トレンディドラマ
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トレンディドラマ(Trendy Drama)は、主に1980年代後半から1990年代前半すなわち昭和後期から平成初期にかけて制作された、都会に生きる男女の生活や恋愛を描いた日本のテレビドラマジャンル。和製英語であり、大まかな傾向や特徴を持つものの、明確な定義は存在しない。
概要
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『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『北の国から』といったそれまでの、庶民の家庭を舞台とし家族間の葛藤、もしくは家庭内問題などをユーモアとパトスを混ぜて描写した「ホームドラマ」に代わって、若者の生活を描写することを特徴としながら1980年代中頃に台頭し、1990年代前半にかけて人気を博した[1]。
年月の経過と共に「トレンディ」と見られる価値観そのものも大きく変化しているが、トレンディドラマ全盛期に考案・ブラッシュアップされた物語における特徴をもつドラマは今もなお多数製作・放映され続けている。
主な特徴
[編集]配役
[編集]女性俳優では浅野温子、浅野ゆう子の「W(ダブル)浅野」や、中山美穂、鈴木保奈美、安田成美、山口智子が起用されていた。
男性俳優では三上博史、柳葉敏郎、陣内孝則、石田純一、江口洋介、織田裕二、吉田栄作、加勢大周などが特に活躍した。織田、吉田、加勢の3人は、「トレンディ御三家」と呼ばれていた。
ターゲット層
[編集]視聴者層は主婦、OL層、男女を問わない若い社会人層であり、主に当時の「F1層」(20歳から35歳であった新人類世代の女性)だったと言われている。
場所・製品
[編集]舞台となる具体的な場所のイメージは、港区や渋谷区、横浜といった都心部(特にウォーターフロントエリア)、湘南や軽井沢、清里といったリゾート地などが象徴的である。通勤路線は東急田園都市線や京王線など、都心から南西方面にのびる路線に設定される傾向にある。
設定・その他
[編集]ラブストーリーにおいては、重苦しく悩みのつきない恋愛とは性質が異なり、あくまで軽やかな恋愛が描かれており、ドロドロしないことが多い。
使われる音楽は、電子楽器を多用したもの、若しくはリズム体が強調されたポップスやスムースジャズ(フュージョン)が多い。『男女7人夏物語』(1986年)および『男女7人秋物語』(1987年)でBGMとして起用されたシャカタクのサウンドは、その象徴的な例として挙げられる。
主な作品
[編集]1980年代
[編集]- 『男女7人夏物語』(1986年、TBS)出演:明石家さんま、大竹しのぶ、奥田瑛二、池上季実子、片岡鶴太郎、賀来千香子
- 『男女7人秋物語』(1987年、TBS)出演:明石家さんま、大竹しのぶ、片岡鶴太郎、岩崎宏美、山下真司、手塚理美
- 『君の瞳をタイホする!』(1988年、フジテレビ)出演:陣内孝則、浅野ゆう子、柳葉敏郎、三上博史、三田寛子、工藤静香
- 『抱きしめたい!』(1988年、フジテレビ)出演:浅野温子、浅野ゆう子、岩城滉一、本木雅弘、石田純一
- 『意外とシングルガール』(1988年、TBS)出演:今井美樹、村上弘明、西郷輝彦、藤井郁弥、小林聡美
- 『君が嘘をついた』(1988年、フジテレビ)出演:三上博史、麻生祐未、工藤静香、大江千里、鈴木保奈美、布施博
- 『ニューヨーク恋物語』(1988年、フジテレビ)出演:田村正和、岸本加世子、真田広之、柳葉敏郎、夏桂子、五十嵐いづみ
- 『君の瞳に恋してる!』(1989年、フジテレビ)出演:中山美穂、前田耕陽、菊池桃子、大鶴義丹、藤田朋子
- 『ハートに火をつけて!』(1989年、フジテレビ)出演:浅野ゆう子、柳葉敏郎、田中美佐子、かとうかず子、布施博、風間トオル
- 『オイシーのが好き!』(1989年、TBS)出演:松下由樹、石田純一、藤井郁弥、岡部まり、杉本彩
- 『同・級・生』(1989年、フジテレビ)出演:緒形直人、安田成美、菊池桃子、石田純一、山口智子
- 『愛しあってるかい!』(1989年、フジテレビ)出演:陣内孝則、小泉今日子、柳葉敏郎、近藤敦、藤田朋子、田中律子
1990年代
[編集]- 『世界で一番君が好き!』(1990年、フジテレビ)出演:浅野温子、三上博史、工藤静香、布施博、石野真子
