ブラックパンサー (映画)

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ブラックパンサー
Black Panther
Black Panther film logo.png
監督 ライアン・クーグラー
脚本 ライアン・クーグラー
ジョー・ロバート・コール
原作 スタン・リー
ジャック・カービー
製作 ケヴィン・ファイギ
出演者 チャドウィック・ボーズマン
マイケル・B・ジョーダン
ルピタ・ニョンゴ
ダナイ・グリラ
マーティン・フリーマン
ダニエル・カルーヤ
レティーシャ・ライト
ウィンストン・デューク
アンジェラ・バセット
フォレスト・ウィテカー
アンディ・サーキス
音楽 ルドウィグ・ゴランソン
撮影 レイチェル・モリソン
編集 クラウディア・カスティージョ
マイケル・P・シャウバー
製作会社 マーベル・スタジオ
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2018年2月16日
日本の旗 2018年3月1日
上映時間 134分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
コサ語
イボ語
製作費 $200,000,000
興行収入 アメリカ合衆国の旗$700,059,566[1]
世界の旗$1,346,904,876[1]
日本の旗14.6億円[2]
前作 マイティ・ソー バトルロイヤルマーベル・シネマティック・ユニバース前作)
次作 アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(マーベル・シネマティック・ユニバース次作)
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ブラックパンサー』(原題: Black Panther)は、2018年アメリカ合衆国スーパーヒーロー映画。製作はマーベル・スタジオ、配給はウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ。監督はライアン・クーグラー、出演はチャドウィック・ボーズマンマイケル・B・ジョーダンルピタ・ニョンゴなど。

マーベル・コミック」のアメリカン・コミックブラックパンサー』の実写映画化作品で、様々な「マーベル・コミック」の実写映画を、同一の世界観のクロスオーバー作品として扱う『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズとしては、第18作品目の映画となる。

概要[編集]

この映画は黒人の監督による黒人を主人公にした映画として注目された。キャストや制作スタッフも大半が黒人であり、ヨーロッパやアフリカをはじめ世界中からアフリカ系のプロフェッショナルが集結していた[3]

2018年3月24日に『アベンジャーズ』を超え、北米で史上最高の興行成績を獲得したスーパーヒーロー映画になった[4]

サウジアラビアに2018年4月、映画館が約35年ぶりにオープンして初上映作品になる[5]

ストーリー[編集]

遥か昔、地球にヴィブラニウムと呼ばれる鉱石で出来た隕石が落ちてきた。やがてその地アフリカで5つの部族が戦争を始める。一人の戦士がヴィブラニウムの影響を受けたハート型のハーブを摂取し、超人的な力を持つ「ブラックパンサー」となった。彼の下に4つの部族が集まり、ワカンダ国となった。だがジャバリ族だけは参加せず、姿を隠した。

それから何世紀もたち、ワカンダは世界から隔絶された、高度な科学技術を持つ超文明となった。1992年、当時のティ・チャカ国王は、カリフォルニア州オークランドに潜入していた弟のウンジョブを訪ねる。 ティ・チャカは、密偵ズリを通じ弟がワカンダから得た武器を武器商人ユリシーズ・クロウに渡していたことを知り、彼を問い詰め、そして亡き者にした。

現代。ヘルムート・ジモが起こした爆破テロによってチャカの死とそれに伴うアベンジャーズの内乱のその後、チャカの息子ティ・チャラが新国王に即位する運びとなった。その戴冠の儀式で、彼はジャバリ族の挑戦者エムバクを打ち負かし、晴れてワカンダは新たな国王を迎える。

それからしばらくして、エリック・スティーブンズという男がクロウと結託してロンドンの博物館を襲撃した。ティ・チャラは友人ウカビに彼と因縁のあるクロウの逮捕を約束し、親衛隊長オコエ、幼なじみの恋人ナキアを連れ、裏取引が行われている韓国釜山へと向かう。同じく潜入していたCIAのエヴェレット・ロス捜査官と手を組んでクロウを捕らえるが、取り調べ中にエリックの襲撃を受け奪還されてしまう。ナキアをかばい重傷を負ったロスを救うため、ティ・チャカはロスを連れてワカンダへの帰国を余儀なくされる。

