仙台空港鉄道仙台空港線
| SAT 仙台空港線 | |
|---|---|
| 路線総延長 | 7.1 km |
| 軌間 | 1067 mm |
| 電圧 | 20,000 V・50 Hz(交流) |
| 最高速度 | 110 km/h |
| 路線図中の赤線が仙台空港線 | |
仙台空港線(せんだいくうこうせん)は、宮城県名取市の名取駅から同市の仙台空港駅までを結ぶ7.1kmの鉄道路線である。第三セクターの仙台空港鉄道 (SAT) が運営している。
目次 |
[編集] 路線名称
| 停車場・施設・接続路線 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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様々な名称で呼ばれているため、以下に整理列挙する。
[編集] 路線データ
- 管轄(事業種別):仙台空港鉄道(第一種鉄道事業者)
- 区間・路線距離(営業キロ):名取 - 仙台空港 7.1km
- 軌間:1067mm
- 駅数:4駅(起終点駅を含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:全線(交流50Hz 20,000V)
- 閉塞方式:自動閉塞式(特殊)
- 保安装置:ATS-Ps
- 最高速度:110km/h
- 1日の利用者数:6940人(2008年2月現在の平均。当初の見込みは1万人)
全線で開業当初より、SuicaおよびSuicaと相互利用しているICカードが利用できる。2009年3月13日までは相互利用カード(当時はPASMO・TOICA・ICOCA)については有人窓口での扱いとなっていた。仙台まるごとパスは、開業日に合わせて当線がエリア内に設定された。
[編集] 運行形態
正式な起点は名取駅だが、列車運行および旅客案内では仙台空港駅から名取駅へ向かう列車が下り、逆方向が上りとなっている。
仙台空港線の全列車が仙台駅(東北本線)へ直通運転を行う。1日あたり快速4本(2往復)を含む上下計80本(40往復)の列車を運行し、全列車でワンマン運転を実施している。
- 所要時間(仙台空港駅 - 仙台駅間)
- 運行頻度・運転両数
- 朝夕のラッシュ時:2 - 3本/時(2 - 4両編成)
- ラッシュ時以外の時間帯:2 - 3本/時(初電・終電の時刻付近を除く)(2 - 4両編成)
- 初電・終電
- 仙台駅:初電6:08、終電22:52
- 仙台空港駅:初電6:22、終電23:11
- 運行車両
ダイヤ・所要時間については公式サイトを参照。
[編集] ワンマン運転
仙台空港線における列車の運行方式は事実上、東日本旅客鉄道(JR東日本)が決定することになっており、同社は東北本線乗り入れ区間を含めて最大6両編成でのワンマン運転を検討していた。しかし、日本の地方鉄道でのワンマン運転は一般的に運転士が目視で安全確認をしやすい4両編成以下で行われている例がほとんどであり(地下鉄や都市鉄道ではホームなどに安全対策を施した上で6両編成以上でもワンマン運転を行っているケースもある)、仙台空港から仙台までの各駅にセンサーやホームドアの設置予定もないため、このことが地元マスメディアによって報道された後、安全性を懸念した宮城県がJR東日本に説明を求めるなどした。最終的には、仙台空港鉄道、JR東日本、宮城県がワンマン運転について協議して、これを判断することになった(都営地下鉄大江戸線のように、ホームへのセンサー・ホームドア等の設置なしで8両編成でのワンマン運転を行っている例もあるため、安全性について一概には判断できない)。
開業に備え、運行する車両の運転台にホーム監視用のモニタを、仙台空港線と同線に乗り入れをする東北本線の名取 - 仙台の各駅に監視カメラとその映像を車両へ伝送する装置をそれぞれ設置した。また開業からしばらくの間は混雑時間帯に運転士以外にも乗務員が添乗するほか、停車する各駅のホームに警備員を配置し安全性を確保することとなった。
[編集] 運賃
仙台空港アクセス線のすべての列車は仙台空港駅から仙台駅まで直通で運転されるが、仙台空港 - 名取間は仙台空港鉄道の、名取 - 仙台間はJR東日本の事業区間であり、それぞれ別に運賃が定められている。仙台空港線の各駅と、JR東日本の仙台近郊の各駅では、仙台空港鉄道線区間とJR線区間の連絡乗車券が売られている。
