谷正純

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

谷 正純(たに まさすみ)は、宝塚歌劇団の演出家。日本大学芸術学部映画学科出身。

来歴・人物[編集]

映画が好きで、映画監督志望だったが、菅沼潤正塚晴彦といった日芸の先輩が宝塚歌劇団に入っていた関係で、学校に演出助手の募集があり、宝塚歌劇団は宝塚映画とは関係が深いので「そこから宝塚映画へ行けるかもしれない」という動機で応募した。

大学在学中には、日本テレビでアルバイトをしており、『ベルサイユのばら』の取材に携わったこともある。

1979年、宝塚歌劇団に入団。同期生には、石田昌也がいる。[1]

大劇場デビューは1990年の「秋…冬への前奏曲」。植田紳爾の作風を受け継ぐ演出家で、歴史・恋愛ものの大作が多い正統派の「宝塚らしい」タイプである。主役の一人称も「僕」が多い。

近年は「ベルサイユのばら」の演出も手がける。

作曲は吉崎憲治に一任し信頼しており、またトップスターの大劇場お披露目公演を手がける事が多い(紫苑ゆう、真矢みき、久世星佳、真琴つばさ、和央ようか、瀬奈じゅん、真飛聖など)

演出家のほか、宝塚歌劇団理事、宝塚音楽学校の演劇講師も務めている。[1]

私生活では、元星組トップ娘役の南風まいの姉と結婚している[2]

演出家像[編集]

和・洋問わず規模やスケールの大きい歴史物の芝居で手腕を発揮する一方で、以前は劇中内の登場人物が舞台上で倒れる(消される)シーンが多く、特に『望郷は海を越えて』などは、主役の和央ようか演じる九鬼海人と、花總まり演じる由布姫以外、結末までにほとんどの登場人物が倒れるなどの内容だったため、「脚本が荒い」、「人権無視だ」といった指摘や批判[3]が相次ぐこともあった。

しかし、近年は『1914/愛』『愛と死のアラビア』のように、史実では若くして亡くなった人物の最期を描かない、できるだけ登場人物が平和な作風に変化している。また、『THE MERRY WIDOW』や『ANOTHER WORLD』のような喜劇や、落語を題材とした作品も得意としている。

宝塚歌劇団での舞台作品[編集]

大劇場(芝居)[編集]

  • 秋…冬への前奏曲(プレリュード)』(花組・1990年)*大劇場デビュー作。
  • 『白夜伝説』(星組・1992年)
  • 『エールの残照』(月組・1994年)
  • 国境のない地図』(星組・1995年) *演出のみ
  • 『エデンの東』(花組・1995年)
  • 『CAN-CAN』(月組・1996年)
  • 虹のナターシャ』(雪組・1996年) *演出のみ
  • EL DORADO』(月組・1997年)
  • 『春櫻賦』(雪組・1998年)
  • 『我が愛は山の彼方に』(星組・1999年) *演出のみ
  • 『バッカスと呼ばれた男』(雪組・1999年)
  • 『望郷は海を越えて』(宙組・2000年)
  • ベルサイユのばら 2001 -オスカルとアンドレ編-』(星組・2001年) *演出のみ
  • 『ベルサイユのばら 2001 -フェルゼンとマリーアントワネット編-』(宙組・2001年) *演出のみ
  • 『ミケランジェロ -神になろうとした男-』(花組・2001年)
  • 『プラハの春』(星組・2002年)
  • 『野風の笛』(花組・2003年)
  • 『1914/愛』(星組・2004年)
  • JAZZYな妖精たち』(月組・2005年)
  • 『ベルサイユのばら -フェルゼンとマリーアントワネット編-』(星組・2006年) *演出のみ
  • 『ベルサイユのばら -オスカル編-』(雪組・2006年) *演出のみ
  • 『愛と死のアラビア』(花組・2008年)
  • ZORRO 仮面のメサイア』(雪組・2009年)
  • 『ジプシー男爵 -Der Zigeuner-baron-』(月組・2010年)
  • サン=テグジュペリ-「星の王子さま」になった操縦士(パイロット)-』(花組・2012年)
  • 風と共に去りぬ』(宙組・2013年) *演出のみ
  • こうもり …こうもり博士の愉快な復讐劇…』(星組・2016年)
  • 『ANOTHER WORLD』(星組・2018年)

