江ノ島電鉄線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
EnoshimaElectricRailway logo.svg 江ノ島電鉄線
峰ヶ原信号場にて(2006年2月3日撮影)
峰ヶ原信号場にて(2006年2月3日撮影)
江ノ島電鉄線の路線図
軌間 1067 mm
電圧 600 V(直流
最小半径 28 m
最高速度 60 km/h
KRZo BHFq STRq
JR東東海道本線
ABZl+l KBHFr
藤沢駅 ↑↓小田急江ノ島線
STR hKBHFa
0.0 EN01 藤沢駅
LSTR hSTRe
HST
0.6 EN02 石上駅
eHST
 ? 川袋駅
HST
1.2 EN03 柳小路駅
eHST
 ? 藤ヶ谷駅
BHF
1.9 EN04 鵠沼駅
eHST
 ? 新屋敷駅
WBRÜCKE
境川
LSTR HST
2.7 EN05 湘南海岸公園駅
KBHFe STR
↑小田急:江ノ島線 片瀬江ノ島駅
STR KBHFl
湘南江の島駅 湘南モノレール
eHST
 ? 浜須賀駅
eHST
 ? 山本橋駅
BHF
3.3 EN06 江ノ島駅
KDSTl ABZrf
留置線
uSTR
併用軌道区間
WBRÜCKE
神戸川
eHST
 ? 龍ノ口駅
eHST
 ? 中原駅
eHST
 ? 土橋駅
eHST
 ? 神戸橋駅
HST
3.9 EN07 腰越駅
eHST
 ? 満福寺前駅
eHST
 ? 腰越浜上駅
eHST
 ? 袂ヶ浦駅
HST
4.7 EN08 鎌倉高校前駅
eHST
 ? 谷沢駅
DST
5.1 峰ヶ原信号場
HST
5.6 EN09 七里ヶ浜駅
eHST
 ? 行合橋駅
eHST
 ? キャンプカー前臨時停留所
eHST
 ? 追揚駅
eHST
 ? 姥ヶ谷駅
eHST
 ? 音無橋駅
BHF
6.8 EN10 稲村ヶ崎駅
ABZlf KDSTr
極楽寺検車区
eHST
50.5 砂子坂駅
HST
7.6 EN11 極楽寺駅
TUNNEL1
極楽寺トンネル
eHST
 ? 権五郎社前駅
BHF
8.3 EN12 長谷駅
HST
8.9 EN13 由比ヶ浜駅
eHST
 ? 原の台駅
HST
9.2 EN14 和田塚駅
eHST
 ? 学校裏駅
eHST
 ? 琵琶小路駅
eHST
 ? 大町駅
eHST
 ? 蔵屋敷駅
xABZlf KBHFr
10.0 EN15 鎌倉駅
uxmKRZu BHFq
JR東横須賀線
uexKBHFe
(旧)鎌倉駅 -1949年 旧・小町駅

江ノ島電鉄線(えのしまでんてつせん)は、神奈川県藤沢市南藤沢の藤沢駅から同市片瀬海岸一丁目の江ノ島駅を経て鎌倉市御成町の鎌倉駅に至る、江ノ島電鉄鉄道路線1902年明治35年)に藤沢 - 片瀬(現・江ノ島)間が開通し、1910年(明治43年)に小町(現・鎌倉)までの全線が開通した。地元住民や観光客からは「江ノ電」として広く親しまれている。

全区間にて、ICカード乗車券PASMOSuicaが利用可能である。ICOCATOICA等の他社局のカード類は改札機でしか利用できないため、チャージ等のサービスは受けられない。

概要[編集]

13m弱の小型ながら高床式タイプの鉄道車両が用いられ、特に腰越駅 - 江ノ島駅間は路面電車同様に一般道を走行するが、軌道法ではなく鉄道事業法に基づいており、法律上は路面電車ではない[1]。しかし建設の経緯や車両の大きさなどから広義での路面電車やLRTに分類されることもある。「日本の路面電車一覧」の項目も参照。

