湘南モノレール江の島線

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湘南モノレール江の島線
道路上を走る500形電車(2008年11月 湘南町屋 - 湘南深沢)
道路上を走る500形電車(2008年11月 湘南町屋 - 湘南深沢)
路線総延長 6.6 km
電圧 1500 V(直流
最大勾配 74.0 パーミル
最高速度 75 km/h
vSTR
JR東東海道線横須賀線
vSTR
 および湘南新宿ライン
vSTR STR
JR東:根岸線
exhSTRlg vSTR STR
ドリーム開発:ドリームランド線
exhKBHFe vBHF BHF hKBHFa
0.0 大船駅
STRq vSTRrf STR hSTR
JR東:東海道線
ABZrg STRrf hWSTR
WBRÜCKE WASSERq hWSTR
梅田川
STRlf STRq hKRZ STRq
JR東:横須賀線
hWSTR
小袋谷川
exSTRq ehKRZ exSTRq
JR東:大船工場引込み線
hBHF
0.9 富士見町駅
hBHF
2.0 湘南町屋駅
hBHF
2.6 湘南深沢駅
hSTRrg hABZrf
hWSTR hWSTR
新川
hSTRrf hSTR
深沢車庫
TUNNEL1
鎌倉山トンネル
4.7 西鎌倉駅
BHF
5.5 片瀬山駅
BRÜCKE+BHF
6.2 目白山下駅
TUNNEL1
片瀬山トンネル
hKBHFe
6.6 湘南江の島駅
STRq STRq BHFq
江ノ島駅 江ノ電江ノ島電鉄線
STRq KHSTr
片瀬江ノ島駅 小田急江ノ島線
丘陵地帯を貫く郊外型モノレール路線である(目白山下駅
保養・観光地を短絡するものの観光輸送の割合は小さい(江の島と片瀬海岸)

江の島線(えのしません)は、神奈川県鎌倉市大船駅から藤沢市湘南江の島駅まで結ぶ湘南モノレールモノレール路線である。

目次

[編集] 概要

三浦半島の付け根付近にある丘陵地帯を貫き、古都・鎌倉市街を経由せずに大船と藤沢市片瀬地区を短絡する。丘陵地帯にありながら、当路線の開業以降、富士見町湘南町屋両駅界隈が主に準工業地域として、湘南深沢駅界隈が商業・住宅地として、西鎌倉 - 目白山下間の各駅界隈では昭和初期からの別荘地であったものが高級分譲地として再整備されるなど開発が進んだ。そのため、用務客の利用が増加し、沿線から東京方面への通勤と沿線への通勤の両方の需要がある通勤路線としての性格を強める。開業以来の2両編成では利用客をさばききれなくなり1975年には現在の標準組成である3両編成が登場している。

同時に片瀬海岸・江の島を始めとする湘南地域の保養地・観光地アクセス手段の一つでもあるものの、1978年には観光需要が3割、通勤通学需要が7割であったものが、現在では通勤・通学需要が9割に達する。朝夕は激しく混雑し、富士見町 - 大船間においては混雑率が185%にまで達する列車もある[1]。特に湘南モノレールの大株主でもある三菱電機の従業員用務需要は大きい。

近年においても大船駅に近い富士見町駅周辺においてマンション開発が相次いでいるほか、JR東日本の大規模工場が撤収した湘南深沢駅前では鎌倉市が「第3の都市拠点」として再開発を計画[2]している。深沢地区と隣接する藤沢市村岡地域において大規模研究所施設の建設が決定したことから、関係自治体による村岡・深沢地区全体整備構想(案) (PDF)も立ち上がっている。

大船駅湘南江の島駅の両終端駅には駅員が常駐し自動改札機も設置されているが、それ以外は全て無人駅で自動券売機のみ設置されており原則として乗務員が集札を行っている。

路面電車の停留場に似た簡素なものが殆どであるが、1日の乗降客数が5,000人を超える「特定旅客施設」に該当する駅が多いため、交通バリアフリー法(現バリアフリー新法)による移動円滑化の動きがある[3]。これにより湘南町屋駅や西鎌倉駅には、エレベーター設置に伴い駅舎が改修されているほか、開業以来基準のなかったサインシステムが導入された。

また保安装置はATSを使用し、終点駅や交換可能な駅には鉄道の地上信号機と同じ閉塞信号機(出発・場内)と従属信号機の遠方信号機が設置されており地上信号での自動閉塞式で運転されている。

