洋治:海部剛史
- 冒頭の男:掛田誠
- 荒井洸子、榊原大豊、建部和美、児玉美智子、高橋慎太郎、森永健司、中山克己、酒向信司、浜島貴一、佐保祐樹、小薗江愛理、早坂幸謙、西澤美優、神田町子、神田健一
- 豊崎勝雄:江守徹(特別出演)
- 白河福太郎:山本學
- 佐原直吉:中村嘉葎雄
スタッフ
- 原作:松本清張「疑惑」
- 脚本:竹山洋
- 演出:大原誠
- プロデューサー:松本基弘(テレビ朝日)、井口喜一(共同テレビ)、鈴木伸太郎(共同テレビ)
- 技術協力:バスク
- 美術協力:アックス
- カースタント:高橋レーシング
- ロケ協力:金沢フィルムコミッション、富来町観光商工課 ほか
- スタジオ:緑山スタジオ・シティ
- 企画協力:電通ミュージック・アンド・エンタテイメント
- 制作:テレビ朝日、共同テレビ
2009年版[編集]
松本清張生誕100年特別企画 疑惑 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 松本清張『疑惑』 |
脚本 | 竹山洋 |
監督 | 藤田明二 |
出演者 |
田村正和 沢口靖子 |
製作 | |
プロデューサー | 五十嵐文郎ほか |
制作 | テレビ朝日 |
放送 | |
放送国・地域 |
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放送期間 | 2009年1月24日 |
放送時間 | 21:00 - 23:21 |
特記事項: テレビ朝日開局50周年記念 | |
テレビ朝日の開局50周年記念と、松本清張の生誕100周年を記念して、2009年1月24日21時 - 23時21分にテレビ朝日スペシャルドラマとして放送された。視聴率は18.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)。事件の舞台を金沢市としている。
主役の田村にとって、松本清張作品への出演は1984年放送の「松本清張の地の骨」(フジテレビ)以来25年ぶりであった。
なお、カースタントではメルセデス・ベンツCクラス(W202)が使用された。
キャスト
- 佐原卓吉:田村正和
- 白川球磨子:沢口靖子
- 秋谷容子:室井滋
- 田中純子:真矢みき
- 高原マキ:若村麻由美
- 裁判所の判事:内山理名(友情出演)
- 桜井課長:渡辺いっけい
- 鈴木浩介
- 油井昌由樹
- 藤原好郎:中村俊太
- 土屋裕一
- 野島秀夫:橋爪遼
- 山崎樹範
- 大東俊介
- 森下哲夫
- 春木みさよ
- 大堀裁判官:野元学二
- 原山正雄:津川雅彦
- 白川福太郎:小林稔侍
- 小林健
- 井之脇海
- 白川球磨子(少女時代):黒瀬真奈美
- 酒井部長:矢島健一
- 佐々木圭子:朝加真由美
- 木下保:笹野高史
- 大島蓉子、山口ひろ子、長谷川公彦、高野けい子、岡森諦、積圭祐、櫻庭博道、熊谷美香、浅里昌吾、青木一、徳永淳、蓮尾卓美、西山聡、真矢野靖人、福寿奈央、藤田小織、鈴木幸二、篠原楓、諸星すみれ、越中克彦、土田卓、竹岡真悟、赤塚辰浩 ほか
- ナレーション:遠藤憲一
スタッフ
- 原作:松本清張「疑惑」
- 脚本:竹山洋
- 監督:藤田明二
- 音楽:沢田完
- 撮影協力:石川県、石川県観光交流局、七尾市、加賀屋、金沢ニューグランドホテル、金沢市消防局、金沢エキストラ協会、石川県立美術館、北陸鉄道、JR西日本、JR西日本ロケーションサービス、金沢刑務所、小松空港、カシオ計算機、リーガロイヤルホテル東京、伝通院、千代田区観光協会、小川町フィルムコミッション ほか
- スタジオ:緑山スタジオ・シティ
- 技術協力:バスク、テイクシステムズ
- 美術協力:テレビ朝日クリエイト
- 音楽協力:テレビ朝日ミュージック
- 照明協力:共立
- カースタント:タカハシレーシング
- チーフプロデューサー:五十嵐文郎
- プロデューサー:内山聖子
- 協力プロデューサー:江平光男
- 企画協力:ナック、菊池実
- 法律監修:本山信二郎
- ピアノ指導:佐山雅弘
- 制作協力:イン・ナップ
- 協力:北九州市立松本清張記念館、清張生誕100年実行委員会、エヌエス企画、日本文学振興会松本清張賞事務局、北陸朝日放送
- 制作著作:テレビ朝日
遅れネット局
- 高知放送(日本テレビ系列):2009年3月15日日曜日15時 - 17時25分