一時期、電力会社(横浜電気→東京電燈)の経営であった名残から、現在も一部の架線柱を東京電力の電力柱と共有している。「江ノ島電鉄#歴史」の項目も参照。

戦後はモータリゼーションの影響で乗客数が落ち込み、一時は廃止の危機に陥った。しかし、付近の道路が渋滞して電車の定時性が見直されたことや、テレビドラマや鎌倉・湘南ブームで江ノ電の人気が復活したこともあって、利用者数が回復・増加する。

全線単線で、腰越 - 江ノ島間に県道上を、七里ヶ浜付近や稲村ヶ崎付近に市道の端を走る併用軌道区間がある[1]。検修工場は極楽寺駅近くに極楽寺検車区があり、江ノ島駅構内には電留線が3線ある。

交換可能駅や信号場に設置されているポイントは、ほとんどが発条転轍機(スプリングポイント)となっている。正式な踏切は警報機と遮断機が付いている第一種踏切道であるが、一部に私設踏切があり、これは踏切道に含まれず、よって警報設備などは全く無い。

和田塚、由比ヶ浜、鎌倉高校前、湘南海岸公園、柳小路、石上の6駅が終日無人駅となっており、切符は乗務員が回収するか、備え付けの集札箱に入れるようになっている。また、夏休みなどに由比ヶ浜駅などの無人駅にも駅員が配置されることがある。自動改札機は鎌倉、長谷、江ノ島、藤沢の4駅に設置されており、その他の駅のすべての出入口には交通系ICカード簡易改札機が完備されている。

またすべての駅には跨線橋の類は一切無く、構内踏切(渡線路)しかない(江ノ島・稲村ヶ崎・長谷)。用地の関係からバリアフリーにはなっていない駅がある(鵠沼・腰越・七里ヶ浜・稲村ヶ崎)。トイレは柳小路・石上・極楽寺をのぞく全駅に設置されている(身障者用は鎌倉、長谷、江ノ島、藤沢に設置)。極楽寺駅にあるトイレは鎌倉市所有の公衆トイレである。

路線データ[編集]

  • 路線距離(営業キロ):10.0km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:15駅(起終点駅含む。その他信号所1)
  • 複線区間:なし(全線単線)
  • 電化区間:全線(直流600V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式(特殊)(異常時は指導通信式)
  • 交換可能駅・信号場:5(長谷、稲村ヶ崎、峰ヶ原(信)、江ノ島、鵠沼)
  • 保安設備:江ノ電形点制御速度照査式eATS
  • 最高許容速度:60km/h
  • 2008年度輸送人員実績:15,709,499人(一日あたり平均43,039人。他のデータは利用状況参照)

運行形態[編集]

藤沢駅の0kmポスト(2009年4月2日撮影)

起点は藤沢駅であり、従って藤沢方面行きが上り列車(列車番号が偶数)、鎌倉方面行きが下り列車(列車番号が奇数)となる。

早朝・深夜をのぞき12分間隔で運行され、すべての交換可能駅で列車交換が行われる「ネットダイヤ」を形成している。所要時間は藤沢 - 江ノ島間10分、江ノ島 - 鎌倉間23分、藤沢 - 鎌倉間34分。停車時間を含まない全線の運転時間は27分30秒である。全区間通しの列車のほか、朝と夜の一部は検車区のある極楽寺駅終着や稲村ヶ崎駅始発、電留線のある江ノ島駅を始発・終着とする区間列車がある。

日中は、全線6編成で運行され、平日は7時過ぎから18時ころまでのすべての列車が4両編成、それ以外の時間帯には一部の列車が2両編成で運転される。土休日は9時頃から19時頃まですべて4両編成が組まれる。ゴールデンウィークなどは7編成で運行され、鎌倉駅副本線を使用した「段落し」と称される交互発着で運用される。

早朝に極楽寺→稲村ヶ崎の定期回送列車が設定されている。本線上を走る唯一の回送列車である。

利用状況[編集]

輸送実績[編集]

収入実績[編集]

営業成績[編集]

