絵画
ヒト特有の行動とみられ、顔の輪郭だけを描いた下絵と筆を与えても、高度な知能を持つチンパンジーは顔の絵を描けなかったのに対して、人間の幼児は2歳後半から眼や口を描き込めるようになり、言語能力と密接に関連していると推定される[2]。
文字などを「書く」ことより早く、絵画を「描く」行動は幼少期から見られる行動である[要出典]。発達心理学などの分野では、14歳から18歳程度で完成期と呼ばれる時期を迎え、多くの人はその頃から、ほとんど描かなくなる。子どもの絵に関する社会科学的研究は豊富だが、大人の絵に関する同様の研究は少ない。その一方で、多くの人が描かなくなる年齢を過ぎても活動的に絵を描く人々が居る。歴史的に代表的なのは画家であると言えるが、現代ではより多くの業種に見出される傾向である[要出典]。なお、人間の発達には個人差があり、柔軟な姿勢が必要[3][要検証 ]である。
概説[編集]
絵画は、基本的には、線や色彩を用いて、物の形や姿を平面上に描き出したものである。その起源は有史以前に遡り、スペインで6万5000年以上前にネアンデルタール人が描いたと推定される洞窟壁画が発見されている[4]。また、「絵画は, ある物質の表面に故意に色をつけてつくり上げた「もの」にすぎない」[5]との定義もある。
定義の問題[編集]
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油彩画の初期には板に描かれ、油彩画の以前にはテンペラ画もあった。また額に掛けて壁に飾るのは新しい様態であって、古くは壁に直接描く技法(壁画)があった。そういった古いものも絵画として認識するためには、たとえば「支持体の上に、絵具、すなわち顔料とバインダーを練成したものを筆などにより塗布して構成されたもの[要出典]」という定義が考えられる。
20世紀以降において、絵画の概念の設定にも困難がつきまとう。理由の一つは新しい素材や技法の登場による。切り絵や貼り絵、コラージュ等である。例えばパブロ・ピカソの1912年の作品『籘張りの椅子のある静物』[1]には籘張り糢様の布が画布に直接貼り付けられている。また、イタリアのルーチョ・フォンタナの『空間概念』(1950年代)がある。これは画布に切り目が入った作品である[6]。
組成[編集]
技法的観点、素材的観点は伝統的には組成などと通称された経緯がある。網羅的ではないが体系的範疇が蓋然的にであれ存在し、大学などの教育機関にあっても一定の認識が存在する[要検証 ]。
素材[編集]
以下は素朴なリストである[要出典]。詳細は油彩画、水彩画の項等参照。
- 支持体
- 紙
- 布、特に帆布。他に亜麻布や絹。
- 皮革
- 板
- 鉄板
- ガラス
- 段ボール
- 食器などの工芸品
- 建造物などの壁面や天井
- 絵具(液体着色材料、及び、固体着色材料)
- 油絵具
- 水彩絵具
- パステル
- クレヨン
- その他
- 木炭
- 鉛筆
- 墨
- インク
技法[編集]
[要出典]
- 油彩
- 水彩
- ガッシュ
- ボディーカラー
- テンペラ
- ディステンパー
- 日本画
- 洋画
- 水墨画
- 合成樹脂塗料
- フレスコ
- パステル
- チョークアート
- ペン画
- ドローイング
- クロッキー
- 版画
- 切り絵
- ちぎり絵
- コラージュ
類型[編集]
[要出典]
類語[編集]
図画[編集]
図画(ずが)は、小学校の教科に図画工作[注釈 1]があり、「絵画」と同様の意味で使われることもあるが、絵画のほかに素描(デッサン、ドローイング)、イラスト、版画などを含んでいる。法律文書では「文書図画」のように文書と組み合わせて使われる。なお、絵画に関する学問は画学と称される[要出典]。
平面作品[編集]
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彫刻に対比される絵画ではなく、「立体作品」に対比される「平面作品」という語が登場した。しかし、絵画、版画、イラストレーション、印刷物、映画、写真、2次元コンピュータグラフィックス(2DCG)等が「平面作品」であるかどうか判然とせず、曖昧である。加えて、絵画も立体であるという批判もある。
ギャラリー[編集]
シーギリヤ
