喜びも悲しみも幾歳月

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喜びも悲しみも幾歳月
Yorokobi mo kanashimi mo ikutoshitsuki 1.jpg
灯台守夫婦を演じる高峰秀子佐田啓二
監督 木下惠介
脚本 木下惠介
原作 木下惠介
出演者 高峰秀子
佐田啓二
音楽 木下忠司
主題歌 若山彰
撮影 楠田浩之
製作会社 松竹
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
配給収入 3憶9109万円[1]
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弾崎灯台(佐渡島)の近くには「喜びも悲しみも幾歳月之像」が建てられている

喜びも悲しみも幾歳月』(よろこびもかなしみもいくとしつき)は、1957年松竹が制作・公開した、木下惠介監督の映画作品である。

解説[編集]

海の安全を守るため、日本各地の辺地に点在する灯台を転々としながら厳しい駐在生活を送る灯台守夫婦の、戦前から戦後に至る25年間を描いた長編ドラマである。

1956年に雑誌掲載された福島県塩屋埼灯台長(当時)田中績(いさお)の妻・きよの手記から題材を得て、木下監督自身が脚本を執筆した。全編にわたりカラー映像で撮影され、単なるホームドラマの枠を超えて日本各地の美しく厳しい風景を活写した大作で、公開当時大ヒット作となり、同年の芸術祭賞を受賞した。

若山彰の歌唱による同名主題歌の「喜びも悲しみも幾歳月」も大ヒットし、後世でも過去の著名なヒット曲としてしばしば紹介されている。

観音崎御前崎安乗崎野寒布岬三原山五島列島瀬戸内海男木島女木島など全国でロケーション撮影を敢行し、ロードムービーの一種としても楽しめる作品である。

後年、3度に渡りテレビドラマ化されたほか、1986年には木下監督自身により時代の変化を加味したリメイク版『新・喜びも悲しみも幾歳月』も映画化されている。

映画の舞台となった灯台[編集]

ファーストシーンに登場した観音崎灯台
舞台の一つ安乗崎灯台

ストーリー[編集]

1932年(昭和7年)、新婚早々の灯台守・有沢四郎と妻・有沢きよ子は、四郎の勤務先の観音埼灯台で暮らし始める。北海道の石狩灯台で雪野・光太郎の2人の子を授かり、九州の五島列島の先の女島灯台では夫婦別居も経験する。その後、弾崎灯台で日米開戦を迎え、戦争で多くの同僚を失うなど苦しい時期もあったが、後輩の野津と野津の妻・真砂子に励まされながら勤務を続ける。また、空襲を逃れて東京から疎開してきた一家と親しくなるなど、新たな出会いもあった。

戦後、男木島灯台勤務の時、息子の光太郎が不良とのケンカで刺殺される。が、そうした悲しみを乗り越えた先には喜びも待っていた。御前埼灯台の台長として赴任する途中、戦時中に知り合った疎開一家の長男・進吾と娘の雪野との結婚話がまとまったのだ。御前埼灯台から四郎ときよ子の2人は灯台の灯をともして、新婚の雪野と進吾がエジプトカイロに向かうために乗り込んだ船を見守る。遠ざかる船を見ながら、四郎ときよ子は「娘を立派に育てあげて本当によかった。灯台職員を続けていて本当によかった」と、感慨深く涙ぐむのだった。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

テレビドラマ版[編集]

1965年版[編集]

1965年4月6日 - 9月28日TBS系列の『木下恵介劇場』(火曜21:00 - 21:30。大正製薬一社提供)で放送。全26回。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 監督:今井雄五郎、中新井和夫
  • 監修:木下惠介
  • 助監督:中新井和夫、満友敬司、山田良美、白木慶二
  • 記録:篠原二○子、福島マリ
  • 製作主任:末松昭太郎
  • 進行:前田竜平、斉藤稔
  • プロデューサー:桑田良太郎
  • 脚本:楠田芳子
  • 音楽:木下忠司
  • 録音:松竹録音スタジオ
  • 美術:木村芳男
  • 装置:若林孝三郎
  • 装飾:井上宏
  • 結髪:菊地絹、朝野敏子
  • 衣裳:東京衣裳
  • 撮影技術:渡辺浩
  • 照明:荒木勝
  • 編集:斉藤正夫
  • 現像:東洋現像所(現・IMAGICA
  • 協力:海上保安庁香川県
  • 制作:TBS、松竹テレビ室

1972年版[編集]

1972年7月10日 - 8月25日、TBS系列の花王 愛の劇場枠で放送。全35回。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

1976年版[編集]

1976年9月28日 - 1977年1月4日日本テレビ系列「火曜劇場」枠で放送。全15回。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

TBS 木下恵介劇場
前番組 番組名 次番組
石の薔薇
(1965.3.2 - 1965.3.30)
喜びも悲しみも幾歳月
(1965.4.6 - 1965.9.28)
二人の星
(1965.10.5 - 1966.3.29)
TBS 花王 愛の劇場
愛染椿
(1972.5.8 - 1972.7.7)
喜びも悲しみも幾歳月
(1972.7.10 - 1972.8.25)
月よりの使者
(1972.8.28 - 1972.10.27)
日本テレビ 火曜劇場
かげろうの家
(1976.7.6 - 1976.9.21)
喜びも悲しみも幾歳月
(1976.9.28 - 1977.1.4)
愛の嵐
(1977.1.11 - 1977.4.12)

楽曲としての「喜びも悲しみも幾歳月」[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)138頁