[編集] 路線データ

  • 路線距離(営業キロ):6.6 km
  • 方式:懸垂式(三菱サフェージュ式)
  • 駅数:8駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:全線(直流 1500 V
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 信号保安装置:ループ式ATS
  • 交換可能駅:4駅(富士見町、湘南深沢、西鎌倉、目白山下)
  • 最高速度:75 km/h

[編集] 乗車券

普通乗車券定期乗車券回数乗車券のほかに企画乗車券として「湘南モノレール1日フリーきっぷ」が発売されているほか、過去には『世界のモノレールシリーズ』を初めとする各種記念乗車券も数多く発売されていたことがある。パンチ式車内補充券を現在でも車掌が発行している。

湘南江の島駅の券売機のみに限りJR東日本線連絡乗車券を発売している。連絡定期券についてはJR東日本線連絡のみ取り扱っているが、連絡定期券そのものの存在や取り扱い区間等については駅や窓口に一切表示されていない。また3者連絡定期券には対応していない。

カード乗車券については、券売機や改札機で使用できるプリペイドカードは導入されなかったほか、パスネットにも不参加であった。ICカード乗車券については、2007年2月に導入を検討中と発表されており、同年5月にはSuicaを主導するJR東日本と協議に入るとの報道発表[4]もあった。導入時期については公式発表されていないものの、地元県議会議員松尾崇(現・鎌倉市長)の出した要望書に対する回答によると、2012年度にPASMOを導入する方向で準備中との記載がある[5]。ただし、2011年6月に行われた地元地域新聞編集部からの質問に際しては、駅舎が狭く自動改札を設置できない駅や、また、新しいソフトを導入等の課題もあり今の所難しい。と回答している[6]。導入時期が近隣事業者と比較して大幅に遅れることについては、小規模事業者ながらコスト競争の無い新造車両を計画的に導入しなければならない時期にあることと、法律で定められた移動円滑化対象駅を多く抱えており、各駅の大規模改修を行う計画もある。大手事業者と同等の投資額を必要としながら直接的な投資対効果が見込めないICカードシステムに対して即日導入すべく資金を優先してあてることは、長期的スパンをもって望まなければならない鉄道経営の観点からして難しいという資金面での問題も浮き彫りになっている。これに対し地元市議会議員団では交通政策の一環として他都市でバス事業者等に対して行われているICカード導入補助金制度等を検討できないかという動きもでてきている[6]

[編集] 運行形態

富士見町・湘南深沢・西鎌倉・目白山下の各駅で列車交換(行き違い)ができる。単線ながら、早朝と夜間を除いて7.5分間隔の高頻度運転が行われており、すべての交換可能駅で列車交換が行われる「ネットダイヤ」を形成している。このため、これ以上運転間隔を短くすることはできない。

大半の列車は大船 - 湘南江の島間の通しで運行されているが、途中駅の湘南深沢駅近くに深沢車庫があるため、朝晩の一部列車に同駅を起・終点とする列車の設定がある。また、ダイヤグラム上昼間の「大船発湘南江の島行き」列車でも途中の湘南深沢で車両交換が行われることがあるが、その場合は乗り換えを余儀なくされる。

なお、日本の多くの鉄道事業者が土曜・休日ダイヤを設定しているのに対し、沿線に抱える大規模工場への通勤客輸送という側面を抱える当路線では現在も土曜日の運転には平日ダイヤが適用される。日曜日祝日振替休日および元日を除く年末年始に休日ダイヤが適用されている。

また、観光客対策として毎年8月の第1火曜日に開催される江の島花火大会当日は23時過ぎまで日中同様7分半間隔での臨時ダイヤで運転されているほか、毎年元日には平日ダイヤで運転される。なお、2007年3月18日には片瀬海岸を発着とする湘南国際マラソン大会への対策として休日ダイヤ適用日ながら平日ダイヤで運転された。

2008年2月24日に発生した西鎌倉駅でのオーバーラン事故以来、12月22日まで臨時ダイヤで運転が行われていた。3月23日まで、平成初期まで存在していた大船 - 湘南深沢間を折り返し運行するシャトル便が朝晩を中心に一時的に復活したほか、開業以来設定されたことのなかった土曜日ダイヤの適用も行われていた。

[編集] 車両

日本跨座式モノレールを推進する陣営と異なりメーカーによるライセンスが開放されていないこともあり、開業時から一貫して三菱重工業三菱電機共同製作によるもののみ採用されている。車両はすべてアルミ合金製の3両固定編成で、銀色地に赤帯を巻く(5000系第2編成は青帯、第3編成は緑帯)。車内の座席は大半がクロスシートで占められている。

