枇杷島分岐点

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枇杷島分岐点
枇杷島分岐点左-名古屋本線・右-犬山線(踏切から撮影)
枇杷島分岐点
左-名古屋本線・右-犬山線(踏切から撮影)
びわじまぶんきてん - Biwajima
所在地 愛知県清須市
所属事業者 名古屋鉄道
乗入路線 2 路線
所属路線 名古屋本線
キロ程 71.3km(豊橋起点)
東枇杷島 (0.6km)
(0.3km) 西枇杷島
所属路線 犬山線
キロ程 0.0km(枇杷島分岐点起点)
(1.0km) 下小田井
備考 全列車通過。乗降設備なし。
枇杷島分岐点付近(国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成)
この航空写真で、
経路1:画面下側
経路2:右側から上に連絡
経路3:左側から上に連絡
である。
画面左を縦に走る東海道本線/東海道新幹線と道路(県道67号線)の間にあるのは西枇杷島駅である。

枇杷島分岐点(びわじまぶんきてん)は、愛知県清須市にある名古屋鉄道の分岐点(信号場)。

本項では隣接して存在した下砂杁信号場についても記述する。

目次

位置 [編集]

東枇杷島 - 西枇杷島下小田井駅間にあり、名古屋本線犬山線が分岐する。ではないのでプラットホームなどの設備はなく、全ての列車が通過する。ただし、1949年(昭和24年)7月31日までここは枇杷島橋駅という駅であったため(特急停車駅)、廃止後も運賃計算上の箇所として扱われ、名古屋本線と犬山線とを跨いで乗車する場合には乗換は東枇杷島・栄生名鉄名古屋のいずれかの駅で行なわれるのだが、料金は当分岐点で乗り換えたものとした距離で計算され、この場合には当分岐点から名鉄名古屋駅までの重複乗り越し料金は不要となっている。また、別途乗車の場合などには当分岐点を発着する乗車券類も発売される。

この駅の廃止の理由は、同年[要出典]に構内で起こった事故が原因だと言われ、分岐線の中に駅があるという構造が問題視された可能性がある。その代替として隣接して休止中だった西枇杷島駅が翌8月1日に復活しており、事実上の移転といえる。その後1958年に庄内川橋梁が上流に架け替えられ現状となった。その関係で分岐後の線路は犬山線の方が曲線半径が小さい。

概要 [編集]

線路はデルタ線・三角線といわれる三角形に配置されており、

  1. 名鉄名古屋方面 - 名古屋本線(本線)名鉄岐阜方面
  2. 名鉄名古屋方面 - 犬山線
  3. 本線名鉄岐阜方面 - 犬山線

の3経路が存在する(便宜上、本項ではこの番号を用いて経路を表す)。

経路3は西枇杷島駅構内から分岐し、定期旅客列車は運行されず、主に車両の留置場所として使用される。また、車両の方向転換を行う際にも使用される。例として「パノラマスーパー」に一般席車を組み込む際、特別車を豊橋方(上り方面)に統一するために使われた。

また、経路3の延長に当たる経路2の側線(有効長6両分)は、河和内海 - 名古屋駅間運転の特急が折り返すための場所としても用いられている。

線路平面交差のため、本線豊橋方面へ向かう列車と犬山線方面へ向かう列車が同時に通過することはできない。両者が直近に迫った場合、

  • 犬山方面へ向かう列車が、第1場内信号機手前(庄内川橋梁上)で停止し、名古屋本線豊橋方面への列車の通過を待つ
  • 豊橋方面への列車が、分岐点の手前の第2出発信号機(この時、停止信号を現示)まで警戒信号で運転 (25 km/h) を行い、犬山線犬山方面への列車の通過を待つ

のどちらかの方法で対処する。実際の列車ダイヤは、極力、当分岐点の前後で同じ系統の列車同士がすれ違うように工夫して組まれている。

枇杷島分岐点 - 神宮前駅 間(金山駅 - 神宮前駅間は複々線)は、岐阜犬山津島方面 - (名古屋駅) - 知立豊橋豊川稲荷西尾)・常滑中部国際空港)・半田(河和・内海)方面の経路を運行する列車が、約2分30秒間隔で行き来する高密度運行区間であるが、カーブ半径が 160 - 200 m 余りと小さいため、西枇杷島駅から栄生駅手前までミュースカイから普通までの全列車が50 km/h の速度制限が連続する。この平面交差と速度制限が、名古屋 - 岐阜間のJR東海との競争力を弱める原因の一つとなっている。

