マーベル・シネマティック・ユニバースの作中世界

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マーベル・シネマティック・ユニバースの作中世界(マーベル・シネマティック・ユニバースのさくちゅうせかい)は、映画シリーズ『マーベル・シネマティック・ユニバース』(以下『MCU』)に登場する架空の惑星及び次元の一覧である。同時に本項では、各惑星に構えられた代表的な国家・施設も記述する。

概要[編集]

『MCU』の世界観は無数の並行世界から成り立つ“多元宇宙(マルチバース[Multiverse])”である。

アース616(Earth 616)[編集]

登場作品:『ホワット・イフ...?』を除く『MCU』全作品

『MCU』各作品の主な舞台である宇宙/世界。

九つの世界(Nine Realms)[編集]

アース616の宇宙には、北欧神話と同様に世界樹“ユグドラシル”の枝に内包された“九つの世界”が存在し、互いにつながっている。九つの世界の「世界」とは“異世界”ではなく、同一の宇宙の中の異なる星系に存在する“惑星”であり、アスガルド人たちはユグドラシルに内包された惑星を「世界」と呼んでいるに過ぎない。

アスガルド(Asgard)[編集]

九つの世界の頂点と言われる“神の国”。宇宙から見た外見は平らな大地と端から水が流れ落ちている、所謂天動説が信じられていた頃のような星。地球暦2017年に、スルトが“ラグナロク”を発生させたことにより完全に崩壊・滅亡する。

地球[編集]

銀河座標“CO53.FR45887 + 125X47”に位置する、地球そのものである世界。アスガルド人は“ミッドガルド(Midgard)”、銀河の住民たちの多くは“テラ(Terra)”、クリー人とスクラル人は“C-53”とそれぞれ呼称する。天体の外観や構造地形土地人類までの地理全般についての情報は現実世界の地球とほぼ同等のものとして各作品で描写されているが、“ソコヴィア”や“ワカンダ”のような架空の国家も僅かに存在し、『MCU』オリジナルの施設も数多く登場する。 太古の時代にアスガルド人たちが幾度となく訪れ、その際の伝説が北欧神話として残されている。銀河の星々の住民の多くから見たら辺境の地であり、他の惑星に比べて文明の発展がかなり遅れている。近年では、“超人”となった地球人たちがアメリカを中心に善悪問わず次々と出現し、同時に“チタウリ”や“ダーク・エルフ”などの宇宙人らによる侵略も増え始め、彼らによる事件や戦闘が各地で続発しているため平和な惑星と言えなくなっているが、地球最強のヒーローチーム“アベンジャーズ”や、彼らに近しい超人ヒーローたちが守護している。また、6つの“インフィニティ・ストーン”を内包したアイテムの内“テッセラクト/スペース・ストーン”と“アガモットの目/タイム・ストーン”の2つがこの星に存在しており、更にロキによって“セプター/マインド・ストーン”が持ち込まれるなど、いつしか宇宙全体を巻き込んだ事件の中心となっていく。

