相鉄いずみ野線
|
相鉄いずみ野線で使用される10000系
(2008年7月26日、ゆめが丘駅) |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 軌間 | 1067 mm | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 電圧 | 1500 V 架空電車線方式(直流) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 最高速度 | 100 km/h | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
いずみ野線(いずみのせん)は、神奈川県横浜市旭区の二俣川駅と神奈川県藤沢市の湘南台駅を結ぶ、相模鉄道の鉄道路線である。
なお、この路線は平塚市までの延伸免許が取得されているが、延伸開業の目処は立っていない。
目次 |
概要[編集]
もともとはこの路線は神奈川東部方面線計画の一部分を構成する区間であり、このうち横浜市西部の区間が1970年代に整備されたのが始まりである。それと同時に沿線に大規模なニュータウンを造成することで建設資金の回収を期待した。
同じような成り立ちを持つ路線には東京急行電鉄の田園都市線や古くは阪急電鉄の宝塚線といったものがあり、本路線沿線も典型的な私鉄による街づくりの一例が垣間見られるものとなっている。また、当時相模鉄道が東京急行電鉄に敵対的買収を仕掛けられたことから、特に田園都市線に対しては対抗意識を持っていたという逸話がある。
「職住分離」の一端を担うニュータウンアクセス交通に見られるように朝夕のラッシュ時とそれ以外の時間における利用客数の変動が激しいという特徴がある。また建設費償還のため加算運賃が設定されており相鉄本線と比べてやや高いものになっている。詳細は相模鉄道#運賃を参照のこと。
現在、同線は保安装置として ATS-P の地上装置が地上子とともに整備されている。
路線データ[編集]
- 路線距離:11.3km
- 軌間:1067mm
- 駅数:8駅(両端の駅を含む)
- 複線区間:全線
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 最高速度:100km/h(南万騎が原→緑園都市間)
沿線風景[編集]
いずみ野線は横浜市西部の丘陵地帯を通過する。とはいっても地形に沿う形ではなく、掘割・トンネルや高架橋を多用して極力勾配を緩和している。また、踏切は一つもなく、軌道は50kg以上の重軌条でロングレールとして敷設されており、現在の認可最高速度は100km/hだが120km/h運転も可能な施設である。
二俣川 - いずみ野[編集]
二俣川駅を発車した列車は徐々に高度を上げながら相鉄本線を跨ぐとすぐに分かれていく。トンネルを抜け、東海道新幹線の下をくぐると南万騎が原駅となる、なお新幹線に駅はない。南万騎が原を出るとすぐにトンネルに入る。このトンネル区間は当初掘割区間として開通したが、後に埋め戻されたという経緯がある。トンネルを抜けると高架橋になりすぐに緑園都市駅となる。いずみ野線の駅名にはいかにもニュータウンを思わせる駅名が多く、特に当駅周辺は開発が進んだ地区になっている。緑園都市を出ると再びトンネルに入る。高架橋で阿久和川を越え掘割区間に入ると弥生台駅である。掘割だが法面の傾斜は緩く「ソメイヨシノ」が植えられており、春には桜のトンネルの様相を呈す。弥生台を出るとすぐにトンネルに入り掘割の中のいずみ野駅となる。ここまでが第1期開業区間である。
いずみ野 - 湘南台[編集]
いずみ野を出ると今までと打って変わって高架橋の連続区間になる。和泉川を渡った列車はこの川に沿うように谷沿いを走る。辺りは畑や雑木林が広がっており、天気が良いと右手に富士山が見えることもある。長後街道を渡るとすぐに高架駅のいずみ中央駅に到着する。いずみ中央を出た列車は和泉川と分かれ再び丘陵地帯に入って行く。アーチ橋の一種、ニールセン・ローゼ橋で環状4号を跨ぐとゆめが丘駅である。近くに横浜市営地下鉄ブルーラインの下飯田駅があるが、地下駅なので分かりづらい。ゆめが丘を出た列車はこのブルーラインと並走するようになり、境川を渡った直後に谷の斜面に突入する。そのままトンネルを走行し続けて、地下駅の湘南台駅となる。
