バイオハザード (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
バイオハザード
Resident Evil
監督 ポール・W・S・アンダーソン
脚本 ポール・W・S・アンダーソン
製作 ポール・W・S・アンダーソン
ジェレミー・ボルト
ベルント・アイヒンガー
サミュエル・ハディダ
製作総指揮 ヴィクター・ハディダ
ダニエル・クレツキー
ロバート・クルツァー
岡本吉起
出演者 ミラ・ジョヴォヴィッチ
ミシェル・ロドリゲス
音楽 マリリン・マンソン
マルコ・ベルトラミ
撮影 デヴィッド・ジョンソン
編集 アレクサンダー・バーナー
配給 アメリカ合衆国の旗 スクリーン・ジェムズ
日本の旗 アミューズピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2002年3月15日
日本の旗 2002年8月31日
上映時間 100分
製作国 イギリスの旗 イギリス
ドイツの旗 ドイツ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $33,000,000[1]
興行収入 $102,441,078[1]
次作 バイオハザードII アポカリプス
テンプレートを表示

バイオハザード』 (Resident Evil) は、2002年公開のアメリカ映画カプコンのゲームソフト『バイオハザード』を原案とした、サバイバルアクションホラー映画である。日本では、アミューズピクチャーズ配給で、2002年8月31日松竹系で公開された。世界興行収入は168億円。

続編として『バイオハザードII アポカリプス』(2004年。以降、『II』)、『バイオハザードIII』(2007年。以降、『III』)、『バイオハザードIV アフターライフ』(2010年。以降、『IV』)が製作されている。『バイオハザードV リトリビューション』は、2012年9月14日に日米公開された。

あらすじ[編集]

21世紀初頭。全米No.1の巨大複合企業であり、アメリカでの家庭用医薬品シェア90%を誇るアンブレラ社。だがその裏の姿は、細菌兵器などの研究開発を手掛ける“死の商人”であった。

ある日、アメリカ合衆国ラクーンシティ郊外に位置するアンブレラ社の地下研究所「ハイブ」で、研究中の生物兵器T-ウイルスが何者かの手によって施設内に漏洩するバイオハザードが発生。空調設備を通じて所員全員がT-ウイルスに感染したため、外部へのウイルス漏出を防ぐべくハイブのメインコンピュータ「レッド・クイーン」は所内の各区画を封鎖して、消火剤であるハロンガスや、スプリンクラーの水を大量に散布し、約500名を超える所員全員を死亡させ、汚染を所内に封じ込めた。この事態を知ったアンブレラ本社は、その原因はレッド・クイーンの故障によるものと推測し、レッド・クイーンをシャットダウンさせるため、自社の特殊部隊を現地に派遣する。その頃、地上の洋館の一室で記憶喪失の女性アリスが目覚める。何も思い出せぬまま彷徨うアリスは、突然謎の男性に抱きかかえられ、次いで突入してきた特殊部隊によって彼共々拘束される。部隊長らしき男性から報告を要求されるも、アリスにはその言葉の意味がわからない。その男性が言うには、記憶喪失の原因は屋敷の防衛システムが散布した神経ガス副作用によるものとのこと。また、アリスと共に捕らえられた男は「警官だ」と名乗るが、警察手帳に記載されていた「マット・アディソン」という氏名は、警察のデータベースには存在していなかった。隊員たちがアリスとマットを連れて屋敷の地下へ移動すると、そこにはハイブ本体へと連絡する地下鉄道が存在していた。一同は早速列車に乗り、バイオハザードの現場へと潜入する。

キャスト[編集]