仕様変更に伴う形式変更・改番を頻繁に行うため、登場時の車号の車両は少ない。500形では、折り畳み座席設置の際に両先頭車のみ(中間車は改番されていない)が550番台に改番され、5000系では、案内輪交換の際に両先頭車が5300番台、中間車が5200番台に改番。また、第2編成は両先頭車が登場時から5500番台となっている。

[編集] 現用車両

[編集] 過去の車両

[編集] 敷設の経緯

旧来の路面電車に代わる都市内交通機関として、モノレールが本命視され複数の規格が各地で試験敷設されていた当時、主に日立製作所が技術主導権を握る跨座式モノレールと対抗軸をなす三菱重工業のモノレール設備機器の本格導入・拡販を目指すためのモデル路線として敷設された。1964年名古屋市東山動植物園内に設置された懸垂式モノレールの試験線(名古屋市交通局協力会東山公園モノレール1974年廃止)で得られたデータを活かして、2 - 3両の連結車両やモノレール用の特殊な転轍機を新たに採用するなどさらなる試験も兼ねているほか、跨座式モノレールに対する優位性を示すためあえて過酷な条件の地形に挑むように建設された。この路線における技術の成功が千葉都市モノレールに活かされている[7]

軌道は旧京浜急行自動車専用道路の上空に沿う形で設置されている。この道路は元々大船と江の島海岸を結ぶ普通鉄道線計画が頓挫したために取得済み用地を日本初の自動車専用道路として整備した私道であった。モノレール建設当時は京浜急行電鉄による所有・運営がなされており、軌道敷設にあたってはこの形態が有利に働いたようである(京急は湘南モノレールにわずかながら出資している)。なお、現在では鎌倉市と藤沢市に売却され、一般市道に移行している。

この道路には最小曲率半径 25 m、最急勾配 88 という険しい箇所もある。懸垂式モノレールの性能的には、この道路に完全に沿う形での敷設も可能であったが、車両の馬力、平均速度の観点を加味し最急勾配を 74 ‰、最小曲率半径を本線 100 m、駅構内 50 m とした。途中2か所に道路上空を外れてトンネルを設けた箇所も存在する。

建設にあたっては、軌道桁・支柱の製造を三菱重工業横浜造船所(当時)、車両は同三原製作所(同)、変電所三菱電機が担当し、総合監理を三菱地所が行うなど、随所に三菱グループの総合力が活かされている。江の島線の走る鎌倉市の大船から深沢界隈は三菱電機の2事業所を抱える。

[編集] 歴史

[編集] 前史

  • 1965年(昭和40年)10月6日 - 湘南モノレールによる大船-片瀬間地方鉄道(懸垂式)敷設免許申請につき、運輸審議会件名表に登載される[8]
  • 1965年(昭和40年)10月26日 - 運輸審議会が運輸大臣へ、免許することが妥当な旨を答申する[9]

[編集] 開業後

  • 1970年(昭和45年)3月7日 - 大船 - 西鎌倉間が開業。300形車両が営業運転を開始。
  • 1971年(昭和46年)7月1日 - 西鎌倉 - 湘南江の島間が開業し、全線開通。
  • 1980年(昭和55年)3月3日 - 400形車両が営業運転を開始。
  • 1988年(昭和63年)3月31日 - 500形車両が営業運転を開始。
  • 1990年(平成2年)2月20日 - 14時10分頃、西鎌倉 - 片瀬山間を走行中の大船発湘南江の島行き列車が軌道下の市道整備のため工事していたクレーン車のアームに衝突しモノレール車両前面が大破する事故が発生。運転士は瀕死の重傷を負ったが乗客を含め死者無し。16時35分運転再開。
  • 2004年(平成16年)6月24日 - 5000系車両が営業運転を開始。
  • 2004年(平成16年)7月4日 - 400形車両運用終了、冷房化率100%達成。
  • 2005年(平成17年)1月20日 - アンドラ公国の首相マルク・フォルネ・モルネが視察。首相夫妻と外務大臣ら5人が、湘南モノレール社長前田克彦らとともに全区間を乗車した。同首相は積雪に強いこのモノレールに対し「アンドラ公国にぴったりの交通機関」と感想を述べた[10]
  • 2008年(平成20年)2月24日 - 西鎌倉駅構内で、湘南深沢発湘南江の島行き列車がブレーキ故障でオーバーランして停車、反対方向から来た湘南江の島発大船行き列車も同駅手前で緊急停車するトラブルが発生。乗客は脱出・救出され負傷者なし。関東運輸局から警告を受けた。事故車の5000系車両が使用できなくなり、翌25日、湘南深沢 - 大船で折り返し運転開始の後、翌26日、全線で通常より本数を減らした15分間隔の臨時ダイヤで運転再開。この事故以降行われる予定だった湘南モノレール主催のイベントの多くは中止となった。
  • 2008年(平成20年)11月7日 - 23時53分頃湘南深沢 - 西鎌倉間で上り回送電車が高所作業車のゴンドラ部分に衝突したものの作業員は軌道に避難しけが人はいなかった。数分後に下り最終電車が現場を通過予定だったが、湘南深沢駅で運転を打ち切り、乗客約100人が影響を受けた。衝突した編成は同月16日までに修繕・試運転を行い、翌17日から営業に復帰した。
  • 2008年(平成20年)12月23日 - 新車両の増備と廃車予定車両のリフレッシュ工事により同年2月24日の冒進事故以前の平常ダイヤに復帰する。
  • 2009年(平成21年)6月26日 - 国土交通省運輸安全委員会から「湘南モノレール江の島線西鎌倉駅構内鉄道物損事故鉄道事故調査報告書[11]」が公表され、2008年2月24日の冒進事故の原因が制御装置の異常と判明する。
  • 2009年(平成21年)10月13日 - 冒進事故の対策を施した新しい5000系車両が営業運転を開始。
  • 2010年(平成22年)2月26日 - 休車になっていた2008年2月の事故車両の5000系第2編成が同じく冒進事故対策を施され試運転に入り、その後3月23日より運用に復帰。休車期間は2年と長期に亘った。これにより5000系は3編成の体制となった。