運行形態[編集]
列車種別と運行本数[編集]
いずみ野線を走る列車種別は従来は「各停」だけであったが、1999年に速達列車として「快速」が新設された。ただし快速もいずみ野線内では各駅に停車する。
ニュータウンを抱えるいずみ野線は横浜中心部や都心部への指向性が強いので、ダイヤ構成も本線との繋がりが強く、早朝深夜を除きすべての列車が二俣川駅から本線に乗り入れて横浜駅まで向かうものになっている。なお、本線の大和・海老名方面への直通運転は二俣川駅の配線の関係で留置線での折り返しが必要なために、普段は回送列車を除き行われていない。
使用車両は10両編成か8両編成かということで大別され、各形式による限定運用は無い。基本的に快速は10両編成で平日の一部運用に8両編成が、各停も同様10両編成が多く一部が8両編成で運行される。
快速[編集]
快速は本線の横浜駅 - 二俣川駅で一部の駅を通過することにより速達性を確保し、いずみ野線内は各駅に停車する種別で、全列車が本線と直通運転を行い、横浜駅 - 二俣川駅 - 湘南台駅の区間で運転されている。2013年現在のダイヤでは、日中は、二俣川駅で大和駅方面からの各停と接続し、星川駅で先行していたいずみ野線からの各駅停車と接続をする(下りも同様)。
日中の横浜駅 - 湘南台駅の所要時間は約30分である。設定当初は朝ラッシュ時と日中のみで、日中はすべての「各停」を置き換えて12分おきに運転されていたが、やがて10分おきに増発となった。2006年のダイヤ改正では1日の本数はほぼ据え置くものの、運転を20分おきにとしたために運転時間が大幅に拡大され、早朝深夜をのぞくほぼ終日(土曜休日は夕方過ぎまで)の運転となっている。また2012年のダイヤ改正で西谷駅の待避線使用が不可になったため平日朝の運行が休止された。現在の運転間隔は平日が終日約20分おき、土休日の日中が30分おき、土休日の朝・夕は20分おきの運転となっており平日が34本、土休日が30本の設定がある。
各停[編集]
各停は各駅停車の略称でその名の通り各駅に停車する。快速が設定された現在もいずみ野線の約7割がこの種別で運転されており、ほとんどの列車が本線と直通運転を行うが、早朝深夜の一部に線内だけの列車がある。
早朝深夜と平日朝ラッシュ時を除き、二俣川駅で本線の「急行」に接続することで横浜方面への速達性を確保している。全区間「各停」に乗った際の日中の横浜駅 - 湘南台駅の所要時間は約40分である。二俣川駅 - 湘南台駅は同約15分である。
開業当初は日中は20分おきでそのうち半数のみが本線に乗り入れて横浜駅まで達していた。その後何度か増発がなされたものの、1999年2月に「快速」が設定されると日中の全ての列車が同種別に置き換わり、同時間帯の本種別は消滅した。しかし2006年5月ダイヤ改正では日中の「快速」が減便されたため、その補完として再び設定されて現在に至る。2013年現在は朝ラッシュ時には約4分おきに、日中は20分おきに運転されている。1日の設定本数は平日約180本、土休日約140本である。
なお、二俣川駅からいずみ野線へ向かう列車(下り列車)のうち行き先表示が幕である車両は「各停」幕が本線海老名方面へ向かう各停との乗り間違いを防ぐ目的で「青地白文字」で各停と表示されている。これは相鉄の一部の古い車両(7000系電車)では車体側面に「行き先の駅名」の表示が出来ないための配慮である。湘南台開業前は「各停」の下に「いずみ野」・「いずみ中央」という文字が付け加えられていた。なお上り列車はすべて白地黒文字で本線各停と共通である。
歴史[編集]
女性専用車[編集]
平日ダイヤの下記の時間帯において女性専用車が実施される。設定車両は横浜寄りから数えて4両目となる。