大劇場(ショー)[編集]

  • 『さくら -妖しいまでに美しいをまえ-』(星組・2007年)

その他劇場[編集]

  • 『散る花よ、風の囁きを聞け』(花組バウホール・1986年)
  • 『あかねに燃ゆる君』(花組バウホール・1987年)
  • 『おもかげ草紙』(雪組バウホール・1988年)
  • 『紫陽の花しずく』(月組バウホール・1991年)
  • 『高照らす日の皇子』(月組バウホール・1992年)
  • 『FILM MAKING』(星組バウホール・1993年)
  • 『アナジ』(雪組バウホール・1996年)
  • 『武蔵野の露と消ゆとも』(星組バウホール・1997年)
  • 『心中・恋の大和路』(雪組バウホール・1998年、雪組ドラマシティ公演・2014年)*潤色・演出のみ[4]
  • 『ささら笹舟』(雪組バウホール・2000年)
  • 風と共に去りぬ』(星組全国ツアー・2001年、花組・雪組日生劇場・2002年、宙組全国ツアー・2004年、月組梅田芸術劇場公演・2014年、星組全国ツアー・2014年) *演出のみ 
  • 『なみだ橋 えがお橋』(月組バウホール・2003年)
  • 『ジャワの踊り子』(月組・花組全国ツアー・2004年) *演出のみ
  • 『くらわんか』(花組バウホール・2005年)
  • 『ベルサイユのばら』(星組全国ツアー、韓国公演・2005年、雪組全国ツアー・2014年、花組中日劇場公演・2014年、宙組全国ツアー・2014年) *演出のみ 
  • 『やらずの雨』(雪組バウホール・2005年)
  • 『UNDERSTUDY』(宙組バウホール・2005年)
  • 『Kean』(星組日生劇場・2007年) *潤色・演出のみ
  • 『ホフマン物語』[5](月組バウホール・2008年)
  • 『CODE HERO/コード・ヒーロー』(花組バウホール・2010年)
  • 『SAMOURAI』(雪組ドラマシティ・2011年)
  • 『THE MERRY WIDOW』(月組 ドラマシティ・2013年) [6]
  • 『銀二貫 -梅が枝の花かんざし-』(雪組バウホール・2015年)
  • 『FALSTAFF 〜ロミオとジュリエットの物語に飛び込んだフォルスタッフ〜』(月組 バウホール・2016年) [7][8]
  • 『CAPTAIN NEMO …ネモ船長と神秘の島…』(雪組日本青年館、梅田芸術劇場・2017年)

ディナーショー・コンサート[編集]

宝塚歌劇団以外での主な作品[編集]

コンサート[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 【タカラヅカ 夢舞台】座付き作者・谷正純 人に笑われ、人と違うことはイイことなんだとまず教える(zakzak、2014年2月8日)
  2. ^ 演出家と語る #15「谷正純・安蘭けい・琴まりえ」より
  3. ^ 2003年3月刊行 青弓社「宝塚アカデミア19」特集・センセの通信簿 参照。
  4. ^ 初演は1980年、星組にて。脚本・演出は菅沼潤が担当。
  5. ^ 初演の脚本・演出は菅沼潤
  6. ^ 主演は当時専科所属の北翔海莉
  7. ^ 主演は専科所属の星条海斗
  8. ^ “宝塚歌劇団月組が10月バウホールで「FALSTAFF」、主演は星条海斗”. ステージナタリー. (2016年3月22日). http://natalie.mu/stage/news/180634 2016年3月23日閲覧。