500年頃『遊春図』
展子虔 (zh)
600年頃『受胎告知』
ロベルト・カンピン
1425-1430頃
板、油彩
64.1 × 63,.2 cm
メトロポリタン美術館『アルノルフィーニ夫妻』
ヤン・ファン・エイク
1434
板、油彩
81.8 × 59.7 cm
ナショナル ギャラリー(ロンドン)『ピエタ』
ジョヴァンニ・ベリーニ
1460
板、テンペラ
86 × 107 cm
ブレラ絵画館『春 (プリマヴェーラ)』
サンドロ・ボッティチェッリ
1477 - 1478頃
板、テンペラ
203 x 314 cm
ウフィツィ美術館『レオナルド・ロレダン 』
ジョヴァンニ・ベリーニ
1501頃
板、油彩
61.5 × 45 cm
ナショナル ギャラリー(ロンドン)『最後の審判』
ミケランジェロ・ブオナローティ
1535-1541
フレスコ
システィーナ礼拝堂『マルメロ、キャベツ、メロン、胡瓜の実』
フアン・サンチェス・コターン
1602
画布、油彩
65,5 × 81 cm
サンディエゴ美術館『ブラックベリーパイの朝食』
ウィレム・クラースゾーン・ヘーダ
1631
板、油彩
54 x 82 cm
ドレスデン美術館『テュルプ博士の解剖学講義』
レンブラント
1632
画布、油彩
216.5 cm × 169.5 cm
マウリッツハイス美術館『海辺の僧侶』
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ
1808-1810
画布、油彩
110 × 171.5cm
ベルリン美術館『ヴェネツィアの大運河』
ターナー
1850
画布、油彩
91 x 122 cm
メトロポリタン美術館『黒と金のノクターン-落下する花火』
ジェームズ・ホイッスラー
1875
画布、油彩
60.3 × 46.6cm
デトロイト美術館『グランド・ジャット島の日曜日の午後』
ジョルジュ・スーラ
1884-86
画布、油彩
205.7×305.8cm
シカゴ美術研究所
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ 『広辞苑』
- ^ 芸術認知科学を専門とする齋藤亜矢京都芸術大学教授による実験。『産経新聞』朝刊2022年5月28日オピニオン面【テクノロジーと人類】(11)芸術誕生の謎 世界を記号で表現 言語を使い描かれる絵画/長内洋介(科学部編集委員)
- ^ 心身の発達と深いかかわりをもつ子どもの絵の発達 子どもの絵の発達の道筋を探る [子供のしつけ] All About
- ^ D. L. Hoffmann; C. D. Standish; M. García-Diez; P. B. Pettitt; J. A. Milton; J. Zilhão; J. J. Alcolea-González; P. Cantalejo-Duarte et al. (2018). “U-Th dating of carbonate crusts reveals Neandertal origin of Iberian cave art”. Science 359 (6378): 912-915. doi:10.1126/science.aap7778.
- ^ 森田 2000.
- ^ Fondazione Lucio Fontana - Home
参考文献[編集]
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- 岩田, 誠 『見る脳・描く脳―絵画のニューロサイエンス』東京大学出版会、1997年。
- 森田, 恒之監修 『カラー版絵画表現のしくみ―技法と画材の小百科』美術出版社、2000年。
- ゼキ, セミール 著、河内十郎 訳 『脳は美をいかに感じるか ピカソやモネが見た世界』日本経済新聞社、2002年。
関連項目[編集]
絵画関連の催事[編集]
- 日展 - 日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書からなる総合美術展[1]
- 二科展 - 絵画・彫刻・デザイン・写真からなる総合美術展[2]
- 創画展 - 日本画のみを対象とした公募展[3]
- 院展 - 日本画のみを対象とした公募展[4]