- テレビジャパン(アメリカ合衆国・カナダ・プエルトリコを対象とするNHK国際放送):2009年8月8日 20時 - 22時5分(東部夏時間)17時 - 19時5分(太平洋夏時間)14時 - 16時5分(ハワイ・アリューシャン標準時)〈いずれも現地時間〉
告発〜国選弁護人[編集]
本作に登場する国選弁護士・佐原を主人公に設定した連続テレビドラマ『告発〜国選弁護人』が、テレビ朝日系で、2011年1月13日から3月3日まで放送された。同ドラマは、『疑惑』に加え、清張の他の短編作品をベースとしたオリジナル脚本に基づき制作されている(エンディングにて、「このドラマは、松本清張原作『疑惑』を参考に、同原作『○○』を挿入して、全体はオリジナルでつくられたフィクションです」とのテロップが流された)。佐原(同ドラマ中での名前は卓治)は、2009年版テレビドラマと同じ田村正和が演じている。
2012年版[編集]
松本清張没後20年特別企画 疑惑 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 松本清張『疑惑』 |
脚本 | 吉本昌弘 |
演出 | 国本雅広 |
出演者 |
常盤貴子 尾野真千子 |
製作 | |
プロデューサー |
千葉行利(ケイファクトリー) 高橋史典(ケイファクトリー) |
制作 | フジテレビ |
放送 | |
放送国・地域 |
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放送期間 | 2012年11月9日 |
放送時間 | 21:00 - 23:17 |
放送枠 | 金曜プレステージ |
「松本清張没後20年特別企画 疑惑」のタイトルで、2012年11月9日21時 - 23時17分にフジテレビ系「金曜プレステージ」にて放送された。平均視聴率14.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)。
映画版同様、女性弁護士と被疑者に焦点をあてた人物設定で、2012年の時代と裁判員制度を取り込んでいる。事件の舞台は新潟県の「西新潟市」としている。カースタントでは、BMW528i(E39)が使用された。
キャスト
- 佐原千鶴:常盤貴子 (東京の弁護士)
- 白河球磨子:尾野真千子 (白河福太郎の後妻)
- 岩瀬厚一郞:松重豊 (越後警察署の警部補)
- 加藤妙子:西田尚美 (加藤善浩の妻)
- 藤原好郎:田中幸太朗 (事件の目撃者)
- 原山正雄:竜雷太 (千鶴の先輩弁護士)※特別出演
- 加藤善浩:近藤芳正 (裁判員)
- 白河福太郎:柄本明 (新潟の老舗鍛冶屋「しらかわや」社長)
- 木下保:ベンガル (白河福太郎の親友)
- 秋谷:近江谷太朗 (週刊誌記者)
- 岡本康之:小木茂光 (検事)
- 白河一也:近藤公園 (白河福太郎の息子)
- 野島秀夫:南周平 (球磨子の店の元バーテン)
- 河崎三郎:宮本大誠 (組員)
- 小菅:中林大樹 (岩瀬警部補の部下)
- 太田:山田キヌヲ (婦警)
- 中村:大河内浩(裁判官)
- 白河静香:映美くらら
- 白河結子:高野志穂
- 裁判員:阿部六郎
- 田代:佐野圭亮
- 岸野:伊東孝明
- 重美:呑山仁奈子
- アナウンサー:村山千代、飛田厚史
- 大谷芳嗣、井之上隆志、中村ゆりか、山﨑千惠子、薬師寺順、椎名泰三、出口高司、橋本亜紀、原扶貴子、猫田直、坂入学、齋藤彰、中村容子、今吉祥子、松田沙希、兒玉宣勝、杉本笑美、佐々木征史、岩田龍門、山中まどか ほか
スタッフ
- 原作:松本清張「疑惑」
- 脚本:吉本昌弘
- 演出:国本雅広
- ロケ協力:旧齋藤家別邸、白山神社、燕喜館、国営越後丘陵公園、新潟大学、月岡温泉観光協会、片貝町煙火協会、長岡西病院、新潟県フィルム・コミッション協議会、新潟観光コンベンション協会、にいがたロケネット、長岡観光コンベンション協会、長岡ロケナビ、柏崎インフォメーションBOX、ホテルオークラ新潟、東京西徳洲会病院、日の出町 ほか
- テーマ音楽:佐藤和郎
- 法律監修:石井誠一郎
- 警察監修:倉科孝靖
- カースタント:タカハシレーシング
- 技術協力:ファーストショット
- 美術協力:フジアール
- VFX:岡野正広、熱田健太郎
- ポスプロ:ビーグル
