踏切

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構内踏切 から転送)

踏切(ふみきり)とは、鉄道道路平面交差する場所。法律上は踏切道という場合もある。

目次

[編集] 各国の踏切

[編集] オーストラリア

[編集] ベルギー

[編集] カナダ

[編集] イタリア

[編集] ニュージーランド

警報、遮断機は自動、中には警報機だけのものもある。自動車は一時停止なしで通過可。日本製の遮断機、警報機も存在する。

[編集] 東・東南アジア

[編集] 台湾

自動化されたタイプと踏切警手の扱うタイプが混在している。踏切警手が遮断機の前まで出てくる場合もある。

[編集] インド

警報機や遮断棒は自動である。地元住民は警報機が鳴り響こうが列車が来るまで平気で遮断機をくぐる光景が度々目撃されている。踏切に接近する列車はその際、警笛を何度も鳴らす。

[編集] イギリス

[編集] アメリカ

アメリカでは早くから色灯を組み合わせた警報(警鐘)機が採用されていた。これはウィグワグWigwag)と呼ばれるもので、振り子型のアームの先端に、赤い色灯を組み込んだ白い丸型の標識を取り付け、警報の鳴動と共に左右に振り視認性を確保する構造になっていた。日本ではアメリカ発の映画で度々目にすることが出来た。

蒸気機関車牽引の列車が主流だった頃には問題がなかったが、やがて鉄道・自動車の双方が高性能化してくると、遮断機がなく、また視認性でも劣るという理由から、日本や欧州と同じ、交差した板の標識に交互点滅の色灯を設けた、遮断機つきの警報機へと置換えが進んだ。しかし一部の市民からは慣れ親しんだウィグワグを擁護する声も大きい。

日本とは異なり、アメリカではほとんどの州で踏切前の一時停止を義務付けていない。これは、自動車が一時停止をすることで、踏切内で1速からの加速行為を行うことになり、かえってエンスト等で軌道を塞ぎ輸送障害を発生させる事になる、という考え方によるもの。しかし、オートマチックトランスミッションが普及した現在、こちらのリスクはほとんどなく、長距離トラックなどの踏切突破による事故のケースが増えるなど、問題もある。

[編集] 日本

[編集] 概要

イギリスにある鉄路が遮断される踏切

日本では列車の通行が優先される構造(遮断機はレールと平行)の踏切が殆どだが、外国では鉄路が遮断される構造(遮断機は道路と平行)の踏切も多く存在する。明治時代においては日本も同じ構造であった。現存するこの形態の踏切としては、阪神電気鉄道武庫川信号場武庫川駅至近)から本線へ出る連絡線上にあるものや[1]東京地下鉄銀座線上野検車区入り口付近に設置されているものなどが挙げられる[2]

上野検車区入り口付近にある踏切。サードレールでの感電を防ぐため、歩行者が線路内に立ち入れないようになっている。
故障灯が付いた踏切
広島市 中山踏切

踏切の設備には踏切警標、踏切警報機踏切支障報知装置踏切障害物検知装置特殊信号発光機踏切合図標識などがある。外国では日本ほど本数が多くないため、遮断機や警報機がない踏切(日本でいう第3・4種踏切)が多い。また、日本の踏切は警戒色である黄色と黒の縞々のカラーリングがほとんどであるが、外国では白黒のカラーリングやきかんしゃトーマスでも見られる、門形の踏切(警報機は無い。普段は線路が遮断されているが、列車が近づくと道路側に遮断機が動く)などもある。

日本の道路交通法では、自動車用の信号機付きの踏切で青信号が表示されている場合を除き、踏切の種類や列車の運行時間に関係なく踏切手前での一時停止と左右確認が義務付けられている。遮断機・警報機付きであっても例外でないのは、遮断機や警報機が故障している可能性があるためとされている[3]。また、保線用モーターカーは線路上を走行しても遮断機・警報機が作動しないようにしていることが多い。この際保線用モーターカーは踏切手前で一時停止し、警備員や見張りが安全を確認しながら進行するが、安全のためにも自動車側も一時停止や確認が必要となる。

前方の車両に引き続いて漫然と踏み切りに進入することなく、踏切の直前で一時停止するとともに前方の状況を良く確認し、前方に安全に通過する余地ができるまで踏切に進入しないようにして、踏切内での立ち往生を回避する事が要求される。

遮断機が完全に降りてから列車が到達するまでの時間は、国土交通省によって標準20秒、最短で15秒と定められている。列車選別装置が設置された路線[4]では、列車種別に関わりなく多くの列車がこの程度の時間で到達する。

