首都圏 (日本)
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日本における首都圏(しゅとけん)とは、首都圏整備法に基づき整備・建設された関東地方1都6県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県)と山梨県を含む地域を指す国策上の用語である。この用法についてはこちらに詳述する。
本項では、首都を中心とする周辺地域を指す用語として用いられる、首都・東京周辺の生活圏(都市圏)を指す東京圏(とうきょうけん)および東京都市圏(とうきょうとしけん)について記述する。
なお、近年の規制緩和に伴って、最近では民間団体を中心に「首都圏」を「東京圏」や「東京都市圏」と同じ用法として使用する例が非常に多い。
目次 |
[編集] 定義
日本における首都圏とは、首都圏整備法に基づく国策として整備・建設された地域を指す呼称である。この用法についてはこちらに詳述する。本項では、首都・東京の生活圏、都市圏を指す「東京圏」あるいは「東京都市圏」について記載する。
詳細は「東京を中心とする地域の定義一覧」を参照
[編集] 東京圏、東京都市圏
各種の統計資料等では、東京都心から50キロメートルないし70キロメートル程度の圏内、あるいは東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の南関東1都3県を、「東京圏」や「東京都市圏」として定義する事例が多く見られる。
[編集] 首都圏整備法以外の首都圏
近年、民営団体が「首都圏」を東京都区部およびその近隣域を指す「東京圏」や「東京都市圏」の代わりとして用いる場合がある[1][2]が、稀である。
また近年では、交通機関の整備等を背景として、首都圏は拡大傾向にあるととらえ、福島県、新潟県、長野県、静岡県などをも首都圏に含めて使用される場合もある。
[編集] 経済
以下、東京都市圏の経済について著述する。
[編集] 世界最大の人口
東京都区部の人口は852万人(2006年8月現在)であるが、昼夜人口変動を考慮すると、オフィス街の多い都区部における昼間人口は遥かに高い。東京都では1,264万人、東京都市圏では定義にもよるが約3,460 - 3,520万人である。東京都市圏の3,460万人という数字は世界のどの都市圏よりも多く、東京は世界最大の都市を形成しているといえる。京阪神も約2,000万人の規模であり、日本には世界的に見ても10本の指に入る大都市圏を2つ抱えていることになる(世界の都市圏人口の順位参照)。
国際連合の統計による都市部人口[1]
| 順位 | 中心都市 | 人口 | 国 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 東京 | 35,676,000 | |
| 2位 | ニューヨーク | 19,040,000 | |
| 3位 | メキシコシティ | 19,028,000 | |
| 4位 | ムンバイ | 18,978,000 | |
| 5位 | サンパウロ | 18,845,000 | |
| 6位 | デリー | 15,926,000 | |
| 7位 | 上海 | 14,987,000 | |
| 8位 | コルカタ | 14,787,000 | |
| 9位 | ダッカ | 13,485,000 | |
| 10位 | ブエノスアイレス | 12,795,000 |
[編集] 世界最大の経済都市
2005年の名目国内総生産(GDP)は、東京都だけで 8787億ドルに達し、ブラジル(7956億ドル)、韓国(7875億ドル)、インド(7719億ドル)、ロシア(7632億ドル)より大きく、世界10位の「国」に相当する。東京都市圏(1都3県)では1兆5591億ドルで、カナダ(1兆1324億ドル)、スペイン(1兆1265億ドル)より大きく、世界8位の国に相当する、世界最大の経済都市である(国の国内総生産順リスト参照)。
購買力平価(PPP)を基にしても、東京都市圏のGDPは1兆1,910億ドル(2005年)[2]と非常に大きく、G7の一員であるカナダ全体のGDP(1兆1302億ドル)などを超える、名実共に世界最大の経済都市であり(2位がニューヨーク都市圏1兆1330億ドル)、GDP世界11位の「国」に相当する。
2005年のGDP(名目)
| 順位 | 都市圏 | GDP |
|---|---|---|
