ゴールデンウィーク

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ゴールデンウィーク和製英語 Golden Week, GW)とは、日本で毎年4月末から5月初めにかけての休日が多い期間のこと。大型連休(おおがたれんきゅう)、黄金週間(おうごんしゅうかん)ともいう。

概要[編集]

本来は5月3日から5月5日までの3日間を指すが、直前・直後に土曜日日曜日振替休日がある場合、それらを含めて呼ぶことが多い。この期間、4月29日(昭和の日1988年までは天皇誕生日2006年まではみどりの日)・5月3日憲法記念日)・5月4日(みどりの日、1988年から2006年までは日曜日・月曜日以外なら国民の休日)・5月5日(こどもの日)が国民の祝日(2006年までの5月4日を除く)であり、5月1日メーデーのため休日になる会社(人)も少なくないことから、間の平日を休みにすることで長期連休にしやすい。

以前は休日が飛び飛びになることが多かったことから「飛石連休」という言い方がされたが[1]1985年(昭和60年)の「国民の祝日に関する法律」(以下「祝日法」という。)の改正で5月4日が日曜日や振替休日でなくても「国民の休日」になってからは、この言い回しは少なくなった[2]

2005年に行われた祝日法の改正により、休日の名称および振替休日の規定が変更されたため、憲法記念日やみどりの日が日曜日と重なった場合、「こどもの日」の翌日が振替休日になり、その分ゴールデンウィークが延びることとなり、5月4日が日曜日となる2008年に最初に適用され、振替休日が初めて月曜日以外の火曜日となった。

「ゴールデンウィーク」の名称は、映画会社の大映松竹と競作して1951年(昭和26年)に同時上映となった獅子文六原作の『自由学校』が大映創設以来(当時)最高の売上を記録[3]し、正月映画やお盆映画以上の興行成績を残したことで[4]、映画界でこの時期に多数の動員を生み出すことや活性化を目的として当時の大映常務取締役であった松山英夫によって作成された宣伝用語であり[4][5]1952年(昭和27年) - 1953年(昭和28年)頃から一般にも使用されるようになり[5]、他の業界にも広まった。この時大映は続いて秋の文化の日を中心とした期間を「シルバーウィーク」と名付けたが、当時こちらは定着しなかった[4][5]

週刊誌では、連休前に合併号の発行が一般的に行われているが、これは大型連休に合わせた営業施策というよりも、印刷所の連休に合わせているというのが実情である。

不況時の場合、製造部門を持つ企業において、この期間を生産調整・在庫調整に充て、通常の休日に数日上乗せし、さらなる長期休業となる従業員も見受けられる[6]

「ゴールデンウィーク」の表現を変更しているケース[編集]

NHKや一部の民放、新聞などは「ゴールデンウィーク」という言葉が映画業界用語だったことから、業界の宣伝になることや年配者に分かりづらいという理由などで、単なる「(春の)大型連休」という表現で統一している[5]。「ゴールデンウィーク」という言葉は2004年損害保険ジャパンが商標登録している(第4824147号)。この他にもNHKでは「ゴールデンウイーク」を用いない次のような理由を挙げている[5]

  • 休めない人から「何がゴールデンだ」という抗議が来る。
  • 外来語片仮名語を避けたい。
  • 1週間よりも長くなることが多く、「ウィーク」はおかしい。

「シルバーウィーク」についても同様の表現差し替え(「(秋の)大型連休」)が行われている。

週刊文春』は連休前に発売される合併号を「黄金週間特別号」と題して発売している。

日本の旅行シーズン[編集]

ゴールデンウィークに観光客で混雑する登山電車乗り場(小田原駅にて1993年5月4日撮影)

ゴールデンウィークとの名称が用いられ始めた時代は、戦後テレビ普及前の日本映画の黄金期で映画館も多数存在しており、映画鑑賞、近場の百貨店での買い物、近郊の遊園地への行楽、周辺の行楽地へのハイキングといった日帰り旅行などが、この時期の一般的な過ごし方で、1970年代以前は普段の日曜日・祝日の過ごし方と大きな違いはなかった。しかし、その後の振替休日制度の導入や土曜休みの普及に伴って、次第にこの時期全体を利用した泊まりがけの旅行や帰省が増え、ついには海外旅行さえ一般的になった。