アメリカ合衆国
ワシントンD.C.
トリスケリオン
セオドア・ルーズベルト島に位置する国際平和維持組織“S.H.I.E.L.D.”の本部施設。
スミソニアン博物館
登場作品:『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー
ナショナル・モールにある博物館。第二次世界大戦で戦死したと長年思われていた英雄であるスティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカが現代で目覚めたことを記念して、2014年以降から彼の生い立ちから大戦中に関する事象・記録までを網羅した展示コーナーが設けられた。
2014年にここを私用で訪ねていたスティーブは、インサイト計画を実行しようとする“ヒドラ”との戦いの直前に、キャプテン・アメリカのレプリカ・ユニフォームを拝借した。戦いの後日にはバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーも来訪し、自身の展示を目の当たりにする。
2024年には、サム・ウィルソン/ファルコンによるの寄贈式も開かれ、スティーブの展示ブースには彼の入隊不合格書のほか、S.H.I.E.L.D.やヒドラの紹介文と“デシメーション”で消滅した人たちの名前が連なって表示されるLEDビジョンも置かれていることが確認され、サムのキャプテン・アメリカ襲名後には同じブース内に新しくイザイア・ブラッドリーの金の立像と、政府に伏せられた彼の生い立ちと貢献を記録した石碑も構えられる。
ニューヨーク州
ヒーローたちの出身地や活動拠点、生活圏が集中しているアメリカの主要行政区画。中心街であるマンハッタン区では、チタウリと結成直後のアベンジャーズとの大規模戦闘である“ニューヨーク決戦”が発生し、同時期には戦地一帯にインフィニティ・ストーンを内包したアイテムが3つ存在していた。
アベンジャーズ・コンパウンド
ニューヨーク州北部にある[1]スターク・インダストリーズ”の倉庫を改装した、アベンジャーズの新本部施設。長らくアベンジャーズに属するヒーローたちの拠点と機能していたが、2024年に過去の時代からタイムトラベルして来たサノスの群勢の宇宙船である“サンクチュアリII”からの爆撃によって本施設は完全破壊され、本施設跡地はそのまま、アベンジャーズをはじめとするヒーローたちとサノスの群勢の最終決戦の場となった。
スターク・タワー(Stark Tower)
登場作品:『アベンジャーズ』、『アベンジャーズ/エンドゲーム
グランド・セントラル駅の北側にトニーのエコ事業の一環として隣接された、80階以上の階層を誇る超高層ビル。上層階は最先端研究設備が整い、アイアンマン・アーマー マーク7のカプセルの射出装置も置かれたラボとカウンターバーが設けられ、そこに繋がるルーフバルコニーにはアイアンマン・アーマーの脱着用のマニピュレーターが展開する設備を有し、“STARK”の看板文字が掲げられている。
2012年時にトニーとペッパー・ポッツによってクリーン・エネルギーの自家発電試験として、“アーク・リアクター”で当施設の照明を点灯させることに成功するが、フィル・コールソンがセキュリティを解除して最上階へ来訪し、テッセラクト捜索をトニーに依頼したため、開発は一時中止となった。
その後ロキに占拠され、彼に操られたエリック・セルヴィグによって屋上に“ワームホール発生装置”が設置され、アーク・リアクターのエネルギーも利用されたが、“J.A.R.V.I.S.”により途中でリアクターを停止された。
アベンジャーズとロキやチタウリらの戦闘で、文字看板や窓ガラスなどが破損してしまったが、ニューヨーク決戦後にトニーとペッパーによって改修が開始される。
後に2023年からタイムトラベルしてきたトニー、スティーブ、スコットの3名がテッセラクトとセプターを入手するため、ニューヨーク決戦終結直後のこのビルに潜入。この時、1階のエントランスがはじめて描写され、S.H.I.E.L.D.理事のアレクサンダー・ピアースや“S.T.R.I.K.E.”らも事後処理のために来訪していたことも明らかになり、スティーブは当時の自身との格闘の末にセプターを得るも、トニーとスコットは当時のハルクとロキの干渉でテッセラクト入手に失敗してしまう。
アベンジャーズ・タワー
スターク・タワーを改修して完成したアベンジャーズの最初の本部施設。
サンクタム・サンクトラム[ニューヨーク](Sanctum Sanctorum[NY])
登場作品:『ドクター・ストレンジ』、『マイティ・ソー バトルロイヤル』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『ロキ』、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
グリニッジ・ヴィレッジブリーカー通り177Aが住所である、ニューヨークの“サンクタム”を守護する砦として建てられた施設で、4階建てで最上階にあるオキュラス[注釈 1]が特徴の洋館。外周を歩く通行人の足を止めさせない呪文がかかっており[2]、地球外の木材のパネルやヨーロッパの城から持ってきた寄木細工の堅木張りの床[2]、輸入タイルを敷いた床[3]の玄関を入るとすぐに上階へのカーブした階段がある広間に出られる。上階の廊下の先の行き止まりは、3つのゲートウェイが並ぶホールとなっており、ゲートウェイはそれぞれ脇にあるダイヤルを回すことで、森の中や砂漠に大海原など、さまざまな場所を行き先として選択できる。最上階は“レリック”を収めたガラスケースが数多く立ち並ぶ陳列室となっている[注釈 2]
下層階は古びた地下室と、洞窟が隣接しており[注釈 3]、前者にはミシンタイプライター冷蔵庫[注釈 4]流し台、髭テンプレートなどの生活用品と、クロスボウ拷問台といった物騒な器具までが無造作に置かれている。後者には触れることで可視化されるエネルギーの壁で洞窟と仕切られたコンパクトなが数千年前の岩の内側に5つ分は構えられており、呪文が入ったテーブル型の岩のダイヤルを回して牢を開けることができる。
2017年時にはロンドンのサンクタム・サンクトラムを破壊した“ゼロッツ”が次の目標として2度に渡って襲撃し、当時の主であるダニエル・ドラムが倒され、施設の内部もかなり荒らされてしまったが、スティーヴン・ストレンジ/ドクター・ストレンジの奮戦により施設の完全破壊は免れ、ゼロッツ撃退後には、ストレンジがここの主となる。
その数ヶ月後にはストレンジが、ロキを伴ってニューヨークに来訪したソーをここに招き、彼らが行方を追っているオーディンの居場所のノルウェーへ導く。
2018年時には、“ビフレスト”によって上階のオキュラスと、1階と2階を繋ぐ階段が突き破られると共にハルク/ブルースが地球に帰還し、その縁でトニーも招かれ、彼らとストレンジたちの邂逅の場となる。
また、ニューヨーク決戦時にはエンシェント・ワンがこの施設の屋上で、サンクタムを守護するために人知れずチタウリを蹴散らしていた。そこへ2023年からタイムトラベルしてきたブルースが来訪し、エンシェント・ワンと交渉して、彼女が持つタイム・ストーンを譲渡される。
2024年時にもストレンジが主として隠遁生活を送っており、秋頃には“至高の魔術師[ソーサラー・スプリーム]”となったウォンが毎月の手入れを忘れたことから、ゲートウェイがシベリアと繋がり、広間が雪だらけとなって魔術師と思しき男女が雪かきを行なっていた。同じ頃にピーター・パーカー/スパイダーマンが、自身の正体を世間に知られた事実を無かったことにしたいとストレンジに相談しようと初めて来館し、このことが、マルチバースからピーター/スパイダーマンに関する複数の人物をアース616に転移させてしまう遠因となり、事態の解決のサポートとしてピーターのガールフレンドのミシェル・ジョーンズ(MJ)と親友のネッド・リーズも来館したほか、ストレンジやピーターによってマルチバースから転移してきたヴィラン一同を前述の牢に一時閉じ込めている。
また、アース91233やアース89521にも同等の施設が存在する。前者ではスティーヴン・ストレンジ/ドクター・ストレンジウォンの拠点として描写され、後者は正史と同様にブルース・バナーが墜落した場所となったが、ストレンジウォンがゾンビと化していたため無人状態となっており、残されていた浮遊マントがブルースと邂逅している。
ミッドタウン高校
ピーターや彼の友人である同級生たちが在籍する理工科高校。
ニュージャージー州
ウエストビュー
ヴィジョンがワンダと暮らす将来のために購入した土地があった小さな町。サノスの群勢との決戦から3週間後にワンダが、極度の絶望感から発生させた“カオス・マジック”でこの町の多くを現実改変させてしまったことから、“マキシモフ事変”と呼ばれる騒動の舞台となる。
キャンプ・リーハイ(Camp Lehigh)
登場作品:『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『ミズ・マーベル
ウィートンにある軍事施設。
大戦中は“戦略科学予備軍SSR”の訓練施設として機能し、敷地内には隊員たちの宿舎や、訓練設備が点在し、マラソンコースの中間地点には高さ数メートルの旗ポールが立っており、先端の掲揚旗をポールをよじ登って取ることには、17年間誰も成功していなかった[注釈 5]。スティーブがペギー・カーターと初めて出会った場所であり、スーパーソルジャー計画の被験者候補として厳しい訓練に汗を流した。
戦後にS.H.I.E.L.D.が発足すると、当施設はS.H.I.E.L.D.の最初の本部施設として機能され、武器弾薬庫の地下にはS.H.I.E.L.D.のロゴとSSRの主要人物たちの顔写真が貼られた事務所があり[注釈 6]、そこの本棚の奥には更に地下へ繋がり、テンキー操作で稼動するエレベーターも隠されており、もう1階分降りると、戦時中に回収されたテッセラクトが収められた保管庫やアーニム・ゾラの人格データが複製されたスーパーコンピュータが設置された機密エリアへ出られる。また1970年時には多数の職員・兵員が勤務し、施設内の地上部分に給油機や多数の軍用車が配置されており、本棟内にペギーの長官室や、ハンク・ピム/アントマン(初代)のラボ[注釈 7]などが構えられていた。
2014年には立入禁止の廃墟と化していたが、スティーブとナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウが、USBメモリにダウンロードしたインサイト計画のファイルの出所であると知り来訪。ゾラからS.H.I.E.L.D.とヒドラについての因縁を聞き、その直後にS.H.I.E.L.D.内部のヒドラ派が放った短距離ミサイルで壊滅する。
後にアベンジャーズの“タイム泥棒”では、1970年の本施設にトニーとスティーブがタイムトラベル・潜入[注釈 8]。トニーはテッセラクトの回収に成功し、その直後には実父である当時のハワード・スタークと交流した。スティーブはピムのラボに潜入して、トニーと共に2023年に帰還するために必要な“ピム粒子”を入手し、その直後に勤務中のペギーを見つけるも、彼女に姿を見せること無くトニーと2023年に帰還する。
さらに“ザ・ブリップ”後の現代においては、壊滅した跡地が改装されて、アベンジャーズを讃えるイベントの“アベンジャー・コン”が催される会場となっている。
カリフォルニア州
スターク邸(Stark's Mansion)
登場作品:『アイアンマン』、『アイアンマン2』、『アイアンマン3
トニーのかつての自宅で、海に面した崖の上にある豪邸。住所はマリブ・ポイント10880、郵便番号は90265。海に面した崖の上にある邸宅で、セキュリティなど全体の管理はJ.A.R.V.I.S.が担当している。リビングには複数のソファーのほかグランドピアノギターが置かれ、屋外プールやジムといった娯楽設備も充実しており、ベッドルームでは、朝になるとガラスのスモークが消えて日光が差し込み、美しく広大な海を見ることができるなど、近未来的な高級住宅である。また、地下には複数の自動車が駐めてある駐車場[注釈 9]と、トニーのラボであるワークショップまで設けられている。しかしトニーの破天荒な行動と研究開発で、ワークショップも含めて邸宅の内壁や設備などが破損することもしばしばであった。
ワークショップ
スターク邸の地下に設置されている駐車場の一部のスペースを、様々な開発・実験用に改築されたトニーのラボ。このスペースもJ.A.R.V.I.S.に管理され、ここに入るにはガラス張りのドアにパスワードをテンキー入力する必要があり、そのパスワードはトニー以外ではごく限られた人物しか知らない。工具各種は勿論、“DUM-E”と“U”をはじめとするトニーの発明品や、キッチン、冷蔵庫、キャプテン・アメリカの盾の試作品などが置かれ、数台のApple製モニターとバーチャルキーボード3Dホログラムを真上に展開するモニターテーブルなどの高性能な最先端設備を複数備える。
