写実主義
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写実主義(しゃじつしゅぎ)、あるいは現実主義は、現実を空想によらず、ありのままに捉えようとする美術上、文学上の主張のこと。リアリズム(英:Realism)、レアリスム(仏:Réalisme)。
歴史
[編集]ルネサンス以降の西洋美術は現実を忠実に描写することを目指してきたため、広義の写実主義として定義される。この流れは伝統として権威化され、フランスでは芸術アカデミーを中心とするエコール・デ・ボザールがその象徴となったが、後に象徴主義や印象派からの批判を受けることとなった。
19世紀フランスでは、ロマン主義への対抗としてギュスターヴ・クールベが写実主義を唱えた[1]。この動きは文学界にも広がり、フランスのフローベールやバルザック、イギリスのディケンズ、ロシアのドストエフスキー、ブラジルのマシャード・デ・アシス、ポルトガルのエッサ・デ・ケイロスらが代表的作家として挙げられる。
20世紀に入ると、ロシア革命を機に政治的思想を帯びた社会主義リアリズムが成立した。アジア圏においても、日本では坪内逍遥が『小説神髄』にて勧善懲悪などの戯作的要素を排した写実主義を提唱。中国では茅盾が『子夜』や『中国的一日』などの作品を通じて写実主義文学を確立させた。
技法上の変質
[編集]現代の写実手法は、写真に基づくグリッド法やプロジェクタ投影による輪郭転写に大きく依存している。これらは形態捕捉の合理化手段として機能する反面、カメラにより二次元化された視覚情報の二重複製に過ぎない。
プロモーションと批評
[編集]現代の美術市場やメディアにおいては、こうした転写技法の実態が十分に開示されず、「作家の優れた観察眼や純粋なデッサン力による成果」として精神性を強調するプロモーションが行われる傾向がある。展示や解説で作家個人の叙情的なエピソードが強調されることで、技法的背景や美術史的な位置づけが曖昧にされている点も、現代写実絵画に対する重要な批評軸となっている。
脚注
[編集]- ↑ 三次元的直接観察(写生)とイデオロギー性を前提としていた。