大人片道普通旅客運賃
| 着発駅 | 名取 | 杜せきのした | 美田園 | 仙台空港 |
|---|---|---|---|---|
| 名取 | ― | 170円 | 210円 | 400円 |
| 杜せきのした | 170円 | ― | 170円 | 300円 |
| 美田園 | 210円 | 170円 | ― | 210円 |
| 仙台空港 | 400円 | 300円 | 210円 | ― |
- ※参考1:名取駅までのJR線普通運賃(大人)
- ※参考2:仙台市地下鉄 (SS) 南北線・泉中央駅 - JR名取駅の運賃
- SS泉中央駅 - SS長町駅(350円)+JR長町駅 - JR名取駅(180円):530円
- SS泉中央駅 - SS仙台駅(290円)+JR仙台駅 - JR名取駅(230円):520円
当初、仙台駅 - 仙台空港駅間の運賃は片道700円程度(JR線区間230円+仙台空港鉄道線区間470円程度)で検討されていた。しかし、自家用車利用者を取り込むために割安な運賃設定が必要であるとの判断から、仙台空港鉄道は名取駅 - 仙台空港駅間の運賃を片道400円として運賃の認可申請を行い、仙台駅 - 仙台空港駅間の運賃は片道630円となった。開業前に運行されていた仙台市交通局のエアポート・リムジンバス(仙台駅 - 仙台空港間・片道運賃910円)に比べて安い運賃となった。
杜せきのした駅と美田園駅の両駅前には、大空港で見られるような空港内ショッピングゾーンなどと似た店舗構成の商業施設が進出、または進出を予定している。
仙台駅より北側の仙台市地下鉄南北線の各駅(泉中央駅 - 広瀬通駅間)から乗車して仙台空港に向かう場合、地下鉄仙台駅とJR仙台駅が離れているのに対し、地下鉄長町駅とJR長町駅は近接しているため、長町駅での乗り換えの方が便利である。どの地下鉄駅から乗車するかで仙台駅乗り換えと長町駅乗り換えのどちらが安いかは異なる。
- (参考)JR長町駅西口広場:JR長町駅が地下鉄長町駅近くに移設された。乗り換えの利便性を考え、西口広場に地下鉄出入口が新設される。
[編集] 沿革
[編集] 経緯
仙台空港線の構想は、仙台空港と仙台市都心部をつなぐ軌道系交通機関として1984年(昭和59年)3月に仙台地方陸上交通審議会が可能性検討の答申をしたことに始まる。日本政府が1991年(平成3年)11月に仙台空港の滑走路を大型ジェット機対応の3,000mに拡張することを決定したのに合わせ、12月に空港アクセス鉄道整備検討委員会が宮城県を中心に設置され、仙台市営地下鉄南北線(当時の名称)の延伸、モノレール・新交通システムの新設、JR線分岐などの案が比較検討された結果、1992年(平成4年)8月にJR線分岐案に決定した。しかし、運営母体をJR東日本へ打診したものの、採算面から拒絶され、新たに第三セクターを設置することに決定。2000年(平成12年)4月に仙台空港鉄道株式会社が設立され、6月に第一種鉄道事業の認可を取得した。
仙台空港線の建設は2002年(平成14年)12月5日に着工された。建設費は349億円(総事業費は416億円)である。建設と同時にJR東日本では仙台駅の改良や仙台空港線へ相互に乗り入れるための新形式の車両(E721系電車500番台)の製造を進め、仙台空港鉄道も同形の車両(SAT721系電車)を用意するなど、開業へ向けて準備が進められた。
また、宮城県は2001年(平成13年)に山形県へ仙台空港鉄道への出資を打診した。山形県民の海外渡航において半数以上が仙台空港を利用しており、さらに、仙台空港の国内線旅客の2割が山形県民であること[8]を鑑みて、山形駅から仙山線・東北本線・仙台空港線経由で仙台空港駅まで直通運転(以下、「仙山線直通列車」)されれば同県にもメリットがあると判断し、5,000万円(資本比率として約0.7%)の出資を予算計上した。宮城県も、仙山線は仙台市青葉区を東西に横断する唯一の鉄道路線であり、愛子方面や北仙台駅での乗継客を見込めることから仙山線直通案には前向きに検討していた。だが、後日、山形・宮城両県で仙山線直通列車をJR東日本に要望したところ、ダイヤ上の問題や車両確保の問題から、臨時列車を含めて設定は困難との回答を受けた。出資の前提であった仙山線直通列車の運行がなくなり、山形県は予算執行停止を決めた。しかし、JTB主催のハワイ旅行商品に合わせて、ゴールデンウィーク中(2007年4月30日・5月4日)に仙山線直通列車が臨時列車で運行されることが決まり、山形県は同年2月9日に予算執行を発表した。