- スタジオ:緑山スタジオ・シティ、TMC-1スタジオ
- 編成企画:水野綾子(フジテレビ)
- 協力:新潟総合テレビ
- プロデューサー:千葉行利(ケイファクトリー)、高橋史典(ケイファクトリー)
- 制作:フジテレビ
- 制作著作:ケイファクトリー
2019年版[編集]
テレビ朝日開局60周年記念 松本清張ドラマスペシャル 疑惑 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 松本清張『疑惑』 |
脚本 | 竹山洋 |
演出 | 松田秀知 |
出演者 |
米倉涼子 黒木華ほか |
製作 | |
プロデューサー |
峰島あゆみ 菊地裕幸 伊賀宣子 |
制作 | テレビ朝日 |
放送 | |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 |
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放送期間 | 2019年2月3日 |
放送時間 | 日曜21:00 - 23:05 |
放送枠 | 日曜プライム |
放送分 | 125分 |
テレビ朝日系列にて、2019年2月3日の『日曜プライム』(21時 - 23時5分)で『テレビ朝日開局60周年記念松本清張ドラマスペシャル・疑惑』のタイトルで放送された[11][12]。事件の舞台を熱海市としている。また2018年8月4日に逝去した津川雅彦の遺作、最後の出演作品となった[11][12][13]。
キャスト
- 佐原卓子:米倉涼子[13](民事専門の有能な弁護士)
- 白河球磨子:黒木華[13](福太郎の後妻。世間から「鬼クマ」と呼ばれる前科4犯)
- 前田健次:勝村政信[11](球磨子の元夫)
- 秋谷茂一:板尾創路[11](ゴシップ記者)
- 豊崎勝雄:永山絢斗[11](球磨子のマネージャーを名乗る興行師)
- 野田さかゑ:YOU[11](球磨子の”ある秘密”の鍵を握る謎の女)
- 大木暁子:堀田茜[11] (球磨子に顔を焼かれたキャバクラ嬢)
- 佐々木佳子:宮田早苗(「梅花楼」仲居頭)
- 河崎三郎:高橋努
- 藤原好郎:前野朋哉(事件の目撃者)
- 菊池一郎:福本伸一(「菊池雑貨店」店主)
- 安田龍一:岡部たかし(刑事)
- 山田康一郎:長谷川朝晴(静岡地方検察庁 検事)
- 小坂直美:山田真歩(静岡地方検察庁 検事)
- 佐原淳彦:依田司(卓子の亡夫)
- 大貫由紀:萬田久子[11](美容クリニック「オオヌキ・クリニック」院長)
- 白河福太郎:中村梅雀[11](球磨子の現夫。熱海の老舗レストラン「梅花楼」3代目社長)
- 木下保:伊武雅刀[11](福太郎の親友)
- 加藤正義:平泉成[11](裁判長)
- 原山正雄:津川雅彦[13](ベテラン弁護士。卓子に事件を依頼) ※テレビドラマ遺作
- 小田秀子:余貴美子[11] (静岡地方検察庁 検事正)
- ナレーション:遠藤憲一 ※2009年度版も担当
スタッフ
- 原作:松本清張「疑惑」
- 脚本:竹山洋
- 演出:松田秀知
- 音楽:住友紀人[14]
- 法律監修:本山信二郎
- 警察監修:石坂隆昌
- カースタント:タカハシレーシング
- 技術協力:テイクシステムズ、バスク
- VFX・美術協力:テレビ朝日クリエイト
- 照明協力:共立
- 音響効果:スポット
- スタジオ:緑山スタジオ・シティ
- チーフプロデューサー:五十嵐文郎(テレビ朝日)
- ゼネラルプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
- プロデューサー:峰島あゆみ(テレビ朝日)、菊地裕幸(ザ・ワークス)、伊賀宣子(ザ・ワークス)
- 制作協力:ザ・ワークス
- 制作著作:テレビ朝日
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舞台版[編集]
2014年10月4日から26日まで、京都四條南座にて「南座ミステリー劇場」として上演された。
キャスト
- 鬼塚(白河)球磨子:浅野ゆう子 (容疑者)
- 佐原律子:高橋惠子 (弁護士)
- 秋谷茂一:原田龍二 (「週刊潮流」記者)
- 河崎三郎:なだぎ武 (球磨子の情夫)
- 高橋検事:伊藤正之
- 藤原好郎:川野直輝 (目撃者の青年)