この様な高密度運行区間の分岐点は、本来なら立体化したり、駅を設置(厳密には復活)して岐阜方面と犬山方面の列車を接続、または片方の列車を折り返し運転にする等で、捌き易くする方法を採ることが多い。しかし枇杷島分岐点では、

  • 住宅密集地である
  • 急カーブがある
  • 西枇杷島駅との距離が短い
  • 西枇杷島駅の岐阜寄り側で本線がJR東海道新幹線東海道本線の下をくぐる為、線路の高さを上げにくい
  • 庄内川の河口が近い為、線路から水面までの距離が余りなく、線路を下げる事も出来ない

と、上下前後全てがボトルネックとなっており、そうした改良が大変困難である。可能な方法としては名岐バイパス・名古屋高速清州線との交差部以南の下小田井駅を含む犬山線を高架にして、本線は現在の路線を使用して、橋から栄生駅の北側(現在の折返し線のある場所)までを、橋および東枇杷島駅を含めて二層構造にして、栄生駅で本線と犬山線を合流・分岐させることなどが考えられる。1990年代には名鉄から立体化の検討がされた事もあったが、前述した複数の制約に加え、近年の名鉄の財政難もあって立体化検討の続報は無く、当分は現状のままとなる見込である。現状でも庄内川右岸(北西側)の線路の勾配は比較的急で、経路1(分岐点 - 本線)は 29 、経路2(分岐点 - 犬山線)は 30 ‰ という比較的急な勾配となっている。

写真でも判る通り、かつては三角地内に民家が1軒あり、また現在でも田んぼがあり、その分は名鉄の所有地ではない。これは、1939年に本線の岐阜方と犬山線の犬山方を結ぶ連絡線が敷設される際、その民家の所有者が当時築2年だった家を壊したくないとの理由で立ち退きを拒否したため。長い間空き家となっていたが、2011年秋頃に取り壊された。

なお、運転取扱い上はデルタ線全体が西枇杷島駅の構内であり、枇杷島分岐点はその内の信号場として扱われるほか、経路2と経路3が交わるポイントは犬山線ダイヤにおいて下砂杁信号場[1](しもすいりしんごうじょう)として扱われる(1949年(昭和24年)8月1日に西枇杷島駅に統合。資料によっては「砂入[2]」「砂杁[3]」「下砂入[4]」、読みについても「(しも)すいり」「(しも)ずいり」などの表記揺れが見られる)。

下砂杁信号場の部分に関しては、経路3から犬山線へ合流する手前に犬山線下リ出発信号機(経路2の第2場内信号機とほぼ並んでいる)、側線(現在主に河和‐名古屋間特急の折り返しに使用)から経路2へ発車する箇所に犬山線上り第1出発信号機が設置されている。そして犬山線の上下本線にはこれらの称番が付いた信号機が無い(犬山線上りの経路2の区間にあるのは第2・第3出発信号機である)。

また、経路3の途中には第4種踏切が1ヶ所ある。これは名鉄で唯一現存するものである。

配線図 [編集]

名古屋鉄道 西枇杷島駅 構内配線略図
名古屋本線
名古屋豊橋空港方面
名古屋鉄道 西枇杷島駅 構内配線略図
名古屋本線
一宮岐阜津島方面
犬山線
犬山方面
凡例
出典:[5]
左上:庄内川橋梁と枇杷島分岐点、左下:旧下砂杁信号場



隣の施設 [編集]

名古屋本線
東枇杷島駅 - (枇杷島分岐点) - 西枇杷島駅 / 下小田井駅(犬山線)
犬山線
東枇杷島駅(名古屋本線) - (枇杷島分岐点) - (下砂杁信号場) - 下小田井駅

脚注 [編集]

  1. ^ 名古屋鉄道広報宣伝部(編) 『名古屋鉄道百年史』 名古屋鉄道、1994年、982頁。
  2. ^ 白井良和「名鉄に見る運転と施設の興味」、『鉄道ピクトリアル』第624巻、電気車研究会、1996年7月、 114頁。など
  3. ^ 川島令三 『東海道ライン 全線・全駅・全配線 第5巻』 講談社、2009年、64頁。ISBN 978-4-06-270015-3など
  4. ^ 澤田幸雄「名鉄の駅,構内設備の思い出」、『鉄道ピクトリアル』第816巻、電気車研究会、2009年3月、 146頁。(本文。図中表記は「下砂杁信号所」)など
  5. ^ 電気車研究会、『鉄道ピクトリアル』通巻第816号 2009年3月 臨時増刊号 「特集 - 名古屋鉄道」、巻末折込「名古屋鉄道 配線略図」