歴史[編集]

  • 1902年(明治35年)9月1日 江之島電氣鐵道により、藤沢 - 片瀬(現・江ノ島)間開業(開業時は軌道条例に基づく軌道)。停留所は藤沢・石上(いしがみ)・川袋・藤ヶ谷・鵠沼・新屋敷(あらやしき)・西方(にしかた)・浜須賀・山本橋・片瀬。使用車両4両。開業当日鵠沼で脱線事故を起こす。
  • 1903年(明治36年)
    • 6月20日 片瀬 - 行合橋(現・七里ヶ浜)間開業。追加停留所は龍ノ口(たつのくち)・中原・土橋・神戸橋(ごうどばし)・谷戸・満福寺前・腰越・袂ヶ浦・日坂(にっさか)・谷沢・七里ヶ浜・峰ヶ原・田辺・行合橋(ゆきあいばし)。
    • 7月17日 行合橋 - 追揚(現在廃止)間開業。追加停留所は追揚(おいあげ)。
  • 1904年(明治37年)4月1日 追揚 - 極楽寺間開業。追加停留所は姥ヶ谷・音無橋・稲村ヶ崎・砂子坂(いさござか)・極楽寺。
  • 1907年(明治40年)
    • 2月 極楽寺トンネル竣工
    • 8月16日 極楽寺 - 大町(現在廃止)間開業。追加停留所は権五郎(ごんごろう)社前・長谷(はせ)・由井ヶ浜・海岸院通・原の台・学校裏・大町。
  • 1910年(明治43年)11月4日 大町 - 小町(現在廃止)間開業。全線開通。追加停留所は和田塚(原の台 - 学校裏間)・蔵屋敷・小町。
  • 1911年(明治44年)10月3日 横浜電気に買収され、同社の江之島電気鉄道部の運営となる。
  • 1912年(明治45年)6月 極楽寺車庫を新設
  • 1915年(大正4年)10月18日 谷沢停留所廃止。琵琶小路(学校裏 - 大町間)停留所新設。田辺を行合に、行合橋を大境に、海岸院通を海岸通りに、小町を鎌倉に改称。
  • 1918年(大正7年)6月24日 中原・神戸橋・満福寺前停留所廃止。腰越を腰越浜上に、袂ヶ浦を恵風園前に改称。
  • 1920年(大正9年)4月 高砂(たかすな、現・石上。石上 - 川袋間)・柳小路(川袋 - 藤ヶ谷間)停留所新設
  • 1921年(大正10年)5月1日 横浜電気が東京電燈に買収され、同線の運営も引き継ぐ。
  • 1928年(昭和3年)7月1日 江ノ島電気鉄道(現・法人)が東京電燈の路線を譲り受け、同社の路線となる。
  • 1929年(昭和4年) 片瀬を江ノ島に、土橋を腰越に、腰越浜上を小動に改称。
  • 1931年(昭和6年)8月 納涼電車運転開始
  • 1935年(昭和10年) 大境 - 追揚間にキャンプカー前臨時停留所を開設。
  • 1944年(昭和19年)
    • 2月29日 新屋敷・浜須賀停留所を廃止。
    • 6月30日 石上・高砂・柳小路の各停留所およびキャンプカー前臨時停留所を廃止。
    • 11月18日 藤ヶ谷・山本橋・龍ノ口・腰越・小動・恵風園前・行合・大境・追揚・姥ヶ谷・砂子坂・権五郎社前・海岸通り・原の台・学校裏・大町・蔵屋敷の各停留所を廃止。七里ヶ浜を現在地に移設。停留所数が34から17と半減する。
  • 1945年(昭和20年)
    • 4月28日 峰ヶ原・音無橋・由井ヶ浜・琵琶小路の各停留所を廃止。停留所数が13と最少となる。
    • 11月27日 地方鉄道法に基づく鉄道に変更。
  • 1948年(昭和23年)7月15日 谷戸駅を腰越駅に改称。
  • 1949年(昭和24年)
    • 3月1日 鎌倉(旧・小町)駅を国鉄(当時)鎌倉駅構内に移転し、鎌倉駅への乗り入れを開始。
    • 8月1日 江ノ島鎌倉観光に社名変更。
  • 1950年(昭和25年)7月15日 川袋駅を廃止し、旧・高砂を石上駅と改称して復活、旧・柳小路を柳小路駅として復活、旧・海岸通りを由比ヶ浜駅と改称して復活。
  • 1953年(昭和28年)8月20日 日坂駅を鎌倉高校前駅と改称、旧・峰ヶ原を信号所とする。
  • 1955年(昭和30年)7月30日 ホーム嵩上完了。ステップ廃止。
  • 1958年(昭和33年)12月1日 西方駅を湘南海岸公園駅と改称。
  • 1971年(昭和46年)6月21日 従来行っていた続行運転を廃止し、4両編成での運転を開始。
  • 1974年(昭和49年)6月7日 藤沢 - 石上間高架線化。藤沢駅が江ノ電百貨店(現小田急百貨店藤沢店)2階に移転。
  • 1981年(昭和56年)9月1日 江ノ島電鉄に社名変更。
  • 1982年(昭和57年)4月23日 境川橋梁掛け替え工事に伴い、鵠沼駅を旧・藤ヶ谷の位置に臨時移設。
  • 1984年(昭和59年)5月23日 境川橋梁掛け替え工事完了。
  • 1985年(昭和60年)5月25日 鵠沼駅改良工事完了。鵠沼駅を元の位置に戻す。
  • 1997年(平成9年)10月14日 鎌倉高校前駅、「関東の駅100選」に選定される。
  • 1999年(平成11年)10月14日 極楽寺駅、「関東の駅の100選」に選定される。
  • 2007年(平成19年)3月18日 PASMO導入。同時にSuicaも利用可能に。
  • 2011年(平成23年)6月9日 全駅に駅ナンバリング導入[2]
  • 2013年(平成25年)3月23日 乗車カード#IC乗車カード全国相互利用開始により、KitacamanacaTOICAICOCAPiTaPanimocaはやかけんSUGOCAが利用可能になる。