[編集] 駅一覧

駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 列車交換 所在地
大船駅 - 0.0 東日本旅客鉄道東海道線横須賀線湘南新宿ライン根岸線 鎌倉市
富士見町駅 0.9 0.9  
湘南町屋駅 1.1 2.0  
湘南深沢駅 0.6 2.6  
西鎌倉駅 2.1 4.7  
片瀬山駅 0.8 5.5  
目白山下駅 0.7 6.2   藤沢市
湘南江の島駅 0.4 6.6 江ノ島電鉄江ノ島電鉄線江ノ島駅
小田急電鉄江ノ島線片瀬江ノ島駅

小田急線や江ノ島電鉄線との連絡運輸は行われていない。

[編集] 広告ソング

2005年コミュニティFM放送局藤沢エフエム放送」の番組への社長出演がきっかけとなり、ホスト役のシンガーソングライターによりこの路線のPRソングが制作された。この歌はメディアなどで紹介される機会はなく、滅多に聞くことはできないが、翌2006年には地元ミニコミ誌によりPRソングが収納されたCD付きの小冊子[12]が発行された。

[編集] 登場するメディア作品

近隣を走る江ノ島電鉄線ほどではないものの、景勝地・湘南を通ることからから度々テレビドラマ映画、書籍などの作品に当路線が登場することがある。ここではその一部を取り上げる。

[編集] 脚注

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  1. ^ 2007年の記録。平成19年度神奈川県交通関係資料集(2008年神奈川県県土整備部都市計画課編)
  2. ^ 深沢地域の新しいまちづくり基本計画 - 鎌倉市拠点整備部鎌倉深沢地域整備課サイト内
  3. ^ 鎌倉市移動円滑化基本構想第2部編 湘南深沢駅周辺地区鎌倉市役所都市政策課サイト内
  4. ^ 2007年5月19日付け毎日新聞神奈川版記事による
  5. ^ 2008年9月24日並びに2008年11月12日付け松尾たかし政治日記による記載内容から。
  6. ^ a b 日本共産党鎌倉市議団活動日誌・吉岡和江
  7. ^ ロープ駆動懸垂式短距離少量軌道輸送システム(スカイレール)に対しても技術が応用されている。
  8. ^ 同日、運輸省告示第341号
  9. ^ 1966年(昭和41年)1月18日、運輸省告示第14号。運審第157号
  10. ^ アンドラ公国首相が湘南モノレール試乗 (Internet Archive) - 神奈川新聞、2005年1月21日。
  11. ^ http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/report/RA09-6-1.pdf (PDF)
  12. ^ 湘南物語 臨時増刊-空中散歩 Enjoy湘南モノレール 大船 - 湘南江の島小さな旅-藤沢市立図書館所蔵情報より。

[編集] 参考文献

  • 湘南モノレール 設営の記録 1971年11月 湘南モノレール株式会社
  • 湘南モノレール労組25年のあゆみ 2001年10月 湘南モノレール労働組合編集委員会

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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