小池修一郎

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小池 修一郎(こいけ しゅういちろう、1955年3月17日 - )は、日本劇作家・舞台演出家東京都出身。慶應義塾高等学校を経て慶應義塾大学文学部卒業[1]宝塚歌劇団所属。愛称はイケコ。

略歴[編集]

慶應義塾大学文学部在学中に演劇研究会で活動する。当時はアングラ演劇の旗手・唐十郎に傾倒しており、宝塚の舞台はアングラ演劇などとほぼ対極の特殊な世界と考えていたという。しかし、宝塚歌劇の東京公演を観劇する機会があり(本人は立ち見料金が安かったからと回想)、題材に合わせてスターたちが日本人にも外国人にもなりきる姿に新鮮さを感じて印象が変化、その後宝塚観劇を重ねるようになる。東京宝塚劇場で演出助手の募集広告を見つけ、大学を卒業した1977年、宝塚歌劇団に演出助手として就職を果たす。

演出助手時代はショー作品の演出、構成の補佐にあたることが多く、長い助手時代を経て演出家デビューが決まった際も、デビュー作として当初ショー作品を企画していたが、劇団側からは芝居を企画するよう求められ、1986年宝塚バウホール公演『ヴァレンチノ〜愛の彷徨〜』と題したドラマ作品で演出家デビュー。以後、ドラマ作家・演出家としてキャリアを積む。

1989年宝塚大劇場公演としてゲーテの名作『ファウスト 第一部』を大胆にアレンジした『天使の微笑・悪魔の涙』(主演:月組 剣幸こだま愛)を演出、劇団本拠で初めて演出を手掛ける。

1991年、演出作品『華麗なるギャツビー』(主演:雪組 杜けあき鮎ゆうき、原作:F・スコット・フィッツジェラルド)で第17回菊田一夫演劇賞・演劇賞を受賞。

1992年にはシェイクスピア作『夏の夜の夢』を現代に置き換え、環境問題や人間の欲などの風刺を盛り込んで翻案した『PUCK』(主演:月組 涼風真世麻乃佳世)でも絶賛された。

1996年、ドイツ語ミュージカルのヒット作『エリザベート』の宝塚版上演の際、潤色・演出を担当。男役重視の宝塚の伝統から、オリジナルでは脇役の死神トートを主役に据え、トートを中心とした壮麗な恋愛劇に仕立て、日本の観客にわかりやすく構成したこともあいまって宝塚版のヒットに貢献、以後『エリザベート』(主演:雪組 一路真輝花總まり)は宝塚で再演の繰り返される人気作品となった(再演でも一貫して小池が担当)。2000年からは宝塚での絶賛を受けて製作された、東宝版にも演出で参加、また『エリザベート』の作詞・作曲コンビであるクンツェ&リーヴァイによる『モーツァルト!』も、2002年に東宝ミュージカルでの上演の際、演出に携わっている。

2006年、『NEVER SAY GOODBYE』(主演:宙組 和央ようか、花總まり)では、ブロードウェイから作曲家フランク・ワイルドホーンを招いて協働した。

2007年、大阪で開催された2007年世界陸上選手権の開会式と閉会式等の総合演出を担当。その際に、歌劇団から雪組の主要男役メンバーによるユニット・AQUA5水夏希彩吹真央音月桂凰稀かなめ彩那音)を招き、開会式でのパフォーマンスアクトに抜擢している。

2008年、『THE SCARLET PIMPERNEL』(主演:星組 安蘭けい遠野あすか)の日本初演の潤色・演出を手掛ける。同作は第34回菊田一夫演劇賞・大賞を受賞。

2009年には、韓国の人気ドラマ『太王四神記』(宝塚での主演:花組 真飛聖桜乃彩音)、映画『カサブランカ』(主演:宙組 大空祐飛野々すみ花)の世界初のミュージカル化に伴い、脚本・演出を担当。これらの功績が認められ、2010年に第35回菊田一夫演劇賞・大賞を受賞する。

2010年、フランス発のロック・ミュージカル版『ロミオとジュリエット』(作曲:ジェラール・プレスギュヴリック)の日本初演の潤色・演出を手掛け、2014年、作・演出を担当した『眠らない男・ナポレオン -愛と栄光の涯に-』でプレスギュヴリックを作曲に招き、再び海外大物作曲家との協働で宝塚オリジナルミュージカルを作りあげている。同年、紫綬褒章を受章[2]。現在も宝塚歌劇や外部舞台作品などの演出で活躍中。