[編集]

日本において、踏切道の数は2007年度で34547箇所であるという。近年(2003年から2007年にかけて)の推移を見ると、一貫して減少傾向にある[5]

[編集] 種類

日本では、踏切道は踏切保安設備を設けたものでなければならないとされ、その設備により第1種から第4種に分けられ、第1種は第1種甲と第1種乙に分けられる。

  • 第1種:昼夜を通じて、列車が通る際に道路の交通を遮断機によって遮断するもの。
    • 第1種甲:自動警報機と自動遮断機が設置されているもの。
    • 第1種乙:始発列車から終列車までの全ての列車に対して踏切保安係が遮断機を扱うもの。
  • 第2種:第1種乙に準ずるが、一部の時間帯のみ踏切保安係が遮断機を扱うもの。つまり、踏切保安係のいない時間帯は第4種と同じになる。第1種に転換されて現在は消滅した[6]
  • 第3種:遮断機はないが踏切警報機が設置されているもの。後述する第4種と共に、注意を促すため「ふみきりちゅうい」の標識が立てられていることもある。
  • 第4種:第1種~第3種に該当しないもの。遮断機も警報機も一切ない。地方ローカル線で多くみられ、特に自動車の通行できない道路に多い。「とまれみよ」という標識がたてられているのみで、実際に通れるかどうかは通行者の目視による判断にゆだねられているため、事故が発生しやすい。なお、この種類の踏切は二輪を除く自動車の通行を禁止している箇所が多い。また、信号機によって道路交通を規制する方式の踏切もこれに分類される。

一般的なのは第1種甲である。第1種乙はわずかではあるが今も存在する。第3種は第1種甲に転換され数が減ってきている。第1種甲または第3種と第4種が混在する場所もある(特に地方ローカル線に多い)。信号機によって道路交通を規制する踏切は路面電車や比較的運行本数の少ない専用鉄道などで見られる。

  • 上記の、鉄道事業者によって認められた踏切の他に、いわゆる「赤道(あかみち)」と呼ばれる、小さな路地やあぜ道、山道などの里道と、鉄道線路が交差している場所がある。このような場所では、注意書きだけで、踏み板等はない。踏切削減の過程で、踏切として認められなくなったものと思われる。このような場所の横断は、線路内立ち入りになるが、歴史的経緯により黙認されているのが実情である。

[編集] 踏切の位置・数の管理方法

以下の3種のいずれかが使用されている。これらの名称または番号は、踏切に記されている事が多い。番号を使う方式の場合、踏切が廃止されても番号は詰められず、欠番のままとなる場合が多い。

  • 国鉄・JRでは始発駅から終着駅まで1,2,3…と番号をふる。このため近年に開業した踏切の少ない路線でない限り番号は増え続け、100位は当たり前、長大路線では1000位も珍しくない。
  • 私鉄で番号をふる場合、駅を過ぎるごとに番号を1からリセットする方式が多い。例えば始発駅をA駅とすると、A駅1号踏切、A駅2号踏切、A駅3号踏切…次のB駅を通るとB駅1号踏切、B駅2号踏切…という具合である。通称としては、B駅から始発駅方向に数えてB駅逆1号、B駅逆2号という数え方も存在する。A駅から数えて4つ目で、B駅から数えて2つ目の踏切なら、A駅4号踏切だが、通称としてB駅逆2号踏切とも呼ばれることがある。
  • それぞれの踏切に「中央通り踏切」「住吉踏切」「鈴木家踏切」などの固有名詞を付けている国鉄・JR・私鉄の路線も存在する。

[編集] 構内踏切

  • 鉄道事業者による定義では、構内にある踏切を指す。構内とは下り場内信号機から上り場内信号機の間を指し、自動車が通過できる構内踏切も多数存在する。構内にあるが故、過走防護や入換列車のために遮断される回数が多く、開かずの踏切になりやすい特徴を持つ。
  • 一般的な解釈であり厳密には誤用であるが、地上駅の構内で駅舎やホーム間を行き来するために設けられた通路に存在する警報機等を構内踏切ないしは渡線道・構内通路・旅客通路と称する場合もある。しかしあくまでも道路交通との交点ではなく、運輸局への届け出上では渡線路となっているのが通例である。跨線橋や地下道の整備、駅舎の橋上化高架化などによって、このような渡線路は減少傾向にある。しかし、乗降客が少ない駅では現存している場合も多い。