そしてトニーが“アイアンマン・アーマー”を開発してからは、ショップの中央にアーマー装着用装置が床部分と天井部分に内蔵され、床部分からは下半身のパーツ用のフィッティング機器、天井部分からは上半身のパーツ用の2本のマニピュレーターが降下し、トニーがアーマーを着脱する際には、それらの装置が駆動する[注釈 10]
2010年には、新設された4台のパソコンモニター付きの机や、アーマーの格納スペース“ホール・オブ・アーマー”が備わるなど、内装が変更された。新設された机のパソコンは起動させるとショップ全体に3Dホログラムを展開し、J.A.R.V.I.S.の操作で物体をスキャニングするシステムまで備える。
2012年のクリスマスシーズン時には、ホール・オブ・アーマーがマーク8以降のアーマーも格納できるよう地下2階分に拡張された。
トニーが世間に自分がアイアンマンであることを公表した直後の夜には、 フューリーがセキュリティを難なく突破して当邸宅に侵入し、トニーに“アベンジャーズ計画”の構想を伝える。
2010年には、誕生パーティーでのトニーとローディの殴り合いでかなりの損害が出ており、“プリズム加速器”組み立て時にもトニーがワークショップと合わせて床や壁に穴を開けていた。同時に、フューリーの指示を受け、ナターシャやコールソンがトニーに対する監視任務で潜入、来訪する。
2012年の年末にはクリスマスシーズンということで、トニーがペッパーの為に高さ数メートルのウサギの特注縫いぐるみを置いていた。その後日に、トニーがマスコミを通してマンダリンに宣戦布告をしたことで、偽装された武装ヘリ3機の襲撃を受け、ミサイル攻撃により邸宅の地上部分とラボは完全に破壊され水中に没する。だが、マーク8〜41用のホール・オブ・アーマーは無事だったため、アルドリッチ・キリアンや“エクストリミス・ソルジャー”群との決戦で“ホーム・パーティ・プロトコル”が発動され、破壊を免れた全アーマーが飛び立つ。
また、アース32938にも同等の邸宅が存在し、ウンジャダカ/エリック・キルモンガーサディアス・ロスが来訪して、“リベレーター”の設計・開発・量産指示などが行われる。
スターク・インダストリーズ本社屋
ロサンゼルスに築かれたスターク社の本社屋。
エドワーズ空軍基地
登場作品:『アイアンマン』、『アイアンマン2』、『キャプテン・マーベル
ランカスターの近くに位置するアメリカ空軍の基地。
1989年時にキャロルやマリア・ランボーはここにペガサス計画のテストパイロットとして所属していた。
現代においてはローディの職場となっており、2009年にテン・リングスを一網打尽にしてローディたちに保護されたトニーは、帰国時に真っ先にここへ降り立ち、ペッパーたちと再会する。
また、その翌年にローディは、トニーから押収したアイアンマン・アーマー マーク2を自ら装着した状態で搬入し、後日ハマーが武器の売り込みに来訪したことで、ウォーマシン・アーマー マーク1への改造が行われている。
ジョイント・ダーク・エナジー・ミッション・ファシリティーズ(Joint Dark Energy Mission Facility)
登場作品:『マイティ・ソー』、『アベンジャーズ』
モハーヴェ砂漠の広大な敷地内に複数のパラボラアンテナや地下施設を構えるNASAの大規模な研究センター。S.H.I.E.L.D.が“P.E.G.A.S.U.S.計画”のために、テッセラクトの研究活動を行なっていた。
S.H.I.E.L.D.と本格的な繋がりを得てここに呼び出されたセルヴィグは、フューリーからテッセラクトの研究活動に参加するよう依頼され、承諾する。セルヴィグを中心とした研究チームによってテッセラクトの研究は進んでいたが、テッセラクトが発するエネルギーの暴走により、施設全体に避難命令が発令され、完全崩壊する。
アース82111にも同等の施設が存在し、ここでニック・フューリークリント・バートン/ホークアイが、70年前の時代からタイムスリップしてきたペギー・カーター/キャプテン・カーターと邂逅する。
バートン家
登場作品:『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『ホークアイ
クリント・バートン/ホークアイ(初代)彼の家族が住む、アイオワ州[4][注釈 11]の「フューリーが便宜を図ってくれた場所」に構えられた自宅農場牧草地の中にバートン一家が住む2階建の家屋や、ジョンディア 320が置かれた納屋が置かれており、農場としての分類や具体的な規模は明かされていないが、ローラ・バートンによって経営されている。
2015年時には、クリントの計らいでヨハネスブルグにおける激戦で憔悴し、チームの世論まで悪化させてしまったアベンジャーズの一時的なセーフハウスとして利用され、ほぼ同時にフューリーもウルトロンに関する情報提供のために来訪した。
2018年時には、アベンジャーズの内乱の廉でクリントが自宅軟禁を強いられつつも、家族と和やかに暮らしていたが、サノスによって発生したデシメーションにより、皆が消滅してしまう光景を目の当たりにしてしまった。しかし、5年後のアベンジャーズによるタイム泥棒の結果、 サノスの群勢との決戦後に復活したローラたちとクリントの再会の場にもなった。
2024年のクリスマスシーズンにもバートン一家が住んでおり、クリスマス当日にはクリントに連れられてきたケイト・ビショップ/ホークアイ(2代目)と彼女の愛犬のラッキーが来訪し、バートン一家と交流している。
セントチャールズ
登場作品:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3
ミズーリ州に位置する田舎町で[5][1]ピーター・クイル/スター・ロードと彼の親族の故郷。1980年にエゴがこの地に降り立ち、メレディス・クイルと出会って愛を育んだと同時に、デイリークイーンの裏手の森林に分身を植え込んでいた。
1988年、幼かったピーター・クイルは、この町の病院でメレディスの最期を看取った直後にラヴェジャーズに拉致された。それから長い年月が経った現代においても、この町にはクイルの祖父であるジェイソン・クイルが元気に暮らしており、2014年時には“拡張”を始めたエゴの分身の膨張により多大な被害を被った。そしてザ・ブリップ後に、ハイ・エヴォリュージョナリーとの戦いに勝利し、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを脱退したクイルが数十年ぶりに帰郷し、ジェイソンと再会する。
カルバー大学
バージニア州のウィロウデイルにキャンパスを構える大学。ブルースやベティ・ロスをはじめとする科学者の複数や教師がこの大学に在籍していた。
プエンテ・アンティグオ(Puente Antiguo)
登場作品:『マイティ・ソー』
ニューメキシコ州の砂漠の中にある、人口2175人の小さな田舎町。ジェーン・フォスターたちはこの町を拠点に天文観測を行なっていた。劇中では、“アルヴァレス・ダイナー”や、小動物のペットショップ、ガソリンスタンドなどの施設が登場した。デストロイヤーの攻撃で多大な被害が出る。
アース51825にも同等の田舎町が存在し、ここの外れでS.H.I.E.L.D.が落着したムジョルニアの研究調査のためのベース・キャンプ設営からロキ率いるアスガルド軍の出現にまで対処する。
カマー・タージ
ネパールカトマンズにある、魔術師のために建てられた修行場である寺院。ソーサラー・スプリームの指導の下で多くの魔術師達が日々修行に励んでいる。
ニュー・アスガルド(New Asgard)
登場作品:『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『ソー:ラブ&サンダー
ノルウェートンスベルグの海岸に築き上げられた、アスガルド人たちの新たな居住地。創立に至った具体的な経緯は不明だが、デシメーションから5年後、サノスによる襲撃と消滅から九死に一生を得たソーとヴァルキリーを含むアスガルド人たちやコーグ&ミークが暮らしていた。後にさまざまなエイリアン種族の定住も見られるようになる。また、外敵からの防衛には、かつてのアスガルドと同様に“エインヘリャル”が当たる。
ソーたちの滅亡した故郷の名を冠してはいるが、栄華を極めていたアスガルドとは大きく異なるほどその自治体規模は小さく、ソーがこの村の長だった時期でもある創立してから間もない頃は、Wi-Fiが繋がるものの寂れた漁村そのものであった[注釈 12]。ザ・ブリップ後にはヴァルキリーたちによって、砕け散ったムジョルニアの野外展示場や、アイスクリームを握るインフィニティ・ガントレットを模したオブジェが目を引く“インフィニティ・コーンズ(INFINITY CONEZ)”というアイスクリーム店が構えられた住宅地など現代的な設備が増築されるだけでなく、“スキフ”のクルーズや演劇も催され、海岸部にも豪華客船が複数隻分停泊するほどの一大観光地へと急成長した。
ソーはこの村の長に就いていた頃、サノスとの戦いの出来事から自宅に引き篭もってコーグ&ミークと娯楽に明け暮れるだけの怠惰な生活を送っていたが、タイム泥棒とサノスとの最終決戦後にはヴァルキリーに村の長の座を託した。
国際連合ウィーン事務局
登場作品:『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、『ブラックパンサー
オーストリアウィーンにある国連の事務所。2016年のソコヴィア協定の制定時に、ここで署名式が催されたが、ヘルムート・ジモの陰謀で爆破テロが発生し、多数の犠牲者が出る。その数ヶ月後にはティ・チャラ/ブラックパンサーたちが再訪し、エヴェレット・ロスも傍聴席から見守る中で、ワカンダの開国を演説する。
ソコヴィア(Sokovia)
登場作品:『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ ウルトロン』、『ワンダヴィジョン』、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』
東欧にある小国で、マキシモフ兄妹やジモの出身国。長年に渡って紛争が絶えないほど情勢が政治的に不安定で、国民の多くは紛争で使用された兵器を作ったトニーを憎んでいる[注釈 13]
ソコヴィア基地
山奥にある、廃墟同然の古城を利用したヒドラの秘密基地。アベンジャーズが一度制圧したが、のちにウルトロンが占拠し、自身の野望を完遂するための拠点として利用する。
教会
ソコヴィアの首都の中央に位置する廃墟。ここでウルトロンはマキシモフ兄妹と結託し、後にドゥームズデイ・トリガーを建設する。
ソコヴィア記念碑(Sokovian Memorial)
後述のウルトロンの一件で建てられたソコヴィアの跡地に残る石碑。
2015年にはアベンジャーズとその敵の戦地となり、ヒドラの反撃で一般市民にも攻撃の余波が降りかかったほか、ウルトロンが人類絶滅のために“ドゥームズデイ・トリガー”を起動し、首都を浮上させ、隕石として地上目がけて落下させた。しかしトニーのユニ・ビームとソーの雷撃により首都は粉砕され、危機は去ることとなる。
しかしこの一件で国家自体が疲弊し、復興の際に周辺諸国に侵入・吸収され、現代においては国名すら存在していないとジモが言及しており、記念碑が国土の跡地に残る状態に陥っている。2024年にこの地を訪ねたジモは、この石碑の前でジモは、自らを撃つようにバッキーに頷くも、撃たれることはなく、“ドーラ・ミラージュ”に連行される。
ワカンダ
アフリカに位置する、ティ・チャラや彼と深い繋がりを持つ多くの人々の母国。太古の昔にもたらされた“ヴィブラニウム”の恩恵により、超文明国家となった。
ラフト刑務所(Raft)
登場作品:『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』
大西洋の海中に配置された監獄の機能を持つ特殊潜水艇。地球上で最も厳重な監獄であり[6][7]、世界中の犯罪者の中でも特に凶悪な輩や、超人及びそれに匹敵する装備を所持する者が収監対象である。ここにアクセスするには、艦体を海面に露出させる必要があり、劇中では屋上のヘリポートからの出入り口が登場した。本刑務所に収監された犯罪者は、青い囚人服を着せられる。
アベンジャーズの内乱時に、サム、クリント、スコットはここの独房棟R1に収容され[6]、ワンダは独房NZ42に隔離された[6]。後にスティーブたちの行方を追うトニーやサディアス・ロスも来訪した。たが本作のラストで、侵入したスティーブによって所内の監守や職員たちが倒され、サムたちは解放された。
サムとバッキーが“フラッグ・スマッシャーズ”と戦っていた2024年には、ジモがサムたちに一時協力した後、ドーラ・ミラージュによって身柄を確保され、ここに収監される。

