素朴派

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素朴派(そぼくは)とは、主として、19世紀から20世紀にかけて存在した、絵画の一傾向のこと。ナイーヴ・アート: Naïve Art)、パントル・ナイーフ: Peintre Naïf)と呼ばれることもある。一般には、画家を職業としない者が、正式の教育を受けぬまま、絵画を制作しているケースを意味する。すなわち、その者には別に正式な職業があることが多い。アウトサイダー・アートも参照。

素朴派の画家は美術界の潮流については無関心、というかあまり知らないのでかえって独創的な作風に至ることが多い。技術的なことにはあまり関心がなく、どのような手法で描くかよりも何を描くか、すなわちモチーフにこだわる者が多い。

素朴派の作品は対象を写実的に描写した具象的な絵画であることがほとんどであることから、一般的には前衛性がないが、例えばセラフィーヌ・ルイアンリ・ルソーなどの一部の作家については前衛的な要素(幻想性等)を認める考え方も強い。また素人画家とはいえ、グランマ・モーゼスのように晩年になるにつれ明らかに深化を見せる者もおり、特徴と言われる「稚拙さ」はあくまでプロの画家と比較した場合の相対的なものである。

素朴派について語られるとき、プリミティブ・アートプリミティヴィスムという概念がしばしば議論される。素朴派や、精神障害者、未開芸術など正規の西洋美術の教育から外れた美術はプリミティブ・アートとよばれるが、それらの芸術が20世紀の美術界に与えた影響は絶大なものがあり、プリミティヴィスムという一大潮流を作り上げた。著名な画家にゴーギャンパブロ・ピカソモディリアーニシャガールパウル・クレーなどが挙げられる。しかしプリミティヴィスムは、19世紀後半のモネゴッホによって注目されたジャポニスムに比べると研究が進んでいるとは言い難い。

ゴーギャンは十分な美術教育を受けたわけではないが、素朴派の画家たちと異なり、印象派という美術界の潮流の影響を少なくとも一時は受けていたし、古典的な伝統絵画も研究しているのでプリミティブ・アートとは呼ばれず、それらから影響を受けたプリミティヴィスムと呼ばれる。それに対して、自身が精神病患者であったゴッホの扱いは難しい。独学の精神障害者の芸術という点でプリミティブ・アートであったという見方もある一方、ゴーギャンと同様印象派の影響を受け、ミレーなどの伝統絵画を研究していたゴッホは少なくとも自分では、伝統絵画の歴史を継承するプロの芸術家と自負していた。よっていわゆる素人画家、日曜画家ではなく、プロの画家として活動していた時点でプリミティブ・アートとは呼べず、プリミティヴィスムと呼ばれるべきであるという見方もある。一方で、生粋のプリミティブ・アートと目されるルソーでも、一見正統派美術には無関心であったかに見られがちだが実はルネサンス時代の画家パオロ・ウッチェロからの影響が見られることや、絵の具の扱い方においてはプロ顔負けとも言われる技術の持ち主(中でも黒の扱いについてはゴーギャンが「あの黒はルソーにしかだせない」と絶賛するほど)であることから全ての面において素人だったとは言い難く、プリミティブ・アートとプリミティヴィスムの境界は今日でも曖昧である。


素朴派に分類される主たる画家[編集]

(注){}カッコ内は、正式な職業

日本人では、次のような画家が、素朴派とされることがある。

また、「画家」ではないが、次の者が素朴派とされることもある。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]