男女7人夏物語
男女7人夏物語 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
脚本 | 鎌田敏夫 |
演出 |
生野慈朗 清弘誠 |
出演者 |
明石家さんま 大竹しのぶ 賀来千香子 池上季実子 片岡鶴太郎 奥田瑛二 |
音楽 | SHAKATAK |
オープニング | 石井明美「CHA-CHA-CHA」 |
国・地域 |
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言語 |
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製作 | |
プロデューサー |
武敬子 山本典助 |
制作 | TBS |
放送 | |
放送チャンネル | TBS系列 |
音声形式 | モノラル |
放送国・地域 | ![]() |
放送期間 | 1986年7月25日 - 9月26日 |
放送時間 | 金曜21:00 - 21:54 |
放送枠 | TBS金曜9時枠の連続ドラマ |
放送分 | 54分 |
回数 | 10回 |
番組年表 | |
続編 | 男女7人秋物語 |
特記事項: ATP賞グランプリ受賞 |
『男女7人夏物語』(だんじょしちにんなつものがたり)は、1986年7月25日から同年9月26日にかけて、TBS系列で毎週金曜日21:00 - 21:54(JST)に放送されたテレビドラマである。
概要[編集]
明石家さんまと大竹しのぶを引き合わせ、後に結婚(IMALU誕生、その後離婚)に至った。さんまと大竹の掛け合いの面白さが話題となり、最高視聴率は31%を越え、続編『男女7人秋物語』も制作された。トレンディドラマの元祖であるとも言われる[1]。
ストーリー[編集]
旅行代理店ツアーコンダクター・今井良介が朝起きるとベッドに知らない女が寝ていた。その女を起こさないようにベランダに出て、友人である野上君章に電話をかけるところから物語は始まる。酔って記憶をなくした彼は昨夜、初対面で意気投合した神崎桃子を部屋に泊めていたのだが、桃子にも記憶がなく、目を覚ますなり一悶着となる。
ノンフィクションライターを目指す桃子は、報われぬ恋に身をやつす友人・沢田香里に新しい恋を!と、仲間である浅倉千明や椎名美和子に言われ、取材をした相手に「友達を連れてきて」と合コンを申し込む。桃子から友達を誘うよう言われたのは大沢貞九郎。彼は学生時代からの友人である、今井良介と野上君章を誘い、待ち合わせの場所に向かう。
良介と桃子の再会、君章にのめりこむ香里、両親の不仲の影響で女性を真剣に愛せない君章。そして香里を心配しながらも君章と同じ傷を持つ千明。その千明の孤独を心配する貞九郎。会えば喧嘩ばかりしている良介と桃子。それは近所のスーパーでも食堂でもコインランドリーでも、さまざまな場で繰り返されるが、驚くほど2人の好みはそっくりだった。
不器用な千明は良介の明るさと、人に対する肯定的な思いに惹かれる。やがて2人は一夜を共にするが、何かが違うという思いがすぐに2人の間に広がっていく。「彼女はかわいそうな子なんだぞ」君章に言われた良介は言うのだった。「一番好きな人が誰なんか、やっとわかったんや」。嵐の夜、良介の告白がきっかけで、良介と桃子は結ばれる。
けれど桃子にはアメリカ行きの話が持ち上がる。彼女の夢であるノンフィクションライターになることが叶うのだ。2人が離れてはだめだという千明の強い制止が桃子を迷わせるが、良介は彼女の背中を押すのだった。「行って来い。待っててやる」。
一方、君章のつれなさにさんざん悩まされた香里はしたたかさを身につけていく。妊娠したといって彼に迫る同僚の女性の嘘を暴いて彼を助け、自分は君章の前に素敵な男性と共に現れる。君章は香里を抱きしめ、はじめて愛を誓うのだった。ひとりぼっちになった千明には貞九郎の存在が何よりの支えだった。栄転が決まった彼を「行かないでよ、貞ちゃん。あたし、貞ちゃんを好きになる」と千明は止める。
桃子の歓送会には幸せそうな君章と香里、お見合いで結婚が決まって嬉しそうな美和子、そしてお揃いのエプロンをした千明と貞九郎の姿があった。桃子がアメリカに発つその日。良介の励ましで背筋を伸ばし、空港でちょっぴり強引なキスをして桃子は日本を発った。
キャスト[編集]
- 今井良介
- 演 - 明石家さんま
- 職業はツアーコンダクター。貞九郎・君章の友人。
- 浅倉千明
- 演 - 池上季実子
- 職業は為替ディーラー。桃子・香里・美和子の友人。しっかりした性格で友人達の中ではお姉さん的存在。複雑な家庭環境で育ったらしく、心に傷を抱えている。
- 大沢貞九郎
- 演 - 片岡鶴太郎
- 結婚式場に勤務。良介・君章の友人。仕事も良く出来て、人柄も悪くはないのだが、容姿の影響から女性陣から三枚目扱いされてしまう。
- 沢田香里