毎年ゴールデンウィークの序盤と終盤において、主要ターミナル駅空港などでは多くの乗客が見られる。特にテレビ新聞などのマスコミは、ターミナル駅や空港での子連れの乗客をよく取材するため、「ゴールデンウィークは家族連れの旅行が多い」というイメージが定着している。ただし親子連れでの海外旅行は、2004年以降極端に減少している。学校の児童・生徒における、この時期の複数回の宿泊を伴う旅行の一般化は、早くとも5月4日が「国民の休日」となった1980年代後半以降の時代で、その後2002年に公立学校で完全五日制が実施されたことによって定着したと考えられる。それ以前は春休みに行うことが一般的であった。

この時期を余暇として活用する場合、もっぱら静養・テレビ視聴・読書・家事などで自宅内で過ごし、余暇のためには戸外には向かわない人ももちろんいる。しかし一般的には、移動距離や日常生活圏から離れる時期の長短に差はあるものの、この時期の余暇は野外活動や旅行として活用する人が多く、かつ美術展・コンサートなどが盛んな秋季の祝日などと異なり、移動先では屋外活動を行う、というイメージが定着している。

日本人観光客の多いハワイなど海外の観光地では、ホテルバスレストランなど観光業に従事する人物の場合、日本に縁のない現地出身の人間であっても“Golden Week”で意味が通じるほど認知されている。

帰省や行楽などのために長距離を移動する人も多い。その数は、夏休み(特に旧盆時期)、年末年始と同程度に多いと一般的に考えられている。

このため、多くの場合、お盆・年末年始と共通する以下のような交通状況となり、そのためにそれらの期間に準じた制度が適用される。

  • 主要な高速道路の一部区間に渋滞が発生。10 - 100km以上にも及ぶ場合もある。
  • 全席指定車の列車以外の新幹線や主要な特急列車・高速バスにおける混雑、列車の指定席特急券や航空券の入手の困難さ。
    そのため、JRの場合、指定席特急券には繁忙期が適用され、かつ新幹線・特急列車を使用する多くの特別企画乗車券に利用制限がかかる(ただし、訪日観光者向けのジャパンレールパスと一部の特別企画乗車券は利用可能)。
  • 都市近郊を結ぶ快速列車の混雑が、行楽客が多く座席の定員着席率がかなり低いため、通勤ラッシュ時以上の度合いで発生。とりわけJR東日本湘南新宿ラインの大宮 - 新宿 - 横浜間やJR西日本京都線神戸線の京都 - 大阪 - 三ノ宮間は非常に混雑する。

その他、各地の観光地・繁華街の混雑、ホテルなどの宿泊代・国内外への割引航空券の値段などにおける、旅行費用の高騰も見られる。反面、多くの航空会社の国内線正規運賃はピーク期運賃とはならない。また路線バス・路面電車など近距離の交通機関の利用においては、逆にこの時期に割安な企画切符・料金が適用される例も多いなど、必ずしも他の時期に比べて割高ではない事例も存在する。他の繁忙期と異なり、青春18きっぷはこの時期に発売されない。これは、当初この商品が学生などの休業期間を見込んだものであり、この時期は春休みと異なり本来その時期には当たらないという性格上のものからだった。しかし国鉄時代に初めて発売された「青春18のびのびきっぷ」は、有効期間がゴールデンウィークまであった。

ただし関西・中京の私鉄・地下鉄を中心に、旧盆期間中の平日は休日または土曜のダイヤで運転される事業者が多くなっているが、現在のところゴールデンウィーク中の平日は、原則として平日ダイヤで運転されている(官公庁金融機関中小企業の多くでは暦通りに業務が行われているほか、学校も一部の私立学校を除いては平常通り授業が行われていることも理由)。

秋の大型連休[編集]

祝日法の改正によって敬老の日ハッピーマンデー対象となったことにより、秋分の日と合わせての大型連休ができる可能性が生じており、2009年はこれに該当した。その後は2015年2026年がこれに当たると予測されている(秋分日の観測状況により変動することがあるため、正式な祝日は前年の2月第1平日付の官報で確定する。「暦要項」参照)。