その他の国家・地域・施設については、『MCU』各作品の“設定・用語”の項を参照のこと。

その他の世界[編集]

ヨトゥンヘイム(Jotunheim)
登場作品:『マイティ・ソー』、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド
“氷の巨人”群や“フロスト・ビースト”が住む世界。吹雪が吹く荒涼な大地と、僅かな光が差し込むこともある暗闇に包まれた大空が特徴の世界で、巨人の王であるラウフェイが腰を降ろす簡素なデザインの寺院まで建てられている。
地球暦965年と2010年において、アスガルド軍やソーたちとの戦地となり、アスガルドの王位の確立を企むロキによって崩壊の危機に晒されたが、ソーの活躍で食い止められる。
2013年には、惑星直列で発生したこの世界への境界に、ソーとダーク・エルフの長であるマレキスが交戦しながら落ち込み、この世界に一時的に辿り着く。
ヴァナヘイム(Vanaheim)
登場作品:『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』
“ヴァナー”が住み、ソーの戦友であるホーガンの故郷である世界。地上には森林地帯が広がり、その中にヴァン神族は集落を構え暮らしている。集落には複数の石柱も確認され、別の場所には遺跡のような建造物も存在する。2013年の惑星直列の際には、ダーク・エルフの戦艦を攻撃しようとした地球の戦闘機2機が、重力異常によって発生したこの世界への境界に引き込まれてしまったが、マレキス打倒後に戦闘機2機は無事に地球へ帰還する。
スヴァルトアールヴヘイム(Svartalfheim)
登場作品:『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』
“ダーク・エルフ”群が住む世界。上空を暗雲が覆い、地上は焦土そのもので、洞窟もあり、強力な砂嵐が発生することもある。5000年前にアスガルド軍とダーク・エルフ群の戦場となり、その爪跡として現在でもダーク・エルフの戦艦の残骸が複数残っている。
2013年において、ソーやロキとダーク・エルフ群の戦いが繰り広げられ、アルグリムやマレキスはここで最期を迎える。
ムスペルヘイム(Muspelheim)
登場作品:『マイティ・ソー バトルロイヤル』
“炎の悪魔”群や“ドラゴン”が住み、燃え盛る灼熱の炎に覆われる荒野の世界。地底にはこの世界の王であるスルトと、ドラゴンが住み着いており、大昔にオーディンはこの地から“永遠なる炎”をスルトから奪い去ったという。
2017年に、インフィニティ・ストーンの手がかりを探すソーとスルトら炎の悪魔群やドラゴンの戦地となる。
ニダベリア(Nidavellir)
登場作品:『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
アスガルドと親交がある種族“ドワーフ”たちが住み、エイトリの故郷である世界。死にゆく1つの中性子星を、工房と居住スペースが入っている超巨大リングで囲っている形になっている。ここに住む300人のドワーフたちは、この惑星のエネルギーを使い、アスガルドの武器を長年作り続けており、オーディンやソーがかつて使用していた“ムジョルニア”をはじめとするアスガルドの武器はここで製作された。
サノスはドワーフたちに、“インフィニティ・ガントレット”の製作を依頼。完成すると、エイトリだけを残して他のドワーフを虐殺し、リングを凍らせてニダベリアのエネルギーを停止させた。
その後、ソーがサノスを倒すためには新たな武器が必要だと判断し、“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”のロケット&グルートと共にここへ来訪。エイトリを説得したソーはロケットと協力し、捨て身でリングを解凍させ、それを見たエイトリは、“ストームブレイカー”を製作し、グルートの手助けにより完成させる。
アールヴヘイム(Alfheim)
登場作品:『ソー:ラブ&サンダー』
ライトエルフが住む世界。
ニヴルヘイム(Niflheim)
死者が住むという世界。2023年現在、『MCU』作品には未登場。

その他の銀河の惑星・コロニー[編集]

