要人

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要人(ようじん)とは、社会に重大な影響が及ぶ立場や要職に就いている人物のことである。VIP(ブイ・アイ・ピー[1][2]Very Important Person=非常に重要な人物)とも呼ばれる。

  1. 社会に重大な影響が及ぶ立場や要職に就いている人物(広義)
  2. 1の内、国際関係及び国家的に重要な公人(狭義)

本項では1を踏まえた上で、暫定的に2を詳述する。

日本における要人の車列警護

概説[編集]

要人のみが使える貴賓室(ホセ・マルティ国際空港
国賓等の宿泊接遇する赤坂迎賓館(日本)

特定の職業を意味する概念ではなく相対的な概念あるいは時代と社会に合わせて解釈したものである。現代では、国王大統領首相など元首行政府メンバー、高級官僚高級将校中央銀行総裁、国際機関代表者などが常に該当する。情勢によっては与党党首、反政府組織の代表、有力経済人なども含まれる。

要人とみなされる人物は、攻撃対象とされやすいことから身辺警護が付いたり、その人物の持つ社会的影響を考慮して、一般には行われない接遇がなされることが多い。具体的には、空港や鉄道駅などで一般客と異なる通路を使用したり、要人しか使えない別室(貴賓室)に通され、雑踏から守られる。外交上では元首や首相・大臣・国際機関代表者などは国賓公賓となって相手国から接待されたりする。

国賓[編集]

国賓は海外要人に対する外交慣例上における接遇上の扱いであり、日本の場合、おおむね10年に一度の頻度で当該国からの元首や要人の訪問に際して行われる接遇上の様式である。日本の慣例では、10年以内に国賓として遇された経緯のある対象国や元首に対しては国賓として遇することはなく、公賓ないしは公式実務訪問賓客として扱う。国賓扱いによる接遇はあくまで儀式的なものであり、接遇による差異が訪問者や当該国に対する特段の政治的意味合いを持つ訳ではない[3]

外務省における外国要人の待遇[編集]

日本の外務省における海外要人の待遇は、日本政府が滞在費用(対象者の宿泊滞在・国内移動・通信・警護費用等)を負担する公式訪問と、訪問者がすべての経費を負担する非公式訪問の2つに分かれる。さらに公式訪問の場合は後述する5つに分かれる。

なお、これらの計画、調整は外務省儀典官室が行なっており、その長である儀典長は「首席接伴員」として日程に同行することになっている。

運用[編集]

公式実務訪問賓客から上の接遇方式については種々の事情から2つ重ねて行わないように運用されている。街頭旗、街路旗の掲揚は実務訪問賓客以下については原則として行わないが、運用については外務省判断(大臣了解)事項である[4]

公式実務訪問賓客までは内閣の閣議了解(閣議決定)を要するが、実務訪問賓客・外務省賓客については文字通りの実務的な賓客であり閣議了解は必要でなく、外務省・官邸および関係省庁(宮内庁など)と調整した上で行う[4]


儀礼的要素が強いもの[編集]

国賓[編集]

  • 対象
国王・大統領・国家主席など
  • 宿泊
迎賓館(国内の他の宿泊施設を利用することもある)
  • 歓迎式典お見送り
あり(歓迎式典での儀仗隊栄誉礼および国歌演奏など)
  • 天皇との会見
あり(天皇と皇后)
  • 宮中晩餐会・昼食会
晩餐会による接遇

公賓[編集]

  • 対象
大統領、皇太子、王族、首相副大統領など
  • 宿泊
迎賓館(国内の他の宿泊施設を利用することもある)
  • 歓迎式典
あり
  • 天皇との会見
あり(対象者が配偶者を同伴した場合、皇后も同席する)
  • 宮中晩餐会・昼食会
午餐(昼食会


実務的要素が強いもの[編集]

公式実務訪問賓客[編集]

  • 対象
国賓、公賓対象者で実務的用件での来日の場合
  • 宿泊
ホテルなど(厳重な警備が敷かれる)
  • 歓迎式典
なし
  • 天皇との会見
あり(対象者が配偶者を同伴した場合、皇后も同席する)
  • 宮中晩餐会・昼食会
午餐(昼食会)ただし日程による

実務訪問賓客[編集]

  • 対象
元首、首相、王族など
  • 宿泊
ホテルなど
  • 歓迎式典
なし
  • 天皇との会見
案件による
  • 宮中晩餐会・昼食会
原則としてなし

外務省賓客[編集]

  • 対象
閣僚、主要国際機関の長など
  • 宿泊
ホテル
  • 歓迎式典
なし
  • 天皇との会見
原則としてなし
  • 宮中晩餐会・昼食会
原則としてなし

脚注[編集]

  1. ^ /vɪp/(「ヴィップ」「ビップ」)と発音すると軽蔑的な響きがするため、「ヴィップ」「ビップ」とは読まない。 - プラクティカル ジーニアス英和辞典 ISBN 9784469041682大修館書店) 1695ページ/当該項目より
  2. ^ ウィクショナリー:VIP
  3. ^ 毎日新聞2008年4月30日
  4. ^ a b 天皇陛下の「政治利用」に関する自民党の検証会阿比留瑠比ブログ「国を憂い、われとわが身を甘やかすの記」2009年12月17日)

関連[編集]

外部リンク[編集]