2020年、宝塚歌劇団理事を退任し、特別顧問に就任[3]

演出家像[編集]

  • 小池自身、宝塚の魅力として、男役を生かす舞台展開と題材の豊富さを挙げている。また惹かれる人間像については、理想のため情熱を燃やしながら現実に敗れてしまう悲劇的な人間に魅了されると語っている。これらの傾向からか、小池のオリジナル作品では、作品の中心人物たちの理想や生きがいは周囲に理解されず、その点が悲劇に繋がっていくという設定もよく見受けられる。
  • 『ヴァレンチノ』や『華麗なるギャツビー』、『JFK』、『失われた楽園』、『カステル・ミラージュ』など宝塚での演出作品ではアメリカをよく舞台に取りあげている。
  • 『エリザベート』で、海外ミュージカルを歌劇団の特性を生かして再構成する脚色手腕を発揮したこともあって、以後は海外ミュージカルをはじめとして脚色が宝塚での劇作の中心となり、劇作家として2015年以降は脚色・潤色に特化してヒット作を送り出している。
  • 下表の通り、宝塚以外の演出活動に、イベントも含めて積極的に取り組んでいる。

宝塚歌劇団での主な作品[編集]

大劇場公演[編集]

1980年代 - 1990年代[編集]

2000年代[編集]

2010年代[編集]

2020年代[編集]

  • ONCE UPON A TIME IN AMERICA』(2020年 雪組 主演:望海風斗
  • 『ロミオとジュリエット』(2021年 星組 主演:礼真琴)*潤色・演出
  • 『NEVER SAY GOODBYE』(2022年 宙組 主演:真風涼帆)*予定

その他劇場の公演[編集]

  • ヴァレンチノ〜愛の彷徨〜』(1986年 雪組 宝塚バウホール 主演:杜けあき)*演出家デビュー作
  • 蒼いくちづけ』(1987年 星組 宝塚バウホール・日本青年館 主演:紫苑ゆう)
  • 『タイム・アダージオ』(1988年・1989年 花組 宝塚バウホール・簡易保険ホール 主演:大浦みずき
  • 『美しき野獣』(1990年・1991年 花組 宝塚バウホール・日本青年館、愛知文化講堂 主演:大浦みずき)
  • 『ヴァレンチノ〜愛の彷徨〜』(1992年 - 1993年 雪組 宝塚バウホール、日本青年館、中日劇場 主演:杜けあき)[15]
  • 『ロスト・エンジェル』(1993年 月組 宝塚バウホール 主演:涼風真世)
  • 『ローン・ウルフ』(1994年・1995年 月組 宝塚バウホール・日本青年館、愛知厚生年金会館 主演:真琴つばさ)
  • 『チャンピオン!-甦る伝説-』(1995年 花組 宝塚バウホール、日本青年館 主演:匠ひびき
  • 『ブルー・スワン-Get Beauty, Only Beauty-』(1997年 花組 宝塚バウホール、日本青年館、愛知県芸術劇場 主演:真矢みき)
  • 『イコンの誘惑』(1998年 星組 宝塚バウホール、日本青年館 主演:麻路さき)
  • 『DAYTIME HUSTLER』(2005年 雪組 宝塚バウホール、日本青年館 主演:貴城けい
  • 『MIND TRAVELLER -記憶の旅人-』(2006年 花組 シアタードラマシティ、日本青年館 主演:真飛聖)
  • 『蒼いくちづけ』(2008年 花組 宝塚バウホール 主演:真野すがた・朝夏まなと)[16]
  • 『グレート・ギャツビー』(2008年 月組 日生劇場 主演:瀬奈じゅん)[17]
  • 『ロミオとジュリエット』(2010年 星組 梅田芸術劇場メインホール博多座 主演:柚希礼音)
  • 『ヴァレンチノ』(2011年 宙組 シアタードラマシティ・日本青年館 主演:大空祐飛)[18] 

コンサート[編集]

ディナーショー[編集]

