東海道新幹線

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東海道新幹線
小田原駅を通過するN700系
小田原駅を通過するN700系
小田原駅を通過するN700系
路線総延長515.4 km
軌間1,435 mm
電圧25,000 V
60Hz 架空電車線方式交流
最高速度270 km/h
ファイル:Mountfujijapan.jpg
富士山を背にして走る100系(三島駅 - 新富士駅間)
早春の伊吹山麓を走る300系(岐阜羽島駅 - 米原駅間)

東海道新幹線(とうかいどうしんかんせん)は、東京駅から新大阪駅までを結ぶ東海旅客鉄道(JR東海)の高速鉄道路線およびその列車(新幹線)である。

多くの列車が山陽新幹線に直通する運行体系がとられていることから、総称して「東海道・山陽新幹線(とうかいどう・さんようしんかんせん)」とも呼ばれる。

概要

世界初、日本初の高速鉄道であり、日本国内の新幹線としては最古の歴史を持つ。

輸送力が限界に達していた東海道本線の混雑を解消するため、根本的対策としての別線増設という形で1959年(昭和34年)4月20日十河信二国鉄総裁と技師長の島秀雄の下、高速化が図れる標準軌新線[1]として着工され、東京オリンピック開会直前の1964年(昭和39年)10月1日に開業した[2]。建設開始時は「新幹線」という呼び名はなく、第二の東海道線ということで「東海道新線」と呼んでいた。新幹線の名前は、戦前に東京駅 - 下関駅間で計画された「弾丸列車計画」の内部関係者による呼称にちなむといわれている。

開業以来、日本国有鉄道(国鉄)によって運営されていたが、1987年(昭和62年)4月1日国鉄分割民営化に伴い、以後の運営はJR東海が継承した。ただし、車両運用の都合上この区間にはJR東海所有車両のほか、西日本旅客鉄道(JR西日本)所有の車両も運行されている。このため、JR東海管内の東京駅 - 新大阪駅間完結の列車にJR西日本所有の車両(ただし16両編成のみ。理由は後述)が使われる事も珍しくはない。

新幹線開発および実現、そして開業に至るまでの詳細は「新幹線#新幹線の歴史」を参照。

2012年(平成24年)4月現在、東京駅 - 新大阪駅間の所要時間は最速2時間25分、最高速度270km/hで運行されている。

東京名古屋大阪という日本の三大都市間を高速移動するための手段の一つであり、1日当り列車本数:336本、1日当り輸送人員:約38.6万人(年間輸送人員:約14,100万人)、年間収益:約9,995億円など、世界有数の輸送サービスを提供している鉄道路線である(数字はいずれも2011年3月)[3][4]

大都市近郊区間について、東海道新幹線の東京駅 - 熱海駅間は東京近郊区間に含まれていない(在来線の東海道本線の同区間は含まれている)のに対し、米原駅 - 新大阪駅間は大阪近郊区間に含まれている。歴史的には、新幹線と在来線の同一区間は大都市近郊区間に含まれていたが、JR東日本が1999年(平成11年)に東京近郊区間を東海道本線(在来線)熱海までに拡大した際にJR東海は東海道新幹線東京駅 - 熱海駅間を東京近郊区間に含めなかった[5]

また、東海道新幹線は国鉄時代からの「線路名称」上では並行在来線である東海道本線の無名枝線(1982年までは無名枝線としての「線増」)という扱いであったが、国鉄分割民営化時に当時の運輸省に提出された事業基本計画や国土交通省監修『鉄道要覧』では東海道本線とは別の路線として掲載されている。

東京品川新横浜小田原熱海三島新富士静岡掛川浜松豊橋三河安城名古屋岐阜羽島米原京都新大阪

路線データ

東京駅 - 岐阜羽島駅間は新幹線鉄道事業本部の直轄、米原駅 - 新大阪駅間はその下部組織にあたる関西支社の管轄である。ただし、JR東海自社の在来線と構内を共有している駅については、その構内のみ在来線組織が管理・駅業務を行う(三島駅・静岡駅・掛川駅・浜松駅は静岡支社、豊橋駅と名古屋駅は東海鉄道事業本部)。

設置駅

駅一覧

  • 接続路線はその駅で接続している路線(正式路線名)のみ記載する。発着運転系統などについては各駅の記事を参照。
  • 距離は東京駅からのもの。
  • 各列車の東海道新幹線内の停車駅については停車駅表を参照
  • 停車駅…全:すべての列車が停車する駅(2008年3月改正時)
東海道新幹線における駅一覧表
駅名 営業キロ 実キロ 停車駅 接続路線 所在地
東京駅 0.0 0.0 東北新幹線東海道本線東北本線中央本線総武本線京葉線
地下鉄丸ノ内線
東京都 千代田区
品川駅 6.8 6.8 東海道本線・山手線
京急本線
港区
新横浜駅 28.8 25.5 横浜線
地下鉄ブルーライン
神奈川県 横浜市港北区
小田原駅 83.9 76.7   東海道本線
伊豆箱根鉄道大雄山線小田急小田原線箱根登山鉄道線
小田原市
熱海駅 104.6 95.4   東海道本線・伊東線 静岡県 熱海市
三島駅 120.7 111.3   東海道本線
伊豆箱根鉄道駿豆線
三島市
新富士駅 146.2 135.0     富士市
静岡駅 180.2 167.4   東海道本線
静岡鉄道静岡清水線新静岡駅
静岡市葵区
掛川駅 229.3 211.3   東海道本線
天竜浜名湖線
掛川市
浜松駅 257.1 238.9   東海道本線
遠州鉄道線新浜松駅
浜松市中区
豊橋駅 293.6 274.2   東海道本線・飯田線
名鉄名古屋本線豊橋鉄道渥美線新豊橋駅)、豊橋鉄道東田本線駅前駅
愛知県 豊橋市
三河安城駅 336.3 312.8   東海道本線 安城市
名古屋駅 366.0 342.0 東海道本線・中央本線・関西本線
あおなみ線地下鉄東山線地下鉄桜通線、名鉄名古屋本線(名鉄名古屋駅)、近鉄名古屋線近鉄名古屋駅
名古屋市中村区
岐阜羽島駅 396.3 367.1   名鉄羽島線新羽島駅 岐阜県羽島市
米原駅 445.9 408.2   東海道本線・北陸本線
近江鉄道本線
滋賀県 米原市
栗東信号場   (452.6)   (この位置に南びわ湖駅の設置が予定されていたが中止 栗東市
京都駅 513.6 476.3 東海道本線・山陰本線奈良線
近鉄京都線地下鉄烏丸線
京都府
京都市下京区
鳥飼信号場   (506.4)     大阪府 摂津市
新大阪駅 552.6 515.4 山陽新幹線・東海道本線
地下鉄御堂筋線
大阪市淀川区

各駅の構造

各駅の構内配線およびホームの形式を表に示す。

原則すべての列車が停車し、通過列車のない駅では『2面4線』の構内配線が基本となる。すなわち、島式のホームを2面配置し、のりばは上下線にそれぞれ2箇所、計4箇所を設ける構造である。上下線ともそれぞれ2本の列車の同時停車ができ、相互の乗り換えが可能な配線である。

一方、通過列車のある駅では、本線(通過線)に直接ホームを設けず、本線とは別に待避線を設置した上でホームを設ける構造が基本である。これは、ホームでの利用客と高速で通過する列車の距離を確保し、風圧などによる事故を防ぐことを目的としている。この形式の大半は本線の外側に待避線とホームを設置し、のりばが2箇所となる『2面2線+通過線』を採用しているほか、上下線いずれかにもう1線を追加する『2面3線+通過線』も米原駅と豊橋駅に、上下線ともに1線ずつ追加する『2面4線+通過線』も岐阜羽島駅に見られる。三島駅は本線の内側に待避線を設置した上で島式のホームを設ける『1面2線+通過線』を採用している。熱海駅は土地の制約条件などにより本線に直接ホームを設ける『2面2線』構造が採用されている。このうち、本線にホームがありかつ通過列車がある熱海駅と2008年(平成20年)3月14日まで通過列車が設定されていた品川駅と新横浜駅は通過列車による事故を防ぐためホーム上に防護柵を設けている。

各駅の構内配線とホームの形式
配線分類 2面4線 2面2線+通過線 2面3線+通過線 2面4線+通過線 2面2線 1面2線+通過線
構内図
該当駅 品川駅新横浜駅
名古屋駅京都駅
小田原駅新富士駅
静岡駅掛川駅
浜松駅三河安城駅
豊橋駅米原駅 岐阜羽島駅 熱海駅 三島駅

全列車停車駅

2011年現在、東海道新幹線内におけるすべての定期旅客列車が停車する駅の概要を記す。いずれも日本の三大都市圏に存在する駅となっている。これらのうちで1964年開業当時以来の主要駅といえるのは、東京駅、名古屋駅、京都駅、新大阪駅である。品川駅は2003年に新設された駅であり、新横浜駅は開業当時は各駅停車のこだましか停車しない駅であった。

東京駅
東京駅新幹線ホーム
1914年(大正3年)、新橋駅に代わる首都東京の中央駅として丸の内に開業。以来、東海道本線をはじめとする主要幹線の起点駅となり、上野駅とともに東京の玄関口としての機能を果たしてきた。在来線・新幹線を合わせた1日の列車発着本数は日本一の3,000本。特徴ある赤煉瓦造りの駅舎は国の重要文化財に指定されている。
1964年(昭和39年)の東海道新幹線開業時に起点駅となる。開業時の新幹線ホームは2面3線であった。その後の増発、1991年(平成3年)の東北新幹線乗り入れなどを経て、新幹線だけで合わせて5面10線の巨大ターミナルとなる。このうち、東海道新幹線ホームは3面6線である(右図)。東北・上越・北陸新幹線とレールはつながっていないが、当初は乗り入れの計画もあり14・15番線の線形にその名残を留めている。
 地下ホームから総武快速線横須賀線、やや離れた場所から京葉線が発着している。総武快速線・横須賀線ホームからは成田空港銚子方面、京葉線ホームからは房総半島方面への特急列車が発着している。
品川駅
2003年(平成15年)10月、東海道新幹線の逼迫した輸送状況から、東京駅以外に折り返し設備を有する駅が必要とされて設けられた駅である。東海道新幹線の駅としてはもっとも新しく、当駅の開業で運転本数を1時間あたり11本から15本まで増発することが可能となった[7]。一方で、当駅の開業は1872年(明治5年)であり、日本で最初に鉄道が走ったときに設けられた駅でもある。駅名は品川であるが、品川区ではなく港区高輪に所在する。
新幹線乗り入れ直後は「ひかり」・「のぞみ」に通過列車があったが、2008年(平成20年)3月15日のダイヤ改正ですべての列車が停車するようになった。東海道本線、山手線、京浜東北線、横須賀・総武快速線の各列車との乗換駅であり、東海道新幹線から山手線西部の渋谷新宿池袋などへのアクセスに利用される。京浜急行電鉄本線とも接続し、羽田空港川崎方面へのアクセスも可能である。
新横浜駅
在来線の横浜駅とは離れた場所に作られた。JR東日本の横浜線、および横浜市営地下鉄ブルーラインと連絡しており、両路線を介して横浜市の中心部へのアクセスが可能となっているほか、町田市八王子市などの東京都多摩地区へのアクセスにも利用される。当初は「ひかり」・「のぞみ」に通過列車があったが、2008年(平成20年)3月のダイヤ改正ですべての列車が停車するようになった。
名古屋駅
東海道本線・中央本線(中央西線)・関西本線の各路線と接続する。中央本線経由で長野、松本方面や東海道本線経由で北陸本線(金沢、富山方面)、高山本線下呂温泉高山方面)へ、関西本線経由で参宮線紀勢本線(伊勢、鳥羽、紀伊半島方面)へ乗り入れる快速・特急列車も発着している。また名古屋市内各地へ向かう地下鉄や、もと貨物線であった西名古屋港線(あおなみ線)が乗り入れており、私鉄では中部国際空港愛知県岐阜県各地へ向かう名鉄名古屋本線名鉄名古屋駅三重県伊勢志摩地方や大阪方面へ向かう近鉄名古屋線近鉄名古屋駅とほぼ同一駅となっている。
京都駅
在来線は西日本旅客鉄道(JR西日本)の管轄となっており、各路線とも京阪神都市圏のアーバンネットワークとして位置づけられている。東海道本線・山陰本線奈良線が接続しており、東海道本線の京都駅 - 米原駅間には琵琶湖線、京都駅 - 大阪駅間にはJR京都線、山陰本線京都駅 - 園部駅間には嵯峨野線の愛称が付けられている。湖西線の列車も東海道本線を介してこの駅に乗り入れている。また北陸方面(湖西線経由)や北近畿方面、関西国際空港方面へ向かう特急列車が発着している。
JR以外では、嵯峨野線とともに京都市内各地へのアクセス路線となっている京都市営地下鉄烏丸線や、奈良へ向かう近鉄京都線との乗換駅となっている。近鉄京都駅は奈良・伊勢志摩・橿原神宮前方面へ向かう近鉄特急の発着駅にもなっている。
新大阪駅
大阪市の北部に位置し、1964年(昭和39年)の東海道新幹線の終点駅として、東海道本線との交差位置に設けられた。1972年(昭和47年)より山陽新幹線の起点駅となり、1987年(昭和62年)の国鉄民営化によってJR西日本との共同使用駅となった。当駅では東海道・山陽両新幹線の列車がそれぞれ折り返すほか、直通列車も運転されることから、4面7線の広い構内を持つ。
東海道本線(JR京都線)のほか大阪市営地下鉄御堂筋線も連絡しており、ともに大阪市内や大阪府北部地域へアクセスしている。在来線長距離列車は、開業時より北陸方面や山陰方面への特急列車が発着しているほか、1989年(平成元年)からは和歌山・南紀方面の特急列車も当駅への乗り入れを実施。さらに、1994年(平成6年)には関西国際空港の開港に合わせ同空港へのアクセス特急「はるか」が設定されるなど、各方面に対し新幹線との接続が図られている。

新駅誘致の動き

神奈川県

神奈川県では、新横浜駅と小田原駅の駅間距離が51.2kmと長いため、寒川町倉見付近に新駅(相模新駅)を誘致している。しかし、JR東海では列車本数や駅の位置、ダイヤ上の観点、葛西敬之会長が定例会見で「びわこ栗東(南びわ湖)を東海道新幹線最後の新駅とする」と発言したことから実現が難しいとしていたが、2010年(平成22年)6月2日JR東海は中央リニア新幹線の開業後、神奈川県寒川町に新駅開設を検討していると明らかにした[8]

静岡県

ファイル:Shizuoka airport shinkansen station.JPG
静岡空港の新幹線新駅を求める看板(2011年1月)

静岡県では、2009年(平成21年)6月4日に開港した静岡空港空港連絡鉄道として直下を通る東海道新幹線を利用できるよう、同空港への新幹線新駅の建設を要望している。JR東海は、掛川駅との駅間距離が短すぎて技術的に困難としている。

滋賀県

南びわ湖駅建設予定地だった場所(2007年10月)

滋賀県では、最長の駅間距離である米原駅と京都駅の間に南びわ湖駅2012年(平成24年)開業予定で2006年(平成18年)6月に着工されたが、本線の盛り土構造を高架橋にする工事の必要性などにより建設コストが高く、工事費のほぼ全額を地元が負担する請願駅である同駅の開業が危ぶまれてきた。着工後、開業後の採算見込みが下方修正されたことや、地方債の起債が差し止められたなどの要因で資金調達は困難をきわめた。建設コストについては、工費圧縮のために地元から掛川方式[9]による建設も提案されたが、JR東海により拒絶された経緯もある。

同駅開業については、2007年(平成19年)10月末までに結論が出されることが取り決められていたが、同年10月24日の新駅設置促進協議会の正副会長会議で滋賀県知事と栗東市長の協議が決裂したことから同月28日の同協議会総会で建設中止が正式に決定した。

2006年(平成18年)7月の滋賀県知事選で新駅建設凍結派の嘉田由紀子が当選したのを皮切りに、2007年(平成19年)4月の滋賀県議会選挙、栗東市議会選挙(統一地方選挙)でも推進派の自民党会派が惨敗し、建設凍結・中止へと方針転換したため、行方が注目されていた。

車両

車両の概要とその変遷

東海道新幹線における運行車両の変遷を以下に示す。

表 - 東海道新幹線における歴代車両の変遷
形式 営業最高速度 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 備考
0系 220 km/h* 1964年 - 1999年 *1986年まで210km/h
100系 220 km/h 1985年 - 2003年
300系 270 km/h 1992年 - 2012年
500系 270 km/h 1997年 - 2010年
700系 270 km/h 1999年 -
N700系 270 km/h 2007年 -
運行事業者 国鉄(1964年 - 1987年) JR東海(1987年 - )

各形式概説

東海道新幹線開業以来使用されてきた営業車両について概説する。詳細については各車両記事を参照のこと。

0系

0系

0系は、1964年(昭和39年)の開業時に国鉄が投入した車両である。1986年(昭和61年)までの20年以上にわたって3,000両余りが製造された。このため、製造年度によって様々な仕様がある。登場時の最高速度は210km/hであった。1986年(昭和61年)11月1日のダイヤ改正から100系に合わせ220km/hに引き上げられた。

全電動車方式を採用し、普通車グリーン車のほか、ビュフェと称する軽食サービスを行う車両を組み込み、12両編成で登場した。その後、1970年(昭和45年)の大阪万博輸送に対応するため16両編成が登場。1975年(昭和50年)には、山陽新幹線全線開業に合わせ、食堂車が組み込まれた。

晩年はもっぱら「こだま」に用いられ、指定席を一列4人掛けとするなどの車内改良が実施された。1999年(平成11年)に後継車両への置き換えに伴い東海道新幹線での営業運転を終了。山陽新幹線では2008年(平成20年)まで用いられた。

100系

100系

100系1985年(昭和60年)、長期にわたり製造され陳腐化した0系の置き換えを目的に、新幹線初のモデルチェンジ車両として登場した。国鉄および民営化で誕生したJR東海とJR西日本によって、約1,000両が製造された。

営業運転速度はこれまでより10km/h速い220km/hにとどまったものの、モーターの出力増強・新しいブレーキの採用により、16両編成のうち4両を付随車(モーターを持たない車両)として製造コスト削減。車内もアコモデーションアップが図られ、座席間隔の拡大により3人掛け座席をはじめて回転可能としたほか、個室も設けられた[10]。また、グリーン車や食堂車などに2階建車両を2両組み込んだことが大きな特徴であり、JR西日本では編成中4両を2階建車両とし、さらに230km/hへ高速化を図った「グランドひかり」編成も製造された。