駅名の変遷 (PDF) [3]

駅一覧[編集]

駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 列車交換 所在地
EN01 藤沢駅 - 0.0 東日本旅客鉄道東海道線
小田急電鉄江ノ島線 (OE13)
藤沢市
EN02 石上駅 0.6 0.6  
EN03 柳小路駅 0.6 1.2  
EN04 鵠沼駅 0.7 1.9  
EN05 湘南海岸公園駅 0.8 2.7  
EN06 江ノ島駅 0.6 3.3 小田急電鉄:江ノ島線(片瀬江ノ島駅 (OE16))
湘南モノレール江の島線湘南江の島駅
EN07 腰越駅 0.6 3.9   鎌倉市
EN08 鎌倉高校前駅 0.8 4.7  
- 峰ヶ原信号場 - -  
EN09 七里ヶ浜駅 0.9 5.6  
EN10 稲村ヶ崎駅 1.2 6.8  
EN11 極楽寺駅 0.8 7.6  
EN12 長谷駅 0.7 8.3  
EN13 由比ヶ浜駅 0.6 8.9  
EN14 和田塚駅 0.3 9.2  
EN15 鎌倉駅 0.8 10.0 東日本旅客鉄道:横須賀線

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b 腰越 - 江ノ島間などは一般にも「併用軌道」として定着しており、鉄道趣味誌等でもそう紹介されるが、鉄道事業法では併用軌道は認められておらず、特例として認められている。「江ノ島電鉄#路面電車か鉄道かについての議論」も参照。
  2. ^ 江ノ電全駅に駅ナンバーリングを導入します。 - 江ノ島電鉄公式サイト、2011年6月17日(同日閲覧)。
  3. ^ 吉田克彦作成「江ノ電駅名変遷」『江ノ電讃歌』(p13) より。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

江ノ島電鉄線が登場する作品については「江ノ島電鉄」を参照。

外部リンク[編集]