[編集] 踏切動作反応灯

私鉄では第4種以外の踏切が設置されている場合、警報機と遮断悍が正常に作動したかの確認のため、運転士の視野の位置に踏切動作反応灯[7]を設置する事が、各社の社内規程により定められている。旧地方鉄道構造規則に規定があり、その名残で設置されているのは主に民鉄である。現在は設置義務はない。

[編集] 標準的なデザイン

黒い四角い背景板"■"の中に、細長い白色管灯4本またはLEDを使用し×印状に設置したものが、標準棹的なデザインである[8]。通常は消灯しており、遮断桿が完全に降りてから、警報機が鳴り終わって遮断桿が上がり始めるまで、×印が点灯する。異常時は/,\と×が交互に点滅する。

関東では、東京急行電鉄西武鉄道を除く大手私鉄、および中小私鉄の大半で、標準的デザインが使用されている。西武も1960年代初頭頃までは標準的デザインだった。

[編集] 各社独自のデザイン

主に西日本を中心に、各社独自のデザインも見られる。その全ては紹介しきれないので、デザインの傾向を書くと以下の通り。なお名鉄と近鉄と南海はギャラリーの写真にこの標識を見る事ができる。

  • 背景板が黒い四角でなく丸"●"(近鉄、南海等)
  • 背景板が黒い丸"●"で、×印が点滅する(山陽電鉄等)
  • 中央で白色灯が点灯ないし点滅する(阪神、阪急、樽見鉄道、富山地方鉄道等)
  • 二つ以上の白色灯が点灯ないし交互点滅する(西武、近鉄等)
  • 動作開始時に×印、遮断管が完全に降りた後に上下の横線が点灯する(阪急、京阪、近鉄の旧デザイン。京阪は1980年頃まで)
  • 中央の白色灯に区切りなどを入れ、×印を表現している(広島電鉄等)
  • 管灯でなく丸型灯を並べる事により、×印を表現している(京阪、南海等)
  • 背景版に白や黄色の塗料、近年は色テープを用いることで×印を表現している(名鉄、神戸電鉄、樽見鉄道等)
  • 踏切の未作動・作動中を問わず、常時点灯し続けている白色灯が混在する(京阪、かつての南海等)
  • 踏切が密集する区間で複数の踏切分をまとめてある(東急等)
  • 特殊信号発光機用の赤色灯も混在している。なおこの赤色灯は、複線区間では通常なら作動しないが、単線区間では電気回路の関係上、警報機が鳴り始めてから遮断悍が完全に降りるまで、列車の走ってくる方向(つまり運転士の視野)だけ点灯ないし点滅するものが多い(名鉄、近鉄等)

名古屋鉄道と関西の大手私鉄では、独自のデザインが使われている。また名鉄では灯具としての踏切動作反応灯以外にも、黒い鉄板に黄色い斜め線と白丸を配置した、踏切確認用の標識も(たとえ4種踏切であろうが)必ず設置されている。

南海電気鉄道阪堺電気軌道阪急電鉄能勢電鉄など互いに系列関係にある私鉄同士や、関東鉄道茨城交通のように系列でなくとも地理的に近い私鉄同士では、同じデザインの踏切動作反応灯を使用しているケースが多く見られる。

[編集] 踏切動作反応灯のギャラリー

[編集] 道路標識

道路標識のひとつに「踏切あり」という警戒標識がある。1986年まで蒸気機関車のマークが踏切を意味していたが、観光イベント目的以外での蒸気機関車牽引列車の営業運転が終了して久しくなったうえ、国鉄の民営化もあって、同年から電車のマークを表示した新しいデザインの標識に順次取り替えられている。しかしながら蒸気機関車マークの標識もまだ少なからず残っているため、自動車運転に関する教本などでは両方の種類が掲載されている。注意を強調するため、「踏切注意」や「注意」の補助標識を付加していることもある。

その他、非電化区間の踏切用にパンタグラフを消して気動車を表したものや、走ってくる列車を色つきのイラストで描いたものも存在する。なお昭文社発行の道路地図の中で「SiMAP」を採用した一部のシリーズにもこの踏切標識が掲載されているが、実際の標識とは異なり非電化線の踏切も電車バージョンである。さらに1万分の1・7千分の1・5千分の1の拡大図には歩行者専用踏切を示す足跡バージョンも掲載されている[9]


[編集] 踏切の弊害

戸塚駅脇の国道1号戸塚大踏切
朝夕は、車両通行止となり戸塚道路などに迂回が必要

踏切は交通が錯綜することから事故が起こりやすく、渋滞の原因ともなる。特に列車本数や線路数が多い踏切では、朝ラッシュ時など時間帯によっては、開いている時間が閉まっている時間よりも短く、開かずの踏切となってしまっているものもある。そのため、特に交通量の多い箇所を中心に、道路や鉄道の高架化または地下化を目的とした連続立体交差工事によって踏切の除去が進められている。