| 世界7位(国) | 1兆7655億ドル | |
| 世界1位(都市圏) | 1兆5591億ドル | |
| 世界8位(国) | 1兆1302億ドル | |
| 世界9位(国) | 1兆1265億ドル | |
| 世界2位(都市圏) | 1兆546億ドル [3] | |
| 世界1位(都/都市) | 8787億ドル | |
| 世界10位(国) | 7956億ドル | |
| 世界11位(国) | 7875億ドル | |
| 世界12位(国) | 7719億ドル |
2005年のGDP (購買力平価) 世界上位8都市圏世界の都市圏GDPトップ150
| 順位 | 都市圏 | GDP |
|---|---|---|
| 1位 | 1兆1910億ドル | |
| 2位 | 1兆1330億ドル | |
| 3位 | 6390億ドル | |
| 4位 | 4600億ドル | |
| 4位 | 4600億ドル | |
| 6位 | 4520億ドル | |
| 7位 | 3410億ドル | |
| 8位 | 3150億ドル |
[編集] 世界都市東京
1999年、イギリスのラフバラー大学地理学部による世界都市の研究をもとに、GaWC(Globalization and World Cities Study Group and Network)は世界都市の定義を定め、これをカテゴリー化した。[4]この研究結果によると、東京はニューヨーク、ロンドン、パリの3都市と並び最上級の世界都市との評価を得ている。
また2008年10月、アメリカの外交専門誌フォーリンポリシーは都市社会学者サスキア・サッセンらの研究による世界都市ランキングを発表した。[5]このランキングは「ビジネス活動」「人的資源」「情報流通」「文化的経験」「政治関与」の5部門による総合結果により作成されており、東京はニューヨーク、ロンドン、パリに次ぐ世界4位の都市として格付けされた。部門別の評価である「ビジネス活動」においては、東京はニューヨークに次ぎ世界2位の都市との評価を得ている。
[編集] 地理
以下に東京都市圏の分布特徴を著述する。
[編集] 地域
東京都心からの時間的距離に応じて人口や都市空間の集積が遷移するという性質が強く、郊外では放射状に広がる近郊鉄道沿いの人口密度が高いものの、それらの間の地域では人口密度が低くなる。すなわち、ヒトデ型あるいは星型の都市圏構造を呈している。
都心、副都心と呼ばれる地区は概ね旧東京都庁10km圏内に位置している。一方その外側にはベッドタウンが形成されており、人口に比して商業・業務機能の集積が少ないのが特徴。しかし20 - 40km圏内においては副々都心、業務核都市の指定をうけ、また新都心と呼ばれるような業務の集積がみられる自治体も点在している。
尚、関東大震災後や第二次世界大戦後には、東京都区部から郊外に無秩序・虫食い状に住宅地が拡大するスプロール現象が起こった。このような事態への対策として多摩ニュータウンなどの大規模ニュータウンが計画されたが、当初の構想とは異なり住宅供給を主体とするものとなり、企業の進出はあまり進まなかった。
[編集] 米軍基地
関東の空は、横田空域と呼ばれる在日米軍の管制下に置かれており、自由な民間航空機の航行ができない。そのため、首都圏の国際空港が、東京都中心部から65km東の成田に置かざるを得なかったのみならず国内航空の最重要ハブ空港である東京国際空港も、飛び立ってすぐに急上昇しないと西日本方面に向かえない。
横田飛行場(多摩地域)以外にも、特に神奈川県には、厚木基地や横須賀基地やキャンプ座間に代表されるように、米軍基地が密集している。神奈川県内の国道16号(相模原市 - 横浜市 - 横須賀市)は、米軍基地の多さで、沖縄県内の国道58号(嘉手納周辺)と対比されることもある。
[編集] 東京都市圏の拡大とドーナツ化現象
東京都市圏の人口増とともに都市圏の地価が高騰し、より安くより広い床面積の住居を求める東京都市圏住民が次第に都市圏辺縁部に拡散し、これとともに東京都市圏が辺縁部に拡大・偏重し、ドーナツ化現象を引き起こした。
平成期に入ると、とりわけ新幹線沿線では通勤圏が遠方ギリギリにまで拡大する傾向が目立っている。三島市や宇都宮・那須塩原・新白河や高崎がその例で、それぞれ東海道新幹線、東北新幹線、上越新幹線の開業当時には東京への通勤圏として一般的に認知されていなかったが、バブル景気以後から東京への主要通勤圏内に入り、長野新幹線開業後は安中榛名・軽井沢にもこの傾向が広まっている。