- 朝ラッシュ時間帯の7時30分から9時30分までに横浜駅に到着する横浜行全列車
- 横浜駅を18時以降に発車する湘南台行全列車
平日日中および土休日ダイヤでは、女性専用車の設定は行われない。
いずみ野線の女性専用車は、本線とともに2005年5月9日に初めて導入された。導入当初、夜間の設定は「横浜駅を22時以降に発車する全列車」となっていたが、同年12月5日からは現在の18時開始に設定時間帯が拡大された[1]。
駅一覧[編集]
- 全駅神奈川県に所在。
- いずみ野線内は全列車が全駅に停車。
| 駅名 | 駅間キロ | 累計キロ | 接続路線 | 所在地 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 二俣川から | 横浜から | ||||
| 二俣川駅 | - | 0.0 | 10.5 | 相模鉄道:本線(横浜方面直通運転) | 横浜市 旭区 |
| 南万騎が原駅 | 1.6 | 1.6 | 12.1 | ||
| 緑園都市駅 | 1.5 | 3.1 | 13.6 | 横浜市 泉区 |
|
| 弥生台駅 | 1.8 | 4.9 | 15.4 | ||
| いずみ野駅 | 1.1 | 6.0 | 16.5 | ||
| いずみ中央駅 | 2.2 | 8.2 | 18.7 | ||
| ゆめが丘駅 | 1.1 | 9.3 | 19.8 | ||
| 湘南台駅 | 2.0 | 11.3 | 21.8 | 小田急電鉄:江ノ島線 横浜市営地下鉄: |
藤沢市 |
- 緩急接続可能な駅
- 二俣川駅・いずみ野駅
今後の展望[編集]
線内の通過運転[編集]
優等列車の通過運転に備え、いずみ野駅と緑園都市駅に待避設備が設けられている(緑園都市駅は準備工事のみ)が、現時点では夜間の車両留置にしか使われていない。
延伸免許[編集]
いずみ野線は起工された当初から運輸政策審議会の答申により平塚方面への免許を取得しており、当初の計画では湘南台駅から慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスを経て茅ヶ崎市北部を通過し平塚駅へと向かう予定となっている。しかし、相模線倉見駅に東海道新幹線の新駅(相模新駅)が建設される計画が持ち上がったことから、経路を変更するか分岐線を設け、途中から寒川町に向かって倉見駅(ツインシティ構想地区)まで結ぶ構想が浮上した。2004年度に神奈川県や沿線市町、国土交通省、学識経験者、相模鉄道から成る「いずみ野線延伸研究会」が組織され、倉見駅方面への延伸の可能性について、LRT(ライトレール)導入も含めた検討が3箇年にわたり進められてきた[2]。
現在、相模鉄道が東日本旅客鉄道(JR東日本)や東京急行電鉄と相互乗り入れを協議しており、その乗り入れ経路がいずみ野線も含まれる運輸政策審議会の神奈川東部方面線とほぼ重なることから、今後の路線整備や延長計画に大きな影響を及ぼすことも考えられるため、協議の進展が注目されている。
2010年2月22日に、神奈川県、藤沢市、相模鉄道、学校法人慶應義塾の4者で、2010年春を目途に「いずみ野線延伸の実現に向けた検討会(仮称)」を設置することを発表。まずは、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスまでの延伸を目指す見込み[3]。
脚注[編集]
- ^ 相鉄線「女性専用車」の運行時間を午後6時からに拡大 (PDF) - 相模鉄道、2005年12月11日。
- ^ 2007年5月23日神奈川県記者発表。
- ^ 相鉄いずみ野線延伸、まず慶大まで検討[リンク切れ] MSN産経ニュース・2010年2月22日
参考文献[編集]
- 佐藤信之「鉄道・軌道プロジェクトの事例研究 7 相模鉄道いずみ野線について」
- 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』2002年3月号 No.425 p146-p147