- 白河一葉:緑友利恵 (福太郎と前妻の間の娘)
- 白河福太郎:モロ師岡 (球磨子の夫)
- 佐原章夫:佐戸井けん太 (律子の夫)
- 井上惠美子、江口直彌、外山高士、川野直輝、朝倉信二、野田晋市、蟷螂襲、こばやしあきこ、村崎真彩、夢ゆかり、みそ乃、上瀧昇一郎、白井哲也、堺新次、木谷匡勝、都築謙次郎、半田真二
スタッフ
脚注[編集]
- ^ 松本清張による『疑惑』という題の小説は2つあり、もう1つは1956年にサンデー毎日臨時増刊号上に掲載された、短編の時代小説である。こちらもテレビドラマ化されており、1958年日本テレビ系、1959年テレビ朝日系、1960年フジテレビ系と、少なくとも3回制作されている。
- ^ 「邦画フリーブッキング配収ベスト作品」、『キネマ旬報』1983年(昭和58年)2月下旬号、キネマ旬報社、1983年、 117頁。
- ^ 『疑惑戦線-松本清張スーパー・ドキュメントブック』(1982年、工作舎)に、鼎談「男が疑う、女が惑わす」が収録されている。
- ^ 林悦子『松本清張映像の世界 霧にかけた夢』(2001年、ワイズ出版)22-24頁参照。
- ^ 林『松本清張映像の世界 霧にかけた夢』21-22頁参照。
- ^ 『松本清張傑作映画ベスト10 第8巻 疑惑』(2010年、小学館)参照。
- ^ 『松本清張傑作映画ベスト10 第8巻 疑惑』参照。
- ^ 岩下志麻「松本清張先生原作の映画に出演して」(『松本清張研究』第13号(2012年、北九州市立松本清張記念館)収録)参照。
- ^ 撮影の川又昴や古田求からそのように聞いたと、白井佳夫と西村雄一郎は述べている。白井佳夫・大木実・西村雄一郎「映画『張込み』撮影現場からの証言」(『松本清張研究』第2号(1997年、砂書房)収録)参照。
- ^ 林『松本清張映像の世界 霧にかけた夢』22頁参照。
- ^ a b c d e f g h i j k l “米倉涼子、津川雅彦さんを偲ぶ「“人間”を感じる方でした」”. ORICON NEWS. オリコン. (2018年12月28日) 2018年12月28日閲覧。
- ^ a b “津川雅彦さん、遺作は清張作品 米倉涼子ら出演のテレ朝「疑惑」”. Sponichi Annex. スポーツニッポン新聞社. (2018年8月9日) 2018年8月9日閲覧。
- ^ a b c d “津川雅彦さん最後のドラマはテレ朝「疑惑」来年放送”. 日刊スポーツ. (2018年8月9日) 2018年8月9日閲覧。
- ^ “テレビ朝日開局60周年記念 松本清張ドラマスペシャル「疑惑」の音楽を担当しました。”. 住友紀人公式サイト (2019年1月5日). 2019年2月12日閲覧。
外部リンク[編集]
- 疑惑 - allcinema
- 疑惑 - KINENOTE
- Suspicion - オールムービー(英語)
- Suspicion - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- 金曜プレステージ 松本清張没後20年特別企画『疑惑』 - フジテレビ - 2012年版テレビドラマの公式サイト。
- 松本清張ドラマスペシャル『疑惑』 - テレビ朝日 - 2019年版テレビドラマの公式サイト。
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- 松本清張の小説
- 1982年の小説
- 日本の推理小説
- オール讀物
- 富山県を舞台とした作品
- 1982年の映画
- 野村芳太郎の監督映画
- 松竹製作の映画作品
- 松本清張原作の映画作品
- 芥川也寸志の作曲映画
- 富山県を舞台とした映画作品
- 裁判ドラマ
- 弁護士ドラマ
- 推理ドラマ
- 松本清張原作のテレビドラマ
- 1992年のテレビドラマ
- 金曜エンタテイメント
- 2003年のテレビドラマ
- 土曜ワイド劇場
- 2009年のテレビドラマ
- テレビ朝日のスペシャルドラマ
- 共同テレビのテレビドラマ
- 金沢市を舞台としたテレビドラマ
- 2012年のテレビドラマ
- 金曜プレステージ
- ケイファクトリーのテレビドラマ
- 新潟県を舞台とした作品
- 2019年のテレビドラマ
- ザ・ワークス
- 日本の舞台作品
- 2014年の舞台作品
- 小説を原作とする舞台作品
- 日曜プライム