リアクション芸人
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リアクション芸人(リアクションげいにん)は、司会者から弄られたり、ドッキリを仕掛けられたり、体を張った仕事をさせられるなどヨゴレ役(かませ犬)が芸風のタレント。それに対してリアクションを取ることからリアクション芸人と呼ばれるようになった。代表的なタレントに上島竜兵、出川哲朗、狩野英孝がいる[1]。
特徴[編集]
芸能界におけるジャンル、カテゴリはお笑いタレント(お笑い芸人)に属するが、基本的にトークを売りとせず漫才やコントなどをしてもすべる(受けない)ため、これらをテレビ番組で披露しない芸人が多い。体を張った仕事から「汚れ役」、「かませ犬」と言われ、『ヨゴレ』(ヨゴレ芸人)、クショクション芸人と呼ばれることもある(ヨゴレ芸人については「ヨゴレ」を参照)。
トーク番組では噛んでしまう事やすべる事が多い。すべり芸を芸風としている者が多く、弄られ役として数多くのバラエティ番組で重宝される。
評価的にはネガティブランキングで上位になることが多い[2]。
歴史[編集]
発祥は定かではないが、1970年代に玉川良一、野呂圭介、稲川淳二、林家ペーらによる『元祖どっきりカメラ』、チャンバラトリオのハリセン芸、ゆーとぴあのゴムパッチン芸、ザ・ドリフターズのたらい芸といった、痛みに苦しむ様で笑いをとるコントが一世を風靡した。80年代に入ると『スーパージョッキー』『オレたちひょうきん族』といった主にビートたけしの関わるバラエティ番組で、稲川淳二、片岡鶴太郎、たけし軍団が体を張ったロケやコーナーを頻繁に行うようになった。「アツアツおでん」「熱湯風呂」などリアクション芸のステレオタイプとされる芸はこの時期に完成した。
90年代以降、『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』『浅草橋ヤング洋品店』など、テリー伊藤が演出を手がけた番組で上島竜兵(ダチョウ倶楽部)、江頭2:50、出川哲朗が頭角を現し、市民権を得るようになった。
2010年代以降のリアクション芸人では小峠英二(バイきんぐ)、中岡創一(ロッチ)、大島美幸(森三中)、クロちゃん(安田大サーカス)などの名前も上がるが、有吉弘行は正当なリアクション芸人の継承者は狩野英孝と認めている[3]。また、リアクション芸人の代表格である上島竜兵は生前に狩野、中岡、大島のリアクション芸を評価しており[4]、特に狩野は上島、出川と共にリアクション芸人トリオとしてBeeTVの『上島・出川・狩野「笑いの神に愛された男たち」』に出演していた[1]。
芸人以外だと、鈴木奈々や関口メンディー(GENERATIONS from EXILE TRIBE/EXILE)のように本業ではないにもかかわらずリアクション芸人としてブレイクした人も出てきており、多様化が進んでいるという見方もある[5][6]。
近年では放送倫理基準の厳重化や番組予算の縮小、更には芸能事務所側がNGを出すケース、コロナ禍によるロケの減少も絡んで、若手の台頭が少なくなっている。
脚注[編集]
- ^ a b ダチョウ&出川のリアクション芸人に狩野英孝が本格仲間入りORICON NEWS - 2012年11月15日
- ^ 出川哲朗は『an・an』で嫌いな男 2001年 - 2005年で第1位で殿堂入りし、江頭2:50は雑誌『日経エンタテイメント』 嫌いな芸人ランキング 2002年 - 2010年、2014年に第1位となった。但し出川は2010年代以降、好感度ランキングが急上昇している。
- ^ 有吉弘行、狩野英孝のネタをかつて酷評も「正当なリアクション芸人の継承者」と認めるエキサイトニュース 2021年5月28日
- ^ 上島竜兵さんが認めていた次世代のリアクション芸人とは?Asagei Biz-アサ芸ビズ 2022年5月22日
- ^ リアクション女王となった鈴木奈々、読モ枠を超えた強烈な“処世術” ORICON NEWS 2016年2月18日
- ^ 関口メンディー「芸人並みのリアクション」に南原清隆も爆笑! 持ち前のバラエティ力を発揮 エンタMEGA 2020年6月22日