モラグ(Morag)
登場作品:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』
銀河座標“M31V J00443799 + 4129236”に位置する、廃墟の惑星。美しい空が広がり、かつては繁栄していたが、何らかの原因で滅亡し、荒廃した地表は洪水で洗い流され、地表の裂け目から強力な間欠泉が噴き出ており、現在ではこの惑星で暮らす者は確認されていない。廃墟となった古代の寺院の内部もほぼ崩壊しており、ヒューマノイド型種族の白骨が置かれ、“オルローニ”とのような軟体動物が複数住みついていた。何故か崩壊を免れた色鮮やかな部屋もあり、そこでは触れた者の皮膚を焼くほど強力なエナジー・シールドが貼られたケージに、インフィニティ・ストーンの一つである“パワー・ストーン”を納めた“オーブ”が封印されていた。
2014年に、ピーター・クイル/スター・ロードコラス・ザ・パーサーらのオーブを巡る小競り合いが展開される。
タイム泥棒の際には2014年時のこの惑星に、2023年の時代からタイムトラベルしてきたローディとネビュラが訪れ、オーブを入手する前のクイルを気絶させて、先にオーブを回収する。
アース21818でも、この星と同等の惑星が存在し[注釈 14]ティ・チャラ/スター・ロードヨンドゥ・ウドンタと共にオーブを回収する。
ザンダー(Xandar)
登場作品:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
銀河座標“M31V J00442326 + 412708”に位置する、銀河最大の国家“ノバ帝国(Nova Empire)”の首都惑星。この惑星の周囲には3つの太陽が浮かび、ノバ軍のシンボルのモデルとなっている。銀河でも最高クラスの文明が発達しており、広大で豊かな大都会を中心にザンダー星人を含む約120億人ものさまざまな種族が暮らしている。
ノバ軍警察本部(Nova Corps Headquarters)
ザンダーの都市に建造されたノバ軍の本庁舎。ロナン打倒後、オーブが保管される。
2014年に、ロナン・ジ・アキューザーらによって惑星壊滅の危機に瀕するが、ガーディアンズやラヴェジャーズ、ノバ軍警察の共闘により、被害を最小限に食い止め、平和を取り戻す。数ヶ月後のエゴの“拡張”の際には、膨張した“エゴの分身”により再び被害を受けた。
しかし2018年には、パワー・ストーンを狙うサノスとその群勢によって滅ぼされたことが言及される。
アース29929でもこの星と同等の惑星が存在し、ここを滅ぼそうと攻撃するインフィニティ・ウルトロンキャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベルの戦地になったが、インフィニティ・ウルトロンのエネルギー波により滅亡する。
ノーウェア(Knowhere)
登場作品:『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』[注釈 15]、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル
銀河座標“M3RD 17H17211 + 2121224”に位置する、エソン・ザ・サーチャーの死骸の頭部をくり抜いて居住地にした採掘コロニー。数百年前にタニリーア・ティヴァン/コレクターたちが、潤沢な資源(エソン・ザ・サーチャーの頭蓋骨内の各器官や有機物質)を銀河の闇市場へ高値で取引したことにより栄え、現在でも住民たちは頭蓋骨内の採掘によって生計を立てているほか、宝目当てのならず者の溜まり場となっており、貧民と思しき子どもの姿も見られる。ティヴァンのコレクションルームや、ホログラムゲームが置かれた賭博場、髄液で満たされたプール、“マイニング・ポッド”の駐機場などが点在する。
コレクションルーム
ティヴァンが営む、自身がコレクションしてきた様々な物品や生物を保管・展示するショップ。ノーウェアの建物の中でも特に大きな規模の施設で、ショップ内には多くの種族が収められたカプセル[注釈 16]が建ち並び、オーブを展開した装置やモニターなども置かれている。
2013年に、マレキスらダーク・エルフが倒された後、ヴォルスタッグシフはここに来訪し、携えてきたエーテル/リアリティ・ストーンをティヴァンに預ける。
2014年にキルン刑務所を脱獄したクイルたちは、ティヴァンにオーブを売るためにここを訪ね、休息後にコレクションルームでティヴァンと取引を試みるが、オーブの中身のパワー・ストーンの能力を知ったカリーナがストーンを握ったことで発生した大爆発に巻き込まれたほか、ドラックスに呼び寄せられたロナンらや、クイルを追ってきたラヴェジャーズに見つかってしまい、一悶着を起こす。
2018年には、ガーディアンズがソーから「“リアリティ・ストーン”は今、ノーウェアにいるコレクターに預けている」と聞かされたことで、サノスの目論見を阻止すべく再訪した。しかし、クイルたちが訪れた時には既にリアリティ・ストーンを入手したサノスの手によって壊滅していた。
ソヴリン(Sovereign)
登場作品:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
銀河座標“M49 5I0L339P21 + H9 LNI31”に位置する、人工惑星。高度な工業技術を持ち、女王のアイーシャの下、“バース・ポッド”で産み出した子どもを、高い能力値を持つ市民へと育成させることを方針とする。ガーディアンズとアビリスクの戦場となった発電施設や、アイーシャと謁見した王室、“オムニクラフト”のコントロールセンターなどが点在する。
アース29929でもこの星と同等の惑星が存在し、ウルトロン軍団とガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの戦地となったが、インフィニティ・ウルトロンのエネルギー波によって滅亡する。
ベアハート(Berhert)
登場作品:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
銀河座標“M20 22A4834126 + 306CA12”に位置する、地球のものに酷似した森林が広がる惑星で、4つの月が星の周囲に浮かぶ。森林には白いのような猛禽類や、蜘蛛といった節足動物が生息している。ガーディアンズはこの星に“ミラノ号”を墜落させてしまうが、同時にエゴやマンティスと初めて出会った。また、アイーシャの依頼を受けたラヴェジャーズとロケットの戦闘や、テイザーフェイスの反乱の場にもなる。
コントラクシア(Contraxia)
登場作品:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』
銀河座標“M15 5127512731 + X1955KX”に位置する、地表の多くが水に覆われた極寒の惑星。2つの重なり合う太陽が浮かび、氷の島の上に雪が降っている。
アイアン・ロータス(Iron Lotus)
コントラクシアの町中にある酒場。複数のロボット娼婦が店員として客をもてなしており、ラヴェジャーズのヨンドゥ・ウドンタの部隊はここを溜まり場としている。ラヴェジャーズ全隊のリーダーであるスタカー・オゴルドと彼の部隊がここを訪れていたが、かつて追放したヨンドゥが居ることを知るや、ラヴェジャーズの99%はもう来ないと言い放ち立ち去っている。ここの出入り口前で、ヨンドゥはスタカーからラヴェジャーズの掟を破ったことを糾弾され、アイーシャからはガーディアンズの捕縛を依頼される。
また、2023年のアベンジャーズとサノスの群勢の最終決戦時には、ラヴェジャーズがこの場所からゲートウェイを通ってアベンジャーズ・コンパウンドに駆けつける。
アース21818でもこの星と同等の惑星が存在し、正史のコントラクシアよりも栄えた街が描写され、そこの酒場ではドラックスがバーテンダーとして働いている。この酒場で、ティ・チャラ/スター・ロードたちラヴェジャーズとサノス&ネビュラによるミーティングが行われた。
エゴの星(Ego's Planet)
銀河座標“G52 22C848T12F + E16UC22”に位置する、星図にも載っておらず正式な名もない、地球の月ほどのサイズである辺境の赤い惑星で、エゴの本体。
リア(Ria)
登場作品:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
アスガルドの保護国でもある[8]クロナン人の出身星。エゴの星へ向かう“クオドラント3”の連続ジャンプのシーンに登場した。
サカール(Sakaar)
登場作品:『マイティ・ソー バトルロイヤル』
宇宙の辺境に位置し、上空に開く大量のワームホールからひっきりなしに異星のガラクタが落ちてくるという混沌とした惑星。生命体が住む他の星々から遠く離れたこの星の地表は、ザンダーとクリー帝国の戦争による残骸や、腐敗した天界人の身体の一部に、あてもなく彷徨っていた宇宙船などでできている[9]。「未知と既知の境界の星」とも言われ、それに加えて、他の星とは時の流れが異なっており、ワームホールの中には“悪魔の肛門”と呼ばれる、常時開いた状態の赤く巨大なワームホールも存在している。悪魔の肛門は、アスガルドへ向かうための最速ルートでもあるが、ワームホール内の中性子星があらゆるものを粉砕して吐き出すため、この惑星からの脱出は困難である[9]
グランドマスターが初めて降り立ち、この惑星における文明を構築してからは彼の独裁統治の下、土地から資産まで、この星のありとあらゆるものが管理されており、アスガルドを去ったヴァルキリーや、地球から失踪したハルクもこの星に長く暮らしていた。
2017年にソーたちは、バトルロイヤルから惑星脱出まで奔走する。
首都
ワームホールから落ちてきた、多数のガラクタで構成されたサカールの都市。グランドマスターの館や闘技場、“サカーディアン・ガード”の兵舎、スクラップ置き場のほか、建造物の数々はカラフルであるものの、ほとんどが薄汚れており、無法者も多く住みついているため街中は騒がしく、スラム街のような様相を呈している。グランドマスターからの呼びかけやバトルロイヤルでの前口上の際には、飛行する複数のホログラム再生機がグランドマスターの姿と声を、リアルタイムで街中や闘技場に再生する。
グランドマスターの宮殿
グランドマスターの邸宅である、超高層ビル。
闘技場
グランドマスターがバトルロイヤルの会場として、都市の中心に建設させたスタジアム。地上部分にはフィールドと観客席や、グランドマスターをはじめとする迎賓用の観覧ブースが、地下部分には大量の武器が置かれた出場戦士の待合室と、パーティー・ロボットバーテンダーとして常駐するカウンターバーがエナジー・シールドで隔てた形でそれぞれ置かれている。ここで催されるバトルロイヤルは、サカール人にとって最高の享楽のため、観客席だけでなく飛行艇などに乗って場外から観戦する者も多い。
ここでソーは理髪師に散髪され、簡単なボディペインティングまで施されてしまうが、ハルクと再会し、激しい戦いを繰り広げる。
アース29929でもこの星と同等の惑星が存在し、ウルトロン軍団とコーグらの戦地となったが、インフィニティ・ウルトロンのエネルギー波によって滅亡する。
ゼホベリ(Zen-Whoberi)
登場作品:『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
ガモーラの故郷であり、かつてゼホベレイが住んでいた惑星。地上には、中華風の寺院に酷似した建造物が多数散見される。ガモーラの幼少時代に、サノスとブラック・オーダーによって侵略され、半滅した。
ヴォーミア(Vormir)
登場作品:『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』
およそ70年以上前にテッセラクトの力で飛ばされたヨハン・シュミット/レッドスカルがストーン・キーパーとして滞在し、インフィニティ・ストーンの1つである“ソウル・ストーン”が眠る惑星。上空は仄暗い太陽が照らす暗闇に包まれ、地上は砂丘浅瀬に巨大な岩山だけが存在し、シュミット以外に現地の生物も確認できず、静寂に支配された虚無的な世界である。岩山の頂上には、雪が降っている。ネビュラ曰く「宇宙の中心にある死の惑星」。
2018年に、ガモーラを脅迫してソウル・ストーンの在処を吐かせたサノスがガモーラを連れて訪ね、目前に現れたシュミットからソウル・ストーンの入手方法を伝えられると、苦渋の決断でガモーラを犠牲にし、ストーンを手に入れる。
タイム泥棒作戦の際には2014年時のこの惑星に、2023年の時代からタイムトラベルしてきたナターシャとクリントが訪れ、2人はシュミットからストーンを入手する方法を知らされると、互いを気遣って身の投げ合いを繰り広げてしまい、その結果ナターシャが自らを犠牲にしたことで、クリントがストーンを入手する。
タイタン(Titan)
登場作品:『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
サノスの故郷。文明も発達し緑豊かな惑星だったが、かつて人口過多と食糧難に陥ったことにより戦争が勃発し、サノスが滅びの前に虐殺を行ったことで滅亡したと、サノス自身によって語られた。滅亡後、荒れ果てた廃墟と残骸が散らばり、重力異常も発生している。
この惑星の唯一の生き残りであるサノスは、他の惑星でも同じような悲劇を繰り返させないために、インフィニティ・ストーンを6つ全て集めて、全宇宙の半分の生命を消滅させる事を画策した。
2018年にエボニー・マウのQシップに乗っていたトニー、ピーター、ストレンジの3人、ネビュラから連絡を受けてサノスを待ち伏せていたガーディアンズのクイル、ドラックス、マンティスの3人、ソウル・ストーンを入手したサノス、サノスを倒すべく特攻したネビュラが訪れ、大乱戦が繰り広げられる。
0259-S
登場作品:『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』
全宇宙の半数の生命を消し去ったサノスが一人で余生を送っていた惑星で、別称“ガーデン(Garden)”。星の周囲を土星の環のようなものが囲っており、地上は草木が青々と生い茂り、ドリアンのような意匠の果実も生えた草原と山々に覆われ、空からも太陽の光が差し込むなど、大自然豊かな惑星である。
2018年にサノスは地球で使命を完遂したことを実感すると、スペース・ストーンの力でこの惑星にワープし、手元に残った6つのインフィニティ・ストーンを消滅させると共に、草原の中の一戸建てのあばら家を住居に、その周囲を農園とし、果実の収穫や自炊に明け暮れていた。だが、消滅を免れたヒーローたちの奇襲を受け、ソーによって首を刎ねとばされる最期を遂げる。
コルビン(Korbin)
登場作品:『アベンジャーズ/エンドゲーム』
コルビナイト人の母星である惑星。2014年時には、 ロナンの元に赴く前のガモーラとネビュラがこの惑星に攻め込んでおり、彼女たちは床の穴から強力なエネルギーが立ち昇る超高層ビルの一画で、コルビナイト人と激闘を展開し勝利した。この時、リヴァイアサンやQシップも攻め込んでいたが、この惑星がサノスらに制圧されたかどうかは具体的には言及されていない。
ラメンティス1号星(Lamentis-1)
登場作品:『ロキ』
2077年に他の惑星の急接近により滅亡寸前となっていた鉱山惑星。他の惑星からしきりに降り注ぐ隕石によって星の地表は荒らされ、居住区である町もゴーストタウンと化しており、この星の住民たちの間では、青い制服と湾曲した大きなバイザーが特徴のヘルメットを着用した警備兵によって、裕福な者たちだけが惑星外への脱出のための“箱舟”の発着所がある“シュルー”に向かう列車に乗車できる優遇措置を受けられ、それ以外の人々は開拓地に取り残されるという依怙贔屓が横行している。また、独特の筆記体をした文字らしきものが街中の看板や警備兵の制服の袖に見受けられる。
シュルー(Shuroo)
ラメンティス1号星の主要都市。ネオンが輝く建造物の数々が点在し、箱舟の発着所も構えられている。
箱舟(Ark)
ラメンティス1号星からの脱出用大型宇宙船。多数のネオンが施された塔のような形状で、街中の発着所に聳え立つように駐機されていた。
ロキとシルヴィが“タイムドア”でこの惑星の採掘小屋に到着した時には、惑星衝突まで約12時間と推定されるほどの状態となっており、ロキたちは互いへの不審感からバッテリー切れとなった“タイムパッド”の充電などを巡る小競り合いなどもあったものの、箱舟の存在を知るとそれに乗り込むための道中で、自分たちの身の上話や警備兵らとの乱闘などで互いを信頼し合うようになった。
しかし辿り着いた箱舟はロキたちの眼前で隕石の直撃により大破。街の郊外に腰掛けた2人はこの星で運命を共にすることを覚悟したが、“TVA”が開いた2つのタイムドアによってロキとシルヴィは難を逃れた。その後、2070年におけるこの惑星の去就は描写されていない。