- 演 - 賀来千香子
- 職業は照明デザイナー。桃子・千明・美和子の友人。
- 椎名美和子
- 演 - 小川みどり
- 職業は西武球場のウグイス嬢。桃子・千明・香里の友人。明るい性格だが、合コンでまだ面識の間もない貞九郎をからかう[注 1]などデリカシーに欠けている面がある。
- 野上君章
- 演 - 奥田瑛二
- 商社勤務。良介・貞九郎の友人。容姿が良く社交的な性格で、合コンでは女性達からモテており、そこで出会った香里と交際するようになる。良介が千明と桃子の間で揺れ動いていた際には「あの子(千明)はかわいそうな子なんだぞ」と千明の心情を思いやり、良介の態度を注意するという一面もある。
- 神崎桃子
- 演 - 大竹しのぶ
- 職業はライター。仕事や友人たちに恵まれているが、香里の為に予定していた約束を忘れてしまうという抜けた面もある。
- 浅倉紀子
- 演 - 大沢逸美
- 千明の妹。
- 今井千歳
- 演 - 加賀まりこ
- 良介の義姉。当初は桃子の事を快く思っておらず、良介の相手は明美がふさわしいと考えていたが、良介の桃子への思いを知ってからは良介と桃子の関係を応援する。
- 神崎徳治
- 演 - 早崎文司
- 桃子の父。厳格な性格で、桃子が良介と交際する事を快く思っていない。
- 出口明美
- 演 - 井原千寿子
- 良介の元恋人。
- コインランドリーの客
- 演 -
- 桃子と良介がコインランドリーを利用している際に来店した男性客。持参したラジカセで石川さゆりの「天城越え」を大音量で聞いて、その場に居合わせた桃子や良介に絡むなど威圧的な態度を取る。その後良介の機転により、バツが悪くなったのか店から退散した。
スタッフ[編集]
- 脚本 - 鎌田敏夫
- 音楽 - SHAKATAK
- 演出 - 生野慈朗、清弘誠
- 主題歌 - 石井明美「CHA-CHA-CHA」(CBSソニー)
- プロデューサー - 武敬子、山本典助
- 制作 - テレパック、TBS
放送日程[編集]
各話 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率 |
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第1回 | 1986年7月25日 | 今晩、おヒマ? | 生野慈朗 | 22.5% |
第2回 | 1986年8月 | 1日接吻 | 22.5% | |
第3回 | 1986年8月 | 8日男と女の電話 | 清弘誠 | 16.6% |
第4回 | 1986年8月15日 | 夜の橋 | 生野慈朗 | 17.3% |
第5回 | 1986年8月22日 | あなたが好き | 清弘誠 | 22.6% |
第6回 | 1986年8月29日 | 隣りの席 | 生野慈朗 | 24.4% |
第7回 | 1986年9月 | 5日嵐の日 | 25.9% | |
第8回 | 1986年9月12日 | こころの傷 | 清弘誠 | 29.0% |
第9回 | 1986年9月19日 | 笑うな! | 29.4% | |
最終回 | 1986年9月26日 | Yes or No | 生野慈朗 | 31.7% |
平均視聴率 24.2%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
エピソード[編集]
- 良介のマンション、桃子のマンションが清洲橋を挟んだ位置にあり、2018年時点でも両マンション共ドラマそのままに存在している[注 2]。
- ドラマ内で、7人がブーツグラス(長靴をかたどったタンブラーグラス)でビールを飲むシーンがあるが、「奥田瑛二の飲み方がカッコいい」と話題になり、以降ブーツグラスでビールを飲むことが若者を中心に流行した[3]。
- 最終話のエンディングは2種類あり、テレビ編で使われたのは桃子が旅立った後、主題歌と共に過去の名場面がフラッシュ的に流れるものだった。もうひとつは、桃子を見送った良介が成田空港内を歩き同業者や社員に向かって挨拶をしている場面を俯瞰的に撮っているものである。前者は本放送やビデオ、DVD版等の通常のドラマ放送で使われており、後者は「さんま・しのぶのなんでもトーク(評判編)」で用いられ、出演者やスタッフロール、主題歌が本編同様に流れている。当最終話の台詞第一声は桃子の「マイケルジャクソン?」である[注 3]。
- 『中居正広の金曜日のスマたちへ』によると、後日放送された「さんま・しのぶのなんでもトーク(評判編)」は生放送であったが、大竹が前夫である服部晴治の余命を医師から聞いた日でもあり、憔悴しきった大竹の顔が画面に映し出されている。直接的な表現はないが会話の節々に「この時は一時間しか寝てなかった」「寝不足だった」という話題が出てきている。そして、服部の死後3か月で『男女7人秋物語』の第1話の撮影に挑んでいる[4]。