東海道新幹線での営業運転終了は2003年(平成15年)。「のぞみ」の大増発に伴い、全列車の最高速度を270km/hに引き上げたための措置であった。山陽新幹線では4両ないし6両に短編成化され、「こだま」での運用が継続されたが、2012年(平成24年)3月には運行が終了した。

300系

300系

300系は、東海道新幹線の高速化を図るため、JR東海が開発した車両。最高速度は270km/hに引き上げられ、この車両とともに「のぞみ」が登場。東京駅 - 新大阪駅間を従来より約30分速い2時間30分で結び、大幅な時間短縮を達成した。JR東海のほかJR西日本でも製造され、1998年(平成10年)までにその数を約1,000両とした。

車体はこれまでの鋼製に代わりアルミニウム合金が採用されたほか、車内にも樹脂製部品が積極的に用いられ、徹底した軽量化が行われた。また、VVVFインバータ制御を用いた交流モーターを採用し、旧来の直流モーターに比べ小型化・高出力化が図られた。一方、利用の減少が続いていた食堂車や、軽量化・低重心化の障害となる2階建車両は組み込まず、普通車・グリーン車のみによる16両編成とした。この編成構成が、以後の東海道新幹線用車両の基本となった。

最高速度の向上により大幅な所要時間短縮を達成した300系であったが、後継車両の投入が相次いだことにより2001年(平成13年)には「のぞみ」の定期運用を外れた。その後は、「ひかり」「こだま」の運用が主となり、2007年(平成19年)にN700系の投入が始まると一部編成の廃車も始まった。そして、2012年(平成24年)3月には東海道・山陽新幹線での運用を終了した[11][12]

500系

500系

500系は、山陽新幹線のさらなる高速化を目的としてJR西日本が開発した車両であり、新幹線初の300km/h運転を達成した。1997年(平成9年)東京駅 - 博多駅間を直通する「のぞみ」として運用を開始し、新大阪駅 - 博多駅間の所要時間を300系より15分短い2時間17分とした。

300km/hという高速運転を実現するため、0系以来の全電動車編成とし出力を増強。空気抵抗や騒音の低減、高速運転に伴って生じるトンネルの爆音(トンネル微気圧波)への対策のため、車体は角を落とした円形断面として断面積を縮小したほか、先頭車は15mに及ぶロングノーズにキャノピー型の運転室を設けるなど、他の新幹線車両とは外観上も異なっているのが特徴である。16両編成9本、全144両が製造された。

東京駅 - 博多駅間を結ぶ「のぞみ」を中心に運用されてきたが、2007年(平成19年)より後継のN700系に徐々にその運用を譲り、2010年(平成22年)に東海道新幹線での営業運転を終了した。余剰となった車両は8両に減車のうえ、山陽新幹線の「こだま」として運用されている。

700系

700系

700系は、JR東海とJR西日本の共同開発により、1999年(平成11年)に営業運転を開始した車両。最高速度の低い0系や100系の置き換えを目的として製造された。

500系は山陽新幹線での300km/h運行を可能としたが、製造コストが高い、空力性能の重視によって車内空間に制約があるなどの課題を抱えていた。また、線形条件の劣る東海道新幹線においては300系と同等の270km/hに留まり、コストに見合った性能が発揮できなかった。そこで700系では費用対効果を重視し、東海道・山陽新幹線全体の底上げを図るとともに、乗り心地・快適性の改善に主眼が置かれた。最高速度は500系より若干抑えた285km/hとし、先頭形状はカモノハシに似た独特の形状が採用された。この形状は、車内空間への影響を最小限に留めつつトンネル微気圧波を抑制するものである。

「のぞみ」「ひかり」「こだま」用16両編成としてJR東海・JR西日本により1,200両が製造された。当初は「のぞみ」をメインに使われてきたが、2007年(平成19年)より後継のN700系に徐々にその運用を譲り、2010年(平成22年)に新大阪駅をまたぐ「のぞみ」の定期運用が終了、現在では300系に代わって「ひかり」「こだま」での運用がメインとなっている。派生車種として山陽新幹線「ひかりレールスター」用の7000番台(8両編成)がJR西日本により製造されたほか、台湾高速鉄道用の700T型九州新幹線用の800系や後述のN700系など、本系列をベースとした車両も多い。

N700系

N700系

N700系は、700系を基本に『最速・快適・環境への適合』[13]をキーワードとして、さらなる性能向上を目指した車両。JR東海・JR西日本の共同開発により、2007年(平成19年)に営業運転を開始した。

軽量化、空力性能の改善およびモーター出力の増強により、500系以来となる山陽新幹線での300km/h運行を可能とした。東海道新幹線での最高速度は従来と同じ270km/hに留まるものの、加速性能の向上、新幹線初となる車体傾斜装置の導入により、所要時間の短縮を達成している。外観は700系に準じるが、エアロダブルウィングと称する先頭形状、空気抵抗を低減する連結部の全周ほろ、小さな窓、大型のフルカラーLEDによる行先表示などが特徴となっている。また、車内は全席禁煙とされ、喫煙者向けに喫煙ルームが設けられた。

500系・700系に代わり「のぞみ」への投入が続いており、2011年(平成23年)までに総数を約1,500両とする予定である。2011年5月、JR東海は改良型となるN700系1000番台(通称「N700A」)を投入することを発表した[14]。派生車種として山陽新幹線⇔九州新幹線直通列車「さくら」・「みずほ」用の7000・8000番台(8両編成)がJR西日本・九州旅客鉄道(JR九州)により開発・製造された。

以上の新幹線営業車両の諸元をまとめ下表に示す。形式によって複数の仕様を持つものは、断りのない限り代表的な値を示した。

表:東海道新幹線営業車両の諸元
形式 0系 100系 300系 500系 700系 N700系
新製時の編成 12両・16両 16両 16両 16両 16両 16両
最高速度
(km/h)
東海道 220 (210[# 1]) 220 270
山陽 220・230[# 2] 270 300 285 300
編成質量(16両) 967 t 839 t・852 t[# 2] 711 t 688 t 708 t 700 t
車体材質 普通鋼 アルミニウム合金
編成出力
(16両編成時)[# 3]
11,840 kW (16M) 11,040 kW (12M4T) 12,000 kW (10M6T) 17,600 kW (16M) 13,200 kW (12M4T) 17,080 kW (14M2T)
電動機 直巻整流子電動機 かご形三相誘導電動機
製造初年 1964年 1985年 1992年 1997年 1999年 2007年
製造両数 3,216両 1,056両 1,120両 144両 1,200両[# 4] (約1,500両[# 5]
  1. ^ 0系の最高速度は1986年10月31日まで210km/h。#所要時間の推移も参照。
  2. ^ a b 100N系(グランドひかり編成)を示す。
  3. ^ 編成出力におけるM・Tは、それぞれ編成中における電動車(モーター付車両)・付随車(モーターなし車両)の両数を示す。
  4. ^ 700系の製造両数には、山陽新幹線専用の7000番台(8両編成)を含まず。
  5. ^ N700系は増備継続中。製造両数は2011年度までの予定数量。山陽新幹線・九州新幹線 (鹿児島ルート)専用の7000番台・8000番台(8両編成)を含まず。

業務用車両

編成両数と座席数の統一

JR東海は、1989年(平成元年)の「こだま」の再16両編成化以来、原則として16両編成以外の旅客列車の乗り入れは認めていない。座席数も1992年(平成4年)の300系登場以来、1編成1323席普通車1123席・グリーン車200席)を原則とし、さらに1車両ごとの座席数もそろえている。これはJR東海が東海道新幹線区間において使用車両の変更による普通指定席の座席変更などの手間を省き[15]、ビジネス客の大量輸送の需要に応えるために貫いている方針である[16]。これにより座席数が異なる0系・100系の廃車が進んだ一方、JR西日本開発の500系(1324席)が例外的に東海道新幹線への乗り入れを開始した[17]2010年(平成22年)2月28日に500系が東海道新幹線区間(鳥飼基地への出入庫を除く)からは撤退したことにより、同年3月1日より同区間は全列車16両編成1323席、各車両の定員も完全統一された[18]。ただ、N700系では全席禁煙席とされることから、300系や700系の代走にN700系が充てられた場合には、各車両の定員は同じであるものの、喫煙席の指定席券所持者は喫煙の際、3号車・7号車・10号車(グリーン車)・15号車デッキにある喫煙コーナーに移動する必要がある。逆に、N700系の代走に旧形式車が充てられた場合には、全席禁煙かつ車内に喫煙コーナーもないため、車内で喫煙することはできない[19]

なお他の新幹線では、長野新幹線を除き、山陽・九州・東北・上越の各新幹線で編成定員数の異なる複数の系列の車両を併用している。

車内チャイム

東海道新幹線車両のチャイム1964年(昭和39年)の開業当初は在来線用の国鉄特急形電車と同様、鉄道唱歌が使われていた。しかし「今時汽笛一声でもあるまい」と言う意見があり、その後、黛敏郎作曲のチャイムに変更されたものの、今度は「半音が多くて暗い」と言う意見が出始め、再検討の結果、1972年(昭和47年)からは4打点チャイムに変更されている[20]

1987年(昭和62年)のJR発足後から「ひかり」と「こだま」では、始発駅発車後と終点到着前には、松浦晃久[21]作曲のオリジナルチャイムが流れ、途中駅到着前には4打点チャイムが流れていた。松浦晃久作曲のオリジナルチャイムは、その音階・音色・テンポなどが、エチオピア飢餓救済のチャリティープロジェクト「バンド・エイド」で大物アーティスト達が歌った楽曲「Do They Know It's Christmas?」の間奏部分と非常に酷似していた。そのため、このオリジナルチャイムは「Do They Know It's Christmas?」をアレンジしたものだと、インターネットを中心に紹介されることがある。

この「ひかり」「こだま」用旧チャイムは現在は使われていないが、音程・音色違いで同じ旋律を持つものが品川駅15番線の発車メロディとして採用されている。

なお、1992年(平成4年)に運転開始された「のぞみ」では「ひかり」「こだま」とは異なる楽曲のチャイムが使用されていた。始発駅発車後・終点到着前に流れるチャイムと途中駅到着の時に流れるチャイムは異なっていた。その後、「のぞみ」の旧チャイム(始発駅発車後・終点到着前のもの)は、東海道新幹線東京駅の全てのホームの発車メロディに採用されている。

2003年(平成15年)11月24日からは、列車に関わらず、編成によって以下のチャイムが流れている。

  • 300系J編成・700系C編成・N700系Z編成車両(JR東海所有)は、始発駅発車後と終点到着前に、筒美京平作曲・TOKIOが歌う「AMBITIOUS JAPAN!」の歌い出し部分、途中駅到着前などは同曲のサビの部分
  • 300系F編成・500系・700系B編成・N700系N編成車両(JR西日本所有)は、始発駅発車後と終点到着前に、谷村新司が作曲し、かつて旧国鉄のキャンペーンソングとして山口百恵が歌いヒットした「いい日旅立ち」を2003年(平成15年)にJR西日本の「DISCOVER WEST」キャンペーンソングとして鬼束ちひろがカヴァーした曲である「いい日旅立ち・西へ」の歌い出し部分、途中駅到着前などは同曲のサビの部分

車内放送

東海道新幹線の車内放送は、山陽新幹線・九州新幹線(2011年3月12日から)と共通で、日本語脇坂京子英語は、ドナ・バークが担当している。

下り列車では三河安城駅、上り列車では小田原駅[22]を通過した後、「この列車はただいま三河安城駅(小田原駅)を定刻に(何分遅れで)通過致しました」というアナウンスがなされる。

列車無線

車内で乗務員らが使用している列車無線を、アナログ方式からデジタル方式に変更した上でネットワークを構築し、高速走行時でも安定した接続を提供できるようにする。またデジタル化に伴い、運行状況など乗務員と指令員の間でやり取りしている情報のコンテンツや量を増やせるようになり、より安全で安定的な輸送が実現するという。さらに、車内の連絡手段にPHSを導入する。

乗務員同士の連絡、車内放送は300系、700系を含むすべての編成で、N700系が営業運転を開始した2007年(平成19年)夏から順次行えるようにしていく。3者間など車外との通話に使えるようになるのは2009年(平成21年)春以降。すべての体制を整えるのに概算で、車上関係が170億円、地上関係が180億円の計350億円の費用を見込む。

乗務員

運輸所

東海道新幹線を担当する運輸所は下記の5つの運輸所である。いずれも、東京駅 - 新大阪駅間で「のぞみ」「ひかり」「こだま」に乗務している。

2002年(平成14年)4月1日東海道新幹線の運転士と車掌の一元的な運用を図るため、「旧東京車掌所」と「旧東京運転所」は「東京第一運輸所」「東京第二運輸所」に、「旧大阪車掌所」と「旧大阪運転所」は「大阪第一運輸所」「大阪第二運輸所」にそれぞれ分散・統合し発足した。運輸所化以前は各車掌所・運転所に所属する車掌もいたため、乗務後の点呼・報告を個別に実施していたが、運輸所化により同一列車に乗務する車掌はすべて同じ運輸所の所属とする「クルー制」を採用した。これにより、乗務点呼から退出点呼まで、車掌長または列車長の統率で同一行動を取ることができるようになった。

1列車の乗務員乗り組み基準

運転士は通常1人で乗務し、「こだま」は必ず上下列車とも名古屋で交代する。「のぞみ」は東京駅 - 新大阪駅間は原則通し乗務、2009年(平成21年)3月14日からのダイヤ改正から原則は「ひかり」400番台(東京駅・新横浜駅・名古屋駅 - 岡山駅・広島駅間の山陽新幹線直通)は東京駅 - 新大阪駅間通し乗務。「ひかり」500番台(東海道新幹線エリア内)は上下列車とも名古屋で交代する。

車掌は通常3人で乗務(車掌長または列車長・中乗り・後部担当。ただし、名古屋駅 - 新大阪駅間の「こだま」は車掌長または列車長・後部担当の2人で乗務)する。従来はベテラン車掌が「車掌長」に指定され、乗務列車の乗務員の把握や業務の調整・指導などを行っていたが、車掌として乗務する一部の運転士も「列車長」に指定し、車掌長と同様の業務を担当させることにした。1個列車には運転士の資格も持つ列車長か、従来どおりの車掌長のいずれかが乗務している。氏名札の職名も車掌長・列車長に分けられている。

また、1年以上運転士職の乗務員が勤務ローテーションにより車掌業務をも行っている。そのためクルーの組み合わせによっては「列車長」、中乗り・後部担当が双方とも運転士ということも少なくない。

ほかにジェイアール東海パッセンジャーズのパーサーが、「のぞみ」はグリーン車改札や車内巡回などを担当するパーサーが2人、車内販売を行うワゴン担当が2人で計4人、「ひかり」はグリーン車担当のパーサーが1人、車内販売を行うワゴン担当が2人で計3人、「こだま」は車内販売を行うワゴン担当が単独1人でそれぞれクルーとして乗務していたが、2012年3月17日のダイヤ改正からすべての「こだま」での車内販売は廃止された。

運行形態

開業以来規則的なパターンダイヤを導入しており、早朝・夜間・臨時列車を除き基本的に停車駅および運転区間は1時間前・後の同じ分の列車も同じ列車種別・停車駅・運転区間である。また発着駅を周期的に変更している場合もある。

2009年(平成21年)3月14日のダイヤ改正では、1時間当たり最大で「のぞみ」9本・「ひかり」2本・「こだま」2本の計12本(同13本)の列車が設定されているが、このうち「のぞみ」5本分のダイヤは主に臨時列車用である。

2006年(平成18年)1月現在、1日当たり約290本もの本数を走らせるほどの過密ダイヤで、年末年始ゴールデンウィークなどの繁盛期には、1日370本近い本数を走らせている。また、2007年(平成19年)8月10日には定期列車と臨時列車合わせて過去最高の372本(座席数に換算して49.2万席)が運行された。その結果、同日の下り乗車人員は22.9万人に達し、これも過去最高となった。

列車運行時間は、住民への騒音などの配慮や、保守工事を安全のため夜間に集中的に行うことから、6時から24時までとしていて、0時から6時までの間は営業運転を行わない。ただし、事故や気象状況(大雨、強風)などによるダイヤの乱れが発生した時は、運行時間延長の処置が取られることもあり、延長時間分は徐行による減速運転をする。また、1970年(昭和45年)の日本万国博覧会(大阪万博)と2002年(平成14年)のFIFAワールドカップ日韓大会では、例外的に臨時列車による深夜運行が行われたが、それに関しても徐行による減速運転となった。

毎時2 - 3本の「のぞみ」は東京駅から博多駅までの両線全線を走破し、途中駅で乗り換えをせずに行くことができる。かつては500系「のぞみ」が同区間を最速4時間49分で結んでいた(品川駅新神戸駅は通過)。2010年(平成22年)現在の最速列車は、博多発最終東京行きN700系「のぞみ66号」で博多駅 - 東京駅間を4時間51分で結んでいる(品川駅・新神戸駅に停車)。

列車

「のぞみ」

のぞみ」は、1992年(平成4年)3月14日の300系登場と同時に新しく設定された最速達タイプの列車で、本数は全体の約5割。種別カラーは黄色(電光掲示板ではオレンジ色で表示される場合あり)。当初は東海道新幹線のみで始発と終発の1日2往復であったが、翌年に山陽新幹線へ1時間に1本乗り入れを開始し、その後もダイヤ改正のたびに少しずつ増発された。2003年(平成15年)10月のダイヤ改正以降、「ひかり」に代わる東海道・山陽新幹線の主軸列車として位置付けられ、本数が大幅に増やされた。

品川新横浜名古屋京都新大阪に必ず停車し、これら以外の駅には停車しない。この停車駅設定をもって「のぞみ」を定義している。しかし静岡県下の6駅をすべて通過していることについて地元政財界が不満に思っている(静岡県の「のぞみ」問題を参照)。また、当初は早朝の下り列車で、途中新横浜にのみ停車し終点・新大阪に至る「のぞみ301号」が運行されていたが、この列車も地元政財界などから「名古屋飛ばし」と猛反発を受け、1997年(平成9年)11月29日のダイヤ改正時に廃止された。他の列車は東京駅 - 名古屋駅間ノンストップだったが、その後新横浜に停車する列車も設定され、2003年(平成15年)の品川駅開業のときは新横浜・品川のどちらかに必ず停車するようになった。そして2008年(平成20年)のダイヤ改正後はすべての列車が両駅に停車するようになった。