体育の日11月1日に、勤労感謝の日11月5日に移すことによって11月3日文化の日と併せて秋に大型連休を作る構想もあり、当時の与党内で検討されていた。

これらを「秋のゴールデンウィーク」あるいは「シルバーウィーク」と称することがある。

主なイベント[編集]

気候のいいこの時期には全国各地でイベントが開催される。

上記の「弘前さくらまつり」などに代表されるように、この時期は北東北道南などではが開花から満開になり、花見の季節でもある(それらの地域では桜だけでなくの花も同時に咲くことが多い)。それ以外の地域では多くの場合は桜が散った後となるが、代わりに薔薇などの晩春の花の時期であり、新緑のシーズンでもある。

中国の黄金週[編集]

中国にも日本のゴールデンウィークに類似した名称の大型連休があり、中国語で「黄金周」(huángjīn zhōu)と呼ばれる。これは、中国政府が経済効果をねらって1999年10月1日から導入した制度である。なお、「周」は「週」の簡体字である。

中国の黄金週は2009年現在、年に2回設定されている。

いずれも、3日間の法定休日に2日間の振替休日を加え、さらに土日を連続させて7連休にしている。2日間の振替休日は、直前の土日をこの期間に振り替える。

2007年度までは「労働節(5月1日)から始まる1週間」も黄金週であったが、中国政府の意向で2008年度以降は3連休に短縮されている。ただし、2009年度は広東省のみ7連休が実施される。

問題点[編集]

この時期が「ゴールデンウィーク」と呼ばれ、その期間の祝日(休日)が普通の祝日・休日と異なる扱いをされることや、長期連休化していることについて、以下の問題点を挙げる人もいる。

  • この時期の祝日の意義が顧みられなくなること。
  • この時期の存在による、教育・勤労効率の悪化。一例として「五月病[7]があり、今春に生活環境が大きく変化した者の中で、新しい生活や環境に適応できず、ゴールデンウィーク中に疲れが一気に噴き出す[8]、長い休みの影響で学校や職場への行く気を削ぐ[9]などの要因から、ゴールデンウィーク明け頃から理由不明確な体や心の不調に陥る症状が見受けられる場合がある[7][8]
  • この時期における行楽地・交通機関や祭り・イベント会場の過度の混雑。

これらの解消を目的として、2010年現在、連休時期を地方ごとに異なる時期に定め、休日を分散化する計画が検討されているが[10]、国内でありながら地域によって平日と休日が異なることで、商取引や金融システムなどの経済活動や、遠方への単身赴任者が帰省しても現地では平日のために家族と一緒過ごせない、などの問題が挙がっている[11]。欧米に比べて休暇日数が少ない日本の大型連休は“ゴールデン”との名称はいささか疑問視されることがある。

7連休化[編集]

5月1日、いわゆるメーデーの開催日を祝日にすることで4月30日5月2日に「国民の休日」が適用され、4月29日から5月5日まで7連休となる。しかし、既にある勤労感謝の日と趣旨が重複する祝日を定める意義や、メーデー自体が歴史的経緯から社会主義的である問題もあり、実現には至っていない。前者を回避するために、勤労感謝の日自体を5月1日に移動させるという案もあるが、戦前の新嘗祭の日付を祝日にした経緯があるため、主に保守派から反対論がある。金融関係者からは長期連休によって金融市場が長期間開かれないことを問題視する意見もある。

メーデー実行委員会は1984年と翌1985年に中央メーデーでメーデーを祝日にしようという特別決議を採択している。1996年から施行されている海の日ともに、祝日化が1995年の第132回通常国会で議論された。

世界の少なくとも80以上の国でメーデーを祝日としている。中国、ベトナム、北朝鮮などの社会主義諸国、旧ソ連・東欧圏、ヨーロッパ大陸のほとんどの国、メキシコ以南のラテンアメリカ諸国の大陸部のうちパナマとスリナムを除くすべての国、ASEAN加盟国のうちインドネシアとブルネイを除くすべての国、台湾、イスラム諸国ではパキスタンやバングラデシュやチュニジア、祝日が少ないアフリカ諸国でも多く国が祝日としている。