2007年(平成19年)3月18日、JRの春のダイヤ改正に合わせて予定通り開業。この1日で約2万人が仙台空港線を利用した(仙台空港駅・美田園駅・杜せきのした駅の自動改札利用の乗降人数の合計。有人改札利用者含まず)。杜せきのした駅直結のダイヤモンドシティ・エアリ(現・イオンモール名取エアリ)への利用客が多かったため、下り快速2本が本来通過する同駅に停車した。
開業1年目の利用人数は、目標乗車数の7割程度であり、1日あたりの利用者も目標10000人のところ、7000人台に留まった。仙台空港鉄道では利用客を空港利用者・沿線から仙台への通勤利用者・沿線ショッピングセンターなどへの買い物利用者の3本立てに設定していた。空港利用者と買い物利用者は目標どおりの乗車率となったが、沿線の開発が始まったばかりであり、通勤利用が低迷していることが目標を達成できなかった主要因とされる[要出典]。開業当初は仙山線との接続の悪さ(仙山線列車が仙台駅7/8番線に入線するのと同時に仙台空港線列車が同駅3番線を出発)が指摘されていたが、2008年(平成20年)3月15日ダイヤ改正では青葉区(北仙台・愛子)近郊・山形方面からの利用客取り込みのために、仙山線との接続を重視した時刻設定となった。
[編集] 名取市と仙台市の合併議論との関連
1967年(昭和42年)には仙台・名取両市を含む仙塩地区3市1町1村での合併協議[9]が、1991年(平成3年)と、1994年(平成6年)から1996年(平成8年)にかけては、仙台・名取両市での合併議論があった[10]。このうち、1991年(平成3年)の合併議論が仙台空港アクセス鉄道構想と特に関係がある。
仙台市が周辺市町と合併して1989年(平成元年)4月1日に政令指定都市に移行した際、合併のバーターとして旧泉市(現・仙台市泉区)には仙台市営地下鉄南北線が泉中央駅まで延伸されたが、仙台空港アクセス鉄道構想が具体化し始めた1991年(平成3年)には地下鉄南北線を空港まで延伸する案もあったため、仙台市と名取市の合併話も生まれた。このとき、名取市が仙台市に編入されることで仙台空港も仙台市内となり、臨空工業地区への工場誘致が容易となるとの意見もあった[誰?]。一方、名取市では単独での税収増が予想されていたことから、結果として両市の合併は実現しなかった。
[編集] 東日本大震災の影響
2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)は仙台空港線にも重大な被害をもたらし、特に仙台空港駅および空港トンネルは津波により甚大な被害を被った。鉄道の防音壁は各所で倒壊、崩落が見られ、空港駅1階部分は躯体だけを残し、内部はほぼ壊滅状態となった。レールも一部にゆがみが発生し、路盤のコンクリートも破損した。車両は空港駅及び仙台駅に停車していたので大きな被害はなかった。復旧費用は30億円[11][12]。4月2日から名取駅 - 美田園駅間、名取駅 - 仙台空港間において、朝夕を中心に代行バスが運行された[13]。また4月21日より仙台駅東口 - 仙台空港間の臨時のシャトルバスを社団法人宮城県バス協会が運行開始した。
7月23日より名取 - 美田園間で運行が再開されたが、仙台空港駅に4両2編成が停車している影響で70%ほどの便数で運行した[14]。また代行バスの運転区間が美田園 - 仙台空港間に短縮された。
仙台空港駅に留置されている車両は、21日の夜に仙台空港駅から美田園駅まで、22日の昼に美田園駅から名取駅まで、23日の早朝に名取駅から仙台車両センターまで回送された。
10月1日に全線で運転を再開した。9月30日を以って代行バスと臨時のシャトルバスの運行が終了した[15][16]。
[編集] 採算性の問題
会社では開業後30年目での黒字転換を見込んでいるが、この空港アクセス鉄道事業について、採算性を疑問視する声がある[誰?]。
[編集] 建設費用と運賃のバランス
仙台空港アクセス鉄道の構想の段階で、JR東日本が運営主体となることを要請されたもののこれを断り(ただし同社は仙台空港鉄道株式会社に出資)、結果的に宮城県が事業主体となったという経緯がある。ただし、仙台空港線は、2007年度の土木学会賞技術賞を受賞しており、その選定理由として、「新しい施工法の採用で、コストを計画より約20%縮減。工期も大幅に短縮して実質2年半で完成した」とも評価されている。