2010年(平成22年)3月13日のダイヤ改正以降、山陽新幹線に直通する定期列車はすべてN700系での運行となった。また2012年(平成24年)3月17日のダイヤ改正以降は、東海道新幹線内のみの列車も含めてすべての定期列車がN700系での運行となった。臨時列車には700系も使われる。「のぞみ」が設定された当時は、300系のみが使用されていた。また2010年(平成22年)2月28日までは500系も使用された。

「ひかり」

ひかり」は、東海道新幹線開業時から存在する速達タイプの列車。「のぞみ」登場後も、東海道・山陽新幹線の主軸列車として位置付けられていたが、2003年(平成15年)品川開業以降、「のぞみ」の大増発と引換に本数が全体の約2割に削減され、「のぞみ」の補完的な存在となった。種別カラーは赤色

のぞみ停車駅には必ず停車し、加えて「熱海(1日3往復)または三島(1日6往復)・静岡・浜松」停車の列車と、「小田原または豊橋(2時間サイクルで基本的に交互に、早朝の下り1本のみ両方停車、夜間の1往復は両駅には停車せず静岡に停車)・岐阜羽島・米原」停車の列車がそれぞれ毎時1本運行されており、基本的には前者のパターンが岡山まで各駅停車で乗り入れている(早朝、夜間は一部変則停車あり)。

このほか、朝6時に新横浜始発広島行き下り1本と、三原始発東京行き上り1本が設定されている。また、東京駅 - 名古屋駅間は1日2往復、名古屋駅 - 広島駅間は1日に下り2本、上り1本、20時台に東京始発姫路行き1本が運転されている。

車両は基本的に700系を使用しているが、一部の列車ではN700系も使用される。1996年(平成8年)3月改正より一部列車が最高速度が270km/h運転を開始し、2003年(平成15年)10月改正で全列車が270km/h運転となった。

「こだま」

こだま」は、東海道新幹線開業時から存在する各駅停車タイプの列車。本数は全体の約3割。種別カラーは青色

基本的に新大阪発着の列車と名古屋発着の列車がそれぞれ上下1本ずつ運転される。名古屋駅以西各駅停車の「ひかり」と合わせて、東京駅 - 新大阪駅間の各駅停車列車は毎時上下各2本となっている。朝晩は通勤・通学輸送や夜間滞泊のために、区間便も運転されている。東京駅 - 新大阪駅間を運行する列車の所要時間は2003年(平成15年)9月以前は4時間10 - 20分かかっていたが、同年10月改正で「こだま」全列車の最高速度を220km/hより270km/hに引き上げたため4時間に短縮され、2008年(平成20年)3月のダイヤ改正ではさらに3分短縮され最速列車は再び4時間を切った。

車両は基本的に700系を使用するが、N700系を使う列車もある。普通車が全車自由席の列車もある。700系においては、JR西日本所属の編成が車両の送り返しも兼ねて使用されている。車内販売は2012年(平成24年)3月17日改正をもって廃止された。

その他

東京・横浜・静岡・名古屋・京都・大阪という太平洋ベルト地帯の大都市を結ぶ路線のため、各種団体専用列車も多く運行される。

修学旅行
東海道新幹線は、東京ディズニーリゾートや、東京と新大阪の間に日本屈指の観光地である京都があるために、よく小学校中学校などの修学旅行のための「修学旅行列車」が運行される。この列車は一般客は乗車できない(ただし、国鉄時代末期から民営化初期のバブル期にはグリーン車需要に応えるため、グリーン車に限り一般客に開放していた。時刻表には車内販売・ビュフェ・電話サービスは中止の上での利用との断りが記されていた。現在はグリーン車も含めて修学旅行団体に販売されるが、この場合グリーン料金は徴収しない)。方向幕の「修学旅行」表示は字幕式の場合と白地に黒文字で、N700系のフルカラーLEDの場合は黒地に白文字で、いずれも英語表記はないが、700系B編成などに見られるJR西日本所属車の3色LED式表示ではオレンジ色1色で表示され「RESERVED TRAIN」と英語が併記される。車内放送は車掌の肉声で放送される。過密なダイヤの合間を縫って運転されるため、通常列車とほぼ同じスピードで運行される。停車駅は乗車駅、待機駅、目的駅のみとなる。待機駅では、後続列車を先に行かせるために待機が行われるが扉は開かない(いわゆる運転停車である)。かつては臨時の「こだま」の時刻で運転されていた(基本的に全駅待機駅扱い)。
その他の専用列車
天皇皇后の行幸(お召し列車)、国賓クラスの要人の関東 - 関西方面相互間の移動などの例がある。

所要時間の推移

東京 - 新大阪間最速列車の所要時間の推移を示す。後述の「歴史」の節も併せて参照されたい。

日付 所要時間 最高速度 列車愛称 車両形式
1964年10月1日 - 1965年9月30日 4時間 210km/h ひかり 0系
1965年10月1日 - 1985年3月13日 3時間10分 210km/h ひかり 0系
1985年3月14日 - 1986年10月31日 3時間8分 210km/h ひかり 0系・100系
1986年11月1日 - 1988年3月12日 2時間56分 220km/h ひかり 0系・100系
1988年3月13日 - 1992年3月13日 2時間49分 220km/h ひかり 100系
1992年3月14日 - 2007年6月30日 2時間30分 270km/h のぞみ 300系・500系・700系
2007年7月1日 - 2時間25分 270km/h のぞみ N700系

東海道新幹線は短い工期で何とか開業にこぎつけたという経緯から路盤の安定を配慮し、開業後1年間は馴らし運転の意味合いで、東京駅と新大阪駅の間を「ひかり」では4時間、「こだま」では5時間で運転した。

当初は、名古屋から南西に進んで鈴鹿山脈を抜け、滋賀県の南端部を通って京田辺付近から大阪府内に抜けるルートが計画されており、東京駅 - 新大阪駅間を3時間で到達させる予定であった。しかしこのルートは京都駅を通らないため京都市など地元からの猛反発を受けたほか、予定されたルートでの工事(特に鈴鹿山脈のトンネル工事)は難航が予測されたことから、最終的には米原を通るルートに変更したうえで京都駅に新幹線ホームを設置し、全列車停車駅とした。

開業翌年以降は「ひかり」が予定通りの3時間10分で運転。しばらくはこの状況が続いたが、1985年(昭和60年)以降は徐々に速度向上が図られていった。同年3月14日のダイヤ改正では「ひかり」の余裕時間見直しにより、1986年(昭和61年)11月には最高速度引き上げにより所要時間が短縮された。1988年(昭和63年)3月には東京21時00分発の新大阪行き最終便「ひかり」、通称「シンデレラ・エクスプレス」が最速所要時間を塗り替えた。

1992年(平成4年)3月14日から最高速度270km/hの300系「のぞみ」が運転を開始し、東京駅 - 新大阪駅間を2時間30分で結んだ。その後も停車駅に品川駅・新横浜駅が増やされたが最速所要時間は変わらなかった。

2007年(平成19年)7月1日からN700系が運転開始。最高速度は変わらないが、高加速度・新傾斜システム・新ATCなどを駆使し、東京駅 - 新大阪駅間を5分短縮した。

東京駅 - 名古屋駅間の歴代最短所要時間は1997年(平成9年)11月29日から2003年(平成15年)9月30日の間に存在した東京22時発下り名古屋行き最終「のぞみ」の1時間34分である(途中無停車であった。その後は品川駅・新横浜駅・静岡駅・浜松駅・豊橋駅停車の名古屋行き最終「ひかり」(2008年3月15日以降はN700系で運転)に格下げされ、該当列車は1時間49分運転となっている)。

バラスト軌道と関ヶ原付近の積雪徐行

半径2500mのカーブを走るN700系(新横浜駅 - 小田原駅間)
半径2500mのカーブを走るN700系(新横浜駅 - 小田原駅間)
関ヶ原付近の積雪の影響で岐阜羽島駅の通過線で停車している列車
関ヶ原付近の積雪の影響で岐阜羽島駅の通過線で停車している列車

営業運転での最高速度が270km/h(山陽新幹線は300km/h)なのはその後に建設された新幹線各路線に比し、曲率半径の小さなカーブ(半径2500m、山陽以降は半径4000m)が多く、これ以上最高速度のみを上げても到達時間短縮に大きな寄与がないためである。なお、米原駅 - 京都駅間では高速走行試験でこれ以上の速度を出すこともあり、この区間で955形 (300X) が鉄軌道では日本国内最速の443.0km/hを樹立しており、一部列車については330km/hでの営業運転の検討が始まっている[23]

また、バラスト軌道であることによって起きる問題として、積雪期の徐行(特に関ヶ原付近)がある。

積雪した時に高速で走行すると車体下部に氷塊ができ、これが剥がれ落ちた際バラストが飛び、車体や周辺の建築物などを壊すためしばしば徐行運転を強いられている。この問題を排除するためには軌道上に雪が積もらないように融かしてしまえばよいのであるが、そのためには相応量の散水が必要である。しかし、スプリンクラーで大量に水を撒くと土盛りの路盤が崩壊する恐れがあるため、雪を完全に排除することができないのである。

建設時点では関ヶ原での降雪が定時運行に大きな障害要因となるとは想定外だったため[24]、関ヶ原付近でも他の区間で多く採用された土盛り構造で建設した結果、その後も冬季の降雪時における恒常的な遅延を招いている。豪雪時の運行見合わせの際に列車を多く留置できるように、岐阜羽島駅は折り返し運転ができるよう島式ホーム2面4線と中央に通過線2本、渡り線もある駅構造となっている。

なお、この問題に対してはバラスト軌道“だけ”が諸悪の根源であるような見方をされる場合もままあるが、上越新幹線越後湯沢駅構内のように散水に対応した高架橋の上にバラスト軌道を設置したのであればこの問題を避けることも可能であった。

この教訓を元に山陽新幹線以降の各新幹線では、バラストを用いないスラブ軌道が主体となり、また現在ではJR東日本が保有するフル規格新幹線各路線においては、雪そのものが積もる前に消雪する設備が完備され、豪雪地帯でも平常運転を保てるほどの威力を発揮している[25]

ダイヤ維持と過去の遅延発生

東海道新幹線は世界的に見てもダイヤに非常に正確な路線として知られる[要出典]。毎日の各列車の遅延時分の統計をとっているが、1列車当たりの平均遅延時分は約0.6 - 1.5分(年間平均)である。ただし、季節ごとなどに見れば、冬は関ヶ原の雪で遅れることもあり、局地的にはばらつきがある。また、夏季の台風直撃も遅延発生の原因であるが、全体的には、ダイヤは厳密に守られている。

基本的に単一路線であり、ダイヤが乱れやすい在来線との直通運転(山形新幹線秋田新幹線ミニ新幹線)がなく、使用車両の差異が少ないことが大きく貢献している。在来線からの接続列車が遅れた場合も、新幹線側が発車を遅らせて乗り換え客を待つのは最大5分程度を上限としており、列車本数の多い新幹線の定時運行を優先している(逆に新幹線が遅れた場合、在来線の接続列車は15分程度までは待つことが多く、JR各社線以外の鉄道路線もその接続待ちを取ることも珍しくない)。

開業以来最悪の遅延記録は、2000年(平成12年)9月11日に名古屋を中心に起きた東海豪雨が原因のもの。名古屋市周辺では一部河川の警戒水位を越えるような降雨にもかかわらず「遅れを最小限にしたい」、「新幹線を運休させるわけにはいかない」と東京駅から次々に発車させた。各列車は徐行と停止を繰り返し、東京駅 - 米原駅間だけで70本近くの列車を団子状態にしてしまい、5万人を超える乗客が長時間車内に閉じ込められ、列車ホテルで夜を明かす事態となった。翌12日昼過ぎになってもダイヤの混乱は収拾せず、博多発東京行き「のぞみ20号」は“22時間21分遅れ”で終点到着という新幹線史上最悪の遅延記録を作った。「もっと早く運転を中止すべきだった」と運行管理の不手際を各方面から問われ、運輸省(現在の国土交通省)がJR東海に事情説明を求める事態にも発展した。数日後の社長定例会見で当時の葛西敬之社長(現在は会長)はこの事態を問われ、最初「正常で適切な運行だった」と発言し、さらなる批判を浴びた(後日撤回し、謝罪)。この件でJR東海は自社のウェブサイトに謝罪文を掲載することはなかった。この時、新幹線で移動中であったプロ野球・読売ジャイアンツ選手団の一部も巻き込まれ、翌日の阪神甲子園球場での阪神タイガース戦が中止された。

原因としては、前述のように新幹線の運休を嫌ったことが一因といえる。発車前に運休を決定してしまうと、当該列車の特急券、乗車券などを払い戻しが発生すること、また駅で足止めを喰った客により構内が混乱すること、発車を遅らせてダイヤを乱した場合の乗客からの苦情などを嫌い、これらを極力回避することを優先し、指令所の判断が後手に回ったものだと言われている。結果的に、小火を恐れて大火を起こすような格好となってしまい、災害発生時における運行管理の在り方が問われる事件となった。

近年は沿線上で運行障害が発生した場合、始発駅(東京駅、名古屋駅、新大阪駅)での段階から列車の運転を見合わせる措置を採っている。ただし、山陽新幹線ではこの限りではなく、新大阪駅以西での折り返し運転になることが多い。なお、山陽直通列車で東海道区間で大幅な遅れが出た場合、新大阪始発で、直通列車と同じダイヤの臨時列車が運転されることがある。

京阪神(近畿圏)の駅、首都圏のJR東日本線(主要駅)では、新幹線が遅延した場合はディスプレイに遅延情報が表示されている。

現行のダイヤパターンと停車駅

9(10)-2-2ダイヤ。2012年3月17日ダイヤ改正から現在までのダイヤパターンである。

この改正での大きな特徴は以下の通りである。

  • 臨時「のぞみ」新大阪行きを東京18時53分発、19時53分発の2本新設。これにより、同時間帯では1時間あたりの「のぞみ」の設定可能本数が最大10本となった。
  • 日中時間帯の一部の「のぞみ」の東京 - 新大阪間の所要時間を約3分短縮。

以下に示す時刻・運転区間などは昼間時間帯の平均的なパターンで、早朝・深夜は若干異なる。

下り
種別 東京駅
発車時刻
東京 品川 新横浜 小田原 熱海 三島 新富士 静岡 掛川 浜松 豊橋 三河安城 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
終着
のぞみ (N) 00分 33分 新大阪
ひかり 03分 03分 岡山
のぞみ (N) 10分 43分 博多
のぞみ◆ 13分 47分 新大阪・岡山・広島・博多
のぞみ◆ 20分 53分 新大阪
のぞみ◆ 23分 56分 新大阪
こだま 26分 (新大阪行き「ひかり」接続) 名古屋
のぞみ (N) 30分 06分 博多
ひかり 33分 30分 新大阪
のぞみ◆ 40分 16分 新大阪・広島・博多
のぞみ◆ 47分 23分 新大阪
のぞみ (N) 50分 26分 広島・博多
のぞみ◆ 53分 30分 新大阪
こだま 56分 50分 新大阪
上り
種別 始発 新大阪駅
発車時刻
新大阪 京都 米原 岐阜羽島 名古屋 三河安城 豊橋 浜松 掛川 静岡 新富士 三島 熱海 小田原 新横浜 品川 東京 東京駅
到着時刻
のぞみ (N) 博多 00分 33分
のぞみ◆ 新大阪 10分 43分
ひかり 新大阪 13分 10分
こだま 名古屋 (新大阪発「ひかり」接続) 17分
のぞみ (N) 博多・広島 17分 53分
のぞみ◆ 新大阪 20分 56分
のぞみ◆ 博多・広島・新大阪 27分 03分
のぞみ (N) 博多 37分 13分
ひかり 岡山 40分 40分
のぞみ◆ 新大阪 47分 20分
のぞみ (N) 新大阪 50分 23分
こだま 新大阪 53分 47分
のぞみ◆ 博多・広島・岡山・新大阪 56分 30分

凡例

  • ●:停車 、▲:この駅のうち0 - 2駅に停車、→:通過、◆:臨時列車または臨時延長(臨時列車は時間帯によっては定期列車となる場合がある)
  • (N) :N700系

現行の号数の振り方

2010年3月13日から

  • のぞみ
    • 東京駅 - 新大阪駅間:定期列車は200 - 280号台・臨時列車は300 - 390号台および400 - 430号台で列車番号に9000台が冠される
    • 東京駅 - 岡山駅・広島駅間:100 - 140号台(125号・102号は東京駅 - 姫路駅間、100号は西明石駅→東京駅間)
    • 東京駅 - 博多駅間:定期列車は1 - 70号台・臨時列車は150 - 190号台で列車番号に6000台および7000台が冠される
    • 品川駅・名古屋駅 - 博多駅間:80・90号台(早朝の品川発博多行きは99号・名古屋発は95・97号、博多発は96・98号)
    • 名古屋駅 - 東京駅間:290号台(早朝の名古屋発東京行きは298号)
  • ひかり
    • 東京駅 - 名古屋駅・新大阪駅間:500 - 530号台
    • 東京駅 - 岡山駅間:460 - 480号台(462号は三原駅→東京駅間、487号は東京駅→姫路駅間)
    • 新横浜駅・名古屋駅 - 広島駅・博多駅間:490号台(493号は新横浜駅→広島駅間、491・495号は名古屋→広島駅間、490号は広島駅→名古屋駅)
  • こだま
    • 東京駅 - 名古屋駅・新大阪駅間:630 - 680号台
    • 三島駅・静岡駅・名古屋駅 - 新大阪駅間:690号台
    • 東京駅 - 静岡駅・浜松駅間: 700 - 710号台
    • 東京駅 - 三島駅間:800 - 810号台

列車番号は定期列車は基本的に号数+A、季節臨時列車は3000+号数+A、予定臨時列車および設定臨時列車6000+号数+A7000+号数+A9000+号数+Aである。

東京 - 新大阪間の臨時「のぞみ」に割り当てられている号数のうち、320号以降は九州新幹線内完結列車(新下関駅発着便を含む)と重複している。また、「こだま」の810号台(2011年3月ダイヤでは810・812号のみ)も博多南線内完結列車と重複している。ただし、九州新幹線内完結列車の列車番号は「5000+号数+A」、博多南線区間列車は「2000+号数+A」が与えられているため、列車番号の重複はない。