シュリがロスの治療に当たっている間に、ウカビのもとにエリックが現れる。彼は手土産としてクロウの亡骸を引き渡し、国王との謁見を求める。エリックの本名はウンジャダカといい、亡きウンジョブの息子にして王位継承権を持っていた。ティ・チャラの問いにズリはかつて起きた事を話す。エリックは父を失った後、「キルモンガー」とあだ名される兵士に育ち、祖国ワカンダの技術と武器をもって世界中のアフリカ系民族を迫害から救うために帰還し、王位を求めて現れたのである。再び儀式が行われ、エリック・キルモンガーは仲裁に入ったズリを殺害すると、ティ・チャラを谷底に突き落とし、ついに王位を得る。そしてハート型のハーブを摂取してブラックパンサーの力とスーツを得ると、残るハーブを全て焼き払い、ワカンダの武器を全世界の同胞へ輸送するよう命じる。

ナキア、シュリ、ラモンダ、そして一命をとりとめたロスは密かに得ていたハーブを一つ持って脱出し、ジャバリ族に援助を求める。ティ・チャラはエムバクによって仮死状態で保護されており、最後のハーブによって息を吹き返す。そしてキルモンガーを倒すべく、再びスーツを着る。

シュリとナキア、キルモンガーに反旗を翻したドーラ・ミラージュはウカビと彼の軍隊に挑み、ロスはシュリのサポートを受けてジェットを遠隔操縦して兵器を搭載した輸送機を撃墜していく。エムバクとジャバリ族がティ・チャラの援護に加わり、ヴィブラニウム採掘場ではティ・チャラとキルモンガー、二人のブラックパンサーが中断された王位継承の儀式を再開させる。ティ・チャラの一撃がキルモンガーを貫き、ついに戦いに終止符が打たれる。キルモンガーは治療を拒み、投獄よりも自由ある死を選択する。ティ・チャラの計らいで祖国ワカンダの美しい景色を眺めながら、ついにエリック・キルモンガーはこの世を去る。

全てが終わり、ティ・チャラはウンジョブとエリックが住んでいたアパートを買い取り、支援センターを作ることをシュリに語る。ミッド・クレジット・シーンでは、ティ・チャラがついにワカンダの全てを明らかにすることを国連で演説する。そしてポスト・クレジット・シーンでは、治療を終えたホワイトウルフことバッキー・バーンズにシュリが語り掛ける。

登場人物[編集]