[編集] 東京都市圏の拡大
- 近郊列車による高密度・広範囲な大都市圏の形成
東京都市圏は、1都3県のほぼ全域および、茨城県南西部、栃木県南端部、群馬県南東端部、山梨県東端部だけではなく、更に広範に拡大する傾向を見せている。
第二次世界大戦後、高度経済成長期を中心に東京湾沿岸には工業の集積が著しく進行し、日本各地の農村部の余剰労働力を吸収する形で「金の卵」と呼ばれた青年労働者(第二次産業労働力が中心)が集まり、臨海部を中心に人口が急増した。また、高度経済成長以後は、日本全国の販売網から集まる売上(内需)や貿易黒字(外需)が東京に集中するようになり、第三次産業の労働力を吸収して東京都市圏の人口は激増した。
画一的な団地が次々に建設され、また郊外の良い住環境やマイホームを求める動きも背景として、ニュータウンに代表される郊外の宅地化が急速に進行し、東京の都市圏は特別区の外側に向かって拡大していった。この郊外化は戦前から構築されていた鉄道網を背景とするところが強く、既存の鉄道は度重なる輸送力の増強や新駅の設置に追われた。この他にも路線の延伸や新規路線の開業も頻繁に行われた。
このように東京都心部を中心として放射状に伸びる交通網に沿って宅地化が進行したため、多摩地域は元より隣接する神奈川県・千葉県・埼玉県の各県と茨城県南西部・栃木県南部にまで広がった。
欧米の大都市の中には、都心部を含む中心市と郊外の衛星都市群の間にグリーンベルトと呼ばれる緑地帯を挟むものが存在するが、東京都市圏においては、一部で環状都市が構想されたものの、それは実現せず、自治体の領域は名目地域としての性質を強めることとなった。
このように、東京都区部の外に連続的に都市圏が拡大した結果、昼間は東京都区部で働き・学び、夜間は東京都区部の外に帰るという「千葉都民」「茨城都民」「埼玉都民」「多摩都民」「神奈川都民」というように、「○○都民」と呼ばれる新興住民が急増した。このような住民は「新住民」とも呼ばれ、居住地区や「旧住民」との疎遠さも指摘された。しかし、近年は新旧住民の交流や地域通貨の導入など、新たなコミュニティーづくりが始まっている。
地域によっては、土地とは無縁な瑞祥地名が多く付けられた。その中には、ひらがな表記や、英語などの外国語を含む地名が誕生したのも特徴だ。
バブル経済期になると、東京で地価が高騰した結果、北は那須塩原から、西は焼津から、新幹線や在来線で東京に通勤することも一般化するようになった。このような一連の東京の拡大により、近縁部の人口が増加すると、その居住人口を背景として衛星都市群の都心の商業が活性化した。
しかし高度経済成長の終演やバブル経済が破綻などを機に、地域間の二極化の加速も指摘されるようになった。
東京では、都心部では、株式のデイトレードや不動産投資信託などの金融で財を成した「IT成金」が現れる一方で、東京の東側地域では生活保護を受ける世帯が急増している[要出典]。
東京の都心部は、再開発が盛んで新富裕者が居住するようになった一方、老朽化したアパートに住む高齢者や一人暮らしの若者、ネットカフェ難民と呼ばれる貧困層やホームレスが増えている。また郊外の拠点都市では、新都心の造成を始め業務機能の拠点整備や人口増加がみられる反面、やはり老朽化した住宅団地などでは人口減少と急激な高齢化が指摘されるに至っている。
[編集] 観光
富士箱根伊豆国立公園(富士山周囲の保養地、箱根・伊豆半島の温泉地)、相模湾や九十九里浜の海水浴場、南房総・三浦半島の避寒地、テーマパーク、東京・横浜の都市内観光地など、関東地方南部から山梨県や伊豆半島に渡る地方は、観光地が集中しており、東京の近接観光地となっている。
[編集] 東京都市圏の交通網
[編集] 交通史
古代の南関東には京から東海道が延びていた。また武蔵国には上野国まで武蔵道が整備されていた。鎌倉時代には鎌倉を起点として関東各地に向かう鎌倉街道が整備された。中世の混乱期にこうした道路網は荒廃したが、江戸時代になると東海道、中山道、日光街道、水戸街道、甲州街道、中原街道などが整備された。
現在、東京都特別区内には鉄路・道路共に放射状・環状に発達しているが、周辺に行くに従って整備は遅れており、一直線状で完成している環状線は少なくなる。環状鉄路では武蔵野線+南武線、環状道路では国道16号のみである。東京都区部外の環状線は、東京20km圏内と東京30km圏内と大きく分けられる。また、東京外環自動車道や首都圏中央連絡自動車道などの整備が進むが、採算性を危惧する声もあり、未完成である。