営業

方針

JR東海は、「安全」・「正確」・「高頻度」・「高速」の4つのイメージに加え、さらなる東海道新幹線ブランドにふさわしい接客サービスをめざし、2005年度より「ブランドクオリティーサービス運動」を展開している。

2006年(平成18年)6月23日付けの組織改正において、長期的な観点から東海道新幹線の抜本的強化策を本格的に検討するため、「東海道新幹線21世紀対策本部」を新設した。松本正之社長(当時)は、同本部を新設することになった経緯について、「当社の発足時に比べ、東海道新幹線の輸送人員や輸送力は約4割増加しており、その社会的な役割や機能は飛躍的に高まっている。それを恒久的に維持・発展させていくためには、長期的視野に立った抜本的な強化策を検討していく必要がある」と説明。さらに、「品川駅開業や全列車の270km/h化など、これまでも効果的な機能アップに成功してきた。今後も、次のステップへ向けて予断を持たずあらゆるものを検討し、自己の経営体力の範囲内で、できるだけのことをやっていく必要がある。利便性、サービス、輸送力の向上など、いろいろな角度からあらゆる可能性について検討していく」と述べている。

2007年(平成19年)4月26日、同年3月期決算発表の記者会見で松本社長は、同社が実現を目指している東海道新幹線のバイパスについて、「まずは2025年に首都圏 - 中京圏の間で営業運転を開始することを目標に検討していく」と表明した。山梨リニア実験線で実用化試験を進めている超電導磁気浮上式鉄道の導入を前提に、バイパス実現を図っていく方針でいる。 東海道新幹線が、首都、中京、近畿の3大都市圏を結ぶ大動脈を担うということを大きな使命としており、その役割を果たしているその能力が限界に近付いていることから、東海道新幹線の役割を代替するバイパスの実現を目指している。そのバイパスの実現や運営については、「自らイニシアチブをとって実現を推進し、東海道新幹線と一元的に運営する」との立場を取っている。

収益

現在、日本の重要インフラとしての役割を担っているこの新幹線は、JR東海にとって『新幹線が風邪を引けば在来線は肺炎になる』と揶揄されるように、経営路線の一つという位置付けではなく、会社そのものの根幹となっていて、全収入の約85%を占めている。 収益において、例えば東日本旅客鉄道(JR東日本)の山手線中央線などの東京通勤圏全体の収益は8500億円余りであるが、対して東海道新幹線は単一路線で1兆円近くを売り上げている。その収益性の高さから日本一儲かっている路線と表現されることもある。しかし、実際は新幹線の開発費用と政府から譲渡された国鉄債務の返済(1987年の分割民営化当初に継承された3,191億円)、さらに1991年(平成3年)に新幹線鉄道保有機構から買い取った5兆900億円の債務返済が莫大であり、最終的にはたいした儲けはないともいわれる[要出典]

2006年度の運輸収入は1兆430億円で、「愛・地球博」の開催された2005年度の1兆304億円を上回り、過去最高となった。また、旅客輸送人キロも444億8千7百万人キロに達し最高記録を更新した。この数字はJR発足直後の1987年度の1.39倍である。

安全対策

開業から40年以上が経過し、施設の老朽化も徐々に見え始めている。また、「いつ起きてもおかしくない」とも言われている東海地震への対策も迅速かつ徹底して行なう必要があり、JR東海では数年前から大規模補修費用を積み立てている。補修総額は1兆円近くになると試算されている。

  1. 実施すべき大規模改修に要する期間および費用の総額
    1. 実施すべき大規模改修に要する期間 2018年(平成30年)4月 - 2028年(平成40年)3月
    2. 実施すべき大規模改修に要する費用の総額 1兆1,070億円
  2. 積み立てるべき新幹線鉄道大規模改修引当金の積立期間および総額
    1. 積み立てるべき新幹線鉄道大規模改修引当金の積立期間 承認日から15年を経過する日までの期間
    2. 積み立てるべき新幹線鉄道大規模改修引当金の総額 5,000億円

2006年(平成18年)11月より、東海道新幹線の線路に脱線防止ガード(地震が起きても脱線そのものを防ぐ目的がある)を設置し始めている。また新たな地震対策として、脱線防止ガード・逸脱防止ストッパ・土木構造物対策をそれぞれ工事費約380億円、2009年(平成21年)10月から2013年(平成25年)3月までの工期で行う[26]

2007年(平成19年)3月24日、「のぞみ155号」が静岡駅 - 掛川駅間の「牧の原トンネル」を走行中に、乗客の男性が非常用ドアコックを使用して扉を開け飛び降り自殺する事件が起き、列車上下25本が最大4時間41分遅れた。これを受けJR東海は6月27日、走行中に非常用ドアコックを使用できないように改良することを決定した。2007年(平成19年)6月から2010年(平成22年)3月に掛けて、約8.7億円を投じ、N700系10編成 (Z1 - Z10) と700系全60編成のドアコックを、5km/h以上ではロックされ扉が開けられないように改良するというものである。N700系の11編成目(Z11編成)以降は最初から反映する。JR西日本所有車両についても500系以降に製造された車両(東海道区間に乗り入れないE編成・V編成を含む)から全検時に順次改良とし、その結果予定より約6か月前倒しして2009年(平成21年)9月末をもって終了した(N700系と700系の70編成分)。

サービス

利用者層は、出張や仕事で使う人の割合が多く全体の7割に上る。それゆえ各種サービスはビジネスマンを対象としたものが多く、きっぷを通常よりも安く買える「エクスプレス予約」(後述)がその例である。日常の通勤としての利用者、特に三島駅(静岡県)から東京方面への通勤利用者が多く、平日朝は、上りの「こだま」を同駅より約10分おきに走らせている。

エクスプレス予約

東海道・山陽新幹線には「エクスプレス予約」という年会費有料制のサービスがあり、これを使うと新幹線の指定席特急券を同じ区間の自由席特急券よりも安く買うことができる。携帯電話やパソコンなどを使って、指定席の予約や変更、取消を発車間際まで何度でも無料で行うことができる。こうして予約した特急券は「e特急券」と呼ばれていて、駅にある機械でエクスプレス予約に使用したカードを入れ、パスワードを入力するだけで簡単に発券できる(発車6分前まで)。サービスを受けるにはJR東海エクスプレス・カードまたはJ-WESTカード(エクスプレス)への入会(年会費1050円が別途必要)が必要である。

2008年(平成20年)3月からは、専用のICカードを用いて新幹線に乗車できる、「EX-ICサービス」が東海道新幹線区間に先行導入された(当時は個人会員専用)。その後2009年(平成21年)8月29日には、山陽新幹線区間への拡大導入、および法人会員向けのサービスが開始された。「JR東海エクスプレス・カード」については、JR東日本のモバイルSuicaに追加登録(またはモバイルSuica会員が、エクスプレス予約専用会員として事前に追加登録)することで、携帯電話一つで東海道・山陽新幹線の利用が可能となっている。

インターネット接続

2007年(平成19年)7月から投入されたN700系車両では、席の下にコンセントが設けられて、移動中もパソコンを使うことができるようになったが、2009年(平成21年)3月からインターネット接続サービスを開始した[27][28]。乗客はNTTコミュニケーションズホットスポットNTTドコモMzoneソフトバンクテレコムBBモバイルポイントUQコミュニケーションズのUQ Wi-Fiの4つの公衆無線LANサービスが利用できる(提携事業者のサービスも含む。また、利用にはそれぞれの利用契約が必要)。

通信速度は1編成あたり最大約2Mbps(理論値)を、複数の利用者でシェアする形となる。

このほか、従来はのぞみ停車駅に限られていたコンコース待合室の無線LANアクセスポイントを東京駅 - 新大阪駅間の全駅に拡大している。

ラジオ放送再送信

「のぞみ」・「ひかり」ではラジオ放送をFMに変換して再送信するサービスを実施している。パナソニックソニー製のデジタル選局式通勤ラジオにはエリアモードに「JR新幹線」の項目があり、それに合わせると新幹線内で放送されているFMラジオを聴取可能になっている。

他の交通機関との競合

当路線はJR東海の事業の中核をなし、直通先の山陽新幹線とあわせて航空機とは、互角以上に戦えるライバルであると位置付けられている。

この飛行機との競争について東海旅客鉄道会長の葛西敬之は著書「未完の『国鉄改革』」の中で「本州全体の鉄道網を維持するために、東海道新幹線の利用者は本来あるべき運賃よりも20%割高な運賃を払っているのである。(中略)東京-大阪間では新幹線のフリークエンシーは1日95往復で航空機の約3倍、提供座席数は約8倍で1人あたりの経費は本来はるかに低く、政策による負荷を上乗せしてなおアクセス費用も含めた旅客の負担は航空機よりも安価である。(中略)もし、政策コストがなく、運賃を現在よりもさらに20%低位に設定した状態を考えれば、東京-大阪間に航空輸送の参入する余地は事実上ゼロに近いものとなるだろう。」と指摘している。[29]しかし、上乗せ運賃自体が解消される目途は現在のところ全く立っておらず、当面は飛行機と新幹線の競合は続きそうである。

また2009年(平成21年)3月から「1000円高速」(高速道路のETC土曜・休日割引)が開始され、特に短・中距離の区間において、最繁忙期を中心に新幹線の利用客が大幅に減少するなど、こちらも大きな脅威となった。

首都圏 - 京阪神間

この区間では東海道(山陽)新幹線と航空便が競合している。東京都 - 大阪府間のJRと航空機のシェアを見ると、1995年度に84:16であったのが、航空会社によるマイレージサービスの充実化、羽田空港の発着枠拡大、関西国際空港の開港(1994年)による大阪方での発着時間帯の拡大)、規制緩和による様々な割引航空運賃の登場、東京 - 大阪(伊丹空港)線でシャトル便を開始したことなどの影響を受け、次第に新幹線がシェアを落とし、2005年度には65:35になったが、JR東海はN700系の投入、品川駅・新横浜駅の全列車停車、「エクスプレス予約」(EX - ICへの移行)の充実化を行うなど、シェアを巻き返す一方で、航空機側は割引率の引き上げを行った一方で関空、神戸便の利用客の伸び悩みによる減便(または撤退)を行ったために2009年度は83:17になった。首都圏 - 関西圏間でのJR利用者数を見ると、1995年度は年間3180万人だったのに対し、2005年度は年間3520万人と増加しており、市場規模は拡大している。しかし2008年(平成20年)以降は景気の後退や1000円高速の影響で新幹線、航空各社ともに2桁の下がり幅を記録するなど、景気変動によって利用客の変動が激しいのも特徴である。

東京 - 神戸間でも2006年(平成18年)2月には神戸空港が開港したことで競争が激化している。JR側は開港前の2005年(平成17年)3月に山陽新幹線直通「のぞみ」を1時間あたり3本に増発したほか、同年12月に「エクスプレス予約」の利用範囲を新神戸駅まで拡大した。羽田 - 神戸間には2011年(平成23年)10月現在、1日あたりスカイマーク9往復・全日空(ANA)3往復の計12往復が就航している(2010年まで日本航空も運行されていた)。最も就航本数の多いスカイマークは10,000 - 12,000円の通常運賃をはじめとする格安運賃が好評で、2007年(平成19年)3月からは7割を超える搭乗率をキープし、同年6月からは8割以上の搭乗率をキープしている。スカイマーク便の好調を受けてか、JR側は2006年(平成18年)3月のダイヤ改正に早朝に姫路→東京の「のぞみ」を新設したり、2007年(平成19年)7月から片道あたり1万円の「スーパー早特往復きっぷ」を発売している。また、2008年(平成20年)3月には西明石6時発→東京の「のぞみ」が新設された。

既存の航空会社では2007年(平成19年)9月にJALとANAが全区間でチケットレス割引を廃止した。伊丹空港発着便は本数こそ多いものの関空・神戸空港発着便と比べるとやや割高(実際特割利用でも「のぞみ」より高い)で不利を被っていたが、2008年(平成20年)4月よりANAでは「ビジネスきっぷ」(ANAカード会員限定)「ビジネス特割」を新設し、割引率を引き上げることとなった。 また関空・神戸便の一部を除いて「クラスJ」・「JALファーストクラス」(JALファーストクラスは伊丹線のみ)・「プレミアムクラス」(ANA)を設置するなど上等席の面でもサービス合戦を行っている。最近ではや「旅割」よりも更に安い「スーパー旅割」(2010年4月搭乗分から)を設定するなど、航空会社も攻めの展開を続けている。一方で2010年(平成22年)にJALが神戸空港から撤退するなど、関空、神戸発着便を中心に減便、機種の小型化が進んでいて利用客の減少が続いている。このため南海・京急では関空の利用促進を行っており、大阪市内(なんば駅、新今宮駅、天下茶屋駅) - 関西空港駅間(南海)と品川駅・横浜駅 - 羽田空港駅間(京急)のきっぷがセットとなった割引切符(羽田・関空アクセスきっぷ)や大阪市営地下鉄への往復割引切符(関空ちかとくきっぷ)を発売している。

新規参入面では2007年(平成19年)9月からは、スターフライヤー (SFJ) が関空 - 羽田間に1日4往復就航開始した。普通運賃を大手航空会社より2千円以上安く設定し、2008年(平成20年)3月までは就航記念運賃(9,000円 羽田施設利用料込み)も設定されている。4月以降は従来の運賃に戻るもののそれでもJAL・ANAと比べると割引率は高い。また2008年(平成20年)2月から南海電気鉄道京浜急行電鉄と提携して、スターフライヤー利用者に南海空港特急「ラピート」の特急券や品川 - 京急羽田空港駅間の片道乗車券を提供するサービスも行った。2008年(平成20年)11月からはANAの関空便の減便を受けてANAとのコードシェアを開始した。

東京 - 京都間は上記の大阪市内や神戸市内と違い、京都市内から関西圏各空港への距離が遠く(最も近い伊丹空港でも約1時間近くかかる上、遠回りのルートとなる)、航空便の優位性がほとんど失われることから、新幹線が航空便に対して圧倒的に優位に立っている。全国幹線旅客純流動調査によると[30]2000年度の東京都 - 京都府間のシェアは「JR 97.6 : 2.4 航空」で、新幹線がそのほとんどを占めている。

  • JRと航空機の旅客シェア
    • 東京都 - 大阪府間[31]
      • 1995年度 84:16
      • 2000年度 72:28
      • 2005年度 65:35
      • 2009年度 83:17
    • 首都圏(埼玉、千葉、東京、神奈川) - 京阪神圏(京都、大阪、兵庫、奈良)間のシェアと輸送量(千人)[32]
年度 シェア JR 航空 合計 東中JR※
1995 89:11 31,797 3,851 35,648 19,197
2000 82:18 32,120 7,015 39,135 20,471
2001 81:19 33,268 7,637 40,905 20,784
2002 81:19 32,478 7,842 40,320 20,934
2003 80:20 33,128 8,109 41,237 21,702
2004 80:20 33,864 8,448 42,312 22,593
2005 80:20 35,197 8,793 43,990 24,961

参考 東京圏 - 中京圏(愛知県・岐阜県・三重県)間のJR輸送量

上記以外に首都圏 - 京阪神間を結ぶ高速バス路線(路線数の最も多いJRバスでは「ドリーム号」や「昼特急」シリーズがあり、また非JR系他社の路線バスもある)やツアーバスなども昨今は充実している。こちらは競合というよりは、ニーズの違いにより棲み分けされている。すなわち、高速バスは低価格(低運賃)という点や、夜行バスの場合、新幹線よりも遅い時間(21:30以降)に出発でき、早朝(8:30以前)に到着できるという時間面のメリットがある。しかし、2009年(平成21年)からの土曜・日曜・祝日の高速道路料金の1000円化(ETC限定)の影響で、マイカーによる移動が多くなり、同年のゴールデンウィークでの利用者が大幅に減少する結果となった[33]

名古屋 - 大阪間

この区間では主に東海道新幹線と近鉄特急が競合している。時間面と本数面では新幹線が有利、料金面や大阪都心・東部・南部へのアクセスでは近鉄特急が有利である。「近鉄特急史#東海道新幹線」の項も参照のこと。他にも名神ハイウェイバスや、青春18きっぷシーズンを中心に東海道本線新快速や、関西本線の快速・普通列車などを乗り継ぐ利用客も存在する(18きっぷシーズン外でもUSJ観光客や時間的に急ぐ必要がないビジネスマンなどの利用客も見受けられる。また、同様に近鉄の急行列車を乗り継ぐ利用客もいる。名神ハイウェイバスは本数的には名古屋 - 大阪間よりも名古屋 - 京都間が多い。)。また阪神なんば線の開通で神戸方面への利便性も向上している。

