父系の指

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父系の指』(ふけいのゆび)は、松本清張短編小説。『新潮』1955年9月号に掲載、加筆修正の上、1956年11月に短編集『風雪』収録の1編として、角川書店(角川小説新書)より刊行された。

1995年にテレビドラマ化されている。

あらすじ[編集]

私の父は伯耆の山村に生まれた。父は19の年に養家を出て、広島で母と連れ合い、九州へ移った。しかし人のよい父はだらしがなく、私の一家は貧しい生活が続くことになった。しっかり者で聞こえる母の弟は、よく私の指を見て「おまえの指の格好は親父そっくりじゃ」と笑った。その笑いには嘲りがあるように思われた。おまえも親父に似てつまらん男になるぞ、という意味が嘲笑にある気がした・・・。

  • 加筆修正後のあらすじ。『新潮』掲載時は、「宗太」という名の人物を中心とした、三人称文体で書かれていた[1]

参考文献[編集]

  • 藤井省三「松本清張の私小説と魯迅「故郷」~「父系の指」から「張込み」への展開をめぐって」(『文學界』2012年6月号掲載)…本作と魯迅の作品を比較しつつ、本作の成立過程を考察した論文。

テレビドラマ[編集]

松本清張特別企画
父系の指
ジャンル テレビドラマ
放送時間 21:00 - 22:54
放送期間 1995年1月16日
放送国 日本の旗 日本
制作局 TBS
演出 堀川とんこう
原作 松本清張『父系の指』
      『骨壺の風景』
      『田舎医師』
      『夜が怕い』
脚本 高木凛
プロデューサー 堀川とんこう
出演者 長塚京三
橋爪功
泉ピン子ほか

特記事項:
第32回ギャラクシー賞大賞受賞作品
1995年度芸術祭作品賞受賞作品
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松本清張特別企画・父系の指」。1995年1月16日TBS系列の「月曜ドラマスペシャル」枠(21:00-22:54)にて放映。視聴率14.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。第32回ギャラクシー賞大賞受賞作品。1995年度芸術祭作品賞受賞作品。原作は「全体の半分ぐらいは事実だが、半分は虚構」であり[2]、登場人物として特に著者自身とその家族を明示した作品ではないが、原作者の没後に制作された本ドラマは、作家として大成した清張の回想話という構成が取られている。

キャスト
スタッフ
TBS系列 月曜ドラマスペシャル
前番組 番組名 次番組
向田邦子新春シリーズ
風を聴く日
(1995.1.9)
松本清張特別企画
父系の指
(1995.1.16)

脚注・出典[編集]

  1. ^ 藤井省三「松本清張の私小説と魯迅「故郷」~「父系の指」から「張込み」への展開をめぐって」参照。
  2. ^ 『松本清張短編全集3 張込み』(1964年、カッパ・ノベルス)巻末の著者による「あとがき」参照。