- 2022年10月から放映されている創味食品のパスタソース「ハコネーゼ」のテレビCMでは本作品のシーンを題材とした3作品[注 4]が使用されている[5]。
他作品への影響[編集]
- 1986年9月20日放送の『オレたちひょうきん族』の中で、「パーデンネン版男女7人夏物語」を放送している。正式名は「男女7人夏物話(ばなし)」。本家の第9回と最終回の間に当たる。良介役=さんま、貞九郎役=鶴太郎はそのままであったが、野上役を渡辺正行が、桃子役、香里役、千明役を山田邦子が演じている。最後は良介と桃子の父北野武が結ばれハッピーエンドとなる[6]。
- 1987年12月5日放送の『オレたちひょうきん族』の中で、「男女7人冬物語・きのうの続きの“裏話”」を放送している。「きのう」とは、秋物語の12月4日放送、第9回「嘘」の回である。
- 同じ明石家さんまが主演している『心はロンリー気持ちは「…」』シリーズの中では以下のようなパロディが出ている。
- 1986年9月25日放送のパートIVでは、大竹しのぶと柳葉敏郎が出演している。大竹しのぶは清洲橋桃子役で、清洲橋の上で「大っ嫌い!」と叫ぶシーンがある。ちなみに放映日は夏物語最終回(1986年9月26日)の前日であった。
- 1987年10月2日のVIでは、賀来千香子が出演。空港の下りエスカレーターで、夏物語最終回の桃子のように手を振りながら降りて行くシーンがある。
- 1988年5月13日放送のVIIでは、大竹しのぶと岩崎宏美が出演。明石家さんまと関わった恋人同士役が共演している。岩崎宏美は、敬礼のポーズや荒三丸で着ていたジャンパーを羽織っている。
- 1997年2月21日のXでは、離婚後初めて明石家さんまと大竹しのぶが共演。大竹しのぶは幽霊役で出演している。
- 2015年10月12日放送のテレビ放送開始60周年及び明石家さんま還暦記念の特番『TBSもさんまも60歳 伝説のドラマ&バラエティー全部見せます! 夢共演も大連発』にて共演者が29年ぶり再集結しトークや当時の映像などで振り返るコーナーを放送[7]。
- 2017年4月10日放送の『さんタク』で木村拓哉と共に聖地巡礼と称して清洲橋を訪れた。船の上からさんまは白いマンションを指して「ここに住んでいる設定で、ロケもここで行った。(別方向を指して)桃子のマンションもこっちの方にある」と発言しているが、実際は良介が住んでいたのは隣の茶色いマンションであった。番組内では隅田川が木村拓哉の『ロングバケーション』と、さんまの『男女7人秋物語』のロケ地として紹介されたが、当然『夏物語』のロケ地でもある[8]。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ “ドラマタイトルから消えた“夏”――。なぜ夏ドラマは減少しているのか?”. ORICON NEWS. oricon ME (2016年8月11日). 2021年8月12日閲覧。
- ^ a b “男女7人夏物語/DVD-BOX”. TBSショッピング. 2021年8月12日閲覧。
- ^ TV LIFE編集部 編 『1980年代全ドラマクロニクル』学研プラス、2009年4月1日、251頁。ISBN 978-4054041226。
- ^ 『中居正広の金曜日のスマたちへ』女優・大竹しのぶの真相(2006年1月27日・2月3日・10日(3週連続)、TBS)
- ^ 『創味ハコネーゼ新CMに31歳の明石家さんまさん登場』(プレスリリース)創味食品、2022年9月30日 。2022年11月9日閲覧。
- ^ 高橋英樹 (2017年10月28日). “「女芸人No.1決定戦」山田邦子の怒りと辞退は当然”. メディアゴン. 2021年8月12日閲覧。
- ^ “さんま&大竹しのぶが共演『男女7人夏物語』 29年ぶり一夜限りの復活”. ORICON NEWS. oricon ME (2015年10月7日). 2021年8月12日閲覧。
- ^ “木村、明石家それぞれの聖地巡礼へ”. Real Sound. リアルサウンドテック. p. 2 (2017年4月11日). 2021年8月12日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 男女7人夏物語 - TBSチャンネル
- 男女7人夏物語 - Paravi
- 男女7人ロケーションめぐり - archive.today(2013年4月27日アーカイブ分)
TBS系 金曜21時枠連続ドラマ | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
早春物語
(1986.5.23 - 1986.7.18) |
男女7人夏物語
(1986.7.25 - 1986.9.26) |
痛快!OL通り
(1986.10.10 - 1986.12.26) |