  • 時間面
    • 東海道新幹線(名古屋駅 - 新大阪駅間)「のぞみ」50分前後、「こだま」1時間10分前後
    • 近鉄
      • 特急(近鉄名古屋駅 - 大阪難波駅間)「甲特急」2時間5分前後、「乙特急」2時間20分前後
      • 特急以外 「急行(大阪線での快速急行・区間快速急行含む)」3時間25分前後(伊勢中川、鶴橋乗り換え時間含む)
    • 東海道本線(名古屋駅 - 大阪駅間)「新快速(名古屋側では区間快速・快速・特別快速もあり)」2時間30分 - 3時間前後(時間帯による。昼間時は2時間40分前後)
    • 名神ハイウェイバス(名古屋 - 大阪間)3時間15分前後、(名古屋 - 京都間)2時間30分前後
  • 料金面(片道1人あたり)
    • 東海道新幹線
    • 近鉄特急
    • 東海道本線
      • 通常料金(運賃)3260円
      • 青春18きっぷ(1回分あたり)2300円(日帰り往復の場合:片道あたり1150円)
    • 近鉄(特急以外)
      • 運賃2,300円
    • 名神ハイウェイバス(名古屋 - 大阪間)2900円、(名古屋 - 京都間)2500円(往復割引きっぷ利用の場合、片道2000円)
  • 本数面(1時間あたりの定期列車)
    • 東海道新幹線 6本(のぞみ3本 ひかり2本 こだま1本・新大阪への最速列車はのぞみ3本 ひかり1本)
    • 近鉄特急 2本(甲特急1本 乙特急1本)
    • 東海道本線 新快速系統列車 2本(米原・大垣(時間帯による)乗り換え)
    • 近鉄(特急以外)2本(伊勢中川・名張(時間帯による)乗り換え)
    • 名神ハイウェイバス
      • 名古屋 - 大阪間 1日7本(1 - 3時間あたり1本程度)
      • 名古屋 - 京都間 1日16本(1時間あたり1 - 2本)
愛知県 - 大阪府交互間の輸送人員(単位:千人)[34]
鉄道の輸送人員(JR+近鉄)が減少するなか、近鉄が徐々に輸送人員を伸ばしている一方、JRは大きく輸送人員を減らしている。2003年に大半の「ひかり」が「のぞみ」に置き換えられ、「新幹線エコノミーきっぷ」が廃止され、代わりに「ひかり・こだま自由席用早特きっぷ」が発売開始されたこと、2004年4月に「ぷらっとこだまエコノミープラン」の購入期限が乗車日前日までになったことにより、乗車日当日に購入できる割引きっぷが減ったことがこの要因として挙げられる。
また、自動車による移動も便利になりつつある。2004年12月には「伊勢湾岸自動車道」の豊田JCT - 四日市JCT間が全線開通した。2008年春には新名神高速道路の亀山JCT - 草津JCT間が全線開通し、名阪間の所要時間が短縮された。さらに、2009年からの土曜・日曜・祝日の高速道路料金の1000円化は、JR・近鉄ともに輸送人員が減少するなどの影響を与えた。
年度 愛知発 大阪発 小計 合計 シェア
JR 近鉄 JR 近鉄 JR 近鉄
2001年度 3,642 1,086 3,576 1,072 7,218 2,158 9,376 77 : 23
2002年度 3,524 1,041 3,453 1,024 6,977 2,065 9,042 77 : 23
2003年度 3,229 1,052 3,117 1,038 6,346 2,090 8,436 75 : 25
2004年度 3,015 1,074 2,946 1,064 5,961 2,138 8,099 74 : 26
2005年度 3,298 1,097 3,234 1,085 6,532 2,182 8,714 75 : 25

※2005年度は愛知県で「愛・地球博」開催(3月25日 - 9月25日)

首都圏 - 静岡間

2000年代後半から、東京 - 静岡間でも運賃の安い高速バス路線・本数が大幅に増えたことで、高速バス(静岡市内方面の場合駿府ライナー渋谷・新宿ライナー静岡号など)との競合が発生している。高速バスでは東名ハイウェイバスは以前から運行されていたが、2000年代後半以降の新規開設路線は、高速道路上はほとんど停車しない都市間直行タイプで、かつ静岡県側ででは駅以外の住宅地にも停車する特徴がある。この区間では東海道新幹線自体が「のぞみ」優先のダイヤになっていることや静岡県内の各駅での「ひかり」の停車本数が少ないことから苦戦を強いられている。高速バスは静岡県内各主要都市を発着しているが、以下、静岡駅発着路線で時間面と料金面を比較する。

  • 時間面
    • 東海道新幹線(東京駅 - 静岡駅間)「ひかり」1時間前後、「こだま」1時間30分前後
    • 高速バス「渋谷・新宿ライナー静岡号」(新宿駅 - 静岡駅間)3時間前後
    • 高速バス「駿府ライナー」(新宿駅 - 静岡駅間)3時間前後
    • 東海道本線(東京駅 - 静岡駅間)3時間前後
    • 東名ハイウェイバス(東京駅 - 静岡駅間急行)3時間前後
  • 料金面(片道1人あたり)
    • 東海道新幹線
    • 高速バス「渋谷・新宿ライナー静岡号」
      • 通常料金2,850円
      • 早売7 2,280円
      • トク得割2,000円
    • 高速バス「駿府ライナー」
      • 通常料金2,850円
      • 早売7 2,280円
      • トク得割2,000円
    • 東海道本線
      • 通常料金3,260円
    • 東名ハイウェイバス
      • 通常料金2,850円
  • 本数面(1時間あたりの定期列車・便)
    • 東海道新幹線 3本(ひかり1本 こだま2本)
    • 高速バス「渋谷・新宿ライナー静岡号」1日9往復
    • 高速バス「駿府ライナー」(新宿駅 - 静岡駅間)ほぼ1本
    • 東海道本線 3本(熱海または沼津乗り換え)
    • 東名ハイウェイバス 1本

運賃と特急料金

運賃は営業キロに基づいて算出する。東京 - 新大阪間の営業キロは、並行する東海道本線のそれと同一になっている[35]

特急料金は、「三角表」と称するものにより各駅間個別に定められている。一方、この各駅間の特急料金は当該区間の営業キロに基づいて算出されたものである。営業キロに対応する特急料金およびその他の特定の区間の特急料金は以下の通り。

(参考)東海道新幹線特急料金表(2008年3月15日現在)
営業キロ・区間 特急料金(円)
自由席 「ひかり」・「こだま」指定席
通常期 閑散期 繁忙期
100キロ以下 隣接駅間[36](50キロ以下)、
東京 - 新横浜間
840 2,190 1,990 2,390
隣接駅間[36](51 - 100キロ)、
三島 - 静岡間、静岡 - 浜松間、豊橋 - 名古屋間
950
上記以外 1,680
101 - 200キロ 東京 - 熱海間、東京 - 三島間、品川 - 三島間
上記以外 2,410 2,920 2,720 3,120
201 - 300キロ 3,250 3,760 3,560 3,960
301 - 400キロ 3,980 4,490 4,290 4,690
401 - 500キロ 4,410 4,920 4,720 5,120
501 - 600キロ 4,730 5,240 5,040 5,440
601 - 700キロ 5,140 5,650 5,450 5,850
701 - 800キロ 5,660 6,170 5,970 6,370
801 - 900キロ 6,200 6,710 6,510 6,910
901 - 1000キロ 6,720 7,230 7,030 7,430
1001 - 1100キロ 7,250 7,760 7,560 7,960
1101キロ以上 7,770 8,280 8,080 8,480
  • 上表は東海道新幹線のみを利用する場合または東海道新幹線と山陽新幹線とにまたがって利用する場合の特急料金である。山陽新幹線のみを利用する場合の特急料金は「山陽新幹線の特急料金」を参照
  • 「のぞみ」の指定席を利用する場合の特急料金は、上表の金額に「のぞみ」指定席利用区間ののぞみ加算額を加算した金額となる。「のぞみの特急料金」を参照

特別企画乗車券

当路線の区間には様々な特別企画乗車券(トクトクきっぷ)が発売されている。

新幹線回数券20

「のぞみ」を含む全列車の普通車指定席が利用できる20枚綴りの回数券である。2003年9月いっぱいで廃止(利用停止)された「新幹線エコノミーきっぷ」を代替する形で、2003年に夏から発売開始された。多客期の利用・利用区間の変更・途中下車・乗継割引は不可。片道あたりの値段は13,240円、普通車自由席を利用した場合と同じで「エクスプレス予約」の方が安い。

設定区間と値段(通常期に「のぞみ」普通車指定席を利用した場合の片道の値段 割引率)
東京都区内⇔新大阪市内 13,240円(14,050円 5.8%)

ひかり・こだま自由席用早特きっぷ

枚数限定の片道「割引きっぷ」である。「新幹線エコノミーきっぷ」の廃止に伴い2003年から登場した。乗車日の1か月前 - 1週間前に発売され、乗車指定日の「ひかり」「こだま」普通車自由席に乗車可能。割引率が高い。

設定区間と値段(通常期に普通車自由席を利用した場合の値段 割引率)
名古屋市内⇔新大阪市内 4,250円(5,670円 25%)

新幹線名古屋・豊橋往復きっぷ/新幹線新城・本長篠往復きっぷ

名古屋駅 - 豊橋駅間で「ひかり」「こだま」の普通車自由席が利用できる往復割引きっぷである。乗車日当日のみ発売され、有効期限は1日間。在来線用の割引往復きっぷとあわせて、併走する名鉄特急に対抗するための切り札な料金サービスとなっている。割引率は東海道新幹線のトクトクきっぷとしては非常に高く、特に豊橋駅 - 名古屋駅間で土休日用を利用した場合、片道あたり1,250円で、在来線片道運賃(1,280円)よりも安い。また土休日に本長篠駅 - 新守山駅間(通常往復5,680円)でこのきっぷを使った場合、割引率は54.2%にも達する。

設定区間と値段(通常「こだま」普通車自由席で往復した際の値段 割引率)
豊橋 - 豊川・二川⇔名古屋(市内):平日用2,800円 土休日用2,500円(豊橋 - 名古屋間4,460円 平日37.2% 土休日43.9%)
本長篠 - 三河一宮⇔名古屋(市内):平日用2,900円 土休日用2,600円(新城 - 名古屋間5,140円 平日43.6% 土休日49.4%)

のぞみJ回数券

のぞみJ回数券(のぞみJかいすうけん)は、東京(都区内)⇔三河安城・安城間を利用できる特別企画乗車券(回数券)である。東京駅 - 名古屋駅間は「のぞみ」の普通車指定席・グリーン車と、名古屋駅 - 三河安城駅間の「こだま」普通車自由席もしくは、名古屋駅 - 安城駅・三河安城間の普通・快速列車が利用可能。名古屋駅でアルファベットの「J」のように折り返すことができるのが、この回数券の特徴である。多客期の利用、途中下車は不可。6枚綴り。

1枚当たりの値段

  • 普通車用:10,860円(通常12,280円 割引率11.6%)
  • グリーン車用:14,550円(通常15,570円 割引率6.6%)

岐阜新幹線スーパー回数券

岐阜新幹線スーパー回数券(ぎふしんかんせんスーパーかいすうけん)は、東京(都区内)⇔岐阜・岐阜羽島間を利用できる特別企画乗車券である。東京駅・品川駅 - 名古屋駅・岐阜羽島駅間の普通車指定席と名古屋駅 - 岐阜駅間の普通・快速列車が利用可能。名古屋で「のぞみ」と「ひかり」「こだま」を乗り継ぐこともできる。6枚綴りで多客期は利用できない。有効期限は3か月。

片道1人当たりの値段と通常料金との比較

  • 東京(都区内)⇔岐阜・岐阜羽島 10,370円
    • 通常 東京駅 - 岐阜羽島駅間 11,190円(ひかり普通車指定席 割引率7.3%)
    • 通常 東京駅 - 名古屋駅 - 岐阜駅間 11,190円(のぞみ普通車指定席+快速)

東京往復割引きっぷ

東京往復割引きっぷ(とうきょうおうふくわりびききっぷ)には、北陸地方向けと山陰地方向けの2種類がある。

北陸地区発は、北陸本線敦賀駅 - 金沢駅間の主要駅⇔東京(都区内)間の往復に利用できる特別企画乗車券である。米原経由の場合、北陸線の特急列車と「のぞみ」以外の新幹線列車のグリーン車・普通車指定席を利用でき、主に特急「しらさぎ」と「ひかり」の組み合わせに焦点を当てたものである。加賀温泉駅 - 金沢駅間から出発の場合は、片道をほくほく線上越新幹線経由とすることも可能。有効期間は7日間。多客期の利用はできない。

  • 片道1人当たりの値段の例(福井発)
    • 普通車用 12,440円(「しらさぎ」と「ひかり」をともに指定席で乗り継いだ場合の通常 14,260円に対し割引率12.8%)
    • グリーン車用 15,500円(上記と同じ乗り継ぎ方で通常 19,880円に対し割引率22.0%)

山陰地区発は、山陰本線鳥取駅 - 出雲市駅間の主要駅⇔東京(都区内)間の往復に利用できる。特急「スーパーはくと」又は「やくも」+「のぞみ」を含む新幹線の組み合わせに焦点を当てているが、寝台特急「サンライズ出雲瀬戸」など他にも選択可能な乗車方法がある。有効期間は出発駅によって異なる。グリーン車用の設定はなく、多客期は利用できない。

  • 片道1人当たりの値段の例(米子発)…17,100円
    • 「やくも」と「のぞみ」をともに普通車指定席で乗り継いだ場合の通常の値段は19,010円であり、割引率は10.0%である。

東京新幹線回数券

東京新幹線回数券(とうきょうしんかんせんかいすうけん)は、和歌山 - 東京(都区内)間を利用できる特別企画乗車券である。和歌山駅 - 新大阪駅間は特急列車の普通車自由席、新大阪駅 - 東京駅間は新幹線全列車のグリーン車・普通車指定席を利用できる。6枚綴りで有効期限は3か月、多客期の利用は不可。和歌山からは新大阪駅よりも関西国際空港の方が近いこともあり、若干高めの割引率になっている。

片道1人当たりの値段

  • 普通車用 13,920円
    • 通常 15,910円(割引率 12.5%)
  • グリーン車用 18,560円
    • 通常 20,350円(割引率 8.8%)

※通常の値段は通常期にのぞみ指定席を利用した場合。乗継割引を使用

新幹線エコノミーきっぷ

過去に発売されていた回数券で、「ひかり」「こだま」を利用することができた。2003年10月のダイヤ改正で「のぞみ」が大増発されたことにより廃止(利用停止)された。多客期は利用不可で、有効期限は3か月。ヘビーユーザーを中心に人気があり、金券ショップでもバラ売りされていた。また、追加料金を払うことにより「のぞみ」にも乗車できる設定区間もあった。

  • 主な設定区間と枚数、1枚あたりの値段(通常期に「ひかり」普通車を利用した場合の値段)2003年3月時点
    • 東京都(区内)⇔新大阪(市内) 12,160円(指定席13,750円 11.6%)
      • 「のぞみ」に変更する場合の追加額 2,350円
    • 名古屋(市内)⇔新大阪(市内) 4,290円(自由席5,670円 24.3%)

FREX・FREXパル

新幹線通勤のために発行される普通車自由席用の定期券として、特別企画乗車券の一つとして「FREX」(フレックス)が発行されている。また、通学用の「FREXパル」も発行されている[37]。どちらも有効期間が1か月と3か月の2種類が販売されている。基本的には新幹線利用区間が営業キロで200km以内の区間で設定されているが(静岡駅 - 名古屋駅、名古屋駅 - 新大阪駅など)、東京駅・品川駅・新横浜駅の各駅では例外的に浜松駅までのFREX・FREXパルが設定されている。東海道新幹線では東京駅 - 浜松駅間の定期券が最も高額で、1か月有効のFREXで179,840円となっている。また、FREX区間の前後に在来線利用区間を挟んだ設定も可能であり(例:新橋駅 - 品川駅 - 熱海駅 - 伊東駅(新幹線区間は品川駅 - 熱海駅間のみ)、FREX区間に平行する在来線(東海道本線)区間も利用できる。

FREXは国鉄末期の1983年(昭和58年)1月31日に発売が開始され、1986年(昭和61年)にはFREXパルも発売された。当初は高額のため利用が低迷していたが、1980年代後半のバブル景気に伴う地価の高騰、およびそれを背景として1989年(平成元年)の税制改正(消費税導入時)で実施された企業による従業員通勤手当支給の上限額引き上げ[38]により、地価の安い神奈川県西部や静岡県内で購入した自宅から東京都心部へ通勤する乗客が増え、FREXの利用は急増した。その後、景気の低迷により地価が下落し、企業が従業員の遠距離通勤を再び制限する傾向が生まれたともされるが、三島駅(「こだま」利用)や静岡駅(「ひかり」利用)で東京駅まで約1時間で通勤可能で、在来線の列車と異なり300系や700系での着席による通勤の快適性が高い[39]ことなどから、新幹線通勤の需要は増している。それに合わせ、JR東海は特に朝の通勤時間帯(7 - 8時台)に東京駅へ到着する上り列車の増発を進めた[40]。東海道新幹線では1980年代から「ひかり」や「のぞみ」への転換により「こだま」の本数削減が続いているが、この時間帯では例外的に増発されている。

一方、この他の区間や方向では、新幹線通勤者の絶対数が東京に比べて少ないこともあり、東京ほどの明確な通勤輸送体制は取られていない。名古屋駅や京都駅・新大阪駅などへの下り方面では、8時台には新大阪駅に品川・東京始発の「のぞみ」が到着する制約もあり、静岡・名古屋始発の新大阪行き「こだま」3本を普通車全車自由席(土曜・休日は普通車の一部が指定席化)に設定するなどの対応は行っているものの、本数自体は他の時間帯との違いはない。また、新大阪駅から名古屋駅への上りでは、通勤時間帯の列車がそのまま東京駅まで運転されるため、「ひかり」1本を米原駅と岐阜羽島駅に停車させて名古屋駅8時台到着の両駅停車列車を3本に増強する程度の対応にとどまっている。

歴史

y-zダイヤとは、片道1時間当たり最大「ひかり」y本・「こだま」z本、x-y-zダイヤとは同様に、「のぞみ」x本・「ひかり」y本・「こだま」z本運行することを意味する。