クリー帝国(Kree Empire)[編集]

その他の宇宙の領域・施設[編集]

サンクチュアリ(Sanctuary)
登場作品:『アベンジャーズ』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
銀河座標“N5X2 106311411 + 2123518”の小惑星帯にある、サノスが聖域として居住する彼の領域で、配下であるジ・アザーやチタウリ、リヴァイアサンもここを拠点とする。劇中で確認できた特徴的な設備はサノスが腰を下ろす玉座や、そこへ繋がる発光する階段ぐらいで、それらを除いて見ると何の変哲も無い小惑星帯である。
ロキやロナンもここに来訪し、ジ・アザーやサノスからインフィニティ・ストーンを内包したアイテムの回収を促される。
キルン刑務所(Kyln)
登場作品:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
銀河座標“M20H I19919142 + 0185112”に位置する、非常に巨大な宇宙刑務所。ノバ軍に運営され、極彩色ではあるが、所内は途轍もなく不潔且つ悪臭が漂う劣悪な環境であり、銀河中の凶悪な犯罪者たちが収監されている。刑務所上部には中央通信タワーと管理事務区画に病院が構えられ[10]、中央の主要居房区域[10]には独房や大勢の囚人が雑魚寝する部屋にシャワー室、囚人の所持品の保管庫があり、大広間の高さ6メートルの監視塔には、所内の人工重力の発生装置と、塔上部を切り離す機能が備わり、動力源のバッテリーを外すと警報が鳴り響く。さらに刑務所の底部はバランスを保つバラストと主要前進エンジンが搭載されているなど[10]、徹底的に要塞化された刑務所である。
所内は複数のセキュリティ・ドローンと、スタンバトンやライフルで武装したノバ軍の兵士たちも常駐しているほど極めて重警備ではあるものの、看守たちは囚人の脱獄は防ごうとするが、彼らによるトラブルは止めないスタンスをとり、囚人らが色々な自衛のための武器や道具を密かに作って所有している実態を放置しているなど、腐敗した悪質な職員である。本刑務所に連行された犯罪者は、入獄時に大量のシラミ駆除薬を激しい勢いで浴びせられ、黄色い囚人服[注釈 17]と寝具を手渡される。
ザンダーで騒動を起こしたクイルたちもここに収監されたが、彼らはここで手を組み、脱獄作戦を実行。結果的に成功したこの活動は、ガーディアンズ結成のきっかけの一端となった。後にガモーラの収監を知ったロナンらも彼女を連れ戻すために訪れ、クイルたちの作戦で壊滅状態となった本刑務所を目にすると、その場の始末をネビュラに命じたが、その後の去就は不明。
ワールド・フォージ(World Forge)
登場作品:『エターナルズ』
「世界の鍛冶場」と呼ばれる、緑色を基調とし、金色のラインや根のような物体が伸びる状のドーム型の天体。内部は緑色の通路と内壁に幾何学模様や金色ののようなものが生えた空間となっており、中央には多数のリング状の構造物に囲われたタワー状の建造物が聳える。さらに、有機的な無数の泡でできた壁面には、一つひとつにエターナルズの記憶が保存されており、アリシェムはこの天体でエターナルズを創り、プログラムすることに加えて、蓄積・分析したエターナルズの記憶をディヴィアンツの研究と新しく完璧な惑星や文明を作るための資料にしている。
劇中では、セレスティアルズ、エターナルズ、ディヴィアンツの真実をアリシェムがセルシに開示した際のイメージとして描写されたのみである。

異次元(Dimensions)[編集]

この世界とは異なる、ありとあらゆる別次元の総称。生命体や知性体に溢れ、豊かな文化が育った快適な世界から、いかなる代償を払っても封印しなければならないほどの暗く邪で恐ろしい世界まで[11]、さまざまな次元が存在する。マスターズ・オブ・ミスティック・アーツに属する魔術師たちは、マルチバースを開くことによって得たエネルギーを用いて様々な魔術を行使すると共に、“スリング・リング”で開いたゲートウェイで生身の身体のまま各次元に赴くこともできる[11]

ミラー次元(Mirror Dimension)
登場作品:『ドクター・ストレンジ』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』
現実世界を基に作り出した仮想空間のような次元。密接に繋がった現実世界を反映しているものの、鏡映しのように正反対の世界で、暗黒のエネルギーで成り立っている。現実世界との境目は割れた鏡のように見え、こちらから現実世界を視認することはできるが、直接的な干渉はできない。逆に、現実世界側からは干渉のみならず一切の視認も不可能。
主に魔術師たちの修業・戦闘時や、捕らえた相手の拘束に使用され、相手と自分をこの次元に隔離することで現実世界に損害を与えず戦闘を行ったり、追手からの逃走にも有効である。スリング・リングが無ければ出入りは不可能になる反面、この次元において魔術でできることに限りがなく[12]、暗黒次元由来の魔術の使い手は、力がより一層増幅されるため[13]、この次元内の建造物などの構造を自在に操ることができ、彼らを相手として戦う場合は相性が悪い。
アストラル次元(Astral Dimension)
登場作品:『ドクター・ストレンジ』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『ワンダヴィジョン』、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』
肉体を離れた精神や魂などの霊的な物が存在する次元。この次元も現実と密接に繋がっており、魔術師たちは“アストラル投射”という魔術によって、幽体離脱のように肉体から精神体“アストラル体”を分離させ、建物などの構造物を無視して自在に移動することができる。アストラル体同士では、会話や戦闘などのやりとりをすることも可能。しかし、肉体は無防備な状態で現実世界に放置されるため、敵に襲撃される危険もある。
基本的に現実世界からの認識は不可能だが、この次元側から任意で姿や音声を現実世界に現すことは可能。また、壁や物体にぶつかった際の物音や衝撃はそのまま現実世界にも反映される。
ブルース/スマート・ハルクもタイム・ストーンを入手するための交渉時に、エンシェント・ワンによって自身のアストラル体を分離させられてこの次元に短時間だけ滞在した。
暗黒次元(Dark Dimension)
登場作品:『ドクター・ストレンジ』、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』
かつてそこにあった現実が、ドルマムゥによって呑み込まれた他の次元と混ざって形成された次元[12]。汚染された集団記憶の雲[12]や、音波が静寂より実体化した物質[12]、何のエネルギーも発していない冷たい光[12]、取り込まれて朽ち果てた数多くの星々など、この世界とは根本的に異なる物質で満ちた暗澹とした空間で、生命体はおろか時間や生死、倫理など人間の概念・物理学法則が存在しない。
2017年にカエシリウスらゼロッツによって、香港に出現させられ、壊滅的な被害を与えたが、ストレンジの策に嵌ったドルマムゥによって香港から消失する。