詳細はバイオハザードシリーズの登場人物を参照。

アリス・アバーナシー
演 - ミラ・ジョヴォヴィッチ
本作の主人公で、洋館で記憶を失っていた女性。27歳。洋館でマットやアンブレラ社の特殊部隊員らと遭遇し、わけもわからぬままハイブへと入った後、徐々に記憶を取り戻していく。実は彼女もアンブレラ社の特殊部隊の隊員で、極めて高い戦闘能力を持つ。
マット・アディソン
演 - エリック・メビウス
アリスが目覚めた洋館にいた男性で、自称“ラクーン市警の新任警官”。妹が一人いるが非業の再会を果たし、自身も後に悲劇的な運命を辿る。
スペンサー・パークス(スペンス)
演 - ジェームズ・ピュアフォイ
アリスたちがハイブへ向かう列車の中で出会った男。38歳。アリスと同様に記憶を失っていた。実は彼の素性はアンブレラ社の特殊工作員で、ハイブへの出入り口にあたる洋館を警備する任務に就いており、そのためにアリスと偽装結婚していた。記憶を取り戻す前は思いやりのある性格であったが、記憶を取り戻した瞬間、本来の目的を思い出し私欲を優先する様になる。しかしそれが仇となり、劇中終盤でリッカーにより襲われ捕食される。その後ゾンビ化し、アリスに襲い掛かるも、あえなく斧で斬殺される。
ジェームス・P・シェイド(ワン)
演 - コリン・サーモン
アンブレラ社特殊部隊隊長。37歳の黒人男性。冷静沈着な性格で、隊員たちからの信頼は厚い。劇中中盤で他の三名の隊員らと共にレーザートラップにより死亡。
レイン・オカンポ
演 - ミシェル・ロドリゲス
アンブレラ社特殊部隊女性隊員。24歳。非常に気が強く、態度や言葉遣いの雄々しい女性。アリスとは戦友の様な絆で結ばれていく。劇中中盤でT-ウイルスに感染し最終的にゾンビ化するも、マットの手で射殺される。なお、日本語吹き替え版ではゾンビ化する直前、吹き替えオリジナルの台詞が登場するが、演じた朴璐美のアドリブである。
チャド・カプラン[2]
演 - マーティン・クルーズ
アンブレラ社特殊部隊隊員。32歳。コンピュータのプロで、IT担当。かなり臆病な性格。劇中終盤で変異したリッカーにより補殺される。
リッカーに殺される瞬間、血や肉が飛び散らないのは、製作のジェレミー曰く「金がなくて」らしい[3]。一方で監督のポールは「続編に出すかもしれないし可能性を残した」と発言している[3]
J.D.サリナス
演 - パスクエール・アリアルディ
アンブレラ社特殊部隊隊員。28歳。ヒスパニック系の出身で、同僚のレインとは親しい友人でもある。物語中盤、ゾンビの大群により捕食され、自身もゾンビ化してレインに襲い掛かるが、レインにより射殺される。
リサ・アディソン
演 - ハイケ・マカッシュ
マットの妹で、アンブレラ社社員。事故当時はハイブに所員として勤務していた。
レッド・クイーン
演(モデル) - ミカエラ・ディッカー
アンブレラ社の独自開発した最先端かつ高性能の人工知能で、ハイブ全体を統御するメインコンピューター。ハイブ内のあらゆる環境と電源とを制御しており、災害や事故など不測の事態に対して完璧な防衛システムを備えている。システムの中枢が置かれているチェンバーはハイブの最下層に位置しており、そこに続く通路はレーザートラップなどのセキュリティシステムにより厳重に守られている。開発者であるプログラマーの娘をモデルにした少女型のホログラムインタフェースとなっており、彼女と直接対話することでレッド・クイーンの制御システムへのアクセスが可能となる。バイオハザード発生時には、いかなる場合であっても感染者を決して施設外へと出さないようプログラムされている。小説版の『I』では、カプランによって記憶媒体にコピーされ、以降彼らと行動を共にするが、最早不要とみなされたアリスに記憶媒体を破壊され、消滅した。また、小説版の『II』では、チャールズ・アシュフォードによってプログラミングされ、彼の娘であるアンジェラ・アシュフォードの容姿がインターフェースという設定。
なお、小説版ではホワイト・クイーンも登場しているが、これは『III』で映画本編にも登場することとなる。
ウィリアム・バーキン博士 / ナレーター
演 - ジェイソン・アイザックス ※ノンクレジット

  

日本語吹き替え[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
ソフト版 ゴールデンシアター
アリス・アバーナシー ミラ・ジョヴォヴィッチ 本田貴子 岡寛恵
マット・アディソン エリック・メビウス 宮本充 内田夕夜
スペンサー・パークス(スペンス) ジェームズ・ピュアフォイ 江原正士 山路和弘
ジェームス・P・シェイド(ワン) コリン・サーモン 大友龍三郎 玄田哲章
レイン・オカンポ ミシェル・ロドリゲス 朴璐美 高山みなみ
チャド・カプラン マーティン・クルーズ 咲野俊介 小森創介
J.D.サリナス パスクエール・アリアルディ 大川透
リサ・アディソン ハイケ・マカッシュ 山川亜弥
レッド・クイーン(モデル) ミカエラ・ディッカー かないみか 大前茜
ウィリアム・バーキン博士 / ナレーター ジェイソン・アイザックス ※ノンクレジット 有本欽隆
その他の吹き替えキャスト 相沢正輝
山像かおり
石塚理恵
谷昌樹
桐本琢也
大坂史子
千島楊子
赤城進
斉藤次郎
横島亘
徳光由禾
三宅健太
風間秀郎
  • 日曜洋画劇場でもゴールデンシアターと同じ素材を使用。
  • 2014年11月16日放送の日曜洋画劇場にて、今作と次作「バイオハザードII アポカリプス」の映像を再編集させた「バイオハザード+バイオハザードII アポカリプス 特別版」が放送された。