国鉄時代 開業前

国鉄時代 開業以後

  • 1964年(昭和39年)
    • 10月1日:開業。1-1ダイヤ 0系12両編成で最高速度210km/h。東京駅 - 新大阪駅間「ひかり」4時間、「こだま」5時間で運行。当時は東京駅・新横浜駅・小田原駅・熱海駅・静岡駅・浜松駅・豊橋駅・名古屋駅・岐阜羽島駅・米原駅・京都駅・新大阪駅の12駅。
    • 11月23日:静岡県磐田市で「こだま」が保線作業員をはねる。5名が死亡、5名が重軽傷を負う。
  • 1965年(昭和40年)
    • 4月20日:静岡県を震源とするM6.1の地震が発生。静岡市周辺の盛土が崩れた。
    • 10月1日:2-2ダイヤ 増発、「ひかり」・「こだま」30分間隔に。
    • 11月1日:路盤安定を受け、東京駅 - 新大阪駅間は「ひかり」3時間10分、「こだま」4時間運転に。
  • 1966年(昭和41年)4月25日:新大阪発東京行き「ひかり42号」が、豊橋駅手前で異常振動により緊急停車した。乗員乗客に怪我はなく、車軸折れ事故を起こした最後尾車両は車両基地まで運ばれて検査の結果、製造時の問題と金属疲労により走行中に折れたことが判明した[41][42]
  • 1967年(昭和42年)10月1日:3-3ダイヤ 増発、「ひかり」・「こだま」20分間隔(毎時6本)に。
  • 1969年(昭和44年)
    • 4月25日:三島駅開業。これにより「こだま」は東京駅 - 新大阪駅間4時間10分に。
    • 10月1日:翌年の大阪万博を控え、臨時「こだま」をダイヤを組み込んだ3-3(変則3-6)ダイヤ(通常は3-3ダイヤ、多客期は「こだま」を増発し3-6ダイヤ)とする。
    • 12月8日:「ひかり」16両編成運転開始。
  • 1972年(昭和47年)
    • 3月15日:山陽新幹線新大阪駅 - 岡山駅間開業。4-4ダイヤ 「ひかり」・「こだま」15分間隔(毎時8本)、「ひかり」毎時3本が岡山駅へ直通。
    • 6月29日:「こだま」、16両編成運転開始。
    • 10月2日:「ひかり」、3往復が米原に新規停車。
  • 1973年 (昭和48年)2月21日大阪運転所(鳥飼基地)からの回送列車が脱線事故。ATC管理下の事故として問題に(東海道新幹線大阪運転所脱線事故を参照)。
  • 1974年(昭和49年)
    • 9月12日東京運転所(品川基地)入出庫線合流地点でATCに異常信号が発生。翌13日終日まで混乱。
    • 11月12日:新大阪駅構内でATCに異常信号が発生。14日終日まで混乱。
    • 12月11日:新幹線総点検のため東京駅 - 新大阪駅間が午前中運休。翌年2月までに4回実施。
  • 1975年(昭和50年)
    • 3月10日:山陽新幹線岡山駅 - 博多駅間開業。東京駅ホーム増強工事が間に合わず変則4-4ダイヤ(5-5ダイヤから「ひかり」・「こだま」各1本を間引き)。
    • 7月:東京駅3ホーム体制完成を受け5-5ダイヤに移行、「ひかり」・「こだま」12分間隔(毎時10本)、「ひかり」毎時4本が山陽新幹線へ直通、「ひかり」1往復が新横浜・静岡に新規停車。
  • 1976年(昭和51年)
    • 2月25日:若返り工事のため東京駅 - 新大阪駅間が午前中運休。1981年まで43回実施。
    • 7月1日:「ひかり」1往復が新横浜駅・静岡駅に新規停車。
    • 7月9日:「こだま210号」が新丹那トンネル内を運転手不在の「無人走行」。当初の発表は三島駅で交替の運転士が腹痛により乗り遅れ、運転台に便乗の運転士がCTC指令の指示により代替を勤めたとしていたが、実際は運転手が出発直前、走行可能な状態にしたまま客ドアの異常点検を行なって結果電車から閉め出されたことと、無人走行に気づいた車両検査掛が「客席に便乗していた」運転士に代替を頼むまで13kmも走行していたことが三か月後の新聞スクープにより発覚した。
  • 1978年(昭和53年)7月4日:豊橋駅 - 名古屋駅間で架線切断。約5時間不通。51本運休。
  • 1980年(昭和55年)
    • 4月6日:名古屋駅 - 岐阜羽島駅間で架線が切れ、東京駅 - 博多駅間が夜まで約7時間全面不通となり、上下83本立往生、33本運休。
    • 10月1日:「ひかり」を小田原駅・浜松駅・豊橋駅・岐阜羽島駅に新規停車。
  • 1981年(昭和56年)5月15日 - 世界銀行からの借入金を完済。
  • 1983年(昭和58年)3月20日:三島駅 - 静岡駅間の蒲原トンネルで架線切断。30本運休。最高約5時間遅れ。
  • 1984年(昭和59年)4月11日:「こだま」は利用者減少で12両に減車を始める。
  • 1985年(昭和60年)
    • 3月14日6-4ダイヤ 「ひかり」が新横浜駅に毎時2本・静岡駅に毎時1本・小田原駅・熱海駅・三島駅・浜松駅・豊橋駅のうち2駅に毎時1本停車、余裕時分の見直しなどにより東京駅 - 新大阪駅間「ひかり」3時間8分、「こだま」毎時1本を東京駅 - 三島駅間に短縮。
    • 10月1日:2階建て新幹線100系登場。
  • 1986年(昭和61年)11月1日:国鉄最後のダイヤ改正。最高速度を220km/hに引き上げ、東京駅 - 新大阪駅間「ひかり」2時間56分運転とする。

JR東海発足以後

  • 1987年(昭和62年)
    • 4月1日国鉄分割民営化により当新幹線の運営をJR東海が継承。
    • 6月:東京駅において「JR東海バースデーフェスタ」を開催。
  • 1988年(昭和63年)3月13日新富士駅掛川駅三河安城駅開業。JR移行後初のダイヤ改正を実施。東京駅 - 新大阪駅間最終の「ひかり」2時間49分で運転。カフェテリア営業開始。
  • 1989年(平成元年)
    • 3月11日7-4ダイヤ 「ひかり」増発。2階建て車両4両の「グランドひかり」登場。
    • 4月29日:「こだま」は再び16両に。「こだま」指定席車両を「2&2シート」改造実施(1990年度中に完了)。
  • 1992年(平成4年)
    • 2月:100系の新造投入を終了し、300系の新造投入が始まる。
    • 3月14日:300系「のぞみ」1日2往復登場。最高速度270km/h、東京駅 - 新大阪駅間2時間30分運転。朝の下り301号は新横浜駅停車、名古屋駅・京都駅通過。8-3ダイヤ 日中の「ひかり」増発、日中の東京駅 - 三島駅間「こだま」設定廃止。
  • 1993年(平成5年)3月18日1-7-3ダイヤ 「のぞみ」毎時1本、博多へ直通運転開始。「ひかり」1本を「のぞみ」に置き換え。
  • 1995年(平成7年)12月27日:三島駅で乗客の転落死亡事故発生。(三島駅乗客転落事故を参照)。
  • 1996年(平成8年)3月16日2-7-3ダイヤ 「のぞみ」東京駅 - 新大阪駅間で続行便を設定。米原駅停車の「ひかり」を岐阜羽島駅にも停車、東京駅 - 新大阪駅間「こだま」の一部を名古屋駅止まりとする。同「ひかり」には300系を限定使用し、その性能を活かし所要時間の増加を抑える。また、このころから昼間の「こだま」に100系が使われるようになる。
  • 1997年(平成9年)11月29日:500系「のぞみ」東海道新幹線に乗り入れ開始。米原駅・岐阜羽島駅停車の「ひかり」に加えて、静岡駅停車の「ひかり」にも300系を使用。朝の下り名古屋駅・京都駅通過の「のぞみ」廃止。
  • 1998年(平成10年)10月:300系の新造投入を終了。
  • 1999年(平成11年)
    • 3月13日:700系「のぞみ」登場。このころから山陽直通「ひかり」にも300系を投入。
    • 9月18日:0系さよなら運転が行われ、東海道新幹線での運転終了。
    • 10月1日:2階建て車両2両食堂車付きの100系X編成定期運用終了。
  • 2000年(平成12年)3月10日:食堂車・ビュッフェがこの日を最後に営業終了。
  • 2001年(平成13年)
    • 2月:昼間の「こだま」に300系が使われるようになる。
    • 10月1日:東京駅 - 新大阪駅間の「ひかり」1本を「のぞみ」に置き換えることで「のぞみ」30分間隔に、3-6-3ダイヤ移行。この改正で100系が東京発着の「ひかり」から撤退。
  • 2002年(平成14年)5月7日:博多駅から名古屋駅へ向けて営業運転中の「ひかり」に散弾銃が撃ち込まれる。
  • 2003年(平成15年)9月16日:100系さよなら運転が行われ、東海道新幹線での運転終了。カフェテリアも廃止。

品川駅開業以後

  • 2003年(平成15年)10月1日:7-2-3ダイヤ 品川駅開業。それに伴う大規模なダイヤ改正を実施し、「のぞみ」を主体とするダイヤに。この改正で東京発の列車は品川駅か新横浜駅の片方には必ず停車することになり、開業以来設定されていた東京駅 - 名古屋駅間ノンストップの列車はなくなった。この改正でのぞみ・ひかりで営業していたサービスコーナーが営業中止になり、新幹線車内での車内販売以外での供食営業が完全に消えた。また、「ひかり」の停車本数が小田原駅・三島駅で6本から12本、浜松駅で16本から26本、豊橋駅で6本から16本に増加した[43]
  • 2004年(平成16年)6月21日:米原駅 - 京都駅間で沿線のホテルの屋根が台風6号の強風で飛ばされ架線を切断。約7時間不通となる。
  • 2005年(平成17年)3月1日8-2-2 (3) ダイヤ 運用実績の少なかった予定臨時「こだま」ダイヤを廃止し「のぞみ」に置き換え、「のぞみ」の品川駅への停車列車を増加。朝の上りと夜の下りは1時間あたり最大13本運転に。
  • 2006年(平成18年)3月18日:デジタル式ATC-NS導入。
  • 2007年(平成19年)7月1日:N700系が運用開始。東京駅 - 新大阪駅間最短2時間25分に。また、この改正で初の品川始発列車として品川6時発の「のぞみ」99号博多行きが運転開始。朝の新横浜駅停車の「のぞみ」と「ひかり」が増加。
  • 2008年(平成20年)3月15日:毎時2本の博多直通の「のぞみ」のうち1本がN700系での運転に。すべての東海道新幹線の列車が品川駅・新横浜駅停車となる。新横浜始発広島行きの「ひかり」新設。 また東京駅 - 岡山駅間と東京駅 - 新大阪駅間で運転されている「ひかり」の停車駅パターンを入れ替え、小田原駅で12本から15本、静岡駅で34本から37本、浜松駅で26本から34本、豊橋駅で16本から18本と「ひかり」の停車本数が増加した。また、昼間の「こだま」に700系が使われるようになる。
  • 2009年(平成21年)3月14日:9-2-2ダイヤ 「のぞみ」がラッシュ時で最大9本、昼間の定期列車毎時4本運転に増発。新たに広島発着ののぞみがN700系での運転となり、毎時2本の「のぞみ」がN700系での運転となる。下り新大阪行きは毎時00分に発車となる(東京駅から昼間の定期列車が毎時ジャストタイムに発車するのは1996年3月15日まで運行された「ひかり」以来13年ぶり)。名古屋6:20発東京行きの「ひかり」がN700系の運行となる。また、逆方向の「ひかり」もN700系の運行となる。この「ひかり」2本は広島発着となる。また、「こだま」が増発される。そのうち東京22時47分発「こだま809号」三島行きおよび浜松6時46分発「こだま706号」東京行きがN700系での運用となる。
    • ダイヤ改正と同時にN700系車内でのインターネット接続サービス開始。
  • 2010年(平成22年)
    • 1月29日:新横浜駅 - 小田原駅間で「こだま659号」(300系)通過後に架線が切れて停電し、全線で運休。運転を再開するまで約3時間を要する。この事故の影響で56本の列車が運休し、約14万8000人の足に影響が出る。原因は「こだま659号」に使用した編成が1月27日の仕業検査で12号車パンタグラフ舟板取替実施の際に上枠のボルト4本を閉め忘れたことと判明。同日に山田佳臣副社長(当時)が4月から社長へ就任することについての記者会見が行われた。
    • 2月28日:500系の東京乗り入れ運用が終了する。
    • 3月13日:ダイヤ改正実施。山陽新幹線に直通する定期の「のぞみ」すべてがN700系で運用。

東海道新幹線を取り巻く状況の推移

今後の予定

インフラ面においては、電源設備増強工事(2009年春完成)、新大阪駅のホーム増設(新27番線ホームの新設、2012年度末使用開始予定)や引き上げ線増設(2013年度中使用開始予定)などの改良工事が計画・実施されており、輸送基盤を強化する予定である。新大阪駅の改良工事が完了した後は東海道新幹線で1時間あたり最大10本の「のぞみ」が運転可能になる。

車両運用面においては、2010年(平成22年)の春のダイヤ改正で山陽新幹線直通の「のぞみ」がすべてN700系で運転されるようになったが、これに加え、JR東海の葛西敬之会長が東京都内で行われた講演において、その他の車両の置き換えも逐次進めて使用車両をN700系と700系に統一させる考えを示すとともに、N700系で運転される列車については現在270km/hとなっている最高速度を京都駅 - 米原駅間は330km/hに、半径2500mの曲線区間では280km/hに、そのほかの区間は山陽新幹線と同じ300km/hにそれぞれ引き上げる目標があることを明らかにした[44]。米原駅 - 京都駅間の直線が長い一部区間を対象に、N700系の「のぞみ」を330km/hで営業運転することを検討している[45]。2009年(平成21年)11月16日には、JR東海主催の「高速鉄道シンポジウム」に参加した各国の政府関係者が乗車した試験列車の米原駅 - 京都駅間で、330km/h運転が行われた[46]

エピソード

初列車

1964年(昭和39年)10月1日の開業初日に、上り初列車ひかり2号(新大阪午前6時発)の乗客がビュッフェ車にあった速度計の周辺に集まったため、運転士の大石和太郎は張り切りすぎて、直線区間では最高速度210km/hで連続運転した。しかし開業当時は相当に余裕のあるダイヤだったため、新横浜駅を所定より5分も早く通過してしまった。終点の東京には定刻通りの到着を命じられていたため、現在の品川駅付近 - 東京駅間では山手線に抜かされてしまうほど速度を低くしなければならなかったという逸話が残っている。

また初日に起きたアクシデントとしては、ひかり6号が名古屋駅についた際ドアが閉まらず10分遅れになったり、ひかり14号が鳥飼の車両基地を出た際にパンタグラフの不具合が発生し新大阪駅の出発が20分遅れた、などがある[47]

地名

静岡県田方郡函南町には「新幹線」という地名が存在する。これは戦後の新幹線計画からの地名でなく、戦前の弾丸列車計画時代に新丹那トンネルの工事を行うための従業員宿舎が置かれた場所である。工事終了後、従業員宿舎は撤去されたが、その後同地に住宅団地が作られ「新幹線」という地区が生まれることとなった。同地区には新幹線公民館や「幹線下」という名のバス停も存在する。

東京都国分寺市鉄道総合技術研究所のある場所の地名は「光町」である。新幹線開発を記念し、東海道新幹線の列車愛称「ひかり」から付けられたという。

岐阜羽島駅

一般には大野伴睦による政治駅であり、この位置に駅を作るためにルートを曲げたとまで言われるが、実際は地元自治体から要請されている岐阜市を通ると大きく迂回することになるので国鉄側は難色を示し、妥協案として大野伴睦の仲介で岐阜羽島駅を作ることが決まったというのが真相である。雪害等、輸送障害が予想される区間の前後には停車場を配置する計画を立てるのはごく当たり前のことであって、それをうまく利用して相手の顔を立てたのだという関係者の証言を、当時新幹線総局に勤務していた斎藤雅男の著書で読むことができる。

京都駅

弾丸列車計画時代から京都市周辺のルートは様々な案が考えられていたが、東海道新幹線建設計画時点では京都駅を経由せずに京都府南部に新駅を設置し(京都市伏見区から宇治市あたりに想定されていた)、その新駅には『超特急(後のひかり)』は停車しない案が有力視されていたが、京都市などの地元市町村や地元財界などがこれに猛反発した結果、国鉄側が全面的に折れる形で地元側の要求通りに現在のルートへの変更および『ひかり』の全列車停車に至った経緯があった。

新幹線の線路を先に走った阪急電車

京都駅 - 新大阪駅間の一部で、東海道新幹線は阪急京都線と高架で並行している。新幹線の建設に際し、元は高架ではなかった阪急線の東側にほぼ並行して新幹線の高架を建設することになったのだが、淀川沿いで脆弱な地盤ということもあって、工事で阪急線が地盤沈下する可能性があった(高速運転を行っていた阪急が、高架側から踏切に進入する人や車の見通しが悪くなることを嫌ったという理由を示した本もある)。そのため、阪急線の高架化工事(大山崎駅 - 上牧駅間)も同時に施工し、並行させることになった。

その過程で、東海道新幹線の開業前の1963年(昭和38年)4月 - 12月の間、先に完成していた東海道新幹線の高架線路を阪急線工事中の仮線として用いて、仮設の駅ホームも設置して暫定的に阪急電鉄(当時は京阪神急行電鉄)の車両を走らせていた。これは阪急電鉄の路線が、新幹線と同様の標準軌だからこそなしえたことであった。

よって新幹線の「線路」を走った初の営業列車は、阪急京都線の列車となる。

この時期に同線に乗車した川島令三の証言によれば、初期のうちは地盤が固まっていないため減速運転を行っていたものの、後期になると京都線の最高速度である110km/hで走行するようになったとされている。

その後、阪急線用の高架線路も完成したことから、それぞれの線路は本来の目的に使われるようになった。

食堂車と富士山

山陽新幹線博多開業時にはそれまでのビュフェ車に加えて食堂車が導入されることとなった。食堂利用客と車内通過客との分離を図る観点から仕切り壁によって山側に通路を設けることとなったが、当初仕切り壁には窓が設置されていなかった。このため1974年(昭和49年)9月5日に行われた導入発表時の記者会見でも記者より「食堂車からは富士山が見えないのでは?」との質問がでたが、これに対し「多分、少しは見えるはずです」と回答したため『見える・見えない』と論争となった。

その後博多開業直前の1975年(昭和50年)に行われた直通運転試運転(1月20日 - 1月23日)で同乗した記者陣が安倍川鉄橋付近で視認するという一幕があり、わずかながらでも海側から富士山が見られる(車窓に張り付いて東京寄り先頭車の先に見るというかなり苦しい状態で、在来線の東海道本線のように左右に移り変わるというものではない)ことが確認されたが、開業後利用者から「車窓から富士山が見えない」というクレームが相次いだため、1979年(昭和54年)から仕切り壁に窓を設置する改造(通称「マウント富士」)が行なわれることとなった。

発車メロディ

2008年(平成20年)9月下旬より、東京駅の14・15番線において、2003年(平成15年)11月まで使われていた「のぞみ」の始発駅・終着駅到着前の車内チャイム発車メロディとして使用開始した。313系の車外メロディを除けば、JR東海では初の発車メロディ導入となる。

2009年(平成21年)現在、東京駅東海道新幹線のすべてのホームで、この発車メロディが使用されている。

メディアへの露出

広告

国鉄の分割民営化後、東海道新幹線がJR東海の重要な収益源となったこともあり、JR東海は全国向けに『シンデレラ・エクスプレス』をはじめとする「エクスプレス」シリーズとして東海道新幹線のイメージ広告を展開した。1987年から1992年までの間に以下のシリーズが作成されている。各CMの詳細はそれぞれの項目を参照のこと。