このほかにも、充満したエネルギーが常時爆発している“アクトニアリア次元(Actiniaria Dimension)[11]ガラス工芸万華鏡のように動く“グラスジェリー次元(Grass Jelly Dimension)[11]雲海が花開くような空間の“フラワリングインセンス次元([11][注釈 18]、独自の意識を有する人の手が無限に枝分かれする“マンデリバス次元(Mandelibus Dimension)[11]といった次元が存在し、エンシェント・ワンはこれらの次元を、東洋医学だけでなく魂と魔術といった目に見えない概念まで卑下したストレンジに魔術で見せつけた。この体験からストレンジは魔術に感銘を受け、エンシェント・ワンに教えを請うようになる。

さらに、後述の量子世界のような“パラドックス次元[11]、狂気の“レアルム次元”や“マンデリブス次元[11]、“クアドリバース次元[11]などもあり、エンシェント・ワンすらも全ての次元を見尽くしたわけではないと言われる[11]

その他の異世界[編集]

量子世界(Quantum Realm)
登場作品:『アントマン』、『アントマン&ワスプ』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『アントマン&ワスプ:クアントマニア
物理的法則や時間の概念が存在しない亜原子サイズの世界。都市のような建造物の集落も確認できるものの[14]、人類が観測し得ない領域であり、一度この世界のサイズに縮小した者は二度と元のサイズの世界に戻ることは叶わず、空間には粒子と波の性質を併せ持つ非常に小さな物質“量子”とそのエネルギーが満ちていることから、人間では精神に多大な負担がかかるため、滞在することもままならない。
しかしかつて、この世界のサイズに縮小したジャネット・ヴァン・ダイン/ワスプ(初代)が約30年間ここで生存していたことによって不可思議な特殊能力を得たり、ダレン・クロス/イエロージャケットとの戦いで亜原子レベルまで縮小したスコットが無事生還したことなどから、滞在の成功や人間の進化・亜原子サイズからの拡大化などの可能性が示唆され、ピムとホープ・ヴァン・ダイン/ワスプの父娘もスコットの生還を機にジャネットの生存と救出に希望を持って、量子トンネルの開発実験に取り掛かった。
2018年にピム父娘は量子トンネルを完成させ、トンネルの不調や、ソニー・バーチの一味及びエイヴァ・スター/ゴーストの干渉といったトラブルもあったが、ピムがスコットたちの協力によりこの世界への突入に成功。ジャネットから伝えられた空洞を越えた荒野にある座標に到着するも、その途中で彼は幻覚に苛まれるほど精神崩壊しかけた。だが、その場に現れたジャネットに救われて再会し、2人で見事に元のサイズの世界に帰還した。
後にピム親娘のサポートの下、スコットがこの世界を再訪し、量子ヒーリング粒子採取に成功するものの、同時期に起こったサノスの仕業によってピム親娘が消滅したため、彼はこの世界に取り残されてしまう。
だが2023年に、貸倉庫に放置された量子トンネルのスイッチの上を一匹のネズミが歩いてトンネルが起動し、スコットが元のサイズの世界に帰還。このことがアベンジャーズたちのタイム泥棒作戦へと繋がるきっかけとなり、作戦に参加したヒーローたちは、この世界を通り道として目的の各時代にタイムトラベルする。
時間の渦
量子世界にあるといわれる危険地帯。量子世界へ再突入する前のスコットにジャネットがそこへ入らないようにと助言したが、現在のところ、これに該当する場所は登場せず、どのような危険が存在するのかは不明。
ヴァルハラ(Valhalla)
登場作品:『マイティ・ソー バトルロイヤル』、『ソー:ラブ&サンダー』
アスガルドの民の間で、「“名誉ある戦死を遂げた勇士の魂”が送られる場所」として言い伝えられている世界。寿命で亡くなったオーディンの魂もここに送られており、以後ソーが度々垣間見る幻影の中では、オーディンを看取った場所であるノルウェーの海岸に似た風景で現れる。
虚無(Void)
登場作品:『ロキ』
TVAに剪定された全てのものが移送される“時間の終わり”に位置する空間。タイムドアでの来訪はできず、ラヴォーナ・レンスレイヤー曰く「全ての出来事が一点で衝突し合い、分岐が成長しない場所」。雷雲に覆われたゆるやかに傾斜している草原に、ゴールデン・ゲート・ブリッジオークランド・ベイブリッジピラミッドスフィンクスの石像アレクサンドリアの大灯台クライスラー TV-8メアリー・セレストエルドリッジといった地球の著名な建造物・乗り物と、これまでのMCU作品に登場してきたキャラクターにまつわる施設・アイテム・ビークルまで、ありとあらゆるものが散在していることから[注釈 20]、荒廃しきった世界のような景観を呈している。分岐が成長しない特性から、ここに剪定され滞在する者は容姿と肉体が老化しないが、実質的にこの空間を支配する存在“アライオス”によって、捕食される運命が待っている。それでも、キッド・ロキたちのようにアライオスから逃れ続けたことによって、この空間で長く生き延びている“変異体”たちが少なからず存在しており、その中には自動車などを用いて強盗や海賊行為を働く凶暴な輩もいると言われている。
キッド・ロキの隠れ家
キッド・ロキがロキの変異体の一部と共同生活する地下シェルターで、地面にあるハッチから出入りするキッド・ロキの“宮殿”。室内は赤・水色山吹色の内壁と床が目を引くボウリング場で、その半分は傾斜し、天井と壁面の一部には照明も点灯しており、キャンディケインシカの像で装飾されたキッド・ロキの高座や、“ロキシー・ワイン”[注釈 21]などが置かれたテーブルと複数の椅子、ワニロキのプール代わりの洗面器ポリビアスの筐体、ボウリングのピンなどが乱雑に置かれている。
ラヴォーナたちによってこの空間に飛ばされたメビウス・M・メビウスやロキ、そして自らを剪定してやって来たシルヴィは、ロキの変異体たちやアライオスに遭遇し、ここからTVAに反旗を翻すための行動を本格的にはじめる。
時の彼方(End of Time)
登場作品:『ロキ』
虚無の向こう側に存在する広大な星雲。ここでは神聖時間軸を、“巨大な白い一本の線”として目視でそのまま観測できる。
シタデル(Citadel)
在り続ける者が潜む拠点で、時の彼方に単体で浮かぶ小惑星の上に建てられている[16]。この砦は、地続きで彫り出された小惑星と一体となっている建造物であり[16]、玄関は鎖で縛られ、内外双方の壁面には稲妻のような模様があしらわれている。
1階部分は照明器具がない廃墟のようで、奥の広間には不気味な人型の像が中心を囲うように4体立っており、そのうち1体は破壊されている。更に奥に行くと、ソファーが置かれたエレベーターに突き当たる。
上階は応接室を兼ねる書斎であり、電灯がない代わりに暖炉の火と窓の外から差し込む星雲の光を照明としているため室内は薄暗く、机には在り続ける者が神聖時間軸における“シナリオ”として記入し続けてきた無数の書類が収納され[注釈 22]、ほかにもさまざまな本が収まった本棚が置かれている[注釈 23]
在り続ける者はここで長年に渡り、神聖時間軸と宇宙の調和を維持してきた。そして、神聖時間軸とTVAの真実を知って来訪したロキとシルヴィと対峙する。
ター・ロー(Ta Lo)
登場作品:『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
中国のとある竹林の奥に存在する別次元の異世界。入口である滝の奥の洞窟に入ると、大水が数秒間空中静止した後にポータルを形成し、これを通過することでこの世界に辿り着ける。その景観は美しい緑や湖などの大自然に溢れ、様々な幻獣と神獣などが棲んでいる。
イン・ナンによると、数千年前には人々が平和に暮らせるほどの栄えた大都市を有する王国で、豊かな文化と歴史を築き上げてきたが、ある日“ドウェラー・イン・ダークネス”率いる魔物の群れに襲われたことで大都市は滅ぼされた。当時の長たちは戦士を集めて魔物の群れの他の次元侵攻を防ごうと挑んだものの、力及ばなかった。しかし、戦士たちに加勢した“グレート・プロテクター”によって、魔物の群れは“ダーク・ゲート”の奥へ封じ込められた。という伝説がある。
また、シュー・ウェンウーは1996年にこの地の探索を試みたことが、リーとの馴れ初めとなった。
古代村落
ター・ローの湖畔に構えられた長閑な村。この村そのものも“ター・ロー”と呼ばれる。ダーク・ゲートに封じられた魔物の再度の侵略を阻止する使命を与えられた種族が暮らしており、複数の家屋のほか、リーを含む先人たちの仏壇とター・ローの歴史を示す壁面彫刻が構えられている中心の霊廟や、武具の工房、各修練場がある。
ダーク・ゲート(Dark Gate)
村落から見渡せる湖の対岸の岩山の岩肌に築かれた円形の壁。グレート・プロテクターの鱗でできており、この奥に魔物の群れが封じられている。しかし、ここからの脱出を目論むドウェラー・イン・ダークネスは、事情を知らない他の次元の者たちへ幻聴を吹き込んでター・ローに誘い込み、ゲートを破壊させようとする行為を何世紀にも渡って行い、失敗してきた。
そして2024年の清明節の頃、亡くなったリーがゲートの後ろに閉じ込められていると騙されたウェンウーは、この地を焼き払ってでもゲートを破壊してリーを救おうと侵攻を企み、それを知ったシュー・シャン・チー一行が来訪。彼らを加えた村の戦士たちと、総出で現れたテン・リングスとの戦地となった。
ウェンウーによってゲートは破られ、魔物の群れが解放されてしまったが、この危機に村の戦士一同とテン・リングスが共闘し、出現したグレート・プロテクターの助力を得たシャン・チーたちによって、魔物の群れは全て滅び去った。
生き残った人々は、今回の戦いで命を落とした者たちを偲んで灯籠流しを行う。