ティ・チャラ / ブラックパンサー
演 - チャドウィック・ボーズマン、日本語吹替 - 田村真[6][7]
アベンジャーズの内乱でジモが引き起こした国連会議場の爆破テロによって、父ティ・チャカが死亡したため王位を継承した。「国王」と「ブラックパンサー」2つの使命を持つワカンダ王国の若き国王。
本作開始時点(ティ・チャカの死の一週間後)では正確にはまだ国王ではなく、王位継承の儀式を翌日に控えている。『神秘のハーブ』を摂取することでブラックパンサーとしての超人的な身体能力を得ており、王位継承の儀式の際は一度ブラックパンサーとしての力を捨て、部族からの志願者と戦い勝利しなければならない。本作からは、妹のシュリが開発したナノマシンを応用した新スーツを身にまとっており、『シビル・ウォー』で着用していたスーツを遥かに上回る性能で、敵と戦闘を繰り広げている。
エリック・“キルモンガー”・スティーヴンス / ウンジャダカ
演 - マイケル・B・ジョーダン、日本語吹替 - 津田健次郎[6][7]
元アメリカの秘密工作員で、「死の商人」を意味する「キルモンガー」の異名を持つ。ワカンダの秘密を知り、王位を狙う。
その正体はウンジョブがアメリカ人との間に儲けた息子のウンジャダカで、ティ・チャラの従兄弟。父を殺害した叔父一家への復讐と、父の悲願である黒人の社会的立場向上のため、ワカンダのテクノロジーによる世界征服を企てる。
ナキア
演 - ルピタ・ニョンゴ、日本語吹替 - 皆川純子[6][7]
ティ・チャラの幼馴染みで元恋人。ワカンダのスパイとして世界各国で活動している。ティ・チャカの葬儀と王位継承の儀式への参加を希望するティ・チャラの願いを聞き入れてワカンダに戻り、その後はティ・チャラと行動を共にしていく。
オコエ
演 - ダナイ・グリラ、日本語吹替 - 斎賀みつき[6][7]
ワカンダ王国の親衛隊ドーラ・ミラージュ英語版の隊長。自ら戦闘現場に赴き、ブラックパンサーとしてのティ・チャラをサポートしている。
エヴェレット・ロス
演 - マーティン・フリーマン、日本語吹替 - 森川智之[6][7]
『シビル・ウォー』で初登場したCIA捜査官。今作ではクロウを取引でおびき出すべく釜山に赴いたところで、図らずもティ・チャラと再会を果たすことになる。ブラックパンサーの秘密を漏らさないことを条件にCIAの施設にクロウを拘留するが、クロウを脱走させるウンジャダカの攻撃からナキアをかばって脊髄を負傷し、治療の為にワカンダへ行くことになり、世界の命運をかけた戦いに身を投じることとなる。今作では、元アメリカ空軍パイロットであることが明かされる。
ウカビ英語版
演 - ダニエル・カルーヤ、日本語吹替 - 中井和哉[6][7]
ワカンダの国境を警備するボーダー族のリーダー。ティ・チャラの親友。オコエの恋人。両親を殺したクロウに怒りを抱いており、彼を取り逃してしまったチャラに従う事や、ワカンダの閉鎖的な外交姿勢に疑問を持ち始める。そして、国境に現れたキルモンガーの手土産を見て、ワカンダの変革を目的に彼と結託し、ティ・チャラに見切りを付けてしまう。最終決戦でボーダー族を率いてティ・チャラに攻撃するが、エムバクらジャバリ族の加勢によって追い詰められてしまい、最後の足掻きとしてエムバクを葬ろうとしたが、オコエによって押さえ付けられ、降伏した。
シュリ
演 - レティーシャ・ライト、日本語吹替 - 百田夏菜子[8][7]
ティ・チャラの妹でワカンダ王国の王女。16歳にしてブラックパンサー・スーツや様々なツールを創り出す天才科学者・発明家でもある。
エムバク英語版
演 - ウィンストン・デューク、日本語吹替 - 木村昴[7]
ワカンダの山奥に棲み、長い間ワカンダ王家とは距離を置いてきたジャバリ族のリーダー。ハヌマンというゴリラ神を信仰している。ウンジャダカとの決闘で重傷を負ったティ・チャラを保護し、最終決戦では部族を率いてティ・チャラ達に加勢した。
唯一ワカンダ国王に忠義を誓っていない部族で、他の部族のワカンダ人はコサ語を用いているが、ジャバリ族はナイジェリアイボ語を使用している。
ラモンダ英語版
演 - アンジェラ・バセット、日本語吹替 - 幸田直子[7]
ティ・チャラとシュリの母親でワカンダ王国の女王。
ズリ英語版
演 - フォレスト・ウィテカー / デンゼル・ウィテカー(青年期)、日本語吹替 - 玄田哲章 / 後藤光祐(青年期)[7]
ワカンダの王位継承の儀式を取り仕切る高僧で、ティ・チャラの良き相談相手でもある。若い頃はスパイで、ティ・チャカの命令でウンジョブの動向を報告していた。
ユリシーズ・クロウ英語版
演 - アンディ・サーキス、日本語吹替 - 広田みのる[7]
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で初登場した、ヴィブラニウムの密輸を企てる南アフリカのブラックマーケットを仕切っている武器商人。キルモンガーと結託している。『エイジ・オブ・ウルトロン』でウルトロンに切断された左腕には、ソニック砲を放つアームキャノンが内蔵された義手を装着している。
本作の30年前にワカンダに侵入し、ヴィブラニウムが保存されたボトルを250本も強奪した上でワカンダの国境を爆破して逃走。この一件で、ウカビの両親を含めた多数のワカンダ人が死傷した。後にヴィブラニウムはウルトロンによって全て買い取られ、ヴィジョンの肉体やソコヴィアを浮かび上がらせる装置の開発に利用された。
アヨ
演 - フローレンス・カサンバ英語版、日本語吹替 - 織部ゆかり[7]
ドーラ・ミラージュの隊員。『シビル・ウォー』にもティ・チャラと共に先行登場していた。
ティ・チャカ英語版
演 - ジョン・カニ英語版 / アタンドワ・カニ(青年期)、日本語吹替 - 佐々木敏 / 滝知史(青年期)[7]
ティ・チャラの父親。ワカンダ王国の先代王にして先代ブラックパンサー。ソコヴィア協定署名式でジモが引き起こした爆破テロで死亡した。今作では回想シーンとティ・チャラの霊視体験のシーンにて登場する。
ウンジョブ
演 - スターリング・K・ブラウン、日本語吹替 - 遠藤大智[7]
ティ・チャカの弟で、ウンジャダカの父親。ティ・チャラの叔父。
本編開始から30年前、アメリカでスパイをしていたが、そこで同じアフリカを故郷に持つ黒人が白人社会に虐げられていることに憤って過激派組織に組みし、クロウと結託してヴィブラニウムを祖国から盗み出した。
バッキー・バーンズ / ウィンター・ソルジャー / ホワイトウルフ
演 - セバスチャン・スタン(ノンクレジット)、日本語吹替 - 白石充[7]
かつてヒドラに暗殺者「ウィンター・ソルジャー」へと仕立て上げられた、キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースの幼馴染みにして無二の親友。『シビル・ウォー』の終盤でティ・チャラの手引きでワカンダへと亡命し、ヒドラの洗脳を解く術が見つかるまで冷凍冬眠装置に入り眠りについた。ポスト・クレジット・シーンにて登場。ワカンダのとある小さな村の小屋で目覚め、村を訪れたシュリと会った。この頃には、ティ・チャラから「ホワイトウルフ」の称号を授かっていた。
ギャンブラー
演 - スタン・リー、日本語吹替 - 高桑満[7]