また、2003年(平成15年)の品川駅開業時には『AMBITIOUS JAPAN!』と銘打って久々に全国的キャンペーンを展開。車内チャイムの変更やJR東海所有の700系の先頭車にキャンペーンロゴを掲出するなど、メディアにとどまらない広告戦略がとられた。

また、東海道新幹線とは特定されていないものの、1993年(平成5年)からJR東海が展開する『そうだ 京都、行こう。』キャンペーンも首都圏を中心に東海道新幹線を強く意識させているキャンペーンであるといえよう。

テレビドラマ

東海道新幹線が主な舞台となったドラマも複数制作・放映されている。

発行物

  • 1964年(昭和39年)10月1日、東海道新幹線開通記念の額面10円の切手が発行された。

付記

路線形態詳細

過去のダイヤパターンと停車駅

1964年10月1日

1-1ダイヤ[48]。この日、東海道新幹線が開業した。

浜松駅で「こだま」が「ひかり」を待避する。

下りのみ
種別 東京駅
発車時刻
東京 新横浜 小田原 熱海 静岡 浜松 豊橋 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
ひかり 00分 00分
こだま 30分 30分
  • ● : 停車、→ : 通過

1965年10月1日

暫定2-2ダイヤ。ひかり・こだまともに毎時2本に増発される。こだまの待避回数が暫定的に2回となる。ただし東京駅、新大阪駅発車の時刻は下記の正式な2-2ダイヤと同じである。

1965年11月1日

2-2ダイヤ[49]。毎時4本に増便。ひかりの所要時間を4時間から3時間10分に、こだまの所要時間を5時間から4時間に短縮。

静岡駅で「こだま」が「ひかり」を待避する(暫定2-2ダイヤで実施されていた2回の待避を1回に減らす)。

下りのみ
種別 東京駅
発車時刻
東京 新横浜 小田原 熱海 静岡 浜松 豊橋 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
ひかり 00分 10分
こだま 05分 05分
ひかり 30分 40分
こだま 35分 35分
  • ● : 停車、→ : 通過

1967年10月1日

3-3ダイヤ[50]。7 - 8時台と17 - 18時台にひかり・こだまがともに20分間隔。それ以外は従来の2-2ダイヤ(30分間隔)で運転。

静岡駅と岐阜羽島駅で「こだま」が「ひかり」を待避。

1969年4月の三島駅開設以降は、「こだま」の東京駅の発車時刻を10分早め(05, 25, 45分→55, 15, 35分)新横浜駅で後続の「ひかり」を待避する様に変更。三島駅以西のダイヤは変更なし。

下りのみ
種別 東京駅
発車時刻
東京 新横浜 小田原 熱海 静岡 浜松 豊橋 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
ひかり 00分 10分
こだま 05分 05分
ひかり 20分 30分
こだま 25分 25分
ひかり 40分 50分
こだま 45分 45分
  • ● : 停車、→ : 通過

1969年10月1日

3-6ダイヤ[51]。こだまが1時間あたり3本から6本に倍増。

東京駅を10,30,50分に発車する「こだま」は小田原駅、静岡駅、岐阜羽島駅で、15,35,55分に発車する「こだま」は新横浜駅、三島駅、豊橋駅で「ひかり」を待避する。

下りのみ
種別 東京駅
発車時刻
東京 新横浜 小田原 熱海 三島 静岡 浜松 豊橋 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
ひかり 00分 10分
こだま 10分 20分
こだま◆ 15分 25分
ひかり 20分 30分
こだま 30分 40分
こだま◆ 35分 45分
ひかり 40分 50分
こだま 50分 00分
こだま◆ 55分 05分
  • ●:停車、→:通過、◆:臨時列車(時間帯によっては定期列車となる場合がある)
  • 三島駅開業により、こだまの東京駅 - 新大阪駅間の所要時間が10分延び、4時間10分になる。

1972年3月15日

4-4ダイヤ[52]。山陽新幹線が岡山まで暫定開業し、1時間当たりひかり2 - 3本が東海道・山陽両新幹線を直通。

下りのみ
種別 東京駅
発車時刻
東京 新横浜 小田原 熱海 三島 静岡 浜松 豊橋 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
終着
ひかり 00分 10分 岡山
こだま 05分 15分 新大阪
ひかり 15分 25分 新大阪(一部岡山)
こだま 20分 30分 新大阪
ひかり 30分 40分 岡山
こだま 35分 45分 新大阪
ひかり 45分 55分 新大阪
こだま 50分 00分 新大阪
  • ● : 停車 → : 通過
  • 00分発のひかりは山陽新幹線内は速達(新大阪駅 - 岡山駅間ノンストップ、あるいは新神戸駅・姫路駅のみ停車)、30分発のひかりは山陽新幹線内は各駅に停車。45分発のひかりは大半が臨時列車として運転。
  • こだまは小田原駅・静岡駅・豊橋駅・米原駅の各駅でひかりを待避。
  • 同年10月10日に、米原駅が「ひかり」の停車駅に追加された。

1975年3月10日

変則4-4ダイヤ[53]。5-5ダイヤから1本ずつの「ひかり」と「こだま」を間引いた形とした。山陽新幹線が博多まで開業し、1時間当たり「ひかり」2 - 3本が東海道・山陽両新幹線を直通。

下りのみ
種別 東京駅
発車時刻
東京 新横浜 小田原 熱海 三島 静岡 浜松 豊橋 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
終着
ひかり 00分 10分 博多
こだま 04分 (三島06分) 三島
ひかり 12分 22分 新大阪(一部岡山)
こだま 16分 30分 新大阪
ひかり 24分 34分 岡山
こだま◆ 28分 42分 三島・名古屋・新大阪
こだま 40分 54分 新大阪
ひかり 48分 58分 博多
こだま◆ 52分 06分 新大阪
  • ●:停車、→:通過、◆:臨時列車(時間帯によっては定期列車となる場合がある)
  • 00分発の「ひかり」は山陽新幹線内は速達型(岡山駅・広島駅・小倉駅のみ停車)であり、12分発の「ひかり」は新神戸駅・姫路駅に停車、24分発の「ひかり」は山陽新幹線内は各駅に停車、48分発の「ひかり」は岡山駅までノンストップもしくは新神戸駅・姫路駅に停車し、岡山駅以西各駅に停車。
  • 「ひかり190号」から「ひかり195号」までの計6本が米原駅に停車。

1976年7月1日

5-5ダイヤ[54]。新横浜と静岡に「ひかり」が1往復停車を開始。1時間当たり「ひかり」3 - 4本が東海道・山陽両新幹線を直通。

下りのみ
種別 東京駅
発車時刻
東京 新横浜 小田原 熱海 三島 静岡 浜松 豊橋 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
終着
ひかり 00分 10分 博多
こだま◆ 04分 (三島06分) 三島
ひかり 12分 22分 博多
こだま 16分 30分 新大阪
ひかり 24分 34分 広島
こだま◆ 28分 42分 三島・名古屋・新大阪
ひかり 36分 48分 岡山
こだま 40分 54分 新大阪
ひかり◆ 48分 58分 新大阪・岡山・広島
こだま◆ 52分 06分 名古屋・新大阪
  • ●:停車、→:通過、◆:臨時列車(時間帯によっては定期列車となる場合がある)
  • 00分発の「ひかり」は山陽新幹線内は速達型(岡山駅・広島駅・小倉駅のみ停車)であり、12分発の「ひかり」は新神戸駅・姫路駅・岡山駅・福山駅・広島駅からの各駅に停車、24分発の「ひかり」は山陽新幹線内は各駅に停車、36分発の「ひかり」は新神戸駅・姫路駅に停車、48分発の「ひかり」は新大阪止まり、岡山駅までノンストップもしくは広島駅まで各駅に停車。
  • 「ひかり180号」から「ひかり183号」と「ひかり190号」「ひかり191号」の計6本が米原駅に停車。
  • 「ひかり190号」と「ひかり191号」の計2本が新横浜駅と静岡駅に停車。

1993年3月18日

1-7-3ダイヤ[55]。この日のダイヤ改正で、「ひかり」を1時間に1本置き換える形で「のぞみ」が東京駅 - 博多駅間において運転を開始した。「のぞみ」は静岡駅と米原駅で「ひかり」を追い抜く。

下りのみ
種別 東京駅
発車時刻
東京 新横浜 小田原 熱海 三島 新富士 静岡 掛川 浜松 豊橋 三河安城 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
終着
ひかり 00分 53分 新大阪
こだま 03分 23分 新大阪
ひかり 07分 04分 広島・博多
ひかり◆ 14分 07分 新大阪
ひかり◆ 21分 17分 新大阪・博多
ひかり◆ 24・28分 20分 新大阪*1
ひかり 31分 36分 新大阪・岡山
こだま 35分 43分 新大阪
ひかり 42分 50分 岡山・広島
こだま◆ 45分 名古屋(43分着)
のぞみ 56分 26分 博多
  • ●:停車 ▲:この駅のうち0 - 2駅に停車 →:通過
  • *1:新横浜駅に停車する場合は東京24分発、通過する場合なら28分発。

1996年3月16日

続行1-7-3ダイヤ[56]。この日のダイヤ改正で「のぞみ」の運転本数が1時間に1本から最大2本へと増加した。

下りのみ
種別 東京駅
発車時刻
東京 新横浜 小田原 熱海 三島 新富士 静岡 掛川 浜松 豊橋 三河安城 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
終着
のぞみ◆ 00分 30分 新大阪
ひかり 03分 57分 新大阪
ひかり 07分 04分 博多
こだま 10分 20分 新大阪
ひかり◆ 14分 10分 新大阪・博多
ひかり◆ 21分 17分 新大阪
ひかり◆ 24・28分 23分 新大阪*1
こだま 31・35分 名古屋*2(24分着 「ひかり※」に接続)
ひかり※ 35・31分 39分 新大阪・岡山・広島
ひかり 42分 54分 岡山
こだま◆ 45分 名古屋(46分着)
のぞみ 56分 26分 博多
  • ●:停車 ▲:この駅のうち0 - 2駅に停車 →:通過 ◆:臨時列車(臨時列車は時間帯によっては定期列車となる場合がある)
  • *1:新横浜駅に停車する場合、東京駅は24分発、停車しない場合は28分発。
  • *2:「ひかり※」が小田原駅に停車しない場合、東京駅は31分発、停車する場合は35分発。
  • ひかり※:新幹線300系電車(のぞみ型車両)で運転。最高速度270km/h。小田原駅に停車しない場合は東京駅は35分発、停車する場合は31分発。

2001年10月1日

3-6-3ダイヤ。この日のダイヤ改正で東京駅 - 新大阪駅間の「ひかり」1本を「のぞみ」に置き換え「のぞみ」は約30分間隔になった。

下りのみ
種別 東京駅
発車時刻
東京 新横浜 小田原 熱海 三島 新富士 静岡 掛川 浜松 豊橋 三河安城 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
終着
のぞみ◆ 00分 30分 新大阪
ひかり 03分 03分 広島(博多)
ひかり◆ 10分 10分 新大阪・博多
こだま 13分 19分 新大阪
のぞみ 20分 53分 新大阪
ひかり◆ 26分 16分 新大阪
ひかり◆ 30分 23分 新大阪
こだま 33・37分 名古屋*(24分着 「ひかり※」に接続)
ひかり※ 37・33分 40分 新大阪・岡山・博多
こだま◆ 43分 名古屋(45分着)
ひかり 46分 46分 岡山
のぞみ 53分 26分 博多
  • ●:停車 ▲:この駅のうち0 - 2駅に停車 →:通過 ◆:臨時列車(臨時列車は時間帯によっては定期列車となる場合がある)
  • *:「ひかり※」が小田原駅に停車しない場合は東京駅は33分発、停車する場合は37分発。
  • ひかり※:小田原駅に停車しない場合は東京駅は37分発、停車する場合は33分発。

2003年10月1日

7-2-3ダイヤ。この日のダイヤ改正で品川駅が開業し、「のぞみ」主体のダイヤとなり全列車の最高速度が270km/hに統一された。

下り
種別 東京駅
発車時刻
東京 品川 新横浜 小田原 熱海 三島 新富士 静岡 掛川 浜松 豊橋 三河安城 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
終着
のぞみ◆ 03分 40分 新大阪
ひかり 06・10分 59・56分 新大阪*1
こだま◆ 10・06分 13分 名古屋・新大阪
のぞみ 13分 49分 新大阪・岡山・博多※
こだま 23分 (岡山行き「ひかり」接続) 名古屋
のぞみ◆ 26分 02分 新大阪
のぞみ 33分 09分 広島◆博多
ひかり 36・40分 36分 岡山*2
のぞみ◆ 46分 20分 新大阪
のぞみ 50分 27分 博多
のぞみ◆ 53分 30分 新大阪・博多
こだま 56分 56・59分 新大阪*3
上り
種別 始発 新大阪駅
発車時刻
新大阪 京都 米原 岐阜羽島 名古屋 三河安城 豊橋 浜松 掛川 静岡 新富士 三島 熱海 小田原 新横浜 品川 東京
こだま◆ 新大阪・名古屋 05分
のぞみ 博多◆・広島 10分
のぞみ◆ 新大阪 17分
ひかり 新大阪 20・23分
こだま 新大阪 23・20分
のぞみ 博多・岡山・新大阪※ 30分
のぞみ◆ 新大阪 40分
ひかり 岡山 43分
こだま 名古屋 (岡山発「ひかり」接続)
のぞみ◆ 博多・新大阪 49分
のぞみ 博多 53分
のぞみ◆ 新大阪 59分
  • ●:停車 ▲:この駅のうち0 - 2駅に停車 →:通過 ◆:臨時列車、または臨時延長(臨時列車は、時間帯によっては定期列車となる場合がある)
  • ※:4時間周期で、新大阪発着→岡山発着→新大阪発着→博多発着→…と発着駅が変わる。
  • *1:熱海・三島のうち両方とも通過の場合、東京駅は10分発、どちらか1駅停車なら06分発。浜松に停車する場合、新大阪駅は59分着、そうでないなら56分発。
  • *2:▲のどちらかの駅に停車する場合は36分発、どちらにも停車しない場合は40分発。
  • *3:*1の「ひかり」が浜松駅に停車する場合、新大阪駅は56分着、停車しない場合は59分着。

2005年3月1日

8-2-2(3)ダイヤ

下り
種別 東京駅
発車時刻
東京 品川 新横浜 小田原 熱海 三島 新富士 静岡 掛川 浜松 豊橋 三河安城 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
終着
のぞみ◆ 03分 40分 新大阪
ひかり 06分 59分 新大阪
こだま◆ 10分 東京発 18時台(毎日)・19時台(金曜)のみ運転 三島
のぞみ 13分 49分 博多
のぞみ◆ 20分 53分 新大阪
こだま 23分 (岡山行「ひかり」接続) 名古屋
のぞみ◆ 26分 02分 新大阪
のぞみ 33分 09分 岡山(※広島)
ひかり 36・40分 36分 岡山*1
のぞみ◆ 46分 19分 新大阪
のぞみ 50分 27分 博多
のぞみ◆ 53分 30分 新大阪・博多
こだま 56分 56分 新大阪
上り
種別 始発 新大阪駅
発車時刻
新大阪 京都 米原 岐阜羽島 名古屋 三河安城 豊橋 浜松 掛川 静岡 新富士 三島 熱海 小田原 新横浜 品川 東京 東京駅
到着時刻
のぞみ (※広島)岡山 10分 46分
のぞみ◆ 新大阪 16分 53分
ひかり 新大阪(※岡山) 19分 13分
こだま 新大阪 23分 23分
のぞみ◆ 新大阪 27分 00分
のぞみ 博多 30分 06分
のぞみ◆ 新大阪 40分 16分
ひかり 岡山(※新大阪) 43分 39・43分*2
こだま 名古屋 (岡山発「ひかり」接続) 56分
のぞみ◆ 博多・新大阪 49分 26分
のぞみ 博多 53分 30分
のぞみ◆ 新大阪 59分 33分
  • ●:停車 ▲:この駅のうち0 - 2駅に停車 →:通過 ◆:臨時列車または臨時延長(臨時列車は時間帯によっては定期列車となる場合がある)
  • ※:朝夕など( )内の駅まで(から)の運行となる場合がある。
  • *1:▲のどちらかの駅に停車する場合、東京駅は36分発、どちらにも停車しない場合は40分発。
  • *2:▲のどちらかの駅に停車する場合、東京駅は39分着、どちらにも停車しない場合は43分着。

2008年3月15日

8-2-2ダイヤ。朝の上りと夜の下りには、1時間あたり「のぞみ」8本・「ひかり」2本・「こだま」2本の最大12本が運転される日もある。

この改正での大きな特徴は以下の通りである。

  • 全列車が品川駅・新横浜駅に停車するようになった。
  • 「N700系のぞみ」を東京駅 - 博多駅間の「のぞみ」に毎時1本に設定(時間帯によっては2本以上)。また、朝夕の列車を中心にN700系投入列車を増やした。
  • 「ひかり」の停車パターンを見直し、東京駅 - 新大阪駅間・東京駅 - 岡山駅間の、東海道新幹線内における停車パターンを入れ替えた。
下り
種別 東京駅
発車時刻
東京 品川 新横浜 小田原 熱海 三島 新富士 静岡 掛川 浜松 豊橋 三河安城 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
終着
のぞみ◆ 00分 36分 新大阪
ひかり 03分 03分 岡山(※姫路)
のぞみ 10分 N700系 43分 博多
のぞみ◆ 13分 50分 新大阪・岡山・博多
のぞみ◆ 20分 56分 新大阪
こだま 26分 (新大阪行「ひかり」接続) 名古屋
のぞみ 30分 06分 博多
ひかり 33分 30分 新大阪
のぞみ◆ 40分 16分 新大阪
のぞみ◆ 47分 23分 新大阪
のぞみ 50分 26分 広島
こだま 56分 53分 新大阪
上り
種別 始発 新大阪駅
発車時刻
新大阪 京都 米原 岐阜羽島 名古屋 三河安城 豊橋 浜松 掛川 静岡 新富士 三島 熱海 小田原 新横浜 品川 東京 東京駅
到着時刻
のぞみ 博多 00分 N700系 33分
のぞみ◆ 新大阪 07分 43分
ひかり 新大阪(※三原・岡山) 13分 10分
こだま 名古屋 (新大阪発「ひかり」接続) 17分
のぞみ 広島 17分 53分
のぞみ◆ 新大阪 20分 56分
のぞみ◆ 新大阪 27分 03分
のぞみ 博多 37分 13分
ひかり 岡山(※新大阪) 40分 40分
のぞみ◆ 新大阪 47分 23分
こだま 新大阪 50分 47分
のぞみ◆ 博多・岡山・新大阪 53分 30分
  • ●:停車 ▲:この駅のうち0 - 2駅に停車 →:通過 ◆:臨時列車または臨時延長(臨時列車は時間帯によっては定期列車となる場合がある)
  • ※:朝夕など( )内の駅まで(から)の運行となる場合がある。

