宝塚歌劇団1期生

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宝塚歌劇団1期生(たからづかかげきだん1きせい)は、1913年(大正2年)7月に宝塚歌劇団(当時の名称は宝塚唱歌隊)に入団[注釈 1]し、1914年(大正3年)に初舞台を踏んだ[注釈 2]16名を指す[3][4]

概要[編集]

初舞台の演目は、1914年の第一回公演『ドンブラコ/浮れ達磨/胡蝶』[5][注釈 3]

第一回公演の『ドンブラコ』において主役の桃太郎を演じたのは高峰妙子で、役は雲井浪子役は八十島楫子役は由良道子がそれぞれ務めた[5]

一覧[編集]

芸名[4] 読み仮名[4] 誕生日 出身地 出身校 芸名の由来 愛称 役柄 配属[4] 退団年[4] 備考
秋田衣子 あきた きぬこ 百人一首 - 不明 妹は瀧川末子[7]
大江文子 おおえ ふみこ 2月20日[8] 大阪府大阪市[9] 百人一首 男女両役 - 1921年
逢坂關子 おおさか せきこ 8月2日[8] 大阪府[8] 百人一首 娘役 - 1929年
小倉みゆき おぐら みゆき 2月20日[8] 鹿児島県[8] 百人一首 男役[10] - 1919年
雄嶋艶子 おじま つやこ 百人一首 - 不明 女優・二條玉子[11]
雲井浪子 くもい なみこ 7月23日[8] 兵庫県津名郡洲本町[12] 湊山尋常高等小学校[13] 百人一首 娘役[10] - 1919年 姉は八十島楫子、妹は緒島なほ子[14]
夫は坪内士行[15]
娘は女優・坪内ミキ子[15]
義理の叔父が坪内逍遥 [15]
關守須磨子 せきもり すまこ 百人一首 - 不明
高峰妙子 たかみね たえこ 5月6日[8] 福井県[8] 百人一首 アッサン 男役[10] (花組→雪組→花組→雪組)[注釈 4] 1927年 妹は大山郁子
男役スター第1号[16]
筑波峯子 つくば みねこ 4月7日[8] 岡山県[8] 百人一首 - 1927年
外山咲子 とやま さきこ 百人一首 - 不明
松浦もしほ まつうら もしほ 百人一首 - 不明
三室錦子 みむろ きんこ 百人一首 - 1917年
三好小夜子 みよし さよこ 9月23日[8] 大阪府[8] 百人一首 男役 - 1920年
八十島揖子 やそしま かじこ 百人一首 - 1917年 妹は雲井浪子・緒島なほ子[14]
由良道子 ゆら みちこ 10月14日[17] 大阪府[17] 百人一首 男役 - 1918年 在団中に死去[18][17]
若菜君子 わかな きみこ 百人一首 - 不明

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 後に高峰妙子が入団当時を振り返って《昔は同じ学年でも、入るのはまちまちでしたから、雲井さんは三月頃、私は五月頃入りましたね。》と語っている[1]
  2. ^ 正式な初舞台(第一回公演)は1914年4月であるが、それ以前に宝塚新温泉にて休憩所での余興として人前に立つことがあった[2]
  3. ^ 若菜君子の初舞台について、本人は1915年の春期公演『雛祭』における「五人囃の笙の役」だったと回想している[6]
  4. ^ 組分けがなされた後

注釈の3について、これは2代目若菜君子の話。この時在籍中だったのは2代目。

出典[編集]

  1. ^ 橋本雅夫『素晴らしい宝塚歌劇―夢とロマンの85年―』阪急電鉄コミュニケーション事業部、1999年9月10日、47頁。ISBN 4-89485-013-3 
  2. ^ 阪上由紀『宝塚歌劇における「主題歌」とその役割 : 歴史と展開』 関西学院大学 博士(芸術学), 34504甲第516号、2014年3月1日、6頁。 NAID 500000920359https://hdl.handle.net/10236/126122022年4月12日閲覧 
  3. ^ 90年史 2004, p. 179.
  4. ^ a b c d e 100年史(人物) 2014, p. 6.
  5. ^ a b 100年史(舞台) 2014, p. 38.
  6. ^ 河原蓬『寳塚歌劇少女の生活』育文館書店、1922年11月25日、90頁。doi:10.11501/911938 
  7. ^ 1954年6月号宝塚グラフ別冊付録「宝塚ものがたり美しく新しく」に「第一期生の秋田衣子は瀧川末子の姉です。」と記載あり。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l 藤波 1919, p. 95.
  9. ^ 藤山 1920, p. 136.
  10. ^ a b c 100年史(人物) 2014, p. 130.
  11. ^ 橋本雅夫『素晴らしい宝塚歌劇―夢とロマンの85年―』阪急電鉄コミュニケーション事業部、1999年9月10日、175頁。ISBN 4-89485-013-3 
  12. ^ 47都道府県「おらが村の女偉人伝」兵庫県・雲井浪子/宝塚歌劇団1期生のスター”. Smart FLASH/スマフラ. 光文社 (2020年12月29日). 2022年4月2日閲覧。
  13. ^ 『歌劇』、宝塚少女歌劇団、1933年4月、157号、P.15
  14. ^ a b 100年史(人物) 2014, p. 29.
  15. ^ a b c 宝塚女優と結婚した早大教授 逍遙のおい 坪内士行の青春”. 早稲田ウィークリー. 早稲田大学 (2016年10月10日). 2022年4月2日閲覧。
  16. ^ 編集・発行:市橋浩二『宝塚歌劇五十年史』宝塚歌劇団、1964年5月1日、90頁。doi:10.11501/2504313 
  17. ^ a b c 藤波 1919, p. 96.
  18. ^ 100年史(人物) 2014, p. 76.

2に追加info:ndljp/pid/3561715 雑誌「富士」1953年1月号139ページ https://dl.ndl.go.jp/pid/3561715「唱歌隊のころは、土地の人が入浴の余興に見て帰る程度」と記載があり、唱歌隊の頃から舞台に立っていた。「藤の模様の振袖を着て、唱歌をうたった。」との記載もあり。

参考文献