他マーベル作品とのクロスオーバー[編集]

トリビア[編集]

本作では、日本高級車ブランド「レクサス」が販売する「LC500」が登場し、ブラックパンサー専用の車両となっている[9]。車体は「ヴィブラニウム鉱石」で作られており、銃弾を寄せ付けないといった機能を持っている[9]。ナキア、オコエが乗る車両としてLC500と同じく「ヴィブラニウム鉱石」で作られているレクサスの「GS F」が登場する。ユリシーズ・クロウが釜山で使用する車両としては5代目トヨタ・4ランナーのカスタムモデルが登場する。

日本での公開[編集]

日本では「国王とヒーロー…2つの顔をもつ男。」「国王として守るか? ヒーローとして戦うか?」というキャッチコピーで2018年3月1日に公開された。同年2月18日には吹き替え版完成披露試写会が開催され、シュリ役の百田夏菜子、サプライズゲストとして藤岡弘、が登壇して舞台挨拶が行われた[10]

脚注[編集]

  1. ^ a b Black Panther”. 2018年10月3日閲覧。
  2. ^ 掲載2018映画興行収入ランキング!日本おすすめベスト-ピクシーン”. 2018年6月11日閲覧。
  3. ^ 映画『ブラックパンサー』は、「アフロ・フューチャリズム」を人類の希望に転じた:池田純一レヴュー” (2018年3月18日). 2018年4月2日閲覧。
  4. ^ 【北米興行成績】「ブラックパンサー」が史上最高の興収を獲得したスーパーヒーロー映画に” (2018年3月26日). 2018年4月2日閲覧。
  5. ^ 「映画館が禁止された国」サウジアラビアで35年ぶりに映画館オープン、初上映作品は『ブラックパンサー』 ─ 男女同席も可能に”. THE RIVER (2018年4月7日). 2018年4月15日閲覧。
  6. ^ a b c d e f “マーベル「ブラックパンサー」吹替に田村真、津田健次郎、中井和哉、森川智之ら参加”. 映画ナタリー. (2018年1月17日). https://natalie.mu/eiga/news/265485 2018年1月17日閲覧。 
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “話題のふきカエ ブラックパンサー”. ふきカエル大作戦!!. (2018年3月1日). https://www.fukikaeru.com/?p=8858 2018年3月1日閲覧。 
  8. ^ “ももクロ百田夏菜子、マーベル新キャラ声優に決定!ブラックパンサーの妹役”. シネマトゥデイ. (2018年1月25日). https://www.cinematoday.jp/news/N0097929 2018年1月25日閲覧。 
  9. ^ a b “マーベル・スタジオ最新作『ブラックパンサー』にLC500が登場”. レクサス. https://lexus.jp/brand/collaboration/blackpanther/ 2018年2月23日閲覧。 
  10. ^ “ももクロ百田&藤岡弘、「ブラックパンサー」のリーダー像に共鳴”. 映画.com. (2018年2月20日). http://eiga.com/news/20180220/15/ 2018年4月26日閲覧。 

外部リンク[編集]