  • 轟悠ディナーショー『Les Jours d'Amour』(1999年 パレスホテルホテル阪急インターナショナル、呉阪急ホテル)
  • 真琴つばさディナーショー『TSUBASA伝説』(2001年 ホテル阪急インターナショナル、パレスホテル)
  • 和央ようかディナーショー『So in Love』(2003年 ホテル阪急インターナショナル、パレスホテル)

宝塚歌劇団以外の主な舞台[編集]

  • 『レディー ビー・グッド!』(1993年)*演出
  • アニーよ銃をとれ』(1997年)*演出・訳詞
  • 『ユアーズ』(1997年)*構成・演出
  • 『カンパニー 〜結婚しない男〜』(1999年)*修辞、訳詞、演出
  • エリザベート』(2000年、2001年、2004年、2005年、2006年、2008年 - 2009年、2010年、2012年、2015年、2016年、2019年)*潤色・演出
  • 『ジャン・コクトー 堕天使の恋』(2001年) *演出のみ
  • モーツァルト!』(2002年、2005年、2007年、2010年、2014年、2018年、2021年)*演出・訳詞 
    • 『モーツァルト!』韓国公演(2016年)*演出 [19]
  • アンナ・カレーニナ』(2006年、2010年、2013年)*修辞・訳詞
  • 『トライアンフ・オブ・ラブ』(2008年)
  • キャバレー』(2010年、2012年)*修辞、訳詞、演出
  • 井上芳雄 10周年記念コンサート(2010年) 
  • 『MITSUKO』(2011年)*脚本、作詞、演出
  • ロミオ&ジュリエット』(2011年、2013年、2017年、2019年、2021年)*潤色、演出
  • レディ・ベス』(2014年・2017年)*訳詞、演出
  • オーシャンズ11』(2014年)
  • 1789 - バスティーユの恋人たち -』(2016年、2018年)*潤色、演出[20]
  • 『エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート』(2016年 - 2017年)*構成・演出・訳詞[21]
  • グレート・ギャツビー』(2017年)[22]
  • 一路真輝 35周年記念コンサート(2017年)*監修[23]
  • るろうに剣心』(2018年)[24]
  • ポーの一族』(2021年)[25]
  • 『エリザベート TAKARAZUKA25周年 スペシャル・ガラ・コンサート』(2021年)*構成・演出・訳詞[26]
  • ニュージーズ』(2021年)*演出・日本語訳・訳詞[27]

その他[編集]

不思議の国のハローキティ
  • 2007年世界陸上選手権 開会式・閉会式の総合演出
  • サンリオピューロランド『ハローキティのくるみ割り人形』(2006年6月24日 - 2009年4月5日)脚本・演出・作詞
  • サンリオピューロランド『ハローキティとオズの魔法の国』(2009年4月13日 - 2013年4月4日)作・演出
  • サンリオピューロランド『不思議の国のハローキティ』(2013年4月20日 - 2018年1月31日)脚本・演出

書籍[編集]

受賞歴[編集]

☆はスタッフの一員として受賞したもの

  • 第17回菊田一夫演劇賞・演劇賞(1991年) - 『華麗なるギャツビー』の脚本・演出に対して
  • 第26回菊田一夫演劇賞・大賞(2000年)☆ - 『エリザベート』スタッフ・出演者一同 高い舞台成果
  • 第41回毎日芸術賞千田是也賞(2000年) - 『エリザベート』の演出に対して
  • 第27回菊田一夫演劇賞・大賞(2001年)☆ - 『モーツァルト!』スタッフ・出演者一同 高い舞台成果
  • 第14回読売演劇大賞・優秀作品賞(2006年)☆ - 『NEVER SAY GOODBYE』が優秀作品賞を受賞
  • 平成18年度文化庁芸術選奨文部科学大臣賞(2007年) - 『NEVER SAY GOODBYE』の業績に対して
  • 第34回菊田一夫演劇賞・大賞(2009年)☆ - 『スカーレット・ピンパーネル』スタッフ・出演者一同 高い舞台成果
  • 第35回菊田一夫演劇賞・大賞(2010年) - 『エリザベート -愛と死の輪舞-』『太王四神記 Ver.Ⅱ』『カサブランカ』『キャバレー』の脚本・演出に対して
  • 紫綬褒章(2014年)

その他の受賞[編集]

  • WOWOW presents「勝手に演劇大賞2014」・演出家賞(2015年)[28]
  • エンタステージアワード2015・演出家賞第1位(2015年)[29]