更に、渋滞原因の一つである自動車の踏切一時停止義務も、外国では警報機・遮断機つき(国によっては警報機のみの場合も)の場合はほとんど規制されていない[10]事から、第1種踏切については日本の国会でも廃止するべきか検討されたことがある[11]。しかしある鉄道において、落雷により警報機が故障した踏切で電車と踏切に進入した自動車との事故が発生し、最初は鉄道会社の方に過失があるとされたが、のちに自動車のドライバーの一時不停止が発覚しドライバー側の過失となった事例があったため、慎重論も多く出ると思われる。

なお新幹線[12]や新規に開業した多くの路線[13]では、道路との交差地点はすべて立体交差とし、踏切を設けていない。これは高速運転を行う路線の場合、踏切で支障が起こった事を運転士が認知したとしても急停止が困難であり[14]、また、道路法および鉄道に関する技術上の基準を定める省令に道路と鉄道が交差する場合は原則として立体交差としなければならないと定められているためである。例外的に踏切の新設が認められる場合として、停車場に近接した場所で道路と交差する場合で、立体交差とすることによって道路又は鉄道の効用が著しく阻害される場合などが道路法施行令で定められており、新設路線でも既設路線との接続駅付近に踏切が設置されている場合がある。

[編集] 併用軌道たる踏切

踏切の変わった例というより裏技的な設置理由として、高速電車(路面電車でない普通の鉄道を意味する)が併用軌道を走行する際、手続き上は併用軌道でなく「専用軌道(一般の鉄道線路)上に長大な踏切が存在する」という扱いで敷設または指定された区間があった。近鉄奈良線近鉄奈良駅油阪駅[15]名鉄犬山線犬山橋の区間などで見られ、特に近鉄奈良線の例は、全長700mを超えるという常識離れした「踏切」であった。

大型の高速電車が併用軌道を走る事は、現代においては安全性や高速性、交通渋滞などあらゆる面でネックとなるだけであり、踏切名目による併用軌道区間として設置された区間は消滅している。しかしながら、江ノ島電鉄線熊本電鉄藤崎線は、大手である近鉄・名鉄ほど大形・高速ではないものの、依然として同様の形態が残っている。この両者は当初軌道法で敷設された後、鉄道線に切り替えた為にこの形態となったものである[16]

[編集] ギャラリー

[編集] 種類別

[編集] 特殊な踏み切り

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 脚注

  1. ^ 歴史のある風景 武庫川連絡線の踏切まにあっく阪神(阪神電鉄公式ファンページ)
  2. ^ 但し、通過はいずれも列車優先であり、この点は異なる
  3. ^ 実際に故障していたため踏切事故が発生した事例においても、鉄道事業者側のみならず、自動車の運転者の責任も免れないとされた
  4. ^ 大手私鉄のほとんどとJRATS-P設置路線の一部が相当する。
  5. ^ 国土交通省中部運輸局『中部運輸局管内 鉄・軌道統計』「6.踏切道数の推移」
  6. ^ JR東日本では社内規則で2種の設置は発足時から禁止されていた
  7. ^ 会社により踏切合図灯、踏切反応灯、踏切警標など呼び名が異なる。
  8. ^ ×印は線路と道路の交差を図案化したと考えられる。
  9. ^ 但し実際にこのバージョンの踏切標識は無い
  10. ^ 『クルマの渋滞 アリの行列 -渋滞学が教える「混雑」の真相 -』によると、自動車の踏切一時停止義務を設けているのは日本と韓国[1]のみである
  11. ^ 朝日新聞東京版2005年2月5日付『踏切横断「止まらずOKに」 自民有志が法改正検討』による。
  12. ^ ミニ新幹線浜松工場構内を除く。
  13. ^ 武蔵野線湖西線がその代表例である。
  14. ^ 在来線では2002年まで鉄道運転規則第五十四条に通称「600m条項」として、最高速度から非常停止するまでの制動距離を600mにしなければならない規定が存在した。
  15. ^ 今の新大宮駅の近く,やや奈良駅側の関西本線との交差地点にあたる。
  16. ^ 形態上踏切とは言い難く、文献でも殆どは「併用軌道」として紹介されているが、鉄道事業法では併用軌道は認められていない為、この両者もあくまで「踏切」である。

[編集] 外部リンク