雲海

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日本本州乗鞍富士見岳から見る雲海
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ雲海の上の旅人』/ドイツロマン主義の画家による1818年の油彩画

雲海(うんかい)とは、航空機など高度の高い位置から見下ろしたとき、に譬える気象景観。山で見られる雲海は、山間部などでの放射冷却によって層雲が広域に発生する自然現象による。

雲の海に山々がのように浮かんでいるように見えることから雲海と呼ばれる。

かつては雲が遥かに見える果てしない海原のことを「雲海」と呼んだことがあった(例:「雲海沈々として、青天既に暮れなんとす」(平家物語・七)。

霧の現象について[編集]

発生の原理[編集]

夜半、山間部などを低気圧が通過して湿度が高くなったとき、放射冷却によって地表面が冷え、それによって空気が冷やされていく。ここでの流れがない場合に、冷えた空気は(ボウル状の地形のため)その場に留まり、さらに冷却され続ける。やがて一帯が飽和状態となり、空気中の水分がとなって発生する。このときの様子が、山頂などの高所からは雲海として観察できる。

発生条件[編集]

雲海の発生条件を明確な箇条書きにすることは難しいが、おおむね次のようであるといえる。

  • 季節:、またはを除く10月2月ごろ)
  • 時間:夜明け前~早朝
  • 気象:湿度が高く十分な放射冷却があること(なるべく無風状態)
  • 地域:山間部、盆地

日本国内の名所[編集]

ギャラリー[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]