しかし、その一方で、メーデーを祝日としていない国もある。OECD加盟国では、日本のほか、米国、イギリス、オランダ、スイス、デンマーク、トルコ、韓国が該当する(ギリシャなどヨーロッパのいくつかの国では、5月1日は祝日となっているが、これは春の訪れを祝う伝統的な祭日としての性質が強い。メーデーの項参照)。

地域別大型連休案[編集]

民主党政権時の2010年、国土交通省はゴールデンウィーク(春季)とシルバーウィーク(秋季)の連休を地域別に分散して設定する祝日法の改正案を計画していた。具体的には

  • 「休日となる国民の祝日」の日数を増やさない
  • 「ゴールデンウィークとハッピーマンデーにおける国民の祝日」については「記念日」としての意味と「休日」としての意味を分けて考える
  • これらの「国民の祝日」は記念日と見なして従来の日に残しながら、祝日に代わる休日は5月と10月にそれぞれ地域別に分けて設定する

ゴールデンウィークは基本的に憲法記念日、みどりの日、子供の日の3連休を一つのまとまり、シルバーウィークは基本的にハッピーマンデーの当該日である海の日、敬老の日、体育の日を従来の日に記念日と位置づけ、休日は文化・スポーツ・観光に適した時期を利用して、何れも次のようなパターンを計画している。

  • それらの休日を月曜日から水曜日に振り分けることで、土日を含む5連休を各地区1週ずつ、全体で5週間確保する案(パターンA)
  • 地域別に月曜から水曜、または水曜から金曜に振り分けて、土日(前者前週、後者当該週)を含めた5連休を全体で2週半確保する案(パターンB)

[12]

パターンAの例
土曜 日曜 月曜 火曜 水曜 木曜 金曜
第1週 九州沖縄中国四国地方の休日
第2週 近畿地方の休日
第3週 中部北陸・信越地方の休日
第4週 南関東地方の休日
第5週 北関東・東北北海道地方の休日
パターンBの例
土曜 日曜 月曜 火曜 水曜 木曜 金曜
第1週 九州沖縄・中国四国地方の休日
近畿地方の休日
第2週 近畿地方の休日
中部・北陸信越地方の休日
南関東地方の休日
第3週 南関東地方の休日
北関東・東北・北海道地方の休日
(パターンB補足)
  • この表では土曜日を起点日としているが、上表の場合、九州沖縄・中国四国は第1週目の土曜日から水曜日まで、近畿地方は第1週水曜日から第2週日曜日までの5連休という形になる。

脚注[編集]

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  1. ^ 1980年代前半以前は、4月29日が金曜日で始まる年は完全な飛石連休だった。当時は週休二日制もまだ一般的ではなかった。
  2. ^ ちなみに、5月4日に登校した最後の世代は1985年の祝日法改正前に小学校に入学した1978年度生まれである。
  3. ^ 牧村健一郎『獅子文六の二つの昭和』朝日新聞出版より。
  4. ^ a b c ゴールデンウィーク 語源由来辞典
  5. ^ a b c d e 「ゴールデンウイーク」「大型連休」どちらを使う? | ことば(放送用語) - 放送現場の疑問・視聴者の疑問 | NHK放送文化研究所
  6. ^ GW:不況下、喜び半分? 生産調整で最長12日 人出97万2000人予想 /宮崎 毎日jp 2009年4月24日・毎日新聞 2009年4月24日 地方版
  7. ^ a b 5月病にならないための10カ条--心の健康診断(1) ZDNet Japan 2008年4月24日
  8. ^ a b 福西勇夫「心療内科の診察室から薬剤師さんへ:2:五月病」『PharmaTribune』2009年、1巻、4号、p33
  9. ^ 五月病 大学生活協同組合 京都事業連合
  10. ^ 地域でGWが1週間ずれる?大型連休分散に法改正検討” (日本語). MSN産経ニュース (2010年2月14日). 2009年3月2日閲覧。
  11. ^ 大迷惑!メリットどこ? 「休日分散化案」世紀の愚策か” (日本語). zakzak (2010年3月4日). 2011年1月22日閲覧。
  12. ^ 休暇分散パターンについて(国土交通省)

関連項目[編集]