仙台駅から仙台空港駅まで、仮にすべてJR東日本の路線とすると、JR東北本線の仙台駅 - 名取駅が10.4km、仙台空港鉄道部分が7.1kmで合計17.5kmとなり、JR東日本の運賃体系では320円となる。建設費用の償還も考えると、他の空港連絡鉄道路線などに見られるような200円以下の加算運賃を含めても採算が見込めない[要出典]。
[編集] 他の交通機関との競合
仙台駅と仙台空港間を結んでいたエアポート・リムジンバスは、仙台空港線開業と同時に廃止された。このリムジンバスは、仙台空港利用者の約4分の1が交通手段とし、1日約2,000人が利用していた。仙台空港線の事業計画は、これらのバス利用者が仙台空港線に移ることを想定して進められた。
これに対し、リムジンバスの廃止後に仙台市中心部と仙台空港を結ぶバス路線として、愛子観光バスが計51便・片道運賃800円、東日本急行が計30便・片道運賃700円で参入していたが、愛子観光バスは2008年2月29日の運行をもって撤退した。また、東日本急行も2008年12月、撤退を発表。2009年1月31日の運行を最後に廃止となった。これで仙台市内と空港を結ぶリムジンバスは全面廃止となった。
また、都市圏自動車専用道路の候補路線として、東北道の村田JCTから分岐して仙台空港に直線的に接続する宮城県横断自動車道および仙台空港連絡道が調査中である[17]。全通すれば、山形県や福島県中通りから仙台空港へアクセスするのに最短ルートとなって、仙台空港線と競合することになるなど、将来的にも仙台空港線の採算面での不安要素がある。
なお、宮城県横断自動車道に並行する道路として、県道25号・岩沼蔵王線および県道258号・仙台館腰線の通称「愛島バイパス」部分があり、仙台空港連絡道と並行する道路として県道20号・仙台空港線がある。25号岩沼蔵王線の村田 - 岩沼間は高舘丘陵を越える山岳道路、258号愛島バイパスは自動車専用道路(2006年度完成)、20号仙台空港線は片側2車線の一般道となっている。
[編集] 駅一覧
「仙台空港アクセス線#駅一覧」も参照
カッコ内は名取駅からの営業キロ。全駅とも宮城県名取市所在。
名取駅(0.0km。位置) - 杜せきのした駅(1.8km。位置) - 美田園駅(3.8km。位置) - 仙台空港駅(7.1km。位置)
[編集] 接続路線
[編集] 脚注
- ^ 仙台空港アクセス鉄道の特徴(仙台空港鉄道) … 正式名称や定義を完全に無視して混用している。
- ^ アクセス情報(仙台空港ポータルサイト)
- ^ 仙台空港へのアクセス情報(仙台空港ターミナルビル)
- ^ アクセス鉄道整備事業(国土交通省東北地方整備局塩釜港湾・空港整備事務所)
- ^ アクセス鉄道(宮城県)
- ^ 仙台空港アクセス鉄道整備事業(名取市)
- ^ 仙台空港アクセス鉄道(仙台市経済局)
- ^ 県広報誌「県民のあゆみ」平成17年9月号 (PDF)(山形県庁)
- ^ 利府町40年の歩み(利府町)
- ^ 名取市・岩沼市合併問題調査研究会 (PDF) (Internet archive)
- ^ 仙台空港アクセス線 204日ぶり全面再開(河北新報 2011年10月1日)
- ^ 「東日本大震災」関連公共土木施設被災・復旧状況(宮城県) … 復旧費用は、県の試算では約40億円だった。
- ^ 「東日本大震災」関連公共土木施設被災・復旧状況(宮城県)
- ^ 仙台空港アクセス線一部区間の運行再開について (PDF) - 仙台空港鉄道
- ^ 仙台空港アクセス線全線運行再開について (PDF)(仙台空港鉄道、2011年8月30日)
- ^ 仙台空港アクセス線 10月1日全線再開 震災前の体制に[リンク切れ](河北新報、2011年8月31日閲覧)
- ^ 仙台圏幹線道路図 (PDF)(国土交通省)
[編集] 関連項目
- 日本の鉄道路線一覧
- 空港連絡鉄道
- エアポート・リムジンバス
- イオンモール名取エアリ(杜せきのした駅直結のショッピングセンター)
- オムニバスタウン#宮城県仙台市
[編集] 外部リンク
- 仙台空港鉄道株式会社
- 仙台空港アクセス鉄道(仙台CATV) - 仙台空港アクセス線の使い方の動画
- 東北幹線道路調査事務所
- なとりりんくうタウン