- 『卒業』(1990年、TBS)出演:中山美穂、織田裕二、仙道敦子、的場浩司、永瀬正敏、河合美智子
- 『恋のパラダイス』(1990年、フジテレビ)出演:浅野ゆう子、本木雅弘、鈴木保奈美、菊池桃子、石田純一、陣内孝則
- 『キモチいい恋したい!』(1990年、フジテレビ)出演:安田成美、田中美奈子、吉田栄作、森尾由美、嶋大輔、団優太
- 『すてきな片想い』(1990年、フジテレビ)出演:中山美穂、柳葉敏郎、相原勇、和久井映見、石黒賢、東幹久
- 『東京ラブストーリー』(1991年、フジテレビ)出演:鈴木保奈美、織田裕二、有森也実、江口洋介、千堂あきほ
- 『101回目のプロポーズ』(1991年、フジテレビ)出演:浅野温子、武田鉄矢、江口洋介、田中律子、石田ゆり子、竹内力
- 『逢いたい時にあなたはいない…』(1991年、フジテレビ)出演:中山美穂、大鶴義丹、森脇健児、設楽りさ子、藤井郁弥、風間トオル
- 『愛という名のもとに』(1992年、フジテレビ)出演:鈴木保奈美、唐沢寿明、江口洋介、洞口依子、石橋保、中野英雄
- 『素顔のままで』(1992年、フジテレビ)出演:安田成美、中森明菜、東幹久、鶴見辰吾、的場浩司
- 『君のためにできること』(1992年、フジテレビ)出演:吉田栄作、石田ゆり子、南野陽子、森脇健児、竹内力
- 『あすなろ白書』(1993年、フジテレビ)出演:石田ひかり、筒井道隆、木村拓哉、鈴木杏樹、西島秀俊
- 『29歳のクリスマス』(1994年、フジテレビ)出演:山口智子、柳葉敏郎、松下由樹、仲村トオル、水野真紀
- 『いつかまた逢える』(1995年、フジテレビ)出演:福山雅治、桜井幸子、今田耕司、大塚寧々、椎名桔平
浅野温子と浅野ゆう子は、上記のように度々起用され、“W浅野”の別名で呼ばれるようになった。
主題歌
[編集]人気作品の主題歌は放送時に繰り返しオンエアされる(タイアップ)。特にアイドルや音楽番組が低迷した1990年代以降、日本国内ではヒット曲の多くをドラマ主題歌が占め、シングル売上が200万枚(ダブルミリオン)に迫ったり、それを突破する楽曲が相次ぎ、音楽市場を活性化させていた。また、各ドラマの最終回のサブタイトルに主題歌の題名がそのまま使われることも多い。
- 『CHA-CHA-CHA』(石井明美、『男女7人夏物語』)
- 『SHOW ME』(森川由加里、『男女7人秋物語』)
- 『アクアマリンのままでいて』(カルロス・トシキ&オメガトライブ、『抱きしめたい!』)
- 『GLORIA』(ZIGGY、『同・級・生』)
- 『JEALOUSYを眠らせて』(氷室京介、『恋のパラダイス』)
- 『今すぐKiss Me』(LINDBERG、『世界で一番君が好き!』)
- 『ラブ・ストーリーは突然に』(小田和正、『東京ラブストーリー』)
- 『SAY YES』(CHAGE&ASKA、『101回目のプロポーズ』)
- 『悲しみは雪のように』(浜田省吾、『愛という名のもとに』)
- 『君がいるだけで』 (米米CLUB、『素顔のままで』)
- 『TRUE LOVE』(藤井フミヤ、『あすなろ白書』)
参考文献
[編集]- ホイチョイ・プロダクションズ「OTV」(ダイヤモンド社、1985年)
脚注
[編集]関連項目
[編集]- 日本のテレビドラマ一覧
- フジテレビ月曜9時枠の連続ドラマ
- ブランディング
- プロダクトプレイスメント
- 鳥人戦隊ジェットマン - 東映製作の「スーパー戦隊シリーズ」第15作(1991年放映)。ヒーロー番組でありながら主人公たちの恋愛模様を描き「戦うトレンディドラマ」「トレンディ戦隊」と呼ばれた。
- ママレード・ボーイ - 「朝日放送テレビ制作日曜朝8時30分枠のアニメ」第10作(1994年放映)。「トレンディアニメ」を標榜し、少女向けアニメでありながらトレンディドラマの要素を導入した。
- ラストクリスマス - 「東京ラブストーリー」から13年後の「ハートスポーツ」が舞台であり、スタッフも「東京ラブストーリー」の制作陣が再び集結した。
- トレンディエース - トレンディドラマがヒットしていたころに、およそ野球選手らしくない細身で端整な顔立ちをしたプロ野球エースピッチャーをトレンディドラマの主人公にたとえてこう呼んだことがある。具体例は西崎幸広、阿波野秀幸、渡辺久信、星野伸之などを参照。
外部リンク
[編集]- トレンディドラマの系譜 - Dra-Navi - ウェイバックマシン(2011年6月16日アーカイブ分)