脚注[編集]

  1. ^ 《塾員インタビュー》コロナ禍でも舞台は成長し続ける 宝塚歌劇団 小池修一郎氏 | Jukushin.com - Part 2” (日本語) (2020年12月14日). 2021年10月16日閲覧。
  2. ^ 春の褒章:紫綬褒章=演出家 小池修一郎さん(59)毎日新聞、2014年4月28日)
  3. ^ 轟悠と小池修一郎氏が宝塚理事を退任、特別顧問に日刊スポーツ 2020年7月19日
  4. ^ 1990年に地方公演で再演
  5. ^ 1992年に中日劇場で続演
  6. ^ 1994年に中日劇場で続演
  7. ^ 1999年に全国ツアーで再演
  8. ^ 2000年に中日劇場で続演
  9. ^ 2000年に博多座で続演
  10. ^ 2002年に全国ツアーで続演
  11. ^ 花組公演の副題は「チュシンの星のもとに」。星組公演は「Ver.Ⅱ」として初演と構成・演出を変えて上演した。副題は「新たなる王の旅立ち」
  12. ^ 2010年、星組梅田芸術劇場・博多座公演の再演
  13. ^ 2013年に博多座で続演
  14. ^ “宝塚月組が三銃士から着想得た「ALL FOR ONE」珠城りょうが王の秘密握る銃士隊員に”. ステージナタリー. (2016年11月29日). http://natalie.mu/stage/news/211197 2016年11月30日閲覧。 
  15. ^ 1992年、杜けあきの退団前に再演され、杜はこの作品と『忠臣蔵』での演技に対して、第18回菊田一夫演劇賞・演劇賞を受賞している
  16. ^ 2008年は、バウワークショップで再演。
  17. ^ 1991年、雪組公演『華麗なるギャツビー』を再構成して演出をした
  18. ^ 1986年、雪組バウホール公演『ヴァレンチノ』の再演。日本青年館公演は、東日本大震災により会場が罹災したため一度公演中止となったが、2011年8月13日~8月19日に上演が決定。
  19. ^ 『モーツァルト!』韓国公演の演出に小池修一郎が決定”. シアターガイド (2015年9月3日). 2015年9月4日閲覧。
  20. ^ Inc, Natasha. “小池徹平&加藤和樹ら続投「1789」が再び帝劇で、新キャストに龍真咲” (日本語). ステージナタリー. 2021年4月4日閲覧。
  21. ^ Inc, Natasha. “「エリザベート」宝塚初演より20年、歴代キャスト競演のガラ・コンサート” (日本語). ステージナタリー. 2021年4月4日閲覧。
  22. ^ “井上芳雄×小池修一郎、ミュージカル「グレート・ギャツビー」上演決定”. ステージナタリー. (2016年7月25日). http://natalie.mu/stage/news/195782 2016年7月26日閲覧。 
  23. ^ Inc, Natasha. “「一路真輝35周年記念コンサート」に花總まり、中川晃教、安蘭けい” (日本語). ステージナタリー. 2021年4月4日閲覧。
  24. ^ Inc, Natasha. “【公演レポート】浪漫活劇「るろ剣」男性と殺陣に挑む早霧せいなに上白石萌歌「剣心しか見えてない」” (日本語). コミックナタリー. 2021年4月4日閲覧。
  25. ^ Inc, Natasha. “ミュージカル「ポーの一族」小西遼生・中村橋之助・夢咲ねね・綺咲愛里ら全キャスト発表” (日本語). コミックナタリー. 2021年4月4日閲覧。
  26. ^ Inc, Natasha. “宝塚版「エリザベート」25周年記念コンサートの出演者発表、歴代出演メンバーがずらり” (日本語). ステージナタリー. 2021年6月25日閲覧。
  27. ^ Inc, Natasha. “京本大我主演「ニュージーズ」咲妃みゆ・松岡広大・加藤清史郎ら全キャスト解禁” (日本語). ステージナタリー. 2021年9月22日閲覧。
  28. ^ 『太陽2068』『モーツァルト!』が受賞 WOWOW「勝手に演劇大賞2014」が発表に”. シアターガイド (2015年3月2日). 2015年3月3日閲覧。
  29. ^ エンタステージアワード2015結果発表!!” (2015年12月28日). 2019年3月30日閲覧。

外部リンク[編集]