その他のアース[編集]

アース82111(Earth 82111)[17]
登場作品:『ホワット・イフ...?』
スティーブではなく、ペギーが超人兵士キャプテン・カーターとなった宇宙。
アース21818(Earth 21818)[17]
登場作品:『ホワット・イフ...?』
クイルではなく、ティ・チャラがラヴェジャーズに拉致されてスター・ロードとなった宇宙。
アース51825(Earth 51825)[17]
登場作品:『ホワット・イフ...?』
アベンジャーズ候補のヒーローたちがハンク・ピム/イエロージャケットによって次々と殺害された宇宙。
アース91233(Earth 91233)[17]
登場作品:『ホワット・イフ...?』
ストレンジが両腕を負傷せずに魔術師となり、“ストレンジ・スプリーム”へと変貌した宇宙。
アース89521(Earth 89521)[17]
登場作品:『ホワット・イフ...?』
地球各地の人々がゾンビと化してしまった宇宙。
アース32938(Earth 32938)[17]
登場作品:『ホワット・イフ...?』
ウンジャダカ/キルモンガーがアフガニスタンでトニーを救い、後にワカンダを乗っ取った宇宙。
アース72124(Earth 72124)[17]
登場作品:『ホワット・イフ...?』
ソーが一人っ子として育った宇宙。
アース29929(Earth 29929)[17]
登場作品:『ホワット・イフ...?』
ウルトロンが人工肉体とインフィニティ・ストーンを手に入れ、宇宙最強となった宇宙。
アース838(Earth 838)[17]
登場作品:『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』


スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』では、クエンティン・ベック/ミステリオが自らの出身を“アース833”とピーターやフューリー(擬態)に述懐していたが、これはベックの虚構だった。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ アガモットの目とも同デザインである。
  2. ^ ストレンジが使う“浮遊マント”や“スリング・リング”、“ダヴェロスのダガー”のほかにも、“ホゴースの古きホスト(主人役)”[2]、“パワーのくぎ抜き(ピンサー)”[2]、“ミン・マンの緩和剤”[2]などが展示されている[2]
  3. ^ ストレンジは、この空間が『ザ・シークレット・ハンター』の撮影でも使われたとピーターに話している。
  4. ^ 庫内には、奇妙な生き物を1体ずつ封入した小瓶が多数冷蔵されている。
  5. ^ しかし訓練中のスティーブは、金具を抜き、ポールを倒して掲揚旗を取ることに成功した。
  6. ^ スティーブはこの場所を「S.H.I.E.L.D.始まりの場所」と表現した。
  7. ^ ラボには“ピム粒子”が厳重保存されていたほか、原作コミックのアントマンのものと同型のヘルメットも置かれていた。
  8. ^ このシーンで、敷地を囲うフェンスの看板に“キャプテン・アメリカ誕生の地”と記載されているのが確認できるが、 トニーは「“発案の地”だろう?」と発言した。
  9. ^ 『アイアンマン』では、アウディ・R8(初代)の他、AC・コブラ MK IIIサリーン・S7 ツインターボテスラ・ロードスター タイプ6 サムライチョッパーが駐車されている。
  10. ^ 但し、ここの装置でのアーマー着脱シーンは、『アイアンマン』と『アイアンマン2』の2作のみである。
  11. ^ ミズーリ州に位置するとされる資料もある[5][1]
  12. ^ コーグたちと『フォートナイト』に興じていたソーは、ブルースとロケットが来訪した際にケーブルテレビや映画・スポーツ番組がテレビに上手く映らないことを嘆いていた。
  13. ^ 首都の一角の壁面には、両手にライフルを握ったアイアンマンの絵が抗議として描かれている。
  14. ^ 但し、寺院内のケージに貼られたエナジー・シールドは、触れた者を激しく痺れさせるものとなっている。
  15. ^ ミッド・クレジット・シーンに、後述のコレクションルームのみが登場。
  16. ^ 劇中ではチタウリ、ダーク・エルフ、“クリロリア人”、イースターエッグとしてアダム・ウォーロックの繭、コスモ・ザ・スペースドッグハワード・ザ・ダックスリザーのエイリアンなどが収められている。
  17. ^ 囚人服は長袖、ノースリーブなど数種類が存在し、ズボンの左脚部分には着用する囚人の犯罪歴を示した数色のストライプが施されており、犯罪の種類や数によりその色や本数が異なっている。
  18. ^ この次元とグラスジェリー次元は、アストラル体でなければ訪れることができない[11]
  19. ^ ビルの外壁にアベンジャーズのロゴではなく、“Qeng”と記されたロゴが施されていた。
  20. ^ 劇中ではアベンジャーズ・タワーに酷似したビル[注釈 19]、サンクタム・サンクトラム(ニューヨーク)、ヘリキャリア、“ワルキューレ”、“THANOS”とペイントされたヘリコプター、“イエロージャケット”の巨大ヘルメット、“ムジョルニア”、“ダーク・アスター”などが確認でき、さらにMCU未登場の“リビング・トリビューナル”の頭部も描写されている[15]
  21. ^ キッド・ロキはハイシー・エクトクーラーを飲んでいた。
  22. ^ シナリオの一部にはロキの名前が“L.1130”、シルヴィの名前が“L.1190”、在り続ける者が“ME”と、それぞれ表記されていた。
  23. ^ 年代記や山学、時間に関する学問、天文学占星術、さらにあらゆる世界の文化や哲学についての本などがあると設定されている[16]

出典[編集]

  1. ^ a b c マーベルヒーロー達はどこに住んでいる?MCUを全米マップでまとめてみた”. 2021年9月10日閲覧。
  2. ^ a b c d e f ビジュアル・ディクショナリー 2019, p. 164
  3. ^ ビジュアル・ディクショナリー 2019, p. 165
  4. ^ https://academic-accelerator.com/encyclopedia/jp/clint-barton-marvel-cinematic-universe
  5. ^ a b アベンジャーズキャラクターの出身地・舞台の国は?”. 2020年5月2日閲覧。
  6. ^ a b c ビジュアル・ディクショナリー 2019, p. 37
  7. ^ 超全集 2019, p. 41
  8. ^ ビジュアル・ディクショナリー 2019, p. 89
  9. ^ a b ビジュアル・ディクショナリー 2019, p. 86
  10. ^ a b c ビジュアル・ディクショナリー 2019, p. 190
  11. ^ a b c d e f g h i j k ビジュアル・ディクショナリー 2019, p. 166
  12. ^ a b c d e ビジュアル・ディクショナリー 2019, p. 167
  13. ^ ビジュアル・ディクショナリー 2019, p. 169
  14. ^ “『アントマン&ワスプ』量子世界に都市のようなものが映りこんでいる?”. ニュースウォーカー. (2018年10月4日). https://www.frc-watashi.info/antman-and-wasp-quantm-city 2018年10月4日閲覧。 
  15. ^ Loki: One of Marvel's Most Powerful Beings Just Got Teased In Tom Hiddleston's Disney+ Series”. 2021年7月8日閲覧。
  16. ^ a b c 最終話ネタバレ『ロキ』あの人物登場の裏に綿密なプラン 製作の裏側が明らかに”. 2021年7月17日閲覧。
  17. ^ a b c d e f g h i MCM Multiverse Map 2.0”. 2022年6月閲覧。

参考文献[編集]

  • 『マーベル・スタジオ・ビジュアル・ディクショナリー』デアゴスティーニ・ジャパン、2019年。ISBN 978-4-8135-2270-6 
  • 『アベンジャーズ マーベルヒーロー超全集 (てれびくんデラックス愛蔵版)』小学館、2019年。ISBN 978-4-09-227211-8