※2015年10月7日発売の「吹替洋画劇場」シリーズ「吹替洋画劇場『バイオハザード』デラックス エディション」Blu-rayには本編ディスクとは別に、フジテレビ版の吹き替え版を収録した特典ディスクが付属している。

登場クリーチャー[編集]

詳細はバイオハザードシリーズ#登場クリーチャーや個別項目を参照。

ゾンビ
死亡したハイブの職員たちが、T-ウイルスによって甦ったもの。最も本能的な欲求である、「食欲」に突き動かされ、生き残っている人々を次々と襲う。脊髄を破壊することで、活動を停止する。
ケルベロス
ハイブ内で実験用に飼育されていたドーベルマンが、T-ウイルスに感染したもの。ゾンビと同様に「食欲」に支配され、俊敏な動きで人を襲う。名前の由来は、ギリシア神話に登場する地獄番犬Kerberos」。
リッカー
人体組織に直接T-ウィルスを注入する事で開発された生物兵器で、本作のボスクリーチャー。中盤、リッカーが培養されていたタンクが爆破された事により解放され、アリスらを襲った。新鮮なDNAを摂取することで変異する。変異に伴い、骨格がケルベロスに近い形に変形し、体躯も巨大化した。名前の由来は「舐める者」を意味する英語「licker」。

スタッフ[編集]

作品解説[編集]

後に夫婦となる監督・脚本のポール・W・S・アンダーソンと主演のミラ・ジョヴォヴィッチは共に原作のファンで、自ら望んで本作に携わった。

ゲーム版に使われている設定(巨大企業「アンブレラ」や「T-ウイルス」など)や、世界観をベースに映画オリジナルの要素を加え、その中でストーリーが展開され、作品全体としてはオリジナル要素が強く、登場人物はゲーム版と異なるが、ゾンビやケルベロス(ゾンビ犬)などのクリーチャーは登場する。ホラー要素が強い原作と違って全体的にホラー要素よりもアクション要素が強いのも特徴。

日本ではPG-12指定で、地上波テレビ放送の際には、レーザートラップによる特殊部隊の惨殺シーンなどの残酷描写に修正が加えられた。他の国でもR-15R-18である。

配役[編集]

ミラの来日インタビューによると、当時13歳の弟が大のゲーム好きであり、特に『1』のファンだったことから出演を決めたという。弟の影響からミラ自身も気がつけば1日5時間プレイするほど『バイオハザード』の世界観にハマっていたといい、オファーを受けた時は「主演は私しかいない」と即決したという。また、ポールも数人の女優にオファーを出す予定であったが、最初に会ったミラの熱意を感じ取り、他の女優には会わないまま彼女を抜擢した。

撮影・演出[編集]

ミラは事前のアクショントレーニングをみっちりこなし、1カットを除いてハードなアクションシーンも全て自身が演じた。そのため、ラストシーンでミラの身体に存在するアザは全て本物である。ポールは、何でも自分でやろうとするミラを抑えるのに必死だったという。また、作中の「真っ赤なワンピースブーツ」という出で立ちは、「(アクションシーンなどで)身体の動きをよく見せたい」というミラの希望から、彼女が美術スタッフと共に考案した。衣装の素材を薄くしたため、下着の線がカメラに映らないよう、下着を着けずに撮影に臨んだ。ただし、主な撮影時期が真冬であり、しかも地下の撮影で上着も着られないまま数多くのアクションを行ったことは、ミラにとっても誤算だったという。

ハイブの設計は、主に日本のコンクリート建築を参考にしている。

オマージュ[編集]

映画オリジナルの要素として、『鏡の国のアリス』へのオマージュが挙げられる。

  • ヒロインの名前が「アリス」。
  • ハイブへの入口の通称が「の館」[4]
  • 最初は記憶を失っているが、徐々に異質な世界に適応していく。
  • 人工知能の名称が「レッド・クイーン」。『鏡の国のアリス』には、同名の不可思議な価値観を持つ女王が登場する。

ゲームソフトへの影響[編集]

バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ』には本作のレーザー攻撃システムとレッド・クイーンの設定が、『バイオハザード4』や、『バイオハザード6』にはレーザー攻撃システムが取り入れられている。

各国レイティング[編集]

  • 日本PG-12(12歳未満保護者同伴推奨)
  • アメリカ:R(17歳未満保護者同伴必須)
  • 台湾:R-18
  • 韓国:18

書籍[編集]

バイオハザード
著 - 牧野修角川ホラー文庫、2002年) ISBN 978-4043522040

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b Resident Evil (2002)”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2009年11月29日閲覧。
  2. ^ テレビ版の翻訳ではキャプラン。
  3. ^ a b バイオハザード コメンタリー 1時間25分頃での発言。
  4. ^ 作中では明言されないが、設定では「バンクス・ドラクロワ邸」という名前である。

外部リンク[編集]