2009年3月14日

9-2-2ダイヤ。朝の上りと夜の下りには、1時間あたり「のぞみ」9本・「ひかり」2本・「こだま」2本の最大13本が運転される日もある。

この改正での大きな特徴は以下の通りである。

  • N700系の「のぞみ」を東京駅 - 博多駅間と東京駅 - 広島駅間の「のぞみ」に毎時1本ずつの計2本に設定(時間帯によっては3本以上)。また、朝夕の列車を中心にN700系で運転する列車を増やした。
下り
種別 東京駅
発車時刻
東京 品川 新横浜 小田原 熱海 三島 新富士 静岡 掛川 浜松 豊橋 三河安城 名古屋 岐阜羽島 米原 京都 新大阪 新大阪駅
到着時刻
終着
のぞみ (N) 00分 36分 新大阪
ひかり 03分 03分 岡山(※姫路)
のぞみ (N) 10分 43分 博多
のぞみ◆ 13分 50分 新大阪・岡山・博多
のぞみ◆ 20分 56分 新大阪
のぞみ◆ 23分 00分 新大阪
こだま 26分 (新大阪行き「ひかり」接続) 名古屋
のぞみ 30分 06分 博多
ひかり 33分 30分 新大阪
のぞみ◆ 40分 16分 新大阪
のぞみ◆ 47分 23分 新大阪
のぞみ (N) 50分 26分 広島
こだま 56分 53分 新大阪
上り
種別 始発 新大阪駅
発車時刻
新大阪 京都 米原 岐阜羽島 名古屋 三河安城 豊橋 浜松 掛川 静岡 新富士 三島 熱海 小田原 新横浜 品川 東京 東京駅
到着時刻
のぞみ (N) 博多 00分 33分
のぞみ◆ 新大阪 07分 43分
ひかり 新大阪(※三原・岡山) 13分 10分
こだま 名古屋 (新大阪発「ひかり」接続) 17分
のぞみ (N) 広島 17分 53分
のぞみ◆ 新大阪 20分 56分
のぞみ◆ 新大阪 27分 03分
のぞみ 博多 37分 13分
ひかり 岡山(※新大阪) 40分 40分
のぞみ◆ 新大阪 43分 20分
のぞみ 新大阪 47分 23分
こだま 新大阪 50分 47分
のぞみ◆ 博多・岡山・新大阪 53分 30分

凡例

  • ●:停車 、▲:この駅のうち0 - 2駅に停車、→:通過、◆:臨時列車または臨時延長(臨時列車は時間帯によっては定期列車となる場合がある)
  • (N) :N700系
  • ※:朝夕など( )内の駅まで(から)の運行となる場合がある。

過去の号数の振り方

1964年10月1日

  • ひかり(全列車東京駅 - 新大阪駅間運転)
    • 東京駅 - 新大阪駅間:1 - 28号
  • こだま
    • 東京駅 - 新大阪駅間:101 - 124号
    • 東京駅 - 名古屋駅間:201, 204号
    • 東京駅 - 静岡駅間:202, 203号(定期)、372号(臨時、静岡発)
    • 静岡駅 - 新大阪駅間:206, 207号
    • 名古屋駅 - 新大阪駅間:205, 208号

1967年10月1日

※以降は臨時列車

  • ひかり
    • 東京駅 - 新大阪駅間:1 - 50号、※301 - 312・331・332号
      • 8・9号は休日運休、42・43号は土曜・休日運休
    • 東京駅 - 名古屋駅間:61・62号
  • こだま
    • 東京駅 - 新大阪駅間:101 - 142号、※191 - 195・351 - 356・382・391 - 394・422号
      • 391 - 394号は団体輸送優先
    • 東京駅 - 京都駅間:※424号(上りのみ)
    • 東京駅 - 名古屋駅間:201 - 208号、※361・362号
    • 東京駅 - 静岡駅間:221 - 224号
    • 東京駅 - 熱海駅間:※241 - 246・483号
    • 静岡駅 - 新大阪駅間:291 - 294号
    • 名古屋駅 - 新大阪駅間:271・272号

1972年3月15日

下記は定期列車のみ。

  • ひかり
    • 東京駅 - 岡山駅間:山陽新幹線(新大阪駅 - 岡山駅間)の停車駅で分類
      • ノンストップ:1 - 8号
      • 新神戸駅・姫路駅停車:23 - 44号
      • 全駅停車:51 - 78号
    • 東京駅 - 新大阪駅間:301 - 345号
  • こだま
    • 東京駅 - 新大阪駅間:101 - 186号
    • 東京駅 - 名古屋駅間:201 - 204号
    • 東京駅 - 静岡駅間:221 - 224・226号
    • 東京駅 - 三島駅間:231 - 233号
    • 三島駅 - 新大阪駅間:262・263号
    • 静岡駅 - 岡山駅間:261・264号
    • 名古屋駅 - 岡山駅間:271・272号
    • 新大阪駅 - 岡山駅間:281 - 284号

臨時列車はひかり・こだまともに400番台(一部は500番台)。 ただし、東京駅 - 名古屋駅間のこだまは211 - 220号(219号は新大阪行き)、東京駅 - 三島駅間のこだまは241 - 250号。

1994年12月3日

  • のぞみ
    • 東京駅 - 博多駅間:1 - 29号(2号・29号のみ東京駅 - 広島駅間)
    • 東京駅 - 新大阪駅間:定期列車は301 - 306号(305号のみ東京駅 - 名古屋駅間)、臨時列車は308号
  • ひかり
    • 東京駅 - 博多駅間:定期列車は30 - 57号、臨時列車は64・66 - 77・79号
    • 名古屋駅 - 博多駅間:59 - 63号
    • 東京駅 - 広島駅間:80 - 96号
    • 東京駅 - 岡山駅間:100 - 127号(126・127号のみ東京駅 - 姫路駅間)
    • 東京駅 - 新大阪駅間:定期列車は200 - 281・283号、臨時列車は310 - 337・339号
    • 東京駅 - 名古屋駅間:350 - 353号
  • こだま
    • 東京駅 - 名古屋駅・新大阪駅間:400号台
    • 静岡駅 - 岡山駅間:492・493号
    • 名古屋駅 - 広島駅間:494号
    • 静岡駅 - 新大阪駅間:495号
    • 三島駅 - 新大阪駅間:490・497号
    • 東京駅 - 三島駅・静岡駅・浜松駅間:510 - 524・526号

1997年11月29日

  • のぞみ
    • 東京 - 博多間 : 1 - 29号(2号・29号のみ東京 - 広島間)
    • 東京 - 新大阪間 : 40 - 69・71号
    • 東京 - 名古屋間 : 73号(土休日運休 東名間を94分で結ぶ同区間の歴代最速列車)
  • ひかり
    • 東京駅 - 博多駅間:定期(一部臨時)列車は100 - 129号、臨時列車は189 - 199号
    • 東京駅 - 広島駅間:130 - 144号
    • 東京駅 - 岡山駅間:150 - 175・177号(150・177号のみ東京駅 - 姫路駅間)
    • 名古屋駅 - 博多駅間:180 - 185号(181・182号のみ名古屋駅 - 広島駅間)
    • 東京駅 - 新大阪駅間:定期列車は200 - 273・275号、臨時列車は300・302 - 337・339号
    • 東京駅 - 名古屋駅間:340 - 343号
  • こだま
    • 東京駅 - 新大阪駅間:400 - 430号台(東京駅 - 名古屋駅間不定期列車を含む)
    • 東京駅 - 名古屋駅間:440 - 480号台(東京駅 - 静岡駅・浜松駅間を除く)
    • 東京駅 - 浜松駅間:440・444・483・487号
    • 東京駅 - 静岡駅間:442・446・489号
    • 三島駅 - 新大阪駅間:490・495号
    • 静岡駅 - 岡山駅間:491・492号
    • 静岡駅 - 新大阪駅間:493号
    • 東京駅 - 三島駅間:520 - 528号

2003年10月1日

  • のぞみ
    • 東京駅 - 新大阪駅間:定期列車は100 - 160号台・臨時列車は170 - 250号台
    • 東京駅 - 岡山駅間:70号台(一部100号台)
    • 東京駅 - 広島駅間:40 - 60号台(一部70号台)
    • 東京駅 - 博多駅間:定期列車は1 - 33号・臨時列車は34号と80 - 90号台
    • 名古屋駅 - 博多駅間:名古屋発は39号、博多発は38号
  • ひかり
    • 東京駅 - 新大阪駅間:260 - 290号台
    • 東京駅 - 岡山駅間:300 - 330号台
  • こだま
    • 東京駅 - 新大阪駅間:400 - 430号台
    • 東京駅 - 名古屋駅間:440 - 480号台
    • 三島駅・静岡駅・名古屋駅 - 新大阪駅間:490号台
    • 東京駅 - 静岡駅・浜松駅間:530号台
    • 東京駅 - 三島駅間:600号台

脚注

  1. ^ 日本において、新幹線は標準軌であるのに対し、在来線狭軌である。
  2. ^ 開業時の国鉄総裁は石田禮助であった。
  3. ^ アニュアルレポート2011(輸送サービス) (PDF) - JR東海 (2012年1月7日閲覧)
  4. ^ 会社概要 2011 (PDF) - JR東海 (2012年1月7日閲覧)
  5. ^ 『JTB時刻表』1998年7月号p.967、1999年6月号p.967で確認。1999年6月号には「※6/1からの近郊区間図です。」という注釈とともに1998年7月号にはなかった「※東海道新幹線(東京-熱海間)は含まれません。」の注釈が加わっている。
  6. ^ 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2008年2月号 (Vol.800) p.145「日本の高速鉄道 - その軌跡と今後の展望 -」高津 俊司、土井 充
  7. ^ 東海道新幹線品川新駅設置へ(8.3.25〜) 1996年度運輸白書(国土交通省)。
  8. ^ 神奈川に新幹線の新駅検討 JR東海、リニア開業後 - 共同通信、2010年6月2日。
  9. ^ 本線を高架橋とせず盛り土構造のままとし、新駅の関連部分を高架橋で現行の本線に沿わせる工法。掛川駅がこの方式で建設されたため、一部では掛川方式と言われる。
  10. ^ 木俣政孝「100系New新幹線─設計上の狙い─」『鉄道ファン』285号、1985年。
  11. ^ 【社長会見】東海道・山陽新幹線から来春300系が引退します - 東海旅客鉄道プレスリリース 2011年10月20日
  12. ^ 東海道・山陽新幹線から来春300系が引退します - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2011年10月20日
  13. ^ 新幹線N700系」東海旅客鉄道。
  14. ^ 東海道・山陽新幹線車両 N700Aの概要及び投入計画について (PDF) - 東海旅客鉄道ニュースリリース 2011年5月30日
  15. ^ 例えば冬に関ヶ原付近の降雪によって上り列車が遅れて東京駅に到着した場合も、折り返しの下り列車の使用車両を変更し、座席変更などの手間もなく定刻発車させることが可能である。
  16. ^ 日本の人口が少子高齢化により減少している事や2008年に起きたリーマンショック以降、企業が経費削減の一環として新幹線等の交通機関を使用した出張を大幅に抑制した事により、法人需要がこれ以上の増加が見込まれない為に輸送能力が過剰気味である事を指摘する声も多い。
  17. ^ JR東海は、500系が開発されていた当時から座席定員などの接客設備面を極力300系に合わせるようにJR西日本に注文を入れていた。500系使用の「のぞみ」を急遽(遅延や故障などで)300系や700系に代走させる場合、普通車指定席の乗客のうち 20人(5号車5人、13号車5人、15号車10人)は指定席券に書いてある席がないことになる。また、16号車は12人分の席が空くことになるが、こちらに移しても8人は座れないことになる(代わりに自由席は7席増える)。
  18. ^ 座席定員が統一されたのは1966年(昭和41年)の0系「ひかり」「こだま」編成分離以来実に44年振りとなった。
  19. ^ 車両設備のご案内(東海道・山陽新幹線)
  20. ^ 日本交通公社「新幹線100%ガイド」より。
  21. ^ [1][リンク切れ]
  22. ^ 新横浜駅を通過していた列車が多かったころは、同駅通過の際になされていた。
  23. ^ 2009年12月8日付け日経新聞
  24. ^ 運輸省の官僚として東海道新幹線の建設計画に関わった角本良平(その後に国鉄の新幹線総局営業局長・同監査委員など)も、新幹線開業の半年前にあたる1964年(昭和39年)4月に刊行した著書『東海道新幹線』(中公新書)で、降雪は関ヶ原で付近で見られるが大きな問題ではないと簡略に記述している。
  25. ^ 1983年(昭和58年)12月から1986年(昭和61年)にかけて北陸地方では3年連続での豪雪となったが、国鉄の在来線がほぼ全線で運休した状況でも上越新幹線では定時運行が確保され、新潟県や同県民に新幹線の重要性を改めて認識させた。
  26. ^ 東海道新幹線における地震対策について」東海旅客鉄道、2009年10月21日。
  27. ^ 東海道・山陽新幹線の新型車両「N700系」にインターネット環境」 INTERNET Watch 2006年3月31日
  28. ^ 東海道新幹線の新しいサービスについて 〜N700系 インターネット環境の充実などについて〜」 (Internet Archive) 東海旅客鉄道 2006年6月28日
  29. ^ 「未完の『国鉄改革』」336ページ。
  30. ^ データ一覧
  31. ^ データでみるJR西日本2006 P77西日本旅客鉄道 ]による
  32. ^ 平成17年度 貨物・旅客地域流動の概況 P104-106 (PDF) [リンク切れ]国土交通省統計資料]による
  33. ^ 一方で2009年(平成21年)は静岡沖地震による東名高速道路の路肩や走行車線の崩落による通行止めの影響で一時的であるが新幹線の利用者を増やすこととなった。
  34. ^ 旅客地域流動調査[リンク切れ]より
  35. ^ この点に関し国鉄時代に、実際の距離で計算しないのは不当であるとして、実際の距離で計算した場合との差額の返還を求める民事訴訟が起こされた。詳細は「新幹線運賃差額返還訴訟」を参照。
  36. ^ a b 特定特急券区間
  37. ^ JRの通学定期は大学生(各種学校生を含む)・高校生・中学生・小学生の4種類向けの運賃設定があるが、FREXパルではいずれも同額となっている。
  38. ^ 出典は「京都大学鉄道研究部2004年度研究発表」[2][リンク切れ]
  39. ^ ただし、小田原駅から東京方面への通勤では、普通車全席自由席となっている「こだま」でも着席できない場合があるとされている。出典は「カナロコ」(神奈川新聞)2008年2月1日付記事[3][リンク切れ]
  40. ^ 三島駅に停車し(同駅始発列車を含む)、朝の7時台から9時10分までに東京駅へ到着する「こだま」は1969年(昭和44年)に2本、1989年(平成元年)に5本、1993年(平成5年)に7本、2004年(平成16年)以降現在までは10本(うち4本は土曜・休日運休)。このほか、三島駅は通過するが、浜松・静岡両駅に停車して同時間帯に東京駅へ到着する「ひかり」が現在3本設定されている。
  41. ^ 車軸折れ事故を起こした「ひかり42号」最後尾車両の車軸の不具合は、製造時に研磨加工途中で停電により、表面硬度のための高周波焼入れ時の残留応力が戻ったためとされ、その後、製造時にはX線による非破壊検査が行われることになった。
  42. ^ 谷村康行『非破壊検査 基礎のきそ』 日刊工業新聞社、2011年4月26日初版第1刷発行、117頁、ISBN 9784526066757
  43. ^ 常時、停車するのではなくいずれかの駅が通過するパターンとなっている。
  44. ^ リニア中央新幹線、用地買収がネック――直線ルートが合理的 JR東海会長[リンク切れ] - 日本経済新聞中部経済面2009年8月6日付
  45. ^ 東海道新幹線、時速330キロ運転を検討 JR東海、11年後半にも - 日本経済新聞電子版、2009年12月8日付(Web Archive)
  46. ^ 東海道新幹線、332キロで試験運転 各国関係者にPR - アサヒコム、2009年11月17日
  47. ^ 朝日新聞1964年10月1日付夕刊
  48. ^ 須田寛 編『東海道新幹線 写真・時刻表で見る新幹線の昨日・今日・明日』JTBパブリッシング、2000年、pp.50 - 54頁。ISBN 4-533-03563-9 
  49. ^ 須田寛 編『東海道新幹線 写真・時刻表で見る新幹線の昨日・今日・明日』JTBパブリッシング、2000年、pp.54,55頁。ISBN 4-533-03563-9 
  50. ^ 須田寛 編『東海道新幹線 写真・時刻表で見る新幹線の昨日・今日・明日』JTBパブリッシング、2000年、pp.56, 57頁。ISBN 4-533-03563-9 
  51. ^ 須田寛 編『東海道新幹線 写真・時刻表で見る新幹線の昨日・今日・明日』JTBパブリッシング、2000年、pp.57 - 59頁。ISBN 4-533-03563-9 
  52. ^ 須田寛 編『東海道新幹線 写真・時刻表で見る新幹線の昨日・今日・明日』JTBパブリッシング、2000年、pp.59 - 62頁。ISBN 4-533-03563-9 
  53. ^ 須田寛 編『東海道新幹線 写真・時刻表で見る新幹線の昨日・今日・明日』JTBパブリッシング、2000年、p.62頁。ISBN 4-533-03563-9 
  54. ^ 須田寛 編『東海道新幹線 写真・時刻表で見る新幹線の昨日・今日・明日』JTBパブリッシング、2000年、pp.62,63頁。ISBN 4-533-03563-9 
  55. ^ 須田寛 編『東海道新幹線 写真・時刻表で見る新幹線の昨日・今日・明日』JTBパブリッシング、2000年、pp.70,71頁。ISBN 4-533-03563-9 
  56. ^ 須田寛 編『東海道新幹線 写真・時刻表で見る新幹線の昨日・今日・明日』JTBパブリッシング、2000年、p.71頁。ISBN 4-533-03563-9 

関連項目