律令制の五畿七道では、関東地方の内、現在の栃木県と群馬県以外は東海道として区分された。このため、日本を交通網で区分する時に、関東の特に東京都以南を東海道として区分することもある。
[編集] 世界最大の鉄道網
JR、私鉄、地下鉄、モノレールなどが網の目のように張り巡らされ、年間輸送人員は世界一である。発着時間は正確で、3列乗車など乗降マナーも良いと外国人の評価は高い。日本国外からの観光客誘致を目指して2003年に始まったビジット・ジャパン・キャンペーンも手伝い、英語の車内アナウンスや、駅の標識のローマ字表記は増えている。
中央ターミナル駅は東京駅である。長距離に適用される「東京都区内」および「東京山手線内」発着の乗車券は、東京駅との距離をもとに運賃が計算されている。その他の主要駅から伸びるJRや私鉄は、その主要駅が基準になっている(なお、これらが発行される条件については、それぞれの記事を参照のこと)。
上野駅・品川駅には新幹線が停車し、新宿駅は一日平均乗降客数が350万人を超え、世界一である。また長距離バスのターミナルになっている。その他、環状線の山手線主要ターミナル駅の池袋駅、渋谷駅なども乗降者が多く、昼夜人波が途絶えることはない。
[編集] 東京都市圏の空港
東京都区内に、東京国際空港(通称:羽田空港)、東京都下に調布飛行場、大島空港、八丈島空港、新島空港、神津島空港、三宅島空港、千葉県成田市に成田国際空港(旧称・新東京国際空港)[3]がある。また、東京都は、米軍横田基地(東京都福生市)について民間共用化を要望している。航空自衛隊の百里飛行場(茨城県小美玉市)も、民間共用化の工事が進行中で、茨城空港として2009年度(2010年3月)に開港予定[4]。
[編集] 東京都市圏の道路網
- 高速・環状道路 - 首都高速1号線 - 11号線、関越自動車道(練馬区)、中央自動車道(杉並区)、東名高速道路(世田谷区)、東京湾アクアライン(東京湾横断道路)などがある。東京湾アクアラインは、神奈川県川崎市と千葉県木更津市とを結ぶものであり、海上パーキングエリア、海ほたる(木更津市)は観光スポットになっている。環状1号線 - 8号線、首都高速都心環状線(都内)、首都高速中央環状線(都内)、東京外かく環状道路(1都3県)、首都圏中央連絡自動車道(1都4県)といった環状道路も整備が進みつつあり、東京大都市圏内や、東京と近隣県・全国を結ぶ役割を果たしている。
- 一般道路 - 国道などの幹線道路が東京都心から放射状に、あるいは網の目のように張り巡らされている。案内標識で示される「東京」までの距離は、中央区の日本橋が基準になっている。
- その他 - レインボーブリッジ(東京都港区)は、夜景を楽しむ観光スポットとして有名。
[編集] 東京港
[編集] 東京都市圏の環状交通網
- 東京10km圏(東京都特別区内)
- 東京20km圏
- 東京30km圏
- 東京40km圏
[編集] 関東地方の主な鉄道
- JR線
- その他の主な私鉄・公営鉄道路線
- 小田急電鉄(小田急小田原線、小田急江ノ島線など)
- 京王電鉄(京王線、井の頭線など)
- 京成電鉄(京成本線、千葉線など)
- 京浜急行(京急本線、京急空港線など)
- 相模鉄道(相鉄本線、いずみ野線)
- 新京成電鉄(新京成線)
- 西武鉄道(西武新宿線、西武池袋線など)
- 東京急行電鉄(東急東横線、東急田園都市線など)
- 東武鉄道(東武伊勢崎線、東武東上線など)
- 東葉高速鉄道(東葉高速線)
- 北総鉄道(北総線)
- 東京モノレール
- 多摩都市モノレール
[編集] 関東地方の主な幹線道路
- 高速道路
- 国道
[編集] 関東地方の主な港
[編集] 首都機能移転論
詳細は「東京一極集中」を参照
首都東京には国の中枢機能が集中するため、近年そういった状況を「東京一極集中[要検証]」と批判する向きがある。
国会等の移転に関する法律[5]では、国会等の移転推進のため検討を行い、首都移転における国の責務や移転候補地の選定体制等を決定するとされた。
[編集] 脚注
- ^ 数字でみる首都圏の住宅事情
- ^ 統計' 労働者派遣事業統計調査の平成14年(第3四半期)集計結果~派遣労働者実稼働者数対前年同月比減少~(平成14年11月21日、社団法人日本人材派遣協会)
- ^ 成田国際空港の開港の目的は、羽田の国際線を分離移転することなどだった。そのため、国内線運賃などの扱いは羽田空港と同じである。
- ^ 茨城県企画部空港